2010年07月18日
週間予報(7月18日)不安定な梅雨明け10日

気象庁17時発表の長野の週間予報。

梅雨明けの発表がありましたから、さすがに太陽マークが目立ちます。
左側の太陽、右側に曇りの「晴れ時々曇り」マーク・・・・晴れ優先のマークが並んでいますが、24日から並びが逆転・・・曇り優先のマークになっています。
信頼度がCですから、確度がやや低い予報ということで、降水の有無の予報が翌日に変わる可能性があるわけですが、それでも週末は晴れマークの勢いが弱まる傾向ということのようです。
向う一週間の天気図。いずれも21時の予想図です。

予報もあわせて書きこんでおきました。
ザクッと見ると、22日までは基本的に太平洋高気圧に覆われて猛暑継続。
23日以降は太平洋高気圧がちょっとずつ弱まる傾向で計算されているようです。
網かけの部分が降水の可能性があるエリア・・・23日以降は青で塗っておきましたが、週の後半から北日本を中心に降水が計算されていて、25日には九州方面でも。
天気マークどおりに考えても良いのか・・・・・・・?
このあたりの理由を、週間天気予報解説資料という気象庁発表のプロ用の資料を抜粋して見てみると・・・・
【】内はKasayanの加筆。
期間中頃の日本付近のリッジが【上空の気圧の尾根】強まりトラフは【上空の気圧の谷】浅まった。【太平洋高気圧のパワー強いということ】
期間前半、本州付近はサブハイ【太平洋高気圧】に広く覆われる。
期間後半は500hPa【上空5800m付近】で-6℃以下の寒気が南下してくる。
また期間を通じて下層の暖湿気【暖かく湿った空気】が関東甲信まで流入し、東・西日本は不安定な状態が続く【雷雲モクモク】。
北日本は前線帯近傍【戻り梅雨の前線】で雲が広がりやすい。

左側の図、週の前半は等高度線(等圧線のと同じ)は、凸傾向ですが、後半は凹傾向。
週の後半、上空の弱い気圧の谷が通過するということですが、この谷が日を追うごとに深い凹になってくると、天気はちょっと悪目になりますから、今度の週末に予定を立てるなら、週間予報からは目が離せないでしょう。
19日12時30分追記:19日朝の計算値では、気圧の谷が深くなる傾向に変化していますが、やや速度が遅くなった感じ。悪化傾向だけど、タイミングが遅いということですね。25日は上空の寒気がピークになりそう・・・不安定もピーク?。日々計算値がかわる微妙な状態なので、週末の計画は木曜日くらいまで待ったほうがよいかも?
また、むこう一週間、地上付近には湿った暖かい空気が流れ込みやすく、週末にかけては上空に寒気が入ってくるようで、気象庁は大気不安定の状態が続くと予想しているようです。
盆地の雷雨は直近の予報で確認しないとどの程度なのかはイマイチわかりませんが、発雷の可能性が高い山では、午後からの雷には特に警戒しておいたほうが良いかもしれません。
日々の予報では、「雷」という文字が目立つことになるかも・・・・・?
20日13時追記:今日(20日)の計算値では、暖湿流の流入が弱まる傾向に変化しています。不安定の程度は低くなる傾向。これ、太平洋高気圧の張り出し、上空の谷の深まりと位置にが微妙に変化するため、暖湿流の流入コースの計算値が日毎に変化しているからです。まだまだ計算値はフラフラしているようですね。
期間の後半、5880mが大陸で南下し南西流場となり暖湿気が流入する予想だったが、今日の資料では大陸での南下はなく暖湿気が入りにくい予想に変わったため、FEFE19での日本付近の降水は表現されていない。今日資料で予報を組み立てる。
ちなみに、週間予報は毎日11時と17時に発表されますから、いくら気になるからといって、週間予報を朝にチェックするのはダメです。
梅雨明けしたら梅雨明け十日の夏山登山シーズンスタート。

今朝、Kasayanの家から北アルプス槍ヶ岳が見え、久々に登りたいという衝動に駆られたので、長野県の週間予報をチェックしちゃいました。

朝の予報ではなかった雷・・・・今日も北部で夕立が発生しています。

菅平方面の雷雲、盆地には影響が少なくてすみそうですが、全県で雷に注意です。
山の雷はホント恐いですね。
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2010年07月18日
天気予報は当たるのか?(7月18日)梅雨明け十日も山は注意

故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。久々の長野の天気に慣れるため、毎朝コツコツ天気予報の修行中。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言

今朝の地球・・・・北海道付近に梅雨前線の名残の雲の帯。
日本付近は太平洋高気圧の晴れのエリアに入ってきました。
昨日、西日本・東日本の広いエリアで梅雨明けの発表がありましたが、各地で夕立が散発。
ゴロゴロの雷雨の後にスカッと晴れた今朝のほうが梅雨明けというイメージにはピッタリだと思いませんか?
特に夕立があったエリアでは・・・・・

連休初日に梅雨明けの発表があれば、さっそく行楽へ・・・という強い期待に後押しされて、早めの梅雨明け発表をしたのかもしれません。
としても・・・・・今日は夕立・・・大丈夫なんでしょうか?
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

今朝は、ちょっと変わったエリア分けをしてみました。
各地の管区気象台(中心になるお役所)が発表している概況文の中に書かれているコトバをピックアップしてあります。
日本各地の天気マークと対応させると、なんでそのマークがついているのか?という理由が見えてきます。
そして、これをひとまとめの文章にすると・・・・あら不思議・・・・お天気キャスターの解説になっちゃいます。
下に掲載した予想天気図のアニメで、これらの概況を図でまとめてみました。
また、予報文に「雷」の文字があるエリアに雷マークをつけておきましたが、今日も夕立が予想されているところが結構多いですよね。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

久々にシンプルな予報文。
「雷」の文字はありません。
じゃあ、夕立はないの?ということになりますが、山の多い長野県・・・・梅雨明け十日は登山客のピークですが、山は別に考えなくちゃなりません。
気温急上昇の長野県・・・上で見た仙台管区気象台の概況には「不安定」と書かれていますし、大阪管区気象台では「上空の寒気」なんてコメントもあります。
詳しくチェックしてみましょう。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

上の全国天気のエリア分けと照らし合わせてみると、わかりやすいと思います。
北と南の天気が悪め・・・・真ん中の関東甲信越付近が「比較的」安定という感じです。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
上のアニメに書き込んだことを、専門天気図で詳しくイメージしてみましょう。

上の図、太平洋高気圧の上空の部分・・・頭・・・が東日本へ。
だから、東日本は比較的安定した晴天になるんですね・・・・もちろん猛暑ですけど。
一方、北海道付近には上空の気圧の谷接近。
本州が梅雨明けしたころ、北海道では一時的に梅雨のような天気になりますが、つい先日まで本州付近にあったこの谷が北海道を通過するようになるからです。
一方下の図、上空の寒気が北日本に残ります。
となると、不安定・・・という文字が浮かんできますよね。
さて、今度は地上付近の暖湿気の様子。

すっかりレギュラーになった相当温位図ですが、湿った空気のメインの流れは北朝鮮方面。
日本付近は緩やかに湿った空気が流れ込むという感じです。
その場所は九州南部や四国南岸。
こっちは、上空の寒気というより、相対的に「湿った空気の影響で」・・・・上で見た概況と同じですね。
ということで、具体的な雨の様子をみていくと・・・・


やっぱり午前中より、午後のほうが夕立の可能性大。
東北方面、あまり降水が計算されていませんが、昨日は計算されていなくても夕立大発生・・・・だから今日は?マークをつけておきました。
そして、長野県付近は、八ヶ岳方面で局地的な雷雨が予想されています。
ちょうどそのあたりで、風が集まったり、八ヶ岳の斜面を風が昇って上昇流が発生・・・というメカニズムなんだと思いますが・・・・
よっと風の向きが変わると、北アルプスをはじめ、他の山々でも夕立の発生が予想されます。
他の資料では、北アや中アなどにも弱い降水が計算されています・・・・ので、梅雨明け十日といいますが、今日の山はちょっと注意モードかもしれません。
今日の天気予報・・・はずれる要素が見つかりませんから、当たるということで良いと思いますが、予報はあくまでエリアの平均的な天気を意味します。
局地的な山の雷雨は別と考えて用心してください。
携帯で使えるオススメレーダー: http://i.river.go.jp/
今晩、時間があったら・・・・時間があったらですが・・・梅雨明け10日の週間予報もチェックしてみたいと思います。
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