2010年07月14日

天気予報は当たるのか?(7月14日)梅雨明け前の雨ピーク


 故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。久々の長野の天気に慣れるため、毎朝コツコツ天気予報の修行中。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?

1、今日の一言

 天気予報番組では、連日「前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込んで」という解説がされていると思いますが、暖かく湿った空気になったつもりで日本列島を眺めてみると・・・・




 どのあたりの山がじゃまになるのか?どのあたりで乾いた空気とぶつかってしまうのか?、どの谷を通過すれば進みやすいのか?がイメージしやすくなります。
 山や乾いた空気にぶつかるところで大雨になりやすいわけですが、乾いた空気とぶつかる九州北部や中国地方西部はすごい雨になってます。
 また、四国から紀伊半島、北アルプスにかけても山がじゃましますけど、やっぱり・・・・




 長野県付近・・・御嶽山では累計の雨量が記録的に増えているようですが、まるで長野県の防波堤の役割を担っているようですね。
 この防波堤が決壊したり、防波堤の役割をしなくなる方向から湿った空気が流れ込むと・・・・これが問題です。

 昨日に引き続き、ニュースの「・・・と気象庁は警戒を呼び掛けています」という項目の原本、気象庁発表の「大雨情報」にリンクを張っておきます。
 予想降水量などは、発表毎に変化しますから、新しい情報で確認してください。
 大雨情報(全国): http://www.jma.go.jp/jp/kishojoho/
 大雨情報(長野): http://www.jma.go.jp/jp/kishojoho/322_index.html

 ところで、昨日の記事に梅雨明け予想の方法と素材へのリンクを書きこんでおきましたから、週末が気になる方は、ご自分で梅雨明け予報にチャレンジしてみてください。
 昨日の記事: http://kasayan.naganoblog.jp/e513252.html

2、全国の予報
 テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。





 梅雨の無い北海道の南部にまで影響を及ぼす梅雨前線と低気圧。
 梅雨末期の天気マークの分布です。

3、長野県の予報
 長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。





 今日は南部「激しく降る」という予報が出ています。
 この言葉は1時間に50~80ミリの予想ということですから・・・警報モードの雨が予想されています。

 また、昨夜の予報よりちょっと悪目になっているようです。
 「夕方まで」が一つの山のようですね。

4、一般的な天気図の評
 どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

 まずは、今朝の実況と今夜の予想図を比較。




 低気圧が津軽海上付近に北上するものの前線の位置はあまり変わりません
 ただ・・・・太平洋高気圧がちょっとだけ西に張り出してきています。
 もうちょっと北へと張り出してくれるなら・・・・・・・・週末3連休に向けてサッサと梅雨明けしてくれるんですけど。

 短期予報解説資料というプロ用の資料に掲載されている天気図もあわせて掲載しておきます。
前線の位置が変わらないよ・・・・ということだけわかればOKです。





5、今日の天気予報は当たるのか?
 100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。


 前線・・・なんでこんなに動かないの?ということですが・・・・




 上空の気圧の谷(赤点線)がほとんど動きません
 ちょうど谷の部分・・・九州北部で大雨になっているわけですね。
 一方、太平洋高気圧も西に張り出そうと頑張っているわけですが、東へ進もうとしている上空の谷と力比べをしていて、状況はストップ状態です。

 そして、上空の谷の東側、日本の南岸付近では南西の強い風が吹いています。
 太平洋高気圧の西の端っこの暖かく湿った空気が流れ込みやすい状態も継続です。




 雨の原料・・・342Kの暖湿流は東北まで流入・・・北海道を除いて大雨の材料はそろっています。
 一方、朝鮮半島付近には雨の原料が少ない空気・・・乾燥しているんですね・・・が南下傾向。
 ぶつかるのがやっぱり九州ですね。

 これ、気象衛星でもよくわかります。




 で・・・・具体的な雨の様子は・・・・・




 東を向いたが日本の上空に居座っているという感じ。
 夜には低気圧の北上とともに東日本方面で若干弱まる傾向がありますけど、湿った空気が流れ込みやすい状態は明日まで続きますから、そう簡単には安心できる状態じゃありません

 東日本付近では・・・・




 とりあえず、計算上は昼前後にピーク
 強い雨が予想されている長野県付近の雨の予想を立体的に見ると・・・・




 ちょっとわかりにくかったかもしれませんが、御嶽山や南ア方面の山中心の雨。
湿った空気が山に向かってゆっくりと上昇していくにつれて帯状の雨のエリアができて、山のあたりで急速の雨雲発達・・・というメカニズムになっているようです。

 今日も大雨モードなので、予報の当たりハズレ云々は自粛しますが、上でリンクした大雨情報のチェックをおすすめしておきます。
 
 当ブログの記事等に関して、ご質問・ご意見等がありましたら、コメント欄だけではなく、以下のアドレスにメールしたいただいても構いません。
  kasayangw@yahoo.co.jp
 可能な限り返信いたします。




  


2010年07月13日

天気予報は当たるのか?(7月13日)梅雨明け予想?


 故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?

1、今日の一言

 まだまだ梅雨前線が停滞、大雨モードの日本付近ですけど、南の海上にはやっと台風2号が発生しました。
かなり遅い2号の発生ですけど、南の海上は遅ればせながら夏の景色になってきました。




 ところで、今週末の3連休を目前にして、梅雨はいつ明けるんだ!!と、イライラしていらっしゃる方も多いでしょう。
 今朝も天気予報やニュースでは大雨の話ばっかりですが、大雨になるのは、太平洋高気圧たちょっとだけ張り出してきて、いったん南下した前線を押し上げるから。
 このまんま高気圧が日本を覆ってしまえば、一気に梅雨明けになるんですけど・・・・・




 昨日の週間予報・・・18日(日)から太陽マークが多くなっていますから、18日(日)あたりに西から順番に梅雨明けかな?なんて思われたかもしれません。
 今のところ、その可能性は高そうですけど・・・・・
12時追記今日の週間予報からしてもその可能性は高くなっています。週間予報の信頼度も高くなっています。ただ、科学的にズバリと言えないものをズバリと言うのは非科学的・・・占いになっちゃうんで、「可能性が高い」という言い方にこだわります。不安定性の雨も無くなる傾向ですが、その程度がイマイチ不安なところ。梅雨明け十日の安定になるのかは????




 梅雨明けの発表は、多少先の予報を考慮して、気象庁が「これならイイんじゃない」という感じで発表するわけですから、普通の予報のような梅雨明け予報なんてありません
 気象庁HPの週間予報のマークの下にはA・B・Cという予報の信頼度が書き込まれています。
 マークと信頼度を眺めつつ、昨日もご紹介した6コマの週間天気図(網かけ部分が雨の降りやすいところ)と見比べながら、明後日あたりまで予報の変化をチェックし、連休の計画を立てるのが吉だと思います。
 6コマの天気図は毎日午前9時頃までには更新されます。

 気象庁週間予報: http://www.jma.go.jp/jp/week/
 週間天気図: http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=fefe19&cat=e3
 平成22年の梅雨入りと梅雨明け(速報値)
   http://www.data.jma.go.jp/fcd/yoho/baiu/sokuhou_baiu.html

2、全国の予報
 テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。





 大雨モードは西日本と東日本
 具体的な降水量や防災上の注意点などは、テレビのニュースで「・・・と気象庁は注意を呼び掛けています」と言っている原稿の原本・・・大雨情報でチェックしてください
 大雨情報(全国): http://www.jma.go.jp/jp/kishojoho/ 

3、長野県の予報
 長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。





 長野県内、予報文に「激しく降る」という文字が出ちゃいました。
 何度も書いていますけど、この文字が使われる降水量は「1時間に30mm以上50mm未満の雨」
 警報が出される可能性が高いという意味です。




 とはいっても、今朝の長野市内・・・朝焼けが綺麗でした。
これから雨・・・とは思えないですよね?
 大雨情報(長野): http://www.jma.go.jp/jp/kishojoho/322_index.html

4、一般的な天気図の評
 どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。




 テレビの解説もほぼ同じじゃないかと思います。

 今日は、「大雨情報」の本文を引用しておくことにします。
梅雨前線は、九州北部から本州の太平洋沿岸に停滞しています。前線は14日にかけてゆっくり北上する見込みです。
 前線付近では、南から暖かく湿った空気が流れ込んでおり、西日本と東日本では、雨雲が発達しやすい状態が続くでしょう。


5、今日の天気予報は当たるのか?
 100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。


 まずは、地上の天気の骨格を作る上空の気圧配置と、地上の天気図を対比しながらチェック。




 昨日と違うのは、上空の天気図にも姿を表している太平洋高気圧が西にはりだしてくるということ。
梅雨前線を北に押し上げますから、下の段・・12時間降水量の多いところ(青エリア)も北上しています。

 また、上空の気圧の谷と対応して、前線上の低気圧が対馬方面へ
上空の谷がほとんど停滞しているので、低気圧の動きも超スロー
 西日本を中心に、同じ場所で強い雨が降り続くことになっちゃいそうです。

 そして、雨の原料・・・暖湿流の様子をチェック。




 今日も342Kという強い暖湿流が東日本の日本海側まで流れ込んでいます。
だから・・・西日本・東日本中心の大雨
 南西の風に乗って雨の原料がやってきますから、南西の風がぶつかる高い山の南西斜面が大雨注意ポイントです。
 昨日の記事で、南西斜面の例を図にして掲載しておいたので、南西斜面ってどういうこと?という方はご覧ください。
 昨日の記事: http://kasayan.naganoblog.jp/e512374.html

 ということで、具体的な雨の様子をアニメで見てみましょう。




 強い雨のエリアが東北南部まで拡大していくのがわかります・・・・移動していく・・・じゃないんですね。
この梅雨一番の大雨になるところも多いと思います。

 長野県内の降りだし・・・今朝の段階ですでに岐阜県付近まで迫っていて、北アルプスや御嶽山の壁をいつ乗り越えるかというレベルですから、予報文どおり、遅くとも「昼前」・・・すなわち午前9時~12時の間には降りだすとイメージしておけば良いと思います。

 例によって、大雨モードですから、予報の当たりハズレ云々は自粛です。


 当ブログの記事等に関して、ご質問・ご意見等がありましたら、
  kasayangw@yahoo.co.jp
までメールしてください。ブログ下のコメント欄もどうぞ。
 可能な限り返信いたします。




  


2010年07月12日

天気予報は当たるのか?(7月12日)梅雨明け前の大雨?


 故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?

1、今日の一言




 これ、おなじみのGoogle earthの地球に、今朝の気象庁HPのレーダー画像と衛星の赤外画像を貼り付けたもの。
日本付近を拡大すると。




 全国的に雨模様
東日本・西日本を中心に強い雨(赤のエリア)の降っている所があります。
 特に強いエリアを、さらに拡大してみると・・・・










 いずれも周辺の地域の中でも高い山の周辺、そおれも南西斜面側で強い雨が降っていることがわかります。
 湿った暖かい空気=雨の原料が南西の風にのって流れ込み、山にぶつかって上昇・・・雨雲が発達するというメカニズムですね。

 今日一日、この傾向が続きますから、強い雨が降りだしたら、特に高めの山の南西斜面・・・注意ポイントになりそうです。

 Google earthはフリーソフトなので、すでにお持ちの方も多いと思いますが、小惑星に行ったあのハヤブサで有名なJAXAのHPで、Google earthをパワーアップできるツール(KMLファイル)が手に入ります。
 興味のある方は是非使ってみてください。
 JAXA : http://www.eorc.jaxa.jp/TRMM/data/trmmxge/google_earth_j.html 

 この機会に、お住まいのエリアの周辺、梅雨末期の大雨の雨の降り方をチェックしておくと、今後の防災に役立つかも?

 加えて、何度もオススメしている国土交通省の新兵器、XバンドMPレーダーはこちらです。
 Xバンドレーダー : http://www.river.go.jp/xbandradar/index.html

2、全国の予報
 テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。





 全国的に大雨モードなんで、エリア分けはしていません。
 当然大雨情報が各地で発表されていますから、最新の情報を以下のURLで確認してみてください。
全国: http://www.jma.go.jp/jp/kishojoho/
長野: http://www.jma.go.jp/jp/kishojoho/322_index.html

3、長野県の予報
 長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。





 予報文に「激しく降る」と書かれている場合、1時間に30mm以上50mm未満の雨が予想されているということ。
 長野県の警報発表基準からすると、警報が発表されてもおかしくない雨ということになります。

4、一般的な天気図の評
 どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。







 予想天気図では、今後の前線の動きが分かりにくいので、短期予報解説資料というプロ用の資料に掲載されている図を使いました。
 前線が南岸まで南下したあと、すくなくとも明日の夜まで停滞する可能性大。
 特に九州方面では、テコの支点のように全く動きませんから、積算の降水量がますます増えるという傾向です。

 また、津軽海峡付近を進む低気圧は、ここにきて急速に発達傾向
南の太平洋高気圧から、湿った暖かい空気を、北海道付近まで吸い上げることになりますから、日本全国雨の原料だらけ・・・ムシムシした雨の降りやすい状態が続きそうです。

5、今日の天気予報は当たるのか?
 100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。


 大雨情報が発表されていますから、今日も天気予報の当たりハズレを云々するのは自粛します。
 とはいっても、テレビの天気予報の解説と同じことを書いていたんじゃ、天気予報ゴッコになっちゃうんで、専門の天気図をできるだけわかりやすく・・・・

 さて、いつものように、地上の気圧配置の骨格・・・上空の天気図を見ると・・・・




 上空の気圧の谷が深まりながら北海道方面へ。
 昨日朝の計算値より深まるとともに、地上の低気圧との対応もよくなり、津軽海峡付近の低気圧は昨日の予想よりずっと発達するという結果になっています。
 このため、上空の気圧の谷の後ろ側には-6℃の寒気がグッと南下、反対に谷の前面には暖かい空気が流れ込み、梅雨前線は停滞前線から、シャープな天気変化をもたらす寒冷前線に姿を変えています(上の実況天気図参照)。

 下の段の地上天気図と降水量の様子をもう少し詳しく見ると、こんな感じ。




 上空1500m付近では南西の風が津軽海峡付近の低気圧に、掃除機のように吸い込まれていくのがわかります。
 また、降水エリアも、北西~西の風と南西の風がぶつかる前線に沿って、非常にシャープになっています。

 南の南西の風に乗ってやってくる湿った暖かい空気=雨の原料の様子を見ると・・・・




 昨日より、ますます強い暖湿流
 前線が停滞する九州方面には特に強い暖湿流が流れ込んでいますから、大雨による災害の危険はとても高まっているといってよいでしょう。

 で・・大雨のエリアが変化する様子をアニメで見ると・・・




 日本列島に沿った、非常にシャープな雨エリアが南岸までゆっくりと南下
 東日本方面では局地的・・・高い山の南西斜面中心に強い降水が計算されていますが、九州表面は強い降水がずっと計算されています。
 そして、今夜以降も継続。

 梅雨末期の豪雨の一つのパターンですが、明日にかけても目をはなせない状態です。

10時追記
 レーダー(http://www.jma.go.jp/jp/radnowc/)を見るとわかるのですが、長野県北部、一時的に雨のエリアに穴?が開きます。北アのブロック効果でしょうね。一時的な晴れ間に安心していると、夕方近くになってやられちゃう可能性があるのでご注意を。不安定な状態ですから、レーダーでチェックなんかもオススメです。





 話は変わりますが、あと一週間で三連休・・・・早めの夏休みをとって、梅雨明け十日を楽しもうとお考えの方もいらっしゃると思いますが、「今朝の段階では」梅雨明けは微妙な感じ・・・・・
 計算は流動的ですから、まだまだあきらめる感じじゃありませんけど、下のURLをクリックすると表示される六コマの天気図の網かけの部分・・・雨のエリアですけど・・・が、今後どう変化するか・・・・気象庁発表の週間予報と比べながら、考えてみてください
 週間天気図: http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=fefe19&cat=e3


 当ブログの記事等に関して、ご質問・ご意見等がありましたら、
  kasayangw@yahoo.co.jp
までメールしてください。ブログ下のコメント欄もどうぞ。
 可能な限り返信いたします。




  


2010年07月11日

天気予報は当たるのか?(7月11日)大雨モード開始


 故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?

1、今日の一言

 昨夜から天気予報番組は”大雨!”モード
どのチャンネルでも、「梅雨末期の豪雨」とか、「これまでの雨で土壌には雨水が」という防災上の話や、「前線に向かって湿った暖かい空気が・・・」という解説が多くになっていると思います。




 今朝の段階では、前線が朝鮮半島南岸付近にあるので、雨雲の中心は日本海の海上中心
 強い雨のエリアがもうちょっと南だったら・・・と思うと、ちょっと幸いという感じ。

 ただ、前線の南側、南西の強い暖湿流(雨の原料)が流れ込んでいるので、この風がぶつかる南岸の高い山を中心に局地的なまとまった雨になっています。




 今日は、九州・四国・紀伊半島中心にでこんな傾向が続きそう。

 気象庁からは、「大雨と雷及び突風に関する全般気象情報 第2号」が発表されています。
 予想降水量だけ抜粋しておきました。
 12日6時までの24時間に予想される雨量は、いずれも多い所で、
  四国地方             200ミリ
  九州北部地方           180ミリ
  九州南部、東海地方        150ミリ
  中国地方、近畿地方、関東甲信地方 120ミリ
  北陸地方、東北地方        100ミリ


 気象庁大雨情報: http://www.jma.go.jp/jp/kishojoho/

 今日は防災モードなので、天気予報の当たりハズレの話は自粛です。

 今夜からは前線が南下開始
 ということは、明日は陸上でまとまった雨
 長野地方気象台は今朝の段階で大雨情報を発表していませんけど、今夜までには発表するかもしれませんから、明日の出勤時間帯に影響する雨・・・今夜の天気予報は必見です。

17時15分追記
 やっぱり大雨情報が発表されました。計算値が計算のたびに変化していますから、悩んだ末の降水量の計算値だと思います。梅雨末期の豪雨はホントに恐ろしいものがありますから、今日日中の雨が天気予報番組から受けたイメージ以下だったとしても、今夜から明日にかけては警戒モードでいたいところです。

大雨に関する長野県気象情報 第1号
平成22年7月11日17時02分 長野地方気象台発表
■見出し
県内では、12日明け方から12日昼過ぎにかけて、南部を中心に激しい雨が降り、大雨となるおそれがあります。土砂災害、低地の浸水、河川の増水に注意して下さい。
■本文
[気象状況]
 梅雨前線が、対馬海峡から山陰沖の低気圧を通って本州の東海上にのびています。低気圧は発達しながら日本海を進み、12日夜には北海道の南海上に達し、低気圧からのびる前線が12日夕方にかけて長野県を通過する見込みです。この低気圧や前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込むため、前線の活動は活発な状態が続くでしょう。
[雨の予想]
 県内では南部を中心に、12日明け方から12日昼過ぎにかけて1時間30ミリの激しい雨が降り、大雨となる見込みです。
 11日18時から12日18時までの24時間に予想される降水量は、いずれも多い所で、
 北部 100ミリ
 中部 140ミリ
 南部 180ミリ

の見込みです。
[防災上の留意事項]
 土砂災害、低地の浸水、河川の増水に注意して下さい。今後、気象台の発表する警報や注意報、気象情報に留意して下さい。
[特記事項]
 次の「大雨に関する長野県気象情報」は、12日06時頃に発表する予定です。


2、全国の予報
 テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。





 西日本中心の雨、夜までには東北まで拡大
 同じ傘マークでも、「のち 雨」とそれ以外で分けるだけで、天気の変化傾向が読みとれます。
 日本海に雨雲の中心があるので、西から下り坂とはいえ、境目の線が斜めになっているんですね。

3、長野県の予報
 長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。





 週末日曜日の天気となれば、雨の降りだしのタイミングが一番気になるところでしょう。

 富山県・岐阜県・愛知県の降りだしは、北から順番降りだすことになっていますが、長野県は、中南部が「昼前から」で北部が「昼過ぎから」ですから、南から順番に降りだす予想になっています。
 なぜ?・・・ですけど、富山県と長野県北部との間には立山や北アという壁があるから。
 計算値も、北アが雨雲をブロックするという予想になっていましたから。予報官もそのように考えたと思うんですが・・・・




 ちょっと思惑がはずれて、北部から雨が降りだしているようです。

4、一般的な天気図の評
 どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。




 今日のアニメ・・・テレビの天気予報とほとんど同じだと思うので・・・・・ちょっと不本意なんですけど、あれこれ書き込んでもわかりにくくなってしまうので・・・・
 一応、前線が南下して、強い雨のエリアが陸上中心になる明日の天気図も入れて差別化してみました。

5、今日の天気予報は当たるのか?
 100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。


 今日は梅雨末期の大雨モード
 一年にわずかの期間しか勉強できないチャンス(失礼)ですから、色々検討して図をとっちらかして、更新も遅れてしまいました。
 ちょっとわかりにくいかもしれませんけど、テレビの天気予報じゃ見られない情報ということで、興味があるところだけでも斜め読みしてください
 テレビの解説の理解が倍増するかも・・・倍増するといいな・・・倍増するかもしれない・・・・

 さて、地上の天気図の骨格にあたる上空の天気図と寒気の様子




 朝鮮半島付近に上空の気圧の谷(赤の点線)がありますけど、動きはすごーくゆっくり
地上の天気の骨格が動いていないので、前線は日本付近に停滞
 また、上空の気圧の谷のやや東側で低気圧が発達する傾向にあるんですけど、日本海を進む低気圧のほうが足早なので、両者の対応が悪く春一番の低気圧みたいには発達しません。

 でも、上空の谷も全く動いていないわけじゃなくて、明日にかけてちょっと深まりながら南東方向へ南下。
 これに対応して、梅雨前線もちょっとだけ南下して、陸上に停滞するようになります。
 ここからが大雨本番といっても良いかもしれません。

 あと、下の段、-9℃の強い寒気は北海道付近まで。
 次第に不安定の原因になる寒気は抜ける傾向ですが、地上付近に暖湿流が流れ込んでいれば、結果的に不安定になりますから、地上付近の暖湿流もチェック。




 昨日は南岸付近にあった342Kという強さの暖湿流(雨の原料)は、一気に日本海まで流れ込んでいます。
 多少寒気が北上傾向でも、昨日よりずっと大気は不安定になりそうです。
 
 そして、暖湿流が行きつく前線付近(点線)部分、上で見た6℃の寒気の位置と対応しているようなので、このあたりで上昇気流が発生して雲がモクモクの可能性が高くなるので、上昇流の計算値を確認。




 赤の部分・・・暖湿流の行きつく先、日本海で強い上昇流が計算されています。
 ということは、このあたりで雨雲大量発生
 もっとも、陸上の赤で印をつけたところも上昇流の極大値・・・こういうところでは、暖湿流が山にぶつかって雷雲が湧く可能性大・・・・紀伊半島なんかはかなり怪しそう。

 で・・・具体的な雨の様子を12時間降水量で。




 今日のところは、日本海の海上中心でホントに良かったね・・という感じですけど、太平洋側の短時間の強い雨はこれだけじゃわからない。




 MSMという計算値の一時間降水量
 もちろん、強い雨は日本海ですけど、太平洋側も所々で強い雨
 上昇流の極大値が計算されていた紀伊半島や九州付近で、強い雨が降ることが予想されています。

 じゃ、長野県付近は?・・・という流れえ、いつものように、具体的な降水のアニメで・・・と思ったのですが、上で見たように、計算値と実況が微妙に違う感じ。
 地形がものすごく影響する降り出しのタイミングですから、誤解を生みやすく、あまり良い資料にならないかもしれないので今日は掲載するのをやめておきます

 長野県付近は昼前後には降りだすという程度に安全マージンをみておいくのがよいと思います。

 そうそう、国土交通省の新型レーダー、XバンドMPレーダー、今日からしばらく役立つかもしれませんよ。
 長野県内はズームできませんけど、お隣の富山方面や愛知県は完ぺきに網羅していますから。

 Xバンドレーダー: http://www.river.go.jp/xbandradar/index.html

 当ブログの記事等に関して、ご質問・ご意見等がありましたら、
  kasayangw@yahoo.co.jp
までメールしてください。ブログ下のコメント欄もどうぞ。
 可能な限り返信いたします。




  


2010年07月10日

天気予報は当たるのか?(7月10日)梅雨の中休み


 故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?

1、今日の一言

 昨夜は、お隣の富山県で、「記録的短時間大雨情報」なんてものが発表されて、午後8時には富山県氷見市付近で約90ミリ「猛烈な雨」が降ったようです。

 天気予報の用語では、
 ※「激しい雨」は1時間に30mm以上50mm未満の雨
 ※「非常に激しい雨」は1時間に50mm以上80mm未満の雨
 ※「猛烈な雨」は1時間に80mm以上の雨

 と決められていて、「猛烈な雨」以上の表現はないですから、トップクラスの雨ということですね。

 さて、下の六コマの天気図は、梅雨明け前のこの先一週間の天気図
 週間予報を作成するために使われる専門天気図の一つで、8日21時の観測値をもとに作られた図なのでちょっと古い情報ですが・・・




 網かけの部分が雨の可能性が高いエリアなんですけど、ずーっと全国的に雨の降りやすい状態が続いていて、梅雨がないといわれている北海道も雨模様。
 梅雨前線の雨・・・梅雨末期の大雨パターンというヤツです。

 今朝もこれと同じ天気図が午前8時頃までには発表されるはずですが、最新の計算値も同じ傾向を示していたら・・・・九州南部を除いて夕立の雨ばっかりだった今年の梅雨の雨が、いよいよ梅雨末期の本格的な梅雨前線の雨に変化する可能性が高くなったといえます。
 これまでは短時間の強い雨に注意・・・でしたけど、来週は強い雨が降り続くことに注意・・・に変化・・・ぜひご自分でチェックしてみてください。
 週間アンサンブル: http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=fefe19&cat=e3

 今日、西日本や東日本は梅雨の中休み・・・「貴重な晴れ間になりそうですっ」・・・・っていうコメントが天気予報番組で乱発されるんだろうなぁ・・・北日本じゃそれどころじゃない所も多いんだけど・・・・
 今朝の雨雲レーダーです。





2、全国の予報
 テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。





 天気変化が大きいと、こうやってエリア分けがしやすくなります。
 昨日も書きましたが、エリア分けをするのは、エリアの境目で予報がはずれやすいので、それをイメージするため。
 各県の細かな天気マークまでチェックしながらエリア分けしたり、予報文や概況を読みながらエリア分けしたり方法は様々ですけど、これ、天気予報の確からしさを把握するおすすめの方法です。
 簡単ですから、レジャーなんかで天気が気になるときには是非試してみてください。

3、長野県の予報
 長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。





 予報文を読んでみると、天気マークのイメージそのまんまですね。
 まさに梅雨の中休み・・・・朝もかなりさわやかです。

 ただ、お隣の新潟県・・傘マークがついています。
 予報文を見ると・・・「くもり 時々 晴れ」ですから、それほどでもない・・・・「明け方まで雨」ですから、傘マークは基本的に朝だけっていうことですね。
 ということは・・・・信濃町や飯山方面が晴れてくるのはちょっと遅めかも

 お隣の県の天気予報もチラッと横目で見るのもオススメです。

4、一般的な天気図の評
 どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。




 前線の動きが微妙な梅雨時・・普通の予想天気図よりこっちのほうが分かりやすくありませんか?
 
 今日はイイとして、今夜以降、赤で塗った低気圧が日本海を進むのがポイント
 「今夜には早くも西から下り坂」・・・というコメントも天気予報でバンバン使われるんでしょうね。
 なんか違う表現をしたいと思うのですが、なかなか・・・です。

5、今日の天気予報は当たるのか?
 100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。


 このブログではすっかり定番になってしまった、上空の天気図と寒気の様子
地上の天気変化の目安になります・・・というのも、低気圧が発達するのかしないのか?の傾向は、この天気図で確認するしかないんですから(地上の予想天気図の計算値だけじゃ怪しいことも・・・)。




 今日は北日本を通過する上空の谷と九州方面に接近する谷にはさまれた西日本・東日本は上空の気圧の尾根の下。
 上空の気圧の谷が地上の低気圧に対応しているように、気圧の尾根は高気圧に対応
 天気の回復は上空の天気図にもはっきりと現れています。
 オマケで曇りのエリアも書き込んでおきましたけど、多少雲は広がるとしても、基本的に晴れですね・・・西日本と東日本は。

 そして、下の段、寒気も北日本へと移動・・・ゲリラ雷雨とかゲリラ豪雨が心配された不安定も解消傾向?

 不安定のもう一つの原因、地上付近の暖湿気の様子もチェックしておきましょう。




 昨日の記事の図も見ていただければ一目瞭然。
 相当温位(雨の原料)がやや多めの黄色のエリアも南岸まで南下。
 夕立の可能性はかなり低くなったといえそうです・・・・寒気が強まる北日本を除いて・・・

 ついでに「早くも下り坂」の明日もチェックしておきますけど・・・・




 いきなり九州方面に強い暖湿流(赤)が入ってきます。
 今夜以降、「湿舌」って言葉も天気予報番組で使われるはずです。

16時15分追記
 大気不安定解消傾向・夕立の可能性は低くなった・・・という点については、訂正します
 日中、気温が上昇したせいで、内陸部で上昇気流発生。そこがヒートローとか熱低気圧と呼ばれる低圧部になって、日本海と太平洋側から風が吹きこんで強い上昇気流に成長。
 内陸部で夕立が発生しています。もちろん、昨日のような激しい雨ではありませんけど、見過ごせない感じまで成長しちゃったので・・・・・





 さて、続いては具体的な雨のエリア・・・に入って行きますが、どうせなら明日の夜まで12時間降水量でザット流れをチェック。




 書きこんだコメントだけで十分だと思いますが、問題は明日の雨
 青で塗ったエリアの中、点線が混雑しているところが降水量が多いところですけど、湿舌がビローン?と西から延びてくる先の九州はかなり多め
 もちろん、大雨警戒モードですが、これが明日以降東に拡大
 長野県だって注意が必要になるかもしれません。

 まあ、先のことは明日の朝にチェックするとして、今日の具体的な雨をチェック。







 新潟県境付近の回復が遅いですね・・・・予報のイメージ以上に。
 ただ夕立らしき雨はなさそうです。

 ということで、今日の予報はまずはずれることはなさそうですが、北部県境付近の回復だけ遅いことは覚えておいてください。
 北部に住んでいるなら、今日は南に遊びにいくほうが吉ですね。

 明日日曜日の天気は、時間があれば・・・・ですけど・・・・今夜追記するなり、記事にするなりしてみます。


 当ブログの記事等に関して、ご質問・ご意見等がありましたら、
  kasayangw@yahoo.co.jp
までメールしてください。ブログ下のコメント欄もどうぞ。
 可能な限り返信いたします。




  


2010年07月09日

天気予報は当たるのか?(7月9日)前線の雨と雷雲の雨

 故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?

1、今日の一言




 昨日の夕立は局地的で、ここ数日の中で一番安定していましたが・・・・今朝は九州南部にものすごく活発な雨雲




 こうやってレーダー画像をgoogle earthに貼り付けてみると、鹿児島県の枕崎付近、山や平地なんか無関係に50ミリを超える非常に激しい雨が降っていることが、よりリアルに伝わってきますよね。

 これ梅雨前線上の低気圧の雨ですけど、低気圧は今夜にかけて紀伊半島まで進みます。
ということは・・・・今日は南岸を中心に下り坂

 ああ・・・週末の天気は?と心配になりますけど・・・今朝の段階では、明日土曜日だけはなんとか晴天で済むところが多いかもしれない・・・・・あくまで今朝の段階では・・・・ですよ・・・・

13時追記
 昨年より45日遅い、平年より4日早い・・・というと、なんじゃ?という感じがしますけど、季節のたより、こんな電文が入ってきました。
 関東甲信地方に「大雨と雷及び突風に関する関東甲信地方気象情報 第1号」が発表されています。

■日時:2010年07月09日
■場所:長野県 長野
■内容:シオカラトンボ初見
■平年比:04日早い
■昨年比:45日遅い

  関東甲信大雨情報http://www.jma.go.jp/jp/kishojoho/103_index.html

2、全国の予報
 テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。





 南岸を低気圧が進むので、南側のエリアは前線の雨。
一方、北側のエリア・・・中部・北陸付近は前線上の低気圧の雨ともいえますけど、昨日南下を始めた強めの寒気の影響による夕立エリア。
 
 こうやってエリア分けしているのは、エリアの境目付近ほど予報がはずれやすい(ズレやすい)傾向があるからなんですけど、長野県北部・・・ちょうど境目。
 梅雨時にはあまり効果が感じられない方法なんですけど、イベントや行楽で天気予報が気になってしょうがないときは、ちょっとおすすめです。

3、長野県の予報
 長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。





 天気予報も予報文も下り坂、中部や北部、雨は「夕方」ですけど、所により発生する雷は「昼過ぎから」
雨より前に、雷が発生するんですね・・・・もちろん、雷雲の下では局地的にザーザーなんでしょうけど。
 不安定エリアと前線のエリアの境目にある長野県の予報は、両方のエリアをミックスしたような予報になっています。

4、一般的な天気図の評
 どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。




 今日も前線の動きが分かりやすいように、短期予報解説資料の図を使いました。

 今朝の段階では、前線上の低気圧の東進に伴い、西日本で梅雨前線が北上傾向
 九州の雨はいったん回復しても明日にはまた雨
 
 一方、東日本方面の前線は南岸に停滞したまんま・・・低気圧さえ通過してしまえば長野県、明日は・・・回復してくる可能性があるんですよね・・・しつこいようですけど、今朝の段階では・・・・
 
5、今日の天気予報は当たるのか?
 100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。


 もうこのブログでは定番になってますけど、地上の天気の骨格・・上空の空模様から。




 今日日中、日本の上空を気圧の谷(線が凹の部分)が通過
 気圧の谷と南岸の前線上の低気圧が対応・・・低気圧が活発になります。

 上空の冷たい風の流れ(青矢印)と暖かい風の流れ(赤矢印)がぶつかるあたりが低気圧。
前線が活発になる理由はここにもあります。

 そして、昨日九州北部や山陰に南下してきた-9℃の強い寒気が日本海沿岸をなめるように東進
これが北日本や北陸中心の不安定エリアの原因です。

 で・・・これまた昨日に引き続き、地上付近の湿った暖かい空気(雨の原料)の様子。




 昨日同様、東日本にはそこそこの暖湿気。
 夕立の少なかった昨日と同程度ですけど、今日は寒気が南下しています。
 相対的に不安定の程度は昨日より増すわけですね。

 一方、九州方面には強い暖湿流が前線上の低気圧の東側を回り込むように流入。
低気圧がやってくる前に、活発な雨雲がやってきそうです。

 ということで、具体的な雨の様子・・・この流れ、もう飽きてきちゃいましたけど・・・・・







 図を見れば、コメントなんかいらないですよね。
 ただ、今朝の段階で(今日はこのフレーズが多すぎですけど)、気象庁がメインに使っているGSMという計算値とMSMという計算値の降水量がちょっと違った傾向を示しています。
 短期予報解説資料を読むと「GSM は降水の集中で発達させすぎと考えられ、最新のMSM を採用して東進を早めて・・・」なんて書かれています。
 計算が不安定なときは安全マージンを多めにとりたいですよね・・・

 今日の予報・・・MSMのアニメの計算値同様、南部では「昼過ぎ」ですから12時過ぎ、中部や北部は「夕方」ですから午後3時以降の雨が予想されています。
 計算値通りの予報ですし、気象庁が採用しなかったGSMモデルでも同様の傾向ですから、これを覆す情報は見当たりません(海外の計算値を除く)。
 予報は当たるとしか言えませんが、雨の降り方や降り出しのタイミングは多少安全マージンをとって、昼過ぎの外出は降られるものだと思っておきたいところです。

 最後に、今朝の段階の(しつこい?)明日の予報、GSMデータに載せておきました。
 今夜の予報でもう一度確認しないと・・・ちょっと不安な感じです。




 ボチボチ梅雨明け予想・・・できそうな雰囲気になってきたので、この週末考えてみようかな・・・・・

 当ブログの記事等に関して、ご質問・ご意見等がありましたら、
  kasayangw@yahoo.co.jp
までメールしてください。ブログ下のコメント欄もどうぞ。
 可能な限り返信いたします。




  


2010年07月08日

天気予報は当たるのか?(7月8日)夏恋し梅雨明け前


 故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?

1、今日の一言

 平年通りなら長野の梅雨明けは20日頃・・・昨年は14日でしたから、昨年並ならあと一週間、平年並でもあと二週間弱で夏がやってくるはずなんですが・・・・

 梅雨寒があまりなく、ムシムシ感の強い今年の梅雨・・・・毎日天気のことばっかり書いていると、暗ーい天気オタクと思われちゃいそうなので・・・・




 これ、昨年春までのKasayanの様子・・・写真はもっと前のものですけど・・・横浜のマリーナでのワンシーン。
小さなヨットですけど、この船で本州を一周回りましたから、暗ーいオタクじゃないことは伝わったかと・・・
 20年以上も前、バブル全盛のころは、大きなヨットのクルーとして外洋レースにも参加。
梅雨明け前の今頃は、会社を休んでヨットレースのために横浜から志摩半島までヨットを回航したりして、ウキウキしていたもんでした。

 海の無い長野にUターンしてほぼ1年になりましたが、映画 「彼女が水着にきがえたら」のワンシーン・・・桑田佳祐の「いつか何処かで」を聞いていたら、、久々に海が恋しくなっちゃいました


 「私をスキーに連れてって」や「波の数だけ抱きしめて」なんかと同じホイチョイプロの三部作の一つ。
 このシーンのエリア、葉山ですけど、Kasayanがヨットを始めた頃、練習に明け暮れていたのはこのあたり。
 この夏、一度訪ねてみようかな?

2、全国の予報
 テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。





 太陽マークがここ数日の中で最も多くなっています。
 ただ気になる予報文の「雷」の文字・・・ザーッとチェックしてみましたが、昨日よりはずっと少なくなっていますが、あることはある・・・
 ただ、マークで「のち雨」を付けているところはほとんどなし。
 とりあえず、マークと予報文だけではこんなエリア分けになりました。

3、長野県の予報
 長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。





 県内の予報文も、南部には「所により」のオマケがなくなって、全県で夕立が予想されていた昨日とは異なり、中部・北部に夕立のエリアは限定されています。
 また、「雷」の文字も無し
 やっぱり不安定の程度は弱まった?

4、一般的な天気図の評
 どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。




 例によって予想天気図を見ただけじゃ????な状態なので、短期予報解説資料というプロ用の資料をそのまま使うことにしました。

 天気予報番組では前線が「南下します」と断定的なコメントが多いんでしょうけど・・・・まあイイかな?という感じ。
 全般に晴れるところは多くなるものの、前線上に低気圧が発生して関東沖に進んでくるので、東日本南岸は夕方以降下り坂です。

 ところで、暖湿流(暖かく湿った空気)というテレビの天気予報でもおなじみになっている言葉が、今朝はこの資料に書かれていません。
 ちょっと弱まっているんですね・・・・流れ込みの量が。
 でも、上空の寒気のことがキチンと書かれていますから、大気不安定は続くとは思いますが・・・・
 どの程度不安定?は下の資料でチェックしましょう。

5、今日の天気予報は当たるのか?
 100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。


 このところ続いているので、まだ続けます・・・地上天気の台本・・・上空5800m付近の様子




 北海道付近、-12℃の寒気のカタマリ・・・寒冷渦が通過するので大気不安定・・・雷モクモクはこの図だけで十分わかります。
 九州方面、-6℃の寒気に続いて-9℃の寒気が今夜にかけて南下してきますから、大気が不安定になることを予感させますが・・・あとは地上付近の暖湿流をチェックして判断。
 で・・中部地方の不安定は?・・・・昨日まで南岸まで南下していた-6℃の寒気がちょっと北上
不安定は解消あるいは弱まるのか??・・・暖湿流も併せて判断です。

 そこで、地上付近の暖湿流の様子をいつものようにチェック。




 昨日までは342K(相当温位といって雨の原料の目安)の暖湿気が内陸部まで入り込んでいましたが、今日12時の段階では336K(黄色)まで弱まっています
 寒気が南下してくる九州方面では、地上付近の暖湿流が特に弱まり330K以下の所も・・・

 寒冷渦が通過する北海道や東北北部、そして寒気が真っ先にやってくる九州北部や山口県付近を除いて、全般に大気不安定の状態はやや解消気味という雰囲気でやっぱりよさそうです。
 SSIという発雷可能性の指数も似たような分布。

 実際雨の計算値はどうなっているかというと・・・・







 昨日の記事に掲載した図と比較していただければ一目瞭然・・・明らかに降水の計算値は少なくなっています
 でも、長野県の夕立がなくなるわけじゃなくて、気温が今年一番になる可能性があるくらい晴れて暑くなりますから・・・暖湿流だけじゃなくて、自力で不安定に
 予報文にあったように、北部中心の夕立になりそうです。

 あと、南岸を進む前線上の低気圧・・・昨日朝の予報では前線上の低気圧の発生をはずしていましたが、今日もあやしい状態
 短期予報解説資料の書き込みにあったように、東海・関東では一応、ゲリラ豪雨の可能性は頭の片隅にいれておきたいところです。

 ということで、前線から離れている長野県に関しては天気予報は当たると思います。
暑くなるので、夏の予行演習したいところですけど・・・・週末じゃない・・・・・
 週末にかけて・・・前線北上傾向・・・いまのところ・・・あーあ

 当ブログの記事等に関して、ご質問・ご意見等がありましたら、
  kasayangw@yahoo.co.jp
までメールしてください。ブログ下のコメント欄もどうぞ。
 可能な限り返信いたします。



  


2010年07月07日

天気予報は当たるのか?(7月7日)今日も夕立七夕雨


 故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?

1、今日の一言




 長野市民なら見慣れた飯綱山や戸隠山・・・おなじみgoogle earthの3D画像に昨夜のレーダー画像を張り付けたものです。
 赤が50ミリ以上の強い雨が観測されているエリア・・・この時間帯は若穂付近ですが、地形と雨の様子が一目でわかります
 最近使い始めたのですが、なかなかイイですね。

 もう一つ、イイものをご紹介。




 これ、普通のレーダーに見えますけど、Xバンドレーダーといって、現在国土交通省が導入試験中の新型レーダー
 従来のレーダーの16倍の精度があって、1分間隔で観測可能。
 昨日から様子を見ていたのですが、大雨のシーズンだからでしょうか・・今朝のNHKラジオニュースで紹介していました。
 残念ながら長野県付近はまだ拡大して使用できないのですが、来るべき冬や来年の梅雨時には威力を発揮してくれそうです。
  URL: http://www.river.go.jp/xbandradar/index.html

 ちなみに、この図は今朝のXバンドレーダーですが、通常のレーダーで長野県上の雨雲はとらえられていませんが、このレーダーでは弱い雨雲がチラホラ見えますよね。

14時30分追記
 前線のキンク前面に流れ込む暖湿流の雨域が関東にかかってきました。
主に伊豆半島方面で強い雨になっていますが、南西風があたる山岳南西斜面中心に雨になっているのがよくわかります。





2、全国の予報
 テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。





 今日はエリア分けしようかな?と思ったのですが・・・九州北部なんかはちょっと落ち着いてきそうなので・・・それでも各地の予報文には「雷」の文字が散在
念のため、エリア分けは止めました。

 昨夜の予報より計算値の雨域が減ったためだと思いますが、晴れマークが増えています
天気予報がコロコロ変わって!!と思う方も多いと思いますが、雨の予測がちょっと減っただけですから、太陽マークが目立つだけで、実質はさほどは違いありません。
 予報の計算値が微妙に変化する状態ですから、安全マージンを大きめにとる必要がある場面です。

3、長野県の予報
 長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。





 県内の天気マークも昨夜の予報とうって変わって太陽マークが目立っていますが、実質は・・・・
予報文にあるように、今日も「昼過ぎ」から雨のオマケがついています。
 午前中、いったん雲が薄くなれば、太陽が顔を出してムシムシ(昨夜の予報より約5℃アップに修正されていますね)になりますが、昨日同様夕立注意です。

4、一般的な天気図の評
 どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。




 基本的には、昨日のアニメと同じです。
 南岸の前線上に、凸部(キンクといいます)がありますが、この部分は低気圧に近い挙動を示します。
この部分が南岸に近づいたり、発達して低気圧になれば、予報より雨が多めになりますが・・・・その活動がとっても微妙な状況です。

5、今日の天気予報は当たるのか?
 100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。


 お約束・・・地上の天気の台本・・上空5800m付近の様子




 上空の谷がピタッと動きを止めています。
 谷に西側には大陸から乾燥した冷たい空気を運ぶ風(青矢印)、東側には太平洋から湿った暖かい空気を運ぶ風(赤矢印)。
 二つの空気がぶつかって梅雨前線があるわけですが、今日は西から乾燥した寒気優勢に(教科書にあるオホーツク海高気圧はないですねぇ)。
 九州北部はこれで少し安定してきそうですが、昨日日本海側付近までしか南下していなかった-6℃の寒気は南岸まで。
 引き続き大気不安定のフォーメーションです。

 次も昨日同様、地上付近の暖湿気の様子




 昨日より342Kという濃い雨の原料はほんの少しだけ南下傾向
 それで予報の天気マークは比較的良い方向に変化しているんだと思いますけど、南下の程度はほんのわずか
 不安定で夕立モードに大きな変化はありません。

 で・・大気不安定で降る雨ですが・・・・
まず、今朝の実況から。




 とりあえず、内陸部の雨は終息傾向ですけど・・・







 上の予想図で見た前線上の凸部(キンク)が南岸を北東進するタイミングで長野県南部の雨拡大
一方、長野県北部は昨日と同様、北ア方面モクモクと雷雲が湧きだしたあと、北信五岳方面や飯山方面へ拡大
 上空に成長する雷雲の腰のあたりを押し流す上空3000m付近の風は南西の風ですから、こんな傾向になるんでしょう。

 というわけで、今日の予報・・・昼前後の晴れ間についてはオマケ程度・・・晴れというより一時的に太陽が顔を出す程度に考えておいたほうが良いでしょう。
 むしろ、天気マークにない雨のほうが重要・・・マークだけ見ていたら失敗するパターンです。
 まあ、当たりでしょうね。

 当ブログの記事等に関して、ご質問・ご意見等がありましたら、
  kasayangw@yahoo.co.jp
までメールしてください。ブログ下のコメント欄もどうぞ。
 可能な限り返信いたします。




  


2010年07月06日

天気予報は当たるのか?(7月6日)北部中心激しい夕立


 故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?

1、今日の一言

 昨日、東京で浸水などが発生するような夕立が発生しました。
 東京方面はまさにゲリラ豪雨という表現がピッタリで、平野を流れる雷雲のゆくえはかなりフラフラ
都市型の気温分布や風の流れも影響して実況重視で直前に対応するという手段に頼らざるをえない傾向にあります。




 一方、長野県は複雑に位置する高い山々の影響で、雷雲の発生も複雑ですが、平野のように雨雲が広い範囲をフラフラということはあまりありませんから、まだまだ都市型の雷雨とは違うようです
 ただ、過去に短時間の大雨が降ったという場所では条件さえ整えば、それと同じか、それ以上の雨が降る可能性は十分にあります。

 今朝は、昨日の夕立からの続きの雨が残っているところが多くなっていますが、昼頃からは北部中心に再び夕立の可能性大・・・・昨日よりも広範囲になるおそれが高くなっています。




 「大雨と雷及び突風に関する長野県気象情報 第1号」も発表されていますから、午前中に用水路や側溝のゴミなどを始末しておいたほうがよさそうです。
 長野県大雨情報:http://www.jma.go.jp/jp/kishojoho/322_index.html

 長野の天気のトレーニング、1年の予定でしたからあと4カ月弱。
今週は、こんな天気が続きますから、長野の夕立・・・たっぷり勉強できそうですけど、災害は・・・ちょっと・・・・

15時20分追記
 昨日は東信中心の夕立でしたが、寒気の影響が強い今日、まずは北ア北部で雷雲発達中。
その他のエリアでの発達の様子はどうなるか?
















17時50分追記
 長野市内でも雨。北信中心の夕立ですけど、愛知・静岡県境付近でも雷雲発生。
 新しい大雨情報も発表されています。





2、全国の予報
 テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。





 エリア分けしていないのは、昨日に引き続き全国的に不安定だから。
 西日本の太陽マークが多くなっていますけど、予報文を読めば「雷」の文字があります。

3、長野県の予報
 長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。





 出ました・・・・先週末の夕立のときと同様、北部には「激しく降る」の文字がついています。
1時間に30mm以上50mm未満の雨が降る可能性があるということですから、警報が発表される可能性も大です。

4、一般的な天気図の評
 どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。




 ひさびさにアニメを作ってみましたけど・・・・・どうもテレビの解説的で・・・・伝えるべき光るものがない・・・というか・・・・8か月ブログを書いていて、まだ発見するものがないというか・・・・
 それはそれとして、今日は昨日と異なって、上空に寒気が入ってくるので、昨日以上に夕立が激しくなるということが伝わればイイです。

5、今日の天気予報は当たるのか?
 100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。


 上のアニメで上空の谷と、寒気の書き込みをしましたから、このところのお約束・・・上空の天気図と寒気の様子から。




 上空の谷が先週同様、1週間ほどかけてゆっくりと東へ進んでいますから、今週の天気図はちょっと見たところでは毎日同じになってしまいます。
 ただ、寒気がこれからグッと南下してきますから、寒気の影響で夕立の可能性は変化します。
 むしろ、この図のほうが大切です。

 上空の寒気をチェックしたので、今度は地上付近の暖湿流=雨の原料の様子




 日本付近、342Kという雨の原料の指標としては大雨があっても不思議じゃないというレベルのものが入り込んでいます。
 南岸にはもっと強い暖湿気がありますから、これがやってくる九州南部・・・そして梅雨末期は大雨が心配ですね。

 で・・・具体的にどのあたりで降るの?という目安になる風の様子
風がぶつかる・合流する・・・になれば、上昇気流が発生して、モクモクと雷雲発生。
 赤の点線付近がメインになりますけど、あくまで目安にしかなりません。




 東西の帯のようになっていますけど・・・・今朝のレーダーを見ても、今日はその傾向が強そうです。




 で・・・一応、具体的な雨のエリア







 時間は午後中心にしてありますから、注意して見てください。
あくまで傾向・・・です。

 大雨情報が発表されていますから、予報の当たりハズレは今日も自粛ですけど、こんなときの予報は、頭上で降らないと「はずれ」という印象を受けることが多いと思います。
 でも、隣町では大当たり・・を通り越して、災害ということもあるわけですから、予報は安全マージンを含んだものとして読むべきだと思うのですが・・・いかがですか?
 反対に今日みたいな日は、はやりのピンポイント予報は危険です。

 今日も時間があれば、昨日同様、レーダーを立体的に加工して追記してみたいと思います。

 当ブログの記事等に関して、ご質問・ご意見等がありましたら、
  kasayangw@yahoo.co.jp
までメールしてください。ブログ下のコメント欄もどうぞ。
 可能な限り返信いたします。




  


2010年07月05日

天気予報は当たるのか?(7月5日)今週も夕立モード?


 故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?

1、今日の一言




 これ、今朝のレーダー画像・・・気象庁HPにある図ですが、MSMという予測の計算値の空気の流れの矢印を重ねてあります。
 どこで空気が集まって上昇流が発生し、雨雲が成長するかがわかります。




 こちらは上のレーダーの図を立体的な衛星の地形写真に張り付けたもの。
山や盆地と雨雲の発達する場所との関係がリアルに見ることができます。




 上の図を日本全体に拡大して、さらに気象衛星の雲画像を張り付けました。

 今週も夕立が多かった先週同様、不安定な空模様が続きそうです。
この図が、雷雲発生の様子を考察するのに役立つとイイのですけれど・・・・・・

13時10分追記
 そろそろ雷雲が湧きはじめました。湧きはじめの段階は風が収束する所がメインのようです。
これから上空3000m付近を南西方向から流れている風に、雷雲がどのように流されるか?新たにどこで雷雲が湧くか?




19時40分追記
 レーダーを見ていると、10分で大きく状況が変化します。ということは、いきなりドバッという可能性がある・・・今流行の言葉「ゲリラ・・・」に近い雷雲ですけど、上空の寒気が弱いので先週末ほどには発達していません。とはいえ、夜遅くまでは可能性十分ありそうです。








2、全国の予報
 テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。





 昨日より太陽マークが増えていますけど、予報文をつまみ読みすると、北海道から九州まで「雷」の文字。
 全国的に不安定モード・・・・昨日と似たような天気で、夕立が各地でありそうです。

3、長野県の予報
 長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。





 予報文を見れば夕立モードが良くわかりますよね。
「所により」のエリアは一番下の降水の図がありますけど、あくまで傾向として見て安全マージンをとるようにしてください。

4、一般的な天気図の評
 どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。







 前線の様子が分かりやすいように、短期予報解説資料というプロ用の資料の図を使いました。
細かい読み方は黄色で書き込みしてあります。
 前線の位置、明日夜までほとんど変わらず
 日本海に風が集まるライン・・・上昇流ができて雨が降りやすい所・・・が東へ進んでくる様子が予想されていますが・・・影響は今夜から明日にかけてですね。

5、今日の天気予報は当たるのか?
 100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。


 お約束・・・地上の天気を悪くする上空の気圧の谷の動きと、不安定をもたらす上空寒気の様子から。




 今夜にかけて谷がやってきて、寒気も南下傾向ですが、影響がでそうなのが今夜以降
 今日日中はとりあえず前線の影響小休止(九州南部や奄美のぞく)。

 次はジメジメ空気・・・雨の原料が地上付近に流れ込む様子




 雨の原料たっぷりのエリアは南海上の前線付近。
とはいえ、日本付近もそれなりに雨の原料の暖湿気が流れ込んでいますから、ちょっと上昇流ができれば雷雲が発生しやすい状態。




 12時の予想ですけど、今日は太平洋側と日本海側双方から流れ込む空気がぶつかる内陸部中心に夕立が発生しそう。
 上で見た上空-6℃の寒気の影響が強い東日本・北日本で活発になりそうです。

 具体的な雨の予想は・・・







 強い雨エリアは南海上ですけど、午後から内陸の山沿い中心の雨
県内は東部中心ではじまりそうですけど、中部北部ではそこそこ広い範囲で夕立が予想されています。

 安全マージンをとると、ちょうど予報文がの言葉がピッタリという感じ。
 今日の予報は当たる・・ということで、夕立に用心しておいてください。

 当ブログの記事等に関して、ご質問・ご意見等がありましたら、
  kasayangw@yahoo.co.jp
までメールしてください。ブログ下のコメント欄もどうぞ。
 可能な限り返信いたします。