2010年04月21日
天気予報は当たるのか?(4月21日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
大陸から日本に向けて南下してくる青いエリア。
今夜は大陸の上・・・・

明日夜には朝鮮半島付近にジワジワと・・・・

明後日夜には日本海側沿岸へググッと・・・・

これ・・・・・上空5500m付近の-27℃以下の寒気。
先週末、驚きの雪を降らせた寒気に近い強さの寒気です。
もっも先週末のように、地上付近にまで強い寒気が南下しているわけじゃないので、再びもっともっと驚きの雪になる可能性はないはずですが、それでも気温が急降下。
昨日、長野では桜・桃に続いて梨の開花が宣言されました。
千曲川の土手は菜の花であふれて桃源郷の雰囲気をかもし出していますが、明後日には再び寒さがやってきます。
いきつ戻りつ暖かさがやってくるといいますが、今年の戻りは大きいですね。
ここ数年、短い春を通過していきなり夏がやってくるという季節変化が目立ちましたが、ゆっくりと春が深まっていくというのも・・・・それほど悪くないように思うのですが・・・いかがですか?
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

ご覧の3つのエリアに分けてみました。
テレビやラジオの天気予報では「一時的な晴れ」とか「貴重な晴れ間」なんてコトバも多く聞かれるかと思いますが、「晴れ」のコメントが似合うのはそれほど広いエリアじゃありません(その意味でも貴重かも)。
西日本は今日すでに下り坂エリアですが、コイツが明日・明後日と日本の天気を悪くするようです。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

県内の天気マークは、左側に雲マークがありますから、曇りベース。
一時的に太陽が顔を出すというイメージです。
で・・・・いつ太陽が顔を出すの?ということで予報文を読むと・・・・中南部は「昼前」、北部は「昼過ぎ」ですから、南部ほど良く晴れるという感じですね。
新潟県は曇りマークですから、お隣の北部はその影響を受けるということでしょう。
北陸は全国天気で見た曇りのエリアですから。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

3つにエリア分けしたそれぞれのエリアの天気の理由を書き込んであります。
北陸や北日本が晴れない理由は寒気の影響とか気圧の谷の影響とかいろいろ説明できますけど、ちょっと強引に西高東低の気圧配置と書いてみました。
冬型と書くには抵抗があるので・・・・西高東低の気圧配置で吹く北西の風と弱い寒気の影響という意味です。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。

今朝の衛星画像に、大ざっぱに低気圧や高気圧、前線の位置を書き込んでみました。
確かに、一時的な貴重な晴れ間が日本上空に来ていることがわかります。
これが今日、明日どう変化するのか?を見てみると・・・・

目立つのは中国からやってくる低気圧。
今日は前線の影響で九州で雨が降り出しますが、明日になると低気圧本体がやってきて、西日本で発達。
東日本も日中下り坂のようです。
まあ、今日の所は県内・・・崩れることはなさそうですね。
次は、南海上にある前線の様子を詳しく見ておきましょう。
コイツが北側に強い影響をもたらせば、高気圧が張り出したからといってスカッと晴れるわけにはいきません。

太い赤の点線が前線の位置、細い線は前線が影響しそうなエリアの北限。
前線の南側の暖かい空気が、細い点線のある地域上空に滑り上がっているというイメージです。
そして、相当温位と呼ばれる等圧線のような線が混雑しているほど上昇する流れが激しいところ。
今日は線があまり混雑していませんから、緩やかに湿った空気が南岸上空にやってきて薄雲が青空を白くするという程度で済みそうです。
もっとも、明日夜になると本州上空は線が大混雑。
湿った空気が日本上空でバンバン上昇して発達した雲を作って・・・・雨・・・・ということになります。
湿った空気が入りやすい西日本南岸では大雨の可能性もありそうです。
さて、大ざっぱなチェックをしたところで・・・・詳しいデータをチェックしてみましょう。

県内は午後晴れという感じですから、午後3時の雲の様子。
下層・・・地上付近の雲は日本を取り巻くようになっていて、日本付近は穴が開いたようになっています。
もっとも上層・・・5000m以上の雲は日本をすっぽりと覆っていて、太平洋側には東西に波打っているような雲があって太平洋沿岸を覆っています。
上空の高いところにある雲のかかり具合で太平洋岸の太陽マークも曇りマーク優先になったりしそうですね。
もちろん、県南部も関係しています。
もう一点、東北日本海側の下層には南北に雲がかかっていますが、次第に弱まる傾向。
県北部・・・午後には晴れてくるという予報にリンクしていますが、南岸の前線とは別の理由でできる上空の高い雲の影響はありそうです。
最後は一応・・・一応ですけど・・・・この時間の降水の様子。

前線と対応して降水エリアが散在。
明日の下り坂をもらたす雨域の本体はまだまだ西にあるようです。
ということで・・・・今日の予報はスカッとした晴れに期待しなければ・・・当たるということになりそうですね。
むしろ、一番上・・・明後日にかけて寒気が南下してきて、気温急降下ということのほうがメッセージ性が強かったかも。
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kasayangw@yahoo.co.jp
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2010年04月20日
天気予報は当たるのか?(4月20日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言

これは今日午前9時の降水の様子と風の方向を矢印で表現したもの。
南風が南アルプスや中央アルプス、そして北アルプスを迂回しながら長野県を通り過ぎてゆき、流れに沿って雨のエリアが北に拡大するという予想になっています。
長野県にはアルプス以外にも八ヶ岳をはじめ、霧ヶ峰や美ヶ原、志賀高原などの高原や北信五岳があって、雨の降りだしのタイミングを複雑にしていて、平野部のように低気圧の進み具合から単純に判断することはできません。
今日も実際は、雨雲が複雑な模様を描きながら県内に広がってゆくのでしょう・・・
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

東北の曇りベースエリアをはさんで二つの傘マークの多いエリアがあります。
今日天気を悪くする原因が二つあるということを想像させますよね。
また、東日本・西日本のエリアの天気マークを見ると、西では「のち くもり」が多く、東では「のち 雨
」。
今日の日中、このエリアを天気を悪くする原因が通過していくということのようです。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

予報文・・・基本的に南部は日中雨、中部や北部も午後には雨になるけれど、北部は早くも夕方に回復、南部も夜には回復。でも、中部は夜も雨が尾を引いてしまいそう・・・というように読めます。
いずれにしても、今日日中は雨だね・・・っていう感じですけど、雨が特に気になる人には言葉やマークだけじゃちょっとわかりにくいですね。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

今日天気を悪くする二つの理由・・・南岸を進む低気圧と北海道を横断する低気圧でした。
ちょうど中間にあたる東北の曇りベースエリアも、曇りだけじゃ済まないで、一時的に雨の可能性は十分にありそうですね。
南岸の低気圧、昨日晴天をもたらした高気圧の西の縁を北上する湿った空気をキャッチして、西日本沿岸を中心に一時的に強い雨を降らせそうです。
この低気圧が東海沖を通過するタイミングで、県南部の雨も強まりますが、いまのところ低気圧の進むコースが東海沖合を離れているようなので、激しい雨にはならないで済みそうです。
・・・今のところですけど・・・・
明日夜の天気図も入れておきましたけど、オマケだと思ってください。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
南岸を低気圧が通過していくので、通過の様子と雨のエリアの変化を大ざっぱにチェック。

午前中は九州・四国の南岸中心にまとまった雨。
夜になると低気圧は東海沖へ。
なお、北海道付近を通過する低気圧の影響はなさそうです。
明日の様子も掲載しましたが、オマケですから明日の天気が気になる方は書き込みを読んでみてください。
で・・雨の量を左右する南から流れ込む雨の原料・・・暖湿流の様子をチェックすると・・・・・

低気圧の東側、進行の前面に特に湿った空気が流れ込んでいます。
この部分が通過するタイミングで南岸各地の雨が強まるんですね。
この部分、相当温位という雨の原料の目安の線がかなり混んでいますから、強い上昇流が発生して、雷雲が発生する可能性も高そうです。
オマケですけど、日本の南岸には明日にかけて強弱あれども前線帯・・・・線が東西に混雑している部分があって、梅雨のようにこの前線帯が南北に振れる具合で日本への影響が変化しそうです。
で・・・・例によって具体的な雨の様子をチェックしてみましょう。
雨の降りだしは・・・・

南部では午前9時前後から。
グズグズに所々で降りだすという感じ・・・アルプスをはじめとする高い山から降り始める程度しか場所は特定できません。

午後は県内全域で雨・・・強い雨はアルプス中心ですね。

夜になると・・・低気圧前面の雨域は東海上へ抜けていきます。
それにつれて、県内の雨も回復傾向。
中部・・それも県東部で雨が尾を引く傾向ですけど、降ったりやんだりしながら、夜には徐々に回復していくというイメージです。
ということで・・・・今日の県内の天気予報・・・・雨の上がるタイミングはあまり気にせずに、遅くとも午後には雨になって、夜になってゆっくり回復程度に安全マージンを取っていればハズレというイメージにはならないでしょう。
明日は一時的に回復で・・・明後日はまた雨・・・・・
ぐずつき気味の天気のように、今日の記事のキレも全くなくて・・・・ごめんなさい。
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2010年04月19日
向う一週間の天気や気温は?
今日は朝から出かけていたので、朝一番の更新ができませんでした。
訪問してくださった方・・・申し訳ありませんでした。
その代りといっては何ですが・・・ゴールデンウィークの連休を前にして週間予報が気になる方も多いこのごろ・・・
さすがに5月の連休の予報は「占い」になってしまうのでコメントできるような代物ではありませんが、野菜高騰がニュースになるようですから、気になる週間天気(このフレーズテレビの天気予報で良く使うんですが、ホントに気になるんだろうか?といつも思っていました)をまとめておくことにしました。
まずは、むこう一週間の天気図から。

業界用語で六コマという週間の天気図ですが、これは午後9時の予想天気図です。
ですから、日中の天気は低気圧や高気圧の位置、黒いハッチ部分(前24時間に降水が予想されるエリア)の位置を若干西寄りにイメージする必要があります。
一番目につくのが低気圧の位置だと思いますが、上段の23日(金)までは低気圧が日本海側を北東に進むとともに、低気圧が抜けても寒冷前線が南下。
長野の天気マークも添付しておきましたが、パッとしないマークが並んでいます。
とはいっても、低気圧が日本海を進んでいるうちは、低気圧が南の暖かい空気を吸い上げますから、気温はそうそう低いという感じにはなりません。
もっとも、週末・・・下段の24日から26日は移動性高気圧がやってきますが、寒冷前線通過後にやってくる高気圧は晴れとともに寒気もつれてきます。
この寒気の様子を上空1500m付近の気温の様子で見ると・・・・・

23日に寒冷前線通過後、一気に0℃のラインが南下していることがわかります。
そして26日、高気圧の中心が東海上に移動し、高気圧の西側の南西風のエリア・・・暖かい空気を南西風が運び込んでくるまで気温はさがったまんまです。
これをグラフで見ると・・・・

グラフがオレンジのエリアにあれば、この季節らしい気温・・・もちろん雨が降れば暖かいまではいきませんけど・・・・の範囲だと思ってください。
22日を境にして一気に気温が下降していることがわかります(館野は関東です)。
ということで・・・・テレビの天気予報では・・・・
「最高気温は、平年並か平年より低く、期間の後半はかなり低い所もある見込みです。最低気温は、期間の前半は平年並か平年より高い見込みですが、期間の後半は平年より低く、かなり低い日があるでしょう。」
・・・なんて、気象庁発表の週間の概況を読み上げるだけの局が多いのですが、大ざっぱにでも天気図を見せたり、グラフを見せたりしてわかりやすい工夫をしてほしいもんです。
と言う私も、現役時代、そんなグラフを作るのはゴールデンウィークや年末年始ぐらいでしたから、デカイことは言えませんけど、気象庁発表のわかりにくい概況を読み上げるのだけでは止めてほしいもんです。
それじゃ解説にならないですから。
明日は、いつものように朝に更新いたします。
2010年04月19日
2010年04月18日
天気予報は当たるのか?(4月18日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
今日の更新がちょっと遅くなったのは日の出前から出かけていたから・・・・

ここ数日間、グライダーで1000キロ以上の長距離フライトをされる方にお天気でお手伝いをしていたのですが、最新の気象情報を持ってお見送りに行ってきました。
(だからこのところ高層の空気の流れについての掲載が多くなっていたわけですが・・・)
霜が降りた放射冷却の寒い朝でしたが、飯綱山や北アルプスが見える快晴の空にグライダーは消えてゆきました。
今日の夕方・・・無事の帰還を祈っています。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

今日の天気、高気圧に覆われて全国的に晴れ・・・という雰囲気の天気予報番組が多かったと思いますけど、東北北部や北海道はぐずつき気味。
大くずれというわけじゃないですけど、曇りベースでにわか雨や雪も・・・・
もっとも東北南部から西のエリアは基本的に日中は晴れ。
こちらは春の行楽日和という言葉がピッタリのお天気です。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

久々です・・・・県内全域太陽マーク一発!
予報文も文句なしの「晴れ」だけ。
もっとも周囲のエリアを見ると「のち 曇り」が多くなっています。
でもご安心あれ・・・「のち」のタイミングを予報文で読むと、夕方以降のところばかりです。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

高気圧がドカン・・・・ですけど、良く見ると北日本では高気圧に向かって等圧線が凹になっているところがあります。
ここが弱い気圧の谷・・・・東北北部以北でぐずつく原因です。
別の図で詳しく見ますけど、このエリアには上空3000m付近の寒気が入っています。
ということは・・・寒気の下では大気不安定。
にわか雨やにわか雪ということになります。
そしてもう一点・・・高気圧はどっしりと腰を据えているのですが、高気圧の後ろの気圧の谷の雲が・・・・上空の薄い雲ですけど・・・午後からゆっくりと東へ進んできます。
上空の薄い雲ですからなかなか曇りのイメージにはなりにくいですが、夕方以降は星空とはいえないところが増えてきそうです。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
こんな状況なんで・・・今日の県内の予報・・・・当たるという前提で検討していきます。

今日のお昼の降水の様子と上空高いところの雲の様子。
北日本のぐずつくエリア・・・東北では日本海側中心で、北海道は道東の一部を除いてそこそこ広くなっています。
まあ長野県には関係なさそうですね。
また、上空の薄い雲は日本海側から流れ込んできます。
こちらも県内には大きな影響はなさそうです。
最後は、寒気の様子。

昼にはもっと上空の含めて寒気の中心は東海上へ抜けています。
明日にかけて上空の気温は暖かくなる一方ですけど、速度はゆっくり。
上の県内の予報には今日の予想最高気温を書いておきましたけど、先日の20℃を超えるような暖かさにはなりません。
県内15℃前後のところが多く、春らしい・・・・という暖かさですね。
ということで・・・今日はこのくらいにしときます・・・・・眠い・・・・・
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2010年04月17日
天気予報は当たるのか?(4月17日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
今朝の長野市内の雪の様子・・・・・


桜が満開になった後の景色じゃないですよね・・・・これ・・・・
雪が積れば「何センチ降った?」が一番気になるところですから、24時間の降雪量。

降った雪の量ですから、現在の積雪とはちょっと違いますけど、アメダスの積雪量を見ると積雪もほぼこれと同じになっているようです。
朝の時点で県内の雪の峠は越えていますけど、関東の遅雪は記録的な遅さでした。
(東京の都心や宇都宮市などでは41年ぶりに雪が降った日の最も遅い記録タイ)
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

雪の中心になった関東甲信地方は回復エリア。
どのマークも「のち 晴れ」マークになっています。
一方、東北方面は関東甲信地方の雪(雨)雲がこれから進むエリア。
予報文をざっと眺めると、たっぷり降るというよりはぐずつくという表現がよさそうです。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

予報文を読む限り、雪だるまマークは朝だけ。
このブログをアップする時間は「のち」のタイミングになっていますから、晴れ間が出てくるのはいつ?のほうが気になる頃です。
晴れているタイミングは結構早いと思いますが・・・・気象庁の時系列予報を見る限りは昼前後。
まあこんなもんでしょう・・・・
(時系列予報:http://www.jma.go.jp/jp/jikei/322.html)
週末ですから、明日の予報も掲載しておきますが、日中は晴れ。
貴重な週末・・・なんとか救われたという感じですね。

4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

雪を降らせた主役の低気圧は南岸の低気圧・・・これは今夜にかけて発達しながら遠ざかって行きます。
また脇役だった日本海の低気圧は弱まりながら秋田県沖へ。
雨や雪のエリアが弱まりながら東北方面へ進む一方、西からは高気圧が張り出して、天気が回復に向かうという流れです。
で・・・・このところの寒さ・・・どうなるか?は別にチェックすることにします。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
今日も地上の天気をコントロールする上空の気圧の谷や流れの様子を見ながら、地上の天気変化をチェックしていきます。
まずは、今日の上空の様子と地上の様子。

必要なことは書き込んでありますが、上空の谷が今日日本上空を通過。
谷の前面(東側)にある地上の低気圧(南岸の低気圧)は、この谷からパワーをもらって東海上で発達。
一方、日本海の低気圧は上空の谷の位置とほぼ同じ・・あまりパワーをもらえずに尻すぼみ。
地上の低気圧が北東に進むに従って、青の点線で示した降水のエリアも北上しつつ東海上へ抜けていきます。
そして・・・明日日曜日。

上空の谷は東海上に抜けて、日本付近は上空の気圧の尾根のエリアへ。
上空の気圧の尾根に対応して地上では移動性高気圧が日本上空にやってきます。
文句なしに晴れということになりそうですね。
で・・・・雪をもたらした季節外れの寒気の様子は・・・・

上空5500m付近の-27℃の寒気はゆっくりと東北北部まで北上。
明日には北海道の東海上に抜けてしまいそうです。
また、上空1500m付近の0℃のラインもゆっくり北上。
寒気の抜け方はスローな感じですけど、晴れ間が出ればさすがに春の日差し・・・・・
関東より西のエリアでは10℃以上になるところが多いようです。
明日はもっと気温上昇ですね。
もちろん、雪の後の晴れ・・・・翌朝は放射冷却で冷え込むのはパターン・・・・明日の長野市の朝は1℃の予想になってます。
ということで・・・大ざっぱなチェックを終えたところで、具体的な降水の様子を確認。

午前9時の段階で降水エリアは長野県から抜けています。
そして午後9時。

夜は東北に弱い降水があるだけで東日本、西日本は完ぺきに高気圧の晴れエリア。
ということで・・・・今日の予報は当たる・・・・でイイですよね?
イイですよね?は、晴れ間が出始めるタイミングをチェックしてないからですけど・・・・
いったん雨や雪が止んだあと、再び降り始める可能性は低いですから・・・これでOKとしましょう。
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2010年04月16日
天気予報は当たるのか?(4月16日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
今朝の菅平は雲に覆われています。

昨日15日の菅平の最高気温はなんと-2.5℃・・・春の真冬日?でした。
そして、最高気温としては全国で最も低く、日本一。

菅平のアメダスを昨年訪ねましたが、菅平の気温は日最低気温も含めて日本一を記録することが多いんですよね。
(菅平アメダスを訪ねたときの記事:http://kasayan.naganoblog.jp/e370385.html)
今夜から明日にかけてはさらに強烈な寒気が南下してきます。
今夜北部では桜の花の上に積雪があるかも?
14時追記
11時過ぎに雪に関する気象情報が発表されています。
雪に関する関東甲信地方気象情報 第1号
平成22年4月16日11時10分 気象庁予報部発表
(見出し)
16日夕方から17日朝にかけて、関東地方の山沿いや関東地方北部の平野部、甲信地方を中心に雪が降り、積雪となる所があるでしょう。雪による交通障害や農作物の管理などに注意して下さい。
(本文)
[気象状況と今後の予想]
関東甲信地方の上空約1500メートル付近には氷点下4度とこの時期としては強い寒気が流れ込んでいます。
17日朝には低気圧が房総半島の南を北東に進むため、16日夕方から17日朝にかけて、関東地方の山沿いや、関東地方北部の平野部、甲信地方を中心に雪が降り、積雪となる所があるでしょう。
また、関東地方南部の平野部でも17日明け方から朝にかけて雪の混じる所があるでしょう。
[降雪の予想]
17日12時までの降雪量は、いずれも多い所で
関東地方北部の山沿い、甲信地方 20センチ
関東地方北部の平野部 5センチ
箱根から多摩西部や秩父地方にかけて 8センチ
の見込みです。
なお、関東地方南部の平野部では積雪とはならない見込みです。
[防災事項]
雪による交通障害や路面凍結、電線や樹木への着雪に注意して下さい。また、農作物の管理にも注意して下さい。
[補足事項]
今後、地元気象台が発表する注意報、気象情報等に留意して下さい。
次の「雪に関する関東甲信地方気象情報」は16日17時頃発表の予定です。
雪に関する長野県気象情報 第1号
平成22年4月16日11時00分 長野地方気象台発表
(見出し)
県内では、中部を中心に、16日夕方から17日朝にかけて断続的に雪が降り、平地でも積雪となるおそれがあります。積雪や路面の凍結による交通障害、電線への着雪に注意して下さい。また、積雪による農作物の被害に注意して下さい。
(本文)
[気象状況]
関東甲信地方の上空約1500メートル付近では気温がマイナス4℃と2月上旬並みの寒気が入っており、17日朝には低気圧が房総半島の南を発達しながら北東に進む見込みです。
このため県内では、16日夕方から標高の高い所では雪となり、16日夜には、中部を中心に平地でも雪となる見込みです。17日朝にかけて平地でも積雪となる所があるでしょう。
[予想降雪量]
17日12時までの24時間の降雪量は、北部と中部の多い所で15センチ、平地でも5センチの見込みです。
[防災事項]
積雪や路面の凍結による交通障害に注意して下さい。
電線や架線、樹木等への着雪に注意して下さい。
積雪による農作物の被害に注意して下さい。
[補足事項]
「雪に関する長野県気象情報」は、状況に特段の変化がない限りこれで終了しますが、今後の気象情報には十分留意願います。
17時追記
着雪注意報が発表されていますから、電車の運行などの情報はチェックしておいたほうが良いかも。
■発表日時
平成22年 4月16日16時32分 長野地方気象台発表
■概要
北部と中部では、16日夜のはじめ頃から17日朝にかけて電線や樹木等への着雪に注意して下さい。また、佐久地域では、17日朝にかけて、濃い霧のため見通しの悪い所があるでしょう。交通機関等は注意して下さい。
■長野地域 [発表]着雪注意報
着雪 16日夜のはじめ頃から17日朝まで
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

九州や東北北部・北海道を”のぞいて”傘マークや雪マークがならんだぐずつきエリア。
ぐずつきエリアのほとんどのマークが雲マークとセットになって「のち」に「雨」や「雪」のマーク。
今朝の段階ですでに雨や雪になっている所も多いですけど、これから雨や雪のエリアが拡大するようです。
コロコロ変わりやすい春の天気といいますけど、なんで寒くてぐずつく天気が続くんでしょう?
これ、チェックポイントですね。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

週末なので、明日の予報文まで書きこんだらちょっとゴチャゴチャしてしまいました。
天気マークを見ると、長野県周辺では「のち 雨」マークが多いですけど、長野県中部や北部では「のち 雪」マーク。
予報文を読むと「のち」のタイミングは「夜」。
南部の予報文も「夜 雨か雪」ですから、雪の可能性は十分にあるようです。
強い寒気の南下が想像できますから、寒気の様子もチェックしないといけませんね。
また寒気が南下しても、何も降らなければ雪になりませんから、降水の様子や降水の原因もチェックポイントです。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

一昨日からアニメ作りがスランプ・・・・どうもわかりにくいアニメになってます・・・ゴメンナサイ。
気圧の谷と南岸の低気圧と前線がワンセットになって東へゆっくりと進むわけですが、今夜になると気圧の谷の中・・・・北陸沖と四国沖の二か所に低気圧が発生。
この二つの低気圧の影響も加わって中部地方や関東地方中心に広く降水が予想される・・・このタイミングで上空に強い寒気が南下してきて・・・降るものは雪になる可能性大・・・・というストーリーです。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
昨日に引き続き上空の流れや上空の気圧の谷の様子・・・・天気の流れを左右する原動力ですからチェックが必要です。

上空の気圧の谷(赤の点線)の東への動きが遅い・・・・これが天気回復が遅れている原因です。
というのも強い寒気の南下に伴って上空の流れが強く蛇行しているので、動きが遅いんですね。
詳しくは図に書き込んでおきましたので、その強い寒気の様子も続けてチェックしてみましょう。

上で見た上空の谷と対応して(谷と似た形をしてますよね)強い寒気が南下してきます。
青で塗った部分は-27℃以下の谷と対応した部分ですが、寒気の中心は-36℃以下。
本当に中心部分がやってきたら真冬でも大雪になっちゃうほどの強い寒気です。
で・・・上空の様子を見たところで、地上ではどうなっているかというと・・・・・

書き込みをたっぷりしておきましたが、上空の谷と地上の低気圧や気圧の谷が対応していて、谷が深まる今夜には地上の気圧の谷の中・・・日本海沿岸と太平洋岸に二つの低気圧が発生します。
この二つの低気圧の影響で、今夜から明日午前中にかけて東日本の12時間降水量が多く計算されている(青く塗った部分)のがわかります。
この降水・・・上空の寒気の影響で・・・・雪になる可能性が大というわけですね。
さて・・・大ざっぱな流れのチェックを終えたので・・・詳しい降水(雪)の様子を見ていきましょう。

日本海と太平洋に低気圧ができるタイミング・・・今夜21時になると中部地方中心に強い降水エリアが出来ているのがわかります。
この降水エリアは明日の午前中もほぼ同じ位置。
すくなくとも明日午前中まで・・・県内の回復はキビシイ感じがしますよね。
次は県内にズーム。

県内・・・今夜にかけてジワジワと降水エリアが南西方向から・・・木曽方面から北部にかけて拡大していくようです。
ベターっと降るというよりは、雨(雪)が降ったりやんだりしながらだんだん強まってくるというイメージでしょうか。
となると・・・今日の天気予報は「夜 雪か雨」となっていますけど、日中もくもりというよりはぐずつくというイメージに近いと思います。
平均的に見ればくもりのイメージかもしれませんけど、雨や雪がないというわけではありません。
「所により雨や雪」と考えておけばハズレとは感じませんが・・・・・こういった場合当たるとかハズレとか言いにくいですね。
曖昧な日本人・・・ほぼ当たり・・・・と言っておきます。
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2010年04月15日
天気予報は当たるのか?(4月15日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
ブログを書きはじめたのが昨年11月。
ず~っと冬型の気圧配置と長野県の天気の関係について考えてきましたが、先月後半から季節の切り替わりの天気変化を考えるようになっています。
いずれにしても、30年住んできた関東地方の天気を中心に見てきたKasayanにとって、長野県の高い山々の影響を詳しく見るのは初めて。

いつもこんな立体図を見ながらアレコレ考えています。
そして、立体図とセットで見ることが多い図がコレ・・・

午前9時の地上の風の流れと気圧配置、そして降水の関係を示したものですが、山々と雨が降るエリアの関係、山々と風の流れる通り道は、長野県が特に複雑です。
これは今朝の図ですが、風の流れと雨のエリアの関係・・・・地形と関連しているのがわかりますか?
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

北日本が中心になった春の冬の嵐(ものすごく変な表現ですね)はひと段落。
一方、西日本・東日本には傘マークが散在しています。
でもよーく見ると、日本海側ほど「のち 晴れ」マークがついています。
ぐずつくけど日本海側からゆっくりと回復してくるようですね。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

全国の天気マークを見た後、県内にズームすると・・・・傘マークばっかり。
もっとも、雲マークとセットの傘マークは右側ですから、基本的に曇りベース。
予報文を読むと、「朝から昼前」が傘マークの出番のようですから、傘マークばっかりの関東甲信越エリアでもゆっくりと回復傾向ということは変わりなさそうですね。
今日の県内のチェックポイントは、午後にはもう雨・・・大丈夫なの?・・・ということでしょう。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

今日のアニメ・・・昨日と比べてうーんと短くなっています。
どうまとめて良いか?案外難しいんですよね・・不満足な出来・・・
コトバで説明したほうが楽というか・・・・・
今日天気を悪くする原因を地上の天気図だけからピックアップすると・・・・高気圧と高気圧にはさまれた気圧の谷と、二つの高気圧の周辺を回る冷たい北よりの風、そしてこの北よりの風が太平洋の暖かい空気とぶつかる前線・・・・という三つが挙げられると思います。
この三つの原因が一番影響するエリアに雨雲が発生するわけですが、今日はこのエリアがゆーっくりと日本の上空から南岸へ南下するという流れです。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
数日前から、高層の天気図を多く掲載するようになりましたが、その理由は天気変化が時間的にもエリア的にも複雑かつ激しい春の天気を、大きな流れでとらえることができるから・・・です。
大きな流れでとらえたあと、必要なエリアを細かく見れば木を見て森を見ないということにならずに済むからですが・・・・・これの考え方・・・・どの季節でも必要ですが、この季節は特にこのような考え方で見ないとわけがわからなくなっちゃいます・・・・
ということで・・・・天気変化を推し進める流れ・・・・上空の空気の流れからチェック。

日本付近・・・ざっくりと見ると全部で3つの強い流れがあるようです。
それぞれ特に風速の強い位置や風向が異なりますが、ここ数日の天気の流れを支配しています。
昨日までの嵐は寒冷渦と津軽海峡付近の流れが原因・・・こちらは一息ついたようです。
一方、今日のぐずつきをもたらしている流れは北陸と南岸を流れる流れが原因。
今夜にかけて流れが南に下がってきて、関東付近で合流してきます。
今日のゆっくりとした回復と関東甲信地方の回復の遅れ・・・関係していそうですよね。
次は・・・風というのは気圧の差が大きいほど(気圧傾度が大きいほど)強く吹くもんですけど、気圧の差がデカイということは、空気の重さが異なるとも言えます。
気温が下がれば空気は縮んで単位体積あたりの重さが重くなり、気温が上がれば膨張して軽くなります。
重くなれば気圧は上がり、軽くなれば気圧は下がり・・・気温のムラによって気圧のムラが出来て・・・・ムラが大きいほど風が強く吹く・・・・・
ということで、気温の分布・・・気温のムラの大きさをチェック。

上層5500m(上の図)から下層1500m(下の図)も同じ形で西日本ほど気温が低くなっています。
上から下まで冷たい空気に覆われているんですね。
上だけ冷たいと大気不安定、下だけ暖かくても大気不安定・・・ですが、今日は上から下まで冷たい・・・ということで、大気不安定ではありませんけど、この寒気が太平洋の暖かい空気とぶつかるエリアで雨雲が発生します。
前線・・・ですけど・・・これが今日広い範囲で雨を降らせるんですね。
で・・・具体的な雨の様子ですけど・・・大きな流れでチェックということですから、1時間ごとの降水量じゃなくて12時間降水量でチェックしてみましょう。

青く塗ったエリアが雨!という感じが特に強いエリアで、点線の内側は曇りベースで時々パラッというイメージ。
雨!という感じが強いエリアが南岸を東へ進むととともに、パラッと感じるぐずつきエリアがゆっくりと南下しています。
これで・・・大きな流れのチェックは終わり。
これまで見てきた大きな流れが全部矛盾なく結びついてます。
上空の流れは等圧線(等高度線)と対応し、上空の等圧線は上空の気温と少しズレながら対応し、上空の流れと気温に地上の前線が対応して・・・・・・
全体のバランスを考えながら・・・地上の天気を理由を付けながらイメージしつつ・・・・
・・・やっといつもの具体的な雨の様子を見てみましょう。

雨のエリアが南下しているのは当然・・・ただ一つ気になるのが関東付近の回復の遅さ。
風の様子を見ると関東は北東の風。
三陸沖の海上の冷たく湿った空気が流れ込むためと考えられます。
このため気温も低め。
そしてようやく長野県付近へズーム。

やっぱり関東だけが回復遅れ気味。
北東の風が茨城付近から関東に流れ込み、長野県や山梨県と関東の境目の山にぶつかるエリアで特に降水が残りやすいようです。
長野県東部もちょっと影響を受けやすいようですね。
で・・・・・・やっと今日の天気予報ですが・・・・もうおわかりだと思いますが、昼前後には雨は上がるけど、県東部ほど回復が遅め・・・ですから・・・・・このあたりを十分把握していれば天気予報は当たる・・・・県東部では回復が遅くハズレと感じる可能性が高そう・・・ということです。
うーん、長すぎる文章になっちゃったなぁ・・・・
【備忘録】

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2010年04月14日
天気予報は当たるのか?(4月14日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言

今朝の長野市内は3℃前後。
昨日朝の予報より2℃ほど高めになっていますが、昨日日中より20℃前後も低くなっています。
市内から見る菅平は、透き通った冬の空気に覆われているようでした。
今夜はグッと冷え込みそうですよ・・・・
昨日に引き続き、今朝も気象庁から「暴風雪と高波に関する全般気象情報」が発表されています。
特に日本海の海上と北海道や東北北部の日本海側を中心とした警戒情報ですが、一部抜粋すると・・・
<暴風>
北日本と北陸では、14日は風が非常に強いでしょう。北海道の日本海側では、海上を中心に15日明け方にかけても風が非常に強い見込みです。また、北日本では強い寒気の影響で雪を伴い、ふぶきとなるところもあるでしょう。
予想される最大風速は、
14日 北日本日本海側 海上25メートル、陸上20メートル
北日本太平洋側 海上25メートル、陸上18メートル
北陸地方 海上20メートル、陸上18メートル
伊豆諸島 20メートル
15日 北海道日本海側 海上20メートル、陸上18メートル
昨日は看板が飛ぶなど様々な災害が発生しているようですから、今朝のニュース項目に入ると思います。

衛星画像やレーダーを見ると、日本海にはいわゆる筋状の雪雲発生。
冬型の気圧配置になって、日本海沿岸では雪や雨になっているようですが・・・・・

市内から見た北アルプス方面・・・青空が広がって、強い西風を想像させる北アルプスからの雲が出来ています。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

冬型の気圧配置ですから、日本海側ぐずつく・太平洋側晴れ・・・の天気分布になっています。
このエリア分け・・・久々ですね。
もっとも、冬型は北日本中心になってきますから、北陸以北の日本海側中心のエリア分けです。
青森には雪だるまが吹き飛ばされそうなマークがついていますが、これは暴風雪のマーク。
4月に入ってこのマークを見るとは思いませんでした。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

県内の天気マークは太陽と雲がセットになっていますけど、曇りのタイミングを予報文で見ると「朝晩」や「夜」ですから、日中は実質的に春の冬晴れ(変な表現ですけど)ですね。
冬型の気圧配置になって長野県全域で良く晴れるときの風向は上空1500m付近で西寄り、3000m以上で真西の風が多いのですが、今日はそのパターン。
北アルプスの南側、御嶽山の北側が風の通り道になって諏訪地方に強風が吹きこむ傾向があるのですが、今日の予報文はまさにその傾向になっています。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

今朝の天気図と今夜の天気図は、ちょっと見ただけではあまり変化がないように見えますけど、北日本の等圧線の間隔が夜にかけてまだまだ混雑してきます。
北日本の風は今夜にかけてまだ強まるっていうことですね。
ただ、昨日の強風は一時的に南東の風でしたけど、今日は冬にありがちな北西の風中心。
慣れているといえば慣れている?風向ですが・・・・・・
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
県内の予報は実質的に晴れの予想になっていますから、ハズレるとしたら「あまり晴れない」という程度のことでしょうから、あまり検討するイミがなさそうですよね?
あとは、傘マークがついていた北陸の雨か雪の影響はあるか?程度のことだと思います。
・・・ということで、今回の急激な天気や気温の変化の原因が昨日からどうなっているか?変化していないか?ということを中心にザクッと検討しておきます。

上空の流れの渦・・・昨日と一昨日、この渦ができる理由を書きましたが・・・今夜にかけて渦が綺麗な?真円状になって、いわゆる寒冷渦と呼ばれる地上から上空までドーム状(筒状)の渦になることがよくわかります。
教科書的にはシビアな気象現象が発生するので注意・・・ということですが、北海道を中心に本当にシビアな天気になっていますよね。
さらに、気温急降下の原因の寒気についても昨日に引き続き追跡。

上空の渦に対応してまだまだ寒気が流れ込み続けます。
特に上空5500m付近の寒気は、流れの渦に対応してトモエの形に渦になっています。
また、特徴的なのは下層の寒気。
地上の気温次第では降るものが雪になる-6℃の寒気がこの時期に山陰まで南下。
今夜はググッと冷え込んできそうですね。
県内の時系列予報を見ると、今夜の気温は今朝より下がってくるようですよ・・・
http://www.jma.go.jp/jp/jikei/322.html
ということで・・・・昨日からの天気の流れの原因に大きな変化はありませんでした。
細かな降水の予測には変化があるにしても、全体の予報の傾向は安定しているようです。
で、最後は一応・・・日本海側の雨や雪の県内への影響を確認しておきます。

図に書き込みをしておきましたが、正午の段階で、北アや新潟県境付近で弱い降水。
このあたりでは午前中中心に雲が多め・・・標高の高いところでは雪がちらつくと思いますが、午後にかけて降水はなくなる計算になっています。
基本的に晴れと思っておいてよさそうです。
今日の予報も当たりますね・・・・きっと。
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2010年04月13日
天気予報は当たるのか?(4月13日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言

いきなり今日の予想最高気温の図ですけど、長野市の予想気温が25℃。
25℃以上の夏日ってやつですね。
そして、明日の予想気温を見ると・・・

長野市で日中11℃ですから今日の半分以下。
朝の気温に至っては1℃ですから、周辺の標高の高いところでは氷点下でしょう。
霜注意報なんかも出るかもしれませんね。
今日のテレビやラジオの天気予報では「気温乱高下」とか「体調管理には・・・」なんてコメントが多いと思いますけど・・・・・
こんなときは天気の急変・・・・嵐の予兆。
ヨットオタクだったKasayanはどうしても荒れる海に頭がいっちゃうんですけど・・・・海の無い長野県の天気予報ってなにか物足りない感じがします。
で・・・海がどれだけ荒れるかといえば・・・気象庁発表の短期予報解説資料によると・・・・
「②波:モデルを基本とするが、風の強まりに対応させ、波の高まりも早める修正必要。また太平洋側でも風吹き抜けやすい所では上方修正を検討。明日までの最大:北海道、東北日本海側7m、北陸6m、東北太平洋側、伊豆諸島、西日本日本海側4m、東・西日本太平洋側、沖縄・奄美3m。」
天気予報が発達していなかった頃なら、天気に急変で、日本海では漁船の遭難が多発したであろうという天気変化です。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

「ぐずつきエリア」という表現はなにか弱い感じがするんですけど、ベタ雨じゃないので、風を除いて考えると「ぐずつく」という表現になっちゃうんですよね。
そのあたりを考慮して見てください。
で・・・・昨日の太平洋側中心の雨から日本海の雨にバトンタッチですから、今日の天気チェックは日本海で起こる現象に着目することになります。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

北部は「南の風 後 北の風」。
そして、県内全域で「夕方から夜のはじめ頃雨」なんて書いてありますから、このタイミングで前線通過かもしれないな?・・・なんて感じがします。
一方、中部や南部は南の風のまんまですから、高い山が多い長野県を前線のしっぽがグズグズに崩れながら通過するときのパターンです。
詳しくは予想天気図で確認してみましょう。
長野ローカルの朝のテレビの天気予報は予想天気図も無しに長野県の地図に天気マークを載せただけのCGを見せて終わりなんですよね・・・
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

今日のアニメはうーんと長くなっちゃいました・・・。
気温の話と前線通過の話、北日本が次第に荒れ模様になる話と日本海側で雨が降る理由、寒気が南下してきて明日は冬型の気圧配置になって寒くなる話・・・・みんな大切な要素なんで・・・・
あっ!日本海で波が急に高くなる理由を書いてなかった・・・・・・低気圧が発達して西風が強まるということですけど、長野県だからイイですよね?
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。

なんで日本海で低気圧が発達するの?という理由は昨日の記事で書きましたので、そちらをご覧いただいたほうが良いのですが、上空に寒気が流れこむとともに、空気の流れの蛇行が大きくなって渦を巻き、地上から上空にかけて筒状の渦ができるから・・・ということです。
これは昨日チェックした図とほとんど変化はありませんから、キチンと?北日本中心に嵐になります。
で・・・寒気の様子を昨日同様にチェック。

上空の寒気は北海道西側に南下して、北海道東側に暖気が北上。
暖かい空気と冷たい空気が混ざろうとしているのがよくわかります。
混ざる力が渦を作るのがよくわかりますよね。
冷たい空気は重いので下へ・・・暖かい空気は軽いので上へ・・・らせんのように空気が混じりあうわけです。
また、下層1500m付近には-6℃の寒気。
この寒気は降るものは雪になるという寒気。
地上がおよそ2℃以下なら雪になりますから、県内でも標高の高いところは要注意。
スタッドレスまだ履いてます?
ということで、予想図のアニメの中の荒れ模様の原因について確認しました。
・・・わざわざこうやって検討するのは地上の天気図の計算値が本当にこれでイイの?ということを確かめるとともに風や雨の計算値が異常じゃないの?、予報の組み立てはOKということも点検しているわけです。
次は、今日の気温上昇について。

関東甲信で気温上昇・・・中部地方は西風・・・・北アルプスや南アルプスの風下側で気温が高いことがわかります。
山越えの気温上昇・・・フェーン現象・・・ということだと思います。
そして最後は具体的な降水の様子。

太平洋側の低気圧の雨域は東へ抜けるものの、日本海の低気圧が発達するとともに寒冷前線の帯状の雨域がしっかりしてきて夕方以降北陸以北の日本海側を南下。

もっとも県内は、北アルプスが前線に吹き込む湿った西風を遮ってほとんど雨はなし。
北アルプス周辺を中心にパラッとある程度だと思います。
予報文の「所により」はこの付近でしょうね。
今日も長くなっちゃいました・・・・・今日の予報?・・・・そりゃ当たるでしょう。
雨が降るエリアは「所により」という表現で、限定してないんですから。
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