2010年04月28日
天気予報は当たるのか?(4月28日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言

今朝のレーダー画像。
東日本、北日本に雨雲がかかっていて、関東付近と東海北陸に強い降水が観測されています。
これが東へ遠ざかれば回復?という感じがしますが、どうなんでしょう?
さて、ゴールデンウィークもスタートラインですが、今日・明日の天気予報は、午前5時、11時、午後5時の発表時間毎にちょっとずつ変わる可能性があります。
というのも、西から天気を変化させる上空の西風の流れが日本付近で大きく蛇行し、この時期としてはかなり冷たい空気のカタマリが上空の流れから切り離され、ふわふわと日本付近を漂っているからです。
このため、天気変化が遅くなって、ちょっとした予測の誤差が目立つ状態なのです。

野球のボールの落下地点はある程度予想できますからキャッチするのも比較的容易ですけど、ふわふわと落ちてくる風船の落下地点をあらかじめ予測してキャッチするのは難しいですよね。
これと同じで、ここ数日は、比較的直前にならないと予報が絞り込めない状態です。
明日の天気が気になる方は、大筋の天気の流れを把握しておいて、一日3回発表される予報をこまめにチェックして、天気変化のタイミングを修正してみてください。
昨日の記事ではGWの天気予報のチェック方法をサイトへのリンクとともにまとめておきましたが、昨日週間予報をチェックしたとしても・・・現在の天気・・・・週間予報のスタートラインがコロコロ変わっているわけですから週間予報だって・・・・・・今月中は、こちらもこまめにチェックしておいたほうがよさそうです。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

上のレーダー画像の雨雲が順調に東へ・・・・抜けないようですね・・・・・
東北や北海道は雨模様エリアですから今日一日雨雲がかかったまんま。
一方、良く晴れそうに見えた西日本・・・九州方面の天気マークは早くも「のち 雨」。
東日本や西日本は一時的に回復するだけで、早くも下り坂ということのようです。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

県内全域「雨 のち 晴れ」マーク。
もちろん、雨が止んだらいきなり晴れるというわけじゃなくて、予報文はキチンと雨→くもり→晴れの順番になっています。
ただ、マークがいきなり太陽マークになっているときは、急速に回復ということのサイン。
雨が止んだら、多少雨のぶり返しはありそうですけど、まあOKという感じですね。
回復のタイミングは下で詳しく見ておきます。
17時40分追記:
やっぱり明日の雨のタイミング、予報が変わりました。
まだまだ変わる可能性がありますから、明日朝の予報もチラッと見るだけの余裕が欲しいところです。
長野県 28日17時
北部
明日 南の風 後 北の風
くもり 後 晴れ 朝 から 昼前 雨
中部
明日 南の風 日中 やや強く
くもり 後 晴れ 朝から 昼前 雨
南部
明日 南の風
くもり 後 晴れ 朝 から 昼前 雨
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

昨日の雨は、ゆっくり東へ進んで今日は関東や北日本中心。
その他のエリアは回復するわけですが、一時的。
早くも西から前線を伴った低気圧がやってくる・・・という流れです。
今日の天気・・・このような一般的な天気図だけではイメージするのが難しいですよね・・・・特に北日本の雨は・・・・
今日は専門天気図のアニメで視覚的に表現するのが一番わかりやすいはずなので、ちょっと気張ってみます。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
天気変化が遅いので、大筋の天気の流れを先に把握しておきましょう。
細かな天気変化のタイミングを11時と17時発表の予報で修正できるようにしておきたいからです。
まず、今日の地上の気圧配置の変化と対応する上空の気圧配置の様子です。

上空には寒冷渦(青塗り)という冷たい空気のカタマリが反時計回りに回転しています。
このカタマリはまんまるではなくて、ひょうたんのような形をしていますが、ひょうたんの先っぽの部分・・・・上空の気圧の谷(矢印の部分)がやってくると地上の低気圧の活動が活発になります。
夜になると朝鮮半島付近に矢印がやってきて、対応する地上の低気圧が発達しながら、日本海へ進んでくるようです。
はやくも西から下り坂ですね。
一方、上空の寒冷渦と対応していない南岸の低気圧は尻すぼみ・・ただ、東北方面は等圧線が混雑して地上付近に強い南風・・・暖かく湿った空気=雨の原料が流れ込みやすい状態・・・大雨注意です。
そして明日。

上空の寒冷渦の矢印の部分、上空の谷が日本海を通過して北海道方面へ。
対応する地上の低気圧は発達しながら、北海道の西へ。
低気圧から南へ伸びる寒冷前線が日本を横断していきます。
このため、今夜から明日日中、西から寒冷前線の雨が通過していくことになります。
全体の流れ・・・・なんとなくわかりました?
上空の冷たい空気の渦・・・寒冷渦の様子がキモですから、上空の寒気の様子をアニメで詳しく見てみましょう。

紫色の-30℃以下の冷たい空気のカタマリが反時計回りにまわっていますよね。
そして、この寒気の東側で低気圧が発達するという位置関係になっています。
冷たい空気がふわふわ浮かんでいるのはすごく不自然なことですから、空気は混ざりあおうとして渦を作ります。
この渦が地上で低気圧を発達させることになるわけです・・寒冷渦のイメージできました?
で・・・・・雨のエリアが東へ抜けるけど、西から寒冷前線がやってくるという今日明日の雨の流れを全部アニメにしてみました。

南北に立った二つの雨の帯が通過していくのがわかりますよね。
二つの帯の間が今日の束の間の晴れ間にあたるのが一目瞭然?ですよね・・・・
さらに、長野県にズームして、今日の回復のタイミングと明日の寒冷前線の雨が通過するタイミングをチェック。

今日午前8時前後に長野県は回復へ。
そして明日午前9時前後に寒冷前線の降水の帯が通過です。
このタイミング・・・ズレそうですから、今夜の予報の確認は欠かせません。
ということで・・・・今日の予報、当たる可能性大ということになるわけですが、お隣の関東地方の回復はちょっと遅め・・・・南からの暖湿流が引き続き入りやすい傾向にあるからですが・・・この影響を受けやすい県東部では回復遅れ気味だったり雨がちょっとだけぶり返す可能性があります。
このあたりちょっとだけ意識しておく必要はありそうです。
繰り返しますが、今日明日は、普通の予報(短期予報)も週間予報もこまめにチェックしたほうがよさそうですよ!
当ブログの記事等に関して、ご質問・ご意見等がありましたら、
kasayangw@yahoo.co.jp
までメールしてください。ブログ下のコメント欄もどうぞ。
可能な限り返信いたします。