2010年04月16日

天気予報は当たるのか?(4月16日)


 故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?

1、今日の一言

 今朝の菅平は雲に覆われています。




 昨日15日菅平の最高気温はなんと-2.5℃・・・春の真冬日?でした。
 そして、最高気温としては全国で最も低く、日本一




 菅平のアメダスを昨年訪ねましたが、菅平の気温は日最低気温も含めて日本一を記録することが多いんですよね。
 (菅平アメダスを訪ねたときの記事:http://kasayan.naganoblog.jp/e370385.html

 今夜から明日にかけてはさらに強烈な寒気が南下してきます。
 今夜北部では桜の花の上に積雪があるかも?

 14時追記
 11時過ぎに雪に関する気象情報が発表されています。

雪に関する関東甲信地方気象情報 第1号
平成22年4月16日11時10分 気象庁予報部発表
(見出し)
16日夕方から17日朝にかけて、関東地方の山沿いや関東地方北部の平野部、甲信地方を中心に雪が降り、積雪となる所があるでしょう。雪による交通障害や農作物の管理などに注意して下さい。
(本文)
[気象状況と今後の予想]
 関東甲信地方の上空約1500メートル付近には氷点下4度とこの時期としては強い寒気が流れ込んでいます。
 17日朝には低気圧が房総半島の南を北東に進むため、16日夕方から17日朝にかけて、関東地方の山沿いや、関東地方北部の平野部、甲信地方を中心に雪が降り、積雪となる所があるでしょう。
 また、関東地方南部の平野部でも17日明け方から朝にかけて雪の混じる所があるでしょう。
[降雪の予想]
 17日12時までの降雪量は、いずれも多い所で
  関東地方北部の山沿い、甲信地方   20センチ
  関東地方北部の平野部         5センチ
  箱根から多摩西部や秩父地方にかけて  8センチ
 の見込みです。
 なお、関東地方南部の平野部では積雪とはならない見込みです。
[防災事項]
 雪による交通障害や路面凍結、電線や樹木への着雪に注意して下さい。また、農作物の管理にも注意して下さい。
[補足事項]
 今後、地元気象台が発表する注意報、気象情報等に留意して下さい。
 次の「雪に関する関東甲信地方気象情報」は16日17時頃発表の予定です。

雪に関する長野県気象情報 第1号
平成22年4月16日11時00分 長野地方気象台発表
(見出し)
県内では、中部を中心に、16日夕方から17日朝にかけて断続的に雪が降り、平地でも積雪となるおそれがあります。積雪や路面の凍結による交通障害、電線への着雪に注意して下さい。また、積雪による農作物の被害に注意して下さい。
(本文)
[気象状況]
 関東甲信地方の上空約1500メートル付近では気温がマイナス4℃と2月上旬並みの寒気が入っており、17日朝には低気圧が房総半島の南を発達しながら北東に進む見込みです。
 このため県内では、16日夕方から標高の高い所では雪となり、16日夜には、中部を中心に平地でも雪となる見込みです。17日朝にかけて平地でも積雪となる所があるでしょう。
[予想降雪量]
 17日12時までの24時間の降雪量は、北部と中部の多い所で15センチ、平地でも5センチの見込みです。
[防災事項]
 積雪や路面の凍結による交通障害に注意して下さい。
 電線や架線、樹木等への着雪に注意して下さい。
 積雪による農作物の被害に注意して下さい。
[補足事項]
 「雪に関する長野県気象情報」は、状況に特段の変化がない限りこれで終了しますが、今後の気象情報には十分留意願います。

 17時追記
 着雪注意報が発表されていますから、電車の運行などの情報はチェックしておいたほうが良いかも。

■発表日時
平成22年 4月16日16時32分 長野地方気象台発表
■概要
北部と中部では、16日夜のはじめ頃から17日朝にかけて電線や樹木等への着雪に注意して下さい。また、佐久地域では、17日朝にかけて、濃い霧のため見通しの悪い所があるでしょう。交通機関等は注意して下さい。
■長野地域 [発表]着雪注意報
 着雪 16日夜のはじめ頃から17日朝まで


2、全国の予報
 テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。





 九州や東北北部・北海道を”のぞいて”傘マークや雪マークがならんだぐずつきエリア
ぐずつきエリアのほとんどのマークが雲マークとセットになって「のち」に「雨」や「雪」のマーク

 今朝の段階ですでに雨や雪になっている所も多いですけど、これから雨や雪のエリアが拡大するようです。
 コロコロ変わりやすい春の天気といいますけど、なんで寒くてぐずつく天気が続くんでしょう?
 これ、チェックポイントですね。

3、長野県の予報
 長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。





 週末なので、明日の予報文まで書きこんだらちょっとゴチャゴチャしてしまいました。

 天気マークを見ると、長野県周辺では「のち 雨」マークが多いですけど、長野県中部や北部では「のち 雪」マーク
 予報文を読むと「のち」のタイミングは「夜」
 南部の予報文も「夜 雨か雪」ですから、雪の可能性は十分にあるようです。

 強い寒気の南下が想像できますから、寒気の様子もチェックしないといけませんね。
 また寒気が南下しても、何も降らなければ雪になりませんから、降水の様子や降水の原因もチェックポイントです。

4、一般的な天気図の評
 どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。




 一昨日からアニメ作りがスランプ・・・・どうもわかりにくいアニメになってます・・・ゴメンナサイ。

 気圧の谷と南岸の低気圧と前線がワンセットになって東へゆっくりと進むわけですが、今夜になると気圧の谷の中・・・・北陸沖と四国沖の二か所に低気圧が発生
 この二つの低気圧の影響も加わって中部地方や関東地方中心に広く降水が予想される・・・このタイミングで上空に強い寒気が南下してきて・・・降るものは雪になる可能性大・・・・というストーリーです。

5、今日の天気予報は当たるのか?
 100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。


 昨日に引き続き上空の流れや上空の気圧の谷の様子・・・・天気の流れを左右する原動力ですからチェックが必要です。




 上空の気圧の谷(赤の点線)の東への動きが遅い・・・・これが天気回復が遅れている原因です。
 というのも強い寒気の南下に伴って上空の流れが強く蛇行しているので、動きが遅いんですね。
 詳しくは図に書き込んでおきましたので、その強い寒気の様子も続けてチェックしてみましょう。




 上で見た上空の谷と対応して(谷と似た形をしてますよね)強い寒気が南下してきます。
 青で塗った部分は-27℃以下の谷と対応した部分ですが、寒気の中心は-36℃以下
 本当に中心部分がやってきたら真冬でも大雪になっちゃうほどの強い寒気です。

 で・・・上空の様子を見たところで、地上ではどうなっているかというと・・・・・




 書き込みをたっぷりしておきましたが、上空の谷と地上の低気圧や気圧の谷が対応していて、谷が深まる今夜には地上の気圧の谷の中・・・日本海沿岸と太平洋岸に二つの低気圧が発生します。
 この二つの低気圧の影響で、今夜から明日午前中にかけて東日本の12時間降水量が多く計算されている(青く塗った部分)のがわかります。
 この降水・・・上空の寒気の影響で・・・・雪になる可能性が大というわけですね。

 さて・・・大ざっぱな流れのチェックを終えたので・・・詳しい降水(雪)の様子を見ていきましょう。




 日本海と太平洋に低気圧ができるタイミング・・・今夜21時になると中部地方中心に強い降水エリアが出来ているのがわかります。
 この降水エリアは明日の午前中もほぼ同じ位置
 すくなくとも明日午前中まで・・・県内の回復はキビシイ感じがしますよね。

 次は県内にズーム。




 県内・・・今夜にかけてジワジワと降水エリアが南西方向から・・・木曽方面から北部にかけて拡大していくようです。
 ベターっと降るというよりは、雨(雪)が降ったりやんだりしながらだんだん強まってくるというイメージでしょうか。

 となると・・・今日の天気予報は「夜 雪か雨」となっていますけど、日中もくもりというよりはぐずつくというイメージに近いと思います。
 平均的に見ればくもりのイメージかもしれませんけど、雨や雪がないというわけではありません。
 「所により雨や雪」と考えておけばハズレとは感じませんが・・・・・こういった場合当たるとかハズレとか言いにくいですね。
 曖昧な日本人・・・ほぼ当たり・・・・と言っておきます。

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