2010年04月12日
天気予報は当たるのか?(4月12日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
今朝の長野市内は断続的な雨・・・・気温は8℃前後で比較的暖かです。

衛星画像とレーダー画像を見ると、北海道や東北北部を除いてベッタリと雨雲に覆われていることがわかります。
また、レーダー画像の黄色と赤いところ・・・九州j南部付近で雨が強く降っていることもわかります。
この雨の強いエリア・・・今夜にかけて東日本へ。
そして、明日から明後日にかけて劇的?に天気が変化しますから、今日のお天気放談は今日の天気に加えて明日夜にかけての天気の流れもチェックをしておきます。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

西日本は「夕方以降回復エリア」・・・夕方=気象用語では午後3時過ぎに回復に向かうようです。
レーダーで見た雨雲は比較的ゆっくりと東へ進むようですね。
このため、北の「晴れベースエリア」以外の「雨エリア」では日中回復は望めないようです。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

「雨エリア」のど真ん中にある長野県は傘マーク一発。
予報文も「雨」だけです。
今日いっぱい回復は望めないようですが、どんな雨になるのか?いつやむのか?はチェックしておきましょう。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

アニメの書き込みだけで今日何が起こっているのか?が、わかると思います。
低気圧に吹き込む暖湿流が、低気圧周辺にとどまらず北日本まで北上しているんですね。
東日本や北日本ははじめシトシトの雨でしょうけど、低気圧が接近するにつれてドッと雨脚が強まってくると思っておいたほうがよさそうです。
明日夜の天気図も入れておきました。
今日の天気図では影もカタチも無かった低気圧が日本海に発生して、北海道の北で猛烈に発達。
いきなり西高東低の冬型の気圧配置になりかけています。
おまけに2月の天気図で見られるような強力な寒気が南下。
明日はまだ暖かい・・・というよりは、今日流れ込む暖湿流が残って気温急上昇ですが、明後日には一気に気温が下降して、なんと北日本日本海側中心に雪が降って吹雪になるところも・・・・
気温乱高下の天気変化ですから明日の暖かさにだまされないでくださいね。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
まず、今日から明日にかけての気圧配置の変化をもうちょっと詳しくチェックしておきます。

今日、南岸を低気圧と前線が進んで雨が降る・・・というのは比較的簡単にわかります。
ただ、今夜日本海に低気圧が発生します。
そして・・明日。

日本海に発生した低気圧が夜にかけて北海道の北に進んで猛烈に発達。
等圧線の間隔が狭くてまるで台風のよう。
気圧配置は西高東低・・・冬型が形成されてきます。
なんでこんなに急激な変化が起こるの?ということですが・・・・
上空5500m付近の天気図にカギがあります。

上空には二つの強い空気の流れがあって、日本の南の強い流れ(水色矢印)に沿って天気が変化します。
そして、人知れず?日本海上空の空気の強い流れの蛇行が強くなっているのがわかります。
さらに・・・・明日。

上空の流れの蛇行がきつくなって、ついには流れから切り離された空気が渦を巻きはじめ、上空に低気圧が発生します。
この渦が今夜以降日本海に発生する地上の低気圧にパワーを与えて、地上にも強い渦・・・低気圧を発達させることになります。
でも・・なんで流れが蛇行して上空から地上付近まで強い渦を作るんでしょうか?

これは、上空5500m付近・・上で見た空気の強い流れと同じ高度の寒気の様子。
-42℃という真冬でも天気予報で「強い寒気」と表現されるような寒気が南下してくるのがわかります。
北極に貯まっていた最後?の寒気が、地球上の気温のムラをなくそうとして放出されているわけです。
そして、寒気のカタマリが漂っているのはとても不自然(不安定)なことですから、地球の空気は空気をかき混ぜて気温を一定にしようとするので、渦ができます。

明日、上空の渦や地上の低気圧ができる場所を中心にして、西側に寒気が南下し、東側に暖気が北上しているのがわかりますよね。
寒気が南下してきて空気の温度に大きなムラができることが、空気の流れの蛇行を強くし、しまいには地上から上空まで巨大な竜巻のような渦ができる・・・というのが今日から明日への天気変化の原因です。
・・・・なんか理科の授業のようになっちゃいましたけど、備忘録を兼ねて書き込みの多い天気図を作ったので、ブログにアップしたかったから・・・・ちょっと複雑でごめんなさい。
さて、明日にかけての天気の流れをチェックしたので、今日に絞ってもう少しチェックしてみましょう。
今日の雨の原因は、南風によって流れ込む暖湿流ということでした・・・ので、暖湿流と雨の関係をチラッと見てみましょう。

低気圧が暖湿流を南から吸い上げる・・・と思いきや、低気圧の東側(前面)にもそれなりに暖湿流が流れ込んでいます。
暖かく湿った空気が前線の前を緩やかに滑り上がって、東北まで雨雲で覆っているようです。
もっとも低気圧付近には強い暖湿流(色の濃いところ)が流れ込みますから強い雨。
特に南風がぶつかる山の南斜面では強い雨。
四国方面などでは気象台が大雨に関する情報を発表して警戒を呼び掛けているほどです。
で・・・・具体的に雨のエリアがどう変化するのか?ですが・・・・

低気圧の東側中心に降水域が広がっています。
低気圧が関東南岸に進む明日朝3時頃に長野県はようやく雨のエリアから抜けるようですね。
そしてもう一点、日本海に低気圧が発生して、日本海に低気圧の降水エリアが拡大しているのがわかります。
・・・・今日はずいぶん長くなっちゃいましたけど・・・・今日の天気予報は当たる・・・というなんともシンプルな結論です。
こうやってチェックしてみると、今日に関してはどう見ても降水のエリアから逃れる要素はないですよね。
長々失礼いたしました!
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2010年04月11日
天気予報は当たるのか?(4月11日超簡易版)
今朝は時間が無いので図だけ掲載しておきます。
長野地方気象台発表の概況には以下のように書かれています。
今日は、朝には寒冷前線が通過するでしょう。
また午後には、日本海に進んで来る高気圧と、日本の南の高気圧に挟まれ、関東甲信地方は気圧の谷となる見込みです。
このため、北部では、曇りで朝晩は雨となるでしょう。
中部と南部では曇りで夕方から次第に雨となる見込みです。
この概況に書かれている気圧配置を実況天気図と予想天気図から読み取っていただければOKです。


具体的な降水の時系列は以下のようになります。

そして予報は・・・・


予報では朝晩雨とか夕方からとか書かれていますが、一日ぐずつくイメージに近いようですね。
2010年04月10日
天気予報は当たるのか?(4月10日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言

薄っすらと朝焼けの見える菅平。
ちょっと肌寒いですが、窓をあけると長野駅付近でもウグイスの鳴き声がビルの間にこだましていました。
ラジオをつけると、山本コータローとウィークエンドの「岬めぐり」がながれてきました。
昨日桜の開花宣言のあった長野市ですが、今年一番春らしい朝を迎えています。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

基本的には全国的に「まだ」晴れ傾向。
「まだ」というのは・・明日はぐずついちゃうからです。
また、「ほぼ晴れ」と書いてあるのは、ピーカンの晴れじゃないから。
どの天気マークも雲マークとセットになっていて・・・・「ほぼ晴れ」というわけです。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

県内の天気マークも雲マークとセット。
雲マークが右側ですから曇りベースということですけど、太陽マークのタイミングを予報文で見ると「朝から昼過ぎ 晴れ」ということですから、実質的には春らしい晴れというところですね。
予想気温もついに長野市で22℃。
昨日まではちょっと風が吹くと、春本番じゃないな・・・・という感じがしましたけど、今日は春を実感できそうです。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

昨日ピーカンの晴れをもたらした高気圧は今夜にかけてずーっと東の海上に去ってしまいます。
でも、高気圧のお尻がデカイ?ので、今日日中は高気圧の影響が残って晴れベースです。
高気圧のお尻には南から湿った空気が流れ込みやすいので、この空気が高気圧のお尻を隠すベールになります。
このため太平洋岸を中心に雲がかかりやすく、昨日のような晴れじゃなくて春の霞がかかったような晴れになるところが多そうですが、長野県は湿った空気の穴になって、午前中は比較的綺麗な空になるかも?
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
とりあえず今日いっぱいは大きく天気を崩すような要因はないので、大ざっぱにチェックしていきます。

上空と地上の天気図に、上空の気圧の谷や尾根、地上の風や12時間に降水量が予想されるエリアを書きこんでみました。
長野県に影響ありそうなのが沿海州に発生する低気圧と低気圧から延びる寒冷前線。
上空の気圧の谷と対応していてやや発達傾向。
寒冷前線に関係する雨が今夜北海道や東北の日本海側で降りそうですが、とりあえず今日いっぱいは県内に影響なし。
もっとも明日朝にかけて前線が通過するタイミングで影響が予想されます。
また、日本付近は高気圧の西の縁を北上する南西風の場になってます。
雨の心配はなさそう・・ということで、曇りの心配は?

ちょっとわかりにくいですけど、図中の縦の線で塗られたエリアのちょっと外側・・・灰色の線で囲んだエリアが曇りと感じられるエリア。
午前中は南の低気圧に近い関東付近で雲が広がりやすく、夜になると前線に近い日本海側に雲が広がってきます。
もっとも曇りと感じられ「にくい」エリアでも湿った空気が流れ込むので雲が広がりやすい状態でしょう。
曇りの心配?も日中はあまりなさそうです。
で・・・・22℃が予想されている長野・・・・暖かい空気の様子は・・・・

夜にかけて暖かい空気が北日本まで北上して0℃の線は北海道の北まで北上。
0℃の線が寒冷前線と対応していて、寒冷前線の北側には弱りかけた冬の寒気があります。
暖かい空気と冷たい空気は混じりあおうとしますが、まじりあって雨になるのが明日ですね。
暖かくなれば必ず反動があります。
ということで、今日も県内の予報がハズレる要素がありません。
今日も天気予報は当たる・・・です。
週末に春を満喫したければ今日ですよ!
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2010年04月09日
長野 桜開花発表
長野地方気象台が、長野市の桜の開花を発表しました。
■日時:2010年04月09日
■場所:長野県 長野
■内容:桜開花
■平年比:05日早い
■昨年比:01日遅い
14時35分の電文ですから、これが一番早い一報だと思います。
17時15分追記
■日時:2010年04月09日
■場所:長野県 長野
■内容:杏満開
■平年比:07日早い
■昨年比:01日遅い
■日時:2010年04月09日
■場所:長野県 長野
■内容:しば発芽
■平年比:01日早い
■昨年比:01日遅い
■日時:2010年04月09日
■場所:長野県 長野
■内容:ヒガンザクラ満開
■平年比:06日早い
■昨年比:同じ
2010年04月09日
天気予報は当たるのか?(4月9日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言

今朝の長野盆地・・上空には青空が広がっていますが、ぼんやりと白い春の空になっています。
今日こそは桜開花宣言???
市内の桜はあちこちで開花していますが、気象台の標準木はかなり頑固なようですね。

今朝の衛星画像と同時刻のレーダー画像。
西日本にはデッカイ雲がかかっていて、九州四国の南岸で雨が降っているようです。
晴れているけどこりゃやばい?・・・なんて感じがしますけど・・・・どうなんでしょう?
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

傘マークは中国四国地方まで。
近畿や東海付近までは「のち くもり」程度で済むようですね。
東日本や北日本には「まずまず」なんてイイカゲンな表現を使っちゃいましたけど、曇りベースもあれば晴れベースもあるけど、基本的には晴れと感じそうなエリアということです。
「まずまず」という表現・・・・お天気キャスターも結構使っていたりしますけど、そんなときは様々な天気傾向はあるけど・・・・「まずまず」という意味合いが多いです。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

北部中部は「のち くもり」マークですけど、曇るのは「夜」。
まあ実質的には晴れということですね。
南部も「朝晩くもり」ですから、こちらも晴れといってよいでしょう。
気温も書き込んでおきましたが、なんと北部ほど気温上昇。
風の予報を見ると県内全域南風。
南風が南ア・中アや霧ヶ峰・美ヶ原を乗り越えて北部に流れ込む間にフェーン現象が発生して気温上昇ということだと思います。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

高気圧の西の縁を北上する暖湿流がポイント。
高気圧の中心が東へ遠ざかるにつれて、九州~日本海経由北陸行きの暖湿流が強くなり、南岸よりかえって北陸で気温が上昇。
湿った空気が直接ぶつかる西日本付近で雨ということですね。
きょういっぱい高気圧が踏ん張ってくれるので近畿以北は雨の心配はなさそうです。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
まずは、ポイントの暖湿流の様子をチェックしておきましょう。

今朝の段階で西日本南岸付近まで北上していた暖湿流が、夜になると日本海を経て回り込むように北陸まで流れ込んでいます。
高気圧の縁をまわる南風に運ばれるため、こんな面白いカタチになるんですね。
で・・・・この湿った空気に伴う具体的な雨の様子は・・・・

西日本南岸の雨は山陰付近まで北上しますが、東日本方面は高気圧がまだまだ頑張っているので東には拡大しません。
東日本・北日本では今日雨の心配はないといってよいですね。
じゃ・・・衛星画像で見た西日本を覆っていたデカイ雲はなんなのよ?ということですが・・・・

昼12時の雲の様子ですが・・・下層の雨を降らせる雲は西日本中心。
中層の雲が近畿付近まで拡大してくるものの、東日本や北日本は高いところの雨を降らせない雲に覆われるという構成になっています。
この上層の雲・・・これが衛星画像でデッカク写っていた雲ですが、春らしい白っぽい青空のモト。
この晴天・・・週末まで続くのか?が気になります・・・けど・・・それは時間があれば今晩あたりに考えてみたいと思います。
ということで・・・今日の天気予報・・・県内の天気を悪化させるとしたら湿った空気の影響が思いのほか強い場合だと思いますが、そこまで考えていたら単なる神経質の天気オタクになっちゃいますから、今日の天気予報は当たる!・・・・です。
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2010年04月08日
天気予報は当たるのか?(4月8日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言

今朝の長野市内から北アルプスが良く見えています。
長野市周辺の1000m以上の山々の山頂は薄っすらと白くなっていて、4月の雪があったことを教えてくれています。
県内各地は氷点下の朝。
もっとも、昨日とは異なり、日中は10℃以上になって・・・いよいよ長野でも桜開花宣言???
発表されるとしたら・・・11時前くらいですね。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

昨年11月にブログを書きはじめて「全国的に晴れ」といってエリア分けをしなかったのは1~2回ほど。
これからの季節、もう少し回数が増えるはずですけど、気持ちがいいもんですね。
細かく見れば、「のち くもり」のマークもありますけど、「のち」のタイミングは夜なのでこれでOKでしょう。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

県内も日中はほぼ晴れと言ってよいでしょう。
南部だけ北の風「のち 南の風」になっています。
風がかわる場合はなにかが起こることが多いので、一応・・本当に一応・・・問題がないか?チェックしておきます。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

高気圧に覆われて・・・・・だけでOKですよね?
関東の一部で「のち くもり」マークがついていましたが、これ、高気圧の中心が三陸沖に抜けて東風になる影響。
三陸沖の冷たく湿った空気が鹿島灘方面から流れ込んで、この空気がぶつかる関東周辺の山で雲が発生しやすい・・・というものです。
この湿った空気の流れ、県南部への影響は?
上で見た南部の「のち 南風」・・・アラ探しみたいでイヤですけど・・・今日はほかにチェック項目がないので・・・・一応・・・チェックの対象にしておくことにします。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。

地上付近の空気の流れと下層雲(紫)と降水(青)の計算値・・夕方6時のものです。
関東付近は東よりの風が吹きこんでいて、この風が行きつく山で下層雲ができていることがわかります。
中でも特に高い南アルプス方面ではハッキリと雲の発生が計算されていて、弱い降水の可能性も示されています。
この雲は山によって空気が持ちあげられてできる雲で、風下の長野県内には影響がなさそうです。
風が南に回って伊那盆地や木曽谷を北上するようですけど、特に問題はなさそうです。
・・・一応・・・チェックしました。
流れ込む冷たく湿った空気の様子は・・・・

上空の寒気は今夜東海上に離れていきますが、下層の寒気はしぶとく関東以北に残っています。
この冷たい空気が東風で流れ込むというわけですね。

ついでに全国の降水の様子・・・ですけど・・・・昼の段階でこんな状態ですから、基本的に雨の心配はないでしょうね。
上空から下層までの雲量の計算値も見てみましたが、同じような状態。
ということで・・・・今日の天気予報はハズレる要素がほとんど見当たりません。
今日の予報はガチンコということでOKでしょう。
県内の山岳地形による一部雲の発生まではわかりませんけど・・・・
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2010年04月07日
天気予報は当たるのか?(4月7日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言

雨の朝・・すでに上がったところも多いと思いますが、南部中心に雨が残っています。
昨日の記事にも書きましたが、夜遅くから寒冷前線が南下・・・・朝のうちに南岸へ抜けるようです。

寒冷前線が通過すれば・・・スカッと晴れるというのが教科書通りの天気変化ですが、今日の県内、そういうわけにはいかないようです。
くわしくは本文で・・・・
ということで・・・昨日に引き続いて季節の便り。
もうすでにツバメを見たり、タンポポの花を見た方も多いと思いますが、昨日は長野地方気象台の公式の発表が出ています。
タンポポは平年より1日早く、昨年より6日遅い開花。
ツバメの飛来は平年より5日早く、昨年より14日遅いということです。
生物気象情報といいますけど、昨年まで横浜に住んでいたKasayanには全然興味の対象外でしたが、長野に帰って見ると、季節の便りという言葉の重みを感じます。
昨日は春の訪れを実感させてくれるような天気でしたが、今日は3月に逆戻り。
北部の桜の開花宣言はこれで足踏みになるかな?
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

基本的には低気圧や前線が抜けて回復なんですが、日本を南北に分断するようなぐずつきエリア。
ぐずつきエリア内も回復傾向ですから、回復遅れエリアにしたほうが良かったかもしれません。
長野県を含むこのエリアができてしまう理由がチェックポイントですね。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

予報文を読むと、太陽マークまで回復しない北陸のお隣・・・北部ほど回復が遅いということがわかります。
北部も一応最終的には晴れになるようですけど・・・・・
中部や南部は「所により 昼前 まで 雨」・・・ということで、午前中はぐずつくようですね。
回復は遅く、太陽マークに至るのは「夕方 から」ということのようです。
なんで、回復遅れるんでしょう?
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

回復が遅れるエリア・・・・今夜にかけて南下してくる寒気と太平洋岸にできる弱い気圧の谷の影響があるようです。
また、長野県北部より北のエリアは弱い冬型の気圧配置。
日本海側に雲がかかりやすいのは雪雲になりきれない冬の名残の雲ができるからですね。
・・・と、簡単にまとめちゃいましたけど、今日の天気はもっと奥が深いようです・・・・
でも、これ以上になると単なる気象オタクのうわごとになるので、この程度で良しとします。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
まず、南下してくる寒気の様子をチェックしておきましょう。
雪(雨)雲の発達の程度や気温の下がり具合を見ておきます。

上空1500m付近でマイナス6℃の寒気は、降るものが雪になる目安。
北日本の日本海側や長野県北部は、今夜この寒気に覆われてしまいます。
ということは、日本海では雪雲が発生しやすく、夜にかけて気温が下がってくることになります。
暖かかった昨日とうって変わって、今日の午後から夜にかけて1カ月ほど前の気温まで急降下。
午前中の気温が今日の最高気温であとは下がる一方です。
で・・・・寒気によってできる雲の様子は?

日本海に雪雲が発生していて、北風によって日本海沿岸に流れ込み・・・・新潟県境付近の山々に雲がかかっていることがわかります。
高い山ではまたまた雪なんてことになりそうです。
また、関東東海沖にも雲の帯。
北風が長野県付近の山岳地帯を迂回しながら通り抜け、このエリアで合流(シアーライン)することによってできる雲の帯。
関東付近の回復が遅れる理由です。
もっとも、寒気だけではここまで天気は悪くなりません。
空気に低気圧のような渦の動きをさせたり上昇させたりする原因もあるはずです。

上空5500m付近の天気図ですけど、上空の気圧の谷が日本上空を通過。
関東付近はもっとも低気圧性の渦が出来やすいエリアになっています。
これが効いているようです。
さらに雲や雨を作る原料(相当温位)や上昇流の様子。

寒冷前線通過後も南岸には相当温位の線が密になった場所・・・相当温位集中帯があって比較的強い上昇流が予想されます。
またそのエリアが関東付近で北に凸になっています。
予報では中部や南部、夕方から回復のようですけど、場合によってはそこまで回復しないかも?
最後に、これらの要素を頭に入れながら具体的な雨の様子を確認してみます。

12時と18時の降水量の予測ですけど、県内、完全な回復とはイマイチ言えないようです。
また、北部県境付近では、午後になっても冬の雪雲と同じエリアに降水が計算されています。
寒気も入ってきますから、このエリアでは桜のつぼみの上に雪なんてこともありそうです。
で・・・・今日の天気予報・・・・傾向天気にはそのままでOKだと思うのですが、中南部のマークは「のち」太陽マークになっていて「晴れるんだね」というイメージが強すぎるような気がします。
回復についてはちょっと遅めくらいに考えていれば当たったと感じると思います。
一方北部の県境付近は一日ぐずつきますから、予報文のように回復するのは北部でも南のエリア限定で考えておいたほうが良いと思います。
こちらも多少割り引いて考えていればハズレとまでは感じないと・・・思うんですけど・・・・
今日は自分の備忘録も兼ねてちょっと図が多くなってしまいました。
【備忘録】

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2010年04月06日
天気予報は当たるのか?(4月6日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
いつものように、朝の菅平。

ぼんやりと霞んだ菅平の景色は春を感じさせます。
昨年11月3日の初冠雪で白くなってから、最も春らしい菅平。
一昨日のあんずの開花の便りに引き続き、昨日は長野地方気象台から桜の開花が宣言されました。
えっ?と思われたかもしれませんけど「彼岸桜」のことです。
■日時:2010年04月05日
■場所:長野県 長野
■内容:ヒガンザクラ開花
■平年比:06日早い
■昨年比:01日早い
昨年は彼岸桜開花の二日後にソメイヨシノが開花しましたけど、今年はどうなる?
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

今日はエリア分けしませんでした。
というのも、全国的に「のち」マークばかり。
そして「のち」マークの右側には雲と傘マーク。
「のち」のタイミングはそれぞれ異なれど、下り坂に向かうことは確かです。
下り坂のタイミングと原因、程度は予想天気図でチェックしましょう。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

県内も「のち くもり」マーク。
お隣の富山県と新潟県は「のち 雨」マークということを意識しながら予報文を読むと・・・県内の「夜遅く 雨」の部分は日本海側から進んでくる雨エリアの影響だと想像できます。
こちらも原因は予想天気図やコンピューターの生の計算値で確認しましょう。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

高気圧が南岸にある場合、南高北低パターンなどと言って、高気圧の縁に沿って南の暖かい空気が流れ込みやすく気温上昇・・・なんていいます。
一つとして同じ気圧配置の無い天気をパターン化すると、先入観を持ってしまうのであまり好きじゃないんですけど・・・・・パターン通りです。
県内各地も20℃前後まで気温上昇・・・ヒバリ・ウグイスの声が聞こえ、仕事をしている場合じゃない天気ですねぇ。
で・・・今日の県内「夜遅く」の雨は日本海を南下する寒冷前線に関係しているようです。
もっとも今夜9時の段階で、前線は日本海上です。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
比較的早めに天気が悪くなる北海道方面ならいざしらず、基本的に晴れベースの長野県。
あまり詳しくチェックしても仕方がないのでザクッと様子を見ておきましょう。

上の天気図のアニメだけだと空模様をちょっと想像しにくいので、今朝の衛星画像に実況天気図を合成してみました(超家内制手工業)。
日本海の北側を橋わたしするように低気圧の雲が早めに北海道に到着するんでしょうね。
あと、高気圧の西側・・・東シナ海を東に延びつつある雲が、今夜は九州南部付近まで進む感じです。
では、問題の日本海の寒冷前線の様子・・・特に「夜遅く 雨」はどんな感じでしょう?

日本海に帯のように見えるのが北海道付近の低気圧からのびる寒冷前線の降水域。
日付が変わる頃にはまだ日本海の海上です。
一方県内の降水は北アルプス付近。
寒冷前線南側の暖かいエリアの湿った空気が高い山にぶつかってできた雲による雨のようです。
日付が変わってから前線が通過するタイミングでザッと降ることになりますが、今日の間はたいした雨じゃなさそうですね。
一応、前線の強さ・・・・前線の構造もチェック。

寒冷前線は上空1500m付近の0℃の線と一致しているようです。
今日日中、日本海沿岸も地上は15℃以上になるところも多いようですから、前線が通過し上空の寒気が流れ込むタイミングで大気は不安定。

雨の原料(相当温位)は低気圧付近まで北上していますが、今日の段階ではうんと濃い原料というわけではなさそうです。
日付が変わって前線が県内を通過するタイミングで、しっかりと雨の原料が流れ込み、相当温位の線も混雑(集中)して、一時的に不安定なザッという雨になるという感じでしょう。
ということで・・・明日の朝方の雨については今夜の天気予報で確認すべきことなので、この程度にしておいて・・・・・・
今日の予報・・・前線の南側に流れ込む湿った空気で花曇りのような感じになりますけど、晴れベースということで当たる・・・・です。
なんか間延びした感じの記事でした・・・・・
【備忘録】

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可能な限り返信いたします。
2010年04月05日
天気予報は当たるのか?(4月5日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
昨日、長野地方気象台から季節の便り(生物季節情報)が発表されました。
■日時:2010年04月04日
■場所:長野県 長野
■内容:杏開花
■平年比:07日早い
■昨年比:01日遅い
長野市内でも杏の開花の発表ですが、あちこちでもう杏は咲いていますよね。

実は一昨日、森のあんずを見に行ってきました。
まだ咲きはじめですが、十分に鑑賞にたえるだけの花が咲いていました。
次はいよいよ桜の便りですか・・・・・?
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

今日のエリア分け・・・かなり不本意です。
特に日本海側のエリア分けはもっと細かくなるのですが、そうすると逆に全体のイメージがつかみにくくなってしまうので、ひとまとめにして「曇りベース晴れ間エリア」にしちゃいました。
晴れと曇りのバランスの問題だと考えて、詳しく知りたい方は各地の予報をしっかりチェックしてください。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

マークだけ見れば曇り時々晴れですけど、予報文を見ると、「所により 朝 から 夕方(夜のはじめ頃)雨」がついていて、日中ずっとぐずつく所もあるということです。
天気マークだけ見たら予報が大ハズレと感じてしまう所があるっていうことですよね。
「所により」は何処だろう?
これ・・・・結構重大な問題ですよね。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

アニメを見ると、東日本・北日本の太平洋沿岸中心にぐずつくということがわかりますが、長野県も影響を受けるんじゃないか?と思われます。
どこで、どれだけ影響を受けるの?というのは、さすがに一般の天気図だけじゃわかりませんからコンピューターの生データを見てみることにしましょう。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
まず、県内の予報文に「所により 朝から・・・雨」と書いてあるので、今朝のレーダー画像から見てみましょう。

暖湿流の流れ込む関東付近と、低気圧と前線がある九州南岸付近に雨雲のカタマリがあるのがわかります。
数時間前まで、県南部南ア方面で弱い雨が降っていたようですが、朝の段階では関東と東北南部中心で県内に雨雲はかかっていません。
関東付近の雨雲発生の原因が高気圧の後ろ側を北上する湿った空気の影響だということは上の天気図のアニメで説明しましたが、この湿った空気・・・高気圧が東へ遠ざかる今夜にかけて東北付近へと移動します。

ということは・・・長野県付近に流れ込む湿った空気は少なくなるということですから、夜には回復傾向。
予報文にあったように、遅くとも「夕方」や「夜のはじめころ」には回復ということですね。
予報にあった回復の理由の一つはわかりました。
でも、湿った空気で、どこにどれだけ雨雲が発生し、どれだけ雨が降るのかは、具体的な降水量の計算値をみないとちょっとわかりません。
で・・・今日12時の降水量の計算値。

降水のエリアは東北方面に拡大し、長野県内でも南ア北部や北ア付近、浅間山付近から志賀高原にかけての山岳地帯中心に降水が計算されています。
素直に考えると、南から流れ込んだ湿った空気が山岳部で上昇して雨雲ができていると思われます。
そして15時。

県内の降水はほとんど計算されておらず、以降も計算されていません。
予報用語では15時以降は夕方といいますから、一応夕方には回復と言ってよいですが、ちょっと早めに回復するというイメージになりますよね。
もっとも、これとは別のちょっと解像度が落ちるGSM(一般的な天気図のモトになっている計算値)という計算値を見ると・・・

18時頃も県南部を中心に降水が計算されています。
ちょっと微妙なところですね。
こちらも加味して安全をみればはやり「夕方」や「夜のはじめころ」まで雨にしておきたいところです。
今日の雨のメカニズムを考えてみるに・・・・

地上付近の風の様子と降水の関係を見ると、やっぱり山岳の影響と密接に関係しています。
雨雲の発生と関係がある上昇流と晴れ間と関係する下降流の関係に帰結しますが・・・・赤のハッチ部分が上昇流帯・・・

とすると・・・MSMというシュミレーションモデルを優先して考えて、多少安全を見るのがよさそうです。
ということで・・・今日の予報・・・県西部や東部の山岳地帯付近では予報文を読まないと雨に降られてハズレと感じることになります。
また、夕方でも最も早い15時前後に雨があがる可能性があるため、夕方といっても相当早いうちに回復する(場合によっては14時過ぎ)とイメージしておかないと、予報より早く上がったと感じるかもしれません。
なんだか予報の読み方にうるさい予報ですが、天気予報は当たる・・・です。
もっとも、こんな日の朝の天気予報は、予報文を読み上げるような内容じゃなくて、キャスターが解説をするとか、詳しい解説の原稿を読むなどの内容にしてほしいですよね。
予報文だけじゃどう対応してよいのかわかりませんから。
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2010年04月04日
天気予報は当たるのか?(4月4日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言

今朝は県内各地氷点下の朝。
長野市内は午前5時で-1.4℃・・・・晴れて放射冷却が発生しているようです。
地上付近の気温が上空より低くなる逆転層が発生し、煙突の煙も上空高く上がれずに横にたなびいています。

これ、気象衛星の水蒸気画像。
関東甲信地方は乾燥エリアに入っていますが、南岸には湿った白いエリアが帯のように広がっています。
この湿った空気が夕方以降北上してきて曇り空に・・・・今日のチェックポイントの一つです。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

斜め日本の線で日本は三分割されています。
上の水蒸気画像で見た湿った空気の帯と平行になっていますよね。
水蒸気画像で特に白く見えるエリアに近い関東付近では、「のち」傘マークになっています。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

県内は全部「のち くもり」マーク。
「のち」のタイミングは「夜」ですね。
風は全県で南風で、中部と南部では「後 やや強く」。
この風が県内に湿った空気を押し込んでくるため、夜には曇り空ということでしょう。
傘マークが並んでいる関東・・・東京の予報文も書いておきましたが、雨が降るのは「夜」のようです。
長野県のお隣・・山梨にも傘マークがついていますから、長野県への影響は?
一応チェックしておきましょう。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

今朝の段階で、高気圧の中心はすでに太平洋岸まで進んじゃっています。
このため、今日の日本付近は高気圧の後ろ側。
東~南東の風が流れ込みやすいエリアにあたります。
とうことは、太平洋の暖かく湿った空気が流れ込みやすいわけですから、太平洋沿岸を中心に次第に雲が広がってくるということになります。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
まずは、今日の天気のポイント・・・湿った空気が流れ込む様子をチェックしておきましょう。

今朝は九州と関東の南岸ギリギリまで湿った空気が北上していて、衛星画像の湿り気のエリアと形が同じになっています。
そして夜・・・九州方面と関東方面に湿った空気が流れ込み、関東付近には濃い?湿り気のエリアが北上してきています。
夜の関東の雨の原因ですが・・・・なんで関東に集中するの?

上空5700m付近の天気図ですけど、関東付近には上空の弱い気圧の谷がやってくるようです。
この谷の影響で、低気圧性の渦ができやすく、地上付近も弱い気圧の谷になって、南の湿った空気が引き寄せられていると思います。
で・・・関東付近の雨は県内にも影響するの?

関東付近の雨が一番拡大すると思われる21時前後の降水の計算値ですが、南からの湿った空気がぶつかる関東北部や西部の山岳中心に降水が計算されています。
長野県内にはあまり影響はなさそうですね。
ということで・・・・今日の天気予報・・・・夕方前に上空高いところの雲がかかってくるので、場合によっては予報よりちょっと早めに曇りのイメージになるかもしれませんけど・・・・雨の心配もないし・・・・今日の予報は当たる・・・・です。
昨日は昼前後に一時的に天気が急変しましたけど、今日は行楽日和といってよさそうですね。
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