2010年07月04日

天気予報は当たるのか?(7月4日)ジメジメ不安定


 故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?

1、今日の一言




 昨夜の雨は夕立の滝のような雨ではなく、強い降りという感じだったと思います。
大気不安定の夕立の雨から、梅雨前線の雨にチェンジしたからですが、その梅雨前線もほぼ南岸まで南下
 ・・・じゃ、晴れるの?という気持ちになりますけど、今朝の長野地方気象台の概況にはこのように書いてあります。
「今日は、梅雨前線上の低気圧が関東地方から遠ざかり、その後、前線が南下する見込みです。また、夜にかけては湿った空気の影響で大気の状態が不安定でしょう。」
 前線が南下しても再び不安定、夕立モードの先週のような状態に戻っちゃうんですね。

 今日のところは、先週のように強い寒気が南下しているというわけじゃないので、ぐずつき気味程度で済んで、太陽が雲を透して顔を出す可能性もありますけど、明日以降寒気がやってくれば・・・。
 
 昨日の記事で週間の天気傾向をまとめておきました
 まず間違いなく大幅修正はあると思いますが、当たりハズレという目ではなく、どうズレるのか?という目で見ると、安全マージンをとりながら、週間予報をもっと生かせると思います。

2、全国の予報
 テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。





 太陽マークもチラホラ見えますけど、全国的にぐずつきモード
九州方面には傘マーク一発の雨モード・・・引き続き九州では大雨注意のサインですね。

3、長野県の予報
 長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。





 これ、午前8時発表の予報・・・5時発表の予報がさっそく修正されています。
曇りベースで、「所により」がついた雨ですけど、午前5時発表の予報は「くもり 時々 雨」で、もっと雨の可能性が高いというものでした。
 レーダーなどで実況を見て、さっそく雨を下方修正したようですが、それだけ予報が難しいことを示しています。
 安全マージンはとっておきたいところですね。

4、一般的な天気図の評
 どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。







 北日本の不安定と東日本の不安定・・・微妙に状況が異なります
 北日本の不安定の様子は上空の寒気の様子で比較的つかみやすいのですが、東日本は地上付近に湿った空気が流れ込み、上空には乾燥した空気が流れ込むことによる不安定という構造が強いので、雨雲の発達の様子も複雑。
 予報もすぐに修正されるような微妙な状態です。

5、今日の天気予報は当たるのか?
 100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。


 いつものように、地上の天気傾向の台本・・・上空の天気図から・・・




 書き込みのように、上空の谷は梅雨前線と前線上の低気圧の活動に影響します。
 九州南部の前線の活動と南岸を北東進する低気圧の活動への影響はわかりますが、東日本はちょうど中間であいまいなところ。
 北海道の寒気はハッキリしていますよね。

 で・・・大気の状態を上から下まで3つに分けて・・・・・
 まず、天気を動かす力・・上空の風の様子をみると・・・




 上空の風が強いところ・・・緑や黄色の所ですけど・・・上空では上で見た谷に沿って強風の軸がありますが、地上付近では前線に沿った強風軸があります。
 そして、長野県付近、上空の強風軸になってます。

 そして、それぞれの層の湿度の様子を見ると・・・・




 上空の強風軸に沿って中部地方上空には乾燥した空気、一方地上付近は当然ながら湿った空気
 こういう組み合わせ・・・これも大気不安定のモトになります。

 長野県の概況にあった「夜にかけては湿った空気の影響で大気の状態が不安定でしょう」というのがコレですね。

 ちなみに、暖湿流(相当温位:雨の原料)という、暖かさと湿り気を併せた見方をすると・・・・




 強いところは南岸ですけど中部地方もそこそこ雨の原料流入。
九州方面で大雨の可能性が高いのは一目でわかりますよね。

 となると、不安定のエリアで空気が上昇すれば雨雲発生
その様子を風と雨の様子でチェックすると・・・・




 冬場に日本海の雪雲が長野県北部の山々にぶつかって上昇し雪雲が発達するように、北よりの風がぶつかる日本海側の山々で降水が計算されています。

 具体的に雨の様子を見ると・・・・







 冬場の雪雲と同じようなエリアで雨が予想されているようです。
 次第に回復傾向ではありますけど・・・予報どおり「所により夕方まで雨」という表現がぴったりですね。

 まだ土砂災害に対する大雨情報が出ているので、予報の当たりハズレは自粛しますけど・・・・・ぐずつくという表現がピッタリの状態です。


 当ブログの記事等に関して、ご質問・ご意見等がありましたら、
  kasayangw@yahoo.co.jp
までメールしてください。ブログ下のコメント欄もどうぞ。
 可能な限り返信いたします。




  


2010年07月03日

大雨情報と週間予報(7月3日)夕立多い一週間?


 大雨情報がまたまた発表されています。

 今度は、大気不安定の夕立の雨じゃなくて、前線と前線上の低気圧の雨
 夕立のようにバケツをひっくり返した雨というよりは、ザーザーが一晩降り続くという感じ。




 今日の降りだしがかなり遅くなっているので、「大丈夫じゃないの?」という雰囲気になっているかもしれませんけど、これまでの雨も考慮して、土砂災害に関して早くも警報も発表されていますから、根拠もなく大丈夫・・・という気持ちで判断しないほうがよいと思います。
 警報や大雨情報が発表されても・・・何もなければ・・・よかったで済むことですから。

大雨に関する長野県気象情報 第1号
平成22年7月3日17時23分 長野地方気象台発表
■見出し
北部や中部では、4日明け方にかけて、土砂災害に警戒して下さい。
■本文
[気象状況]
 梅雨前線が華北から東海地方にのびており、前線上の日本海西部には低気圧があって東南東に進んでいます。
 このため、4日にかけて、県内の広い範囲で雨となる見込みです。
 北部や中部では、これまでに降った雨で地盤の緩んでいる所があり、少しの雨でも土砂災害の発生しやすい状況となっています。
[雨量の予想]
 4日18時までの24時間降水量はいずれも多い所で
  北部  80ミリ
  中部  80ミリ
  南部 100ミリ
の見込みです。
[防災上の留意事項]
 これまでに降った雨で地盤の緩んでいる所があります。少しの雨でも土砂災害の発生するおそれがありますので4日明け方にかけて警戒して下さい。
 今後、気象台が発表する、警報や注意報、気象情報に留意して下さい。
[特記事項]
 次の「大雨に関する長野県気象情報」は4日6時頃に発表する予定です。


 週間予報・・・ちょっとまとめてみましたが、図は専門的なものを掲載、コメントは週間天気予報解説資料を抜粋して【】内にコメントを記載していますから、なんとなーく雰囲気が伝われば・・・と思います。

 ちなみに、6コマの天気図上のマークは長野県の週間予報のマーク
 前線が南に下がったままで曇りマークが多くなっていますが、また上空の切離し低気圧がやってきて、夕立が降りやすい日が多いかも????
 だとしたら、夕立が多かった今週と似た天気ですね。
※【】内はKasayan書き込み
※上空の谷の話はコメント下の図の左側、線が凹になっている部分を参照




5日:北海道を寒冷渦【上空の寒気の中心】が通過し、北日本は一時的に弱いリッジ場【気圧の尾根】となるが、東・西日本の太平洋側には、5820m付近の正渦度移流が続く【空気が集まりやすく上昇気流が出来やすい状態】。前線は、太平洋沿岸に停滞するが、活動は比較的弱い。北日本と沖縄は概ね晴れる。東日本と西日本は、曇る所が多く、太平洋側を中心に雨の降る所がある。




6日:日本付近は西谷の流れ【上空の谷が日本の西にあり暖湿流が入りやすい】で、前線の位相は本州南岸~南海上に位置する。FEFE19【上の6コマの図】で北日本~東日本に降水域が予想されているのは、ENS/CCに前線の北側を低気圧が進むと予想するメンバーがあるため【計算値がばらついているから】。後述のとおりENS/51メンバーでもそのように予想するメンバーがあり、POPにもそれが反映されている【ようは悩ましい状態ということ】。東日本や北日本では、この降水を考慮されたい【予報を作る人におまかせしますということ】。西日本では九州や太平洋側を中心に高降水頻度域を参考に降水を残す方向で検討されたい【6コマの網かけ部は太平洋側だけど雨が残る可能性を考えとけよということ】。




7日:引き続き日本付近は西谷の流れ。ENS/CCでは前線は九州付近から日本の南海上に位置する予想【前線が南下している可能性が一番高そう】。前線に近い九州南部では降水を検討。




8~9日:ENS/CCでは5760~5820m付近のトラフが接近する【上空の気圧の谷接近の可能性大】。前線は南海上に南下し影響は少ない。前線近傍の九州南部では降水付加も可。7日、日本海に入ってくるカットオフロー【切離し低気圧、夕立のモト】に伴う降水は8日、日本海に表現されているがその後弱まる。太平洋側を中心に雲が多い見込み。







10日:5760~5820m付近のトラフは動き遅く浅まる【上空の谷が弱まり地上付近は天気回復傾向】。前線は若干北上すると見られるが、日本付近への影響は少ない。前線近傍の九州南部では降水付加も可。太平洋側を中心に雲が多い見込み。





  


Posted by kasayan at 18:59Comments(0)今週の週間予報は?

2010年07月03日

天気予報は当たるのか?(7月3日)不安定から梅雨前線へ


 故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?

1、今日の一言




 万博が開催されている中国上海付近から西日本にかけて発達した雲の列
 先週末あたりはインドシナ半島から台湾を経由して九州に流れ込む雲の列が中心でしたが、ここにきて雲の列が北上しています。
 梅雨のモードがちょっと変化したかな?という感じですから、天気チェックも頭を切り替えていく必要がありそうです。

 で・・・昨日はまでは、梅雨前線と無関係(ちょっとは関係ありますけど)の上空寒気による大気不安定の夕立の雨中心でしたけど、今日明日は梅雨前線の雨ということになります。
 雨の降り方もちょっと変わってくるので、長野の梅雨・・・どういう視点でチェックしていこうかと思案中。




 これ、今朝8時15分のレーダー画像
 長野県内、昨夜の夕立の雨は明け方になってようやく終息しましたが、早くも岐阜県付近には梅雨前線の雨がやってきています。 

2、全国の予報
 テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。





 日本全国傘マークだらけですけど、北日本と西日本で雨の原因が違います
 ということで、降り方も違いますから、こんなときは、各エリア、細かくチェックする必要があるわけです。

3、長野県の予報
 長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。





 なんと、北部の天気マークは曇りになっています。
 もっとも、予報文を読むと、「所により 朝 から 雨」
 なんともわかりにくい天気傾向ですけど、「所により」という言葉の定義を見ると・・・・

・現象が地域的に散在し、複数の地域を指定して表現することで冗長な表現になる場合に用いる。
その発現域の合計面積が、対象予報区全体の50%未満である。
・予報に対して用い、実況に対しては「ところどころ」を用いる。


 ということですから、最大北部の半分くらいは雨モード
 上のレーダー画像からもなんとなくわかりますけど、曇りマークだけ見ていたら大失敗してしまう天気傾向です。
 北アルプスが岐阜県からやってくる雨をどれだけブロックしてくれるかが北部の雨に関係してきそうですね。

4、一般的な天気図の評
 どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

 今朝から今夜、そして明日夜にかけての天気図を3枚並べてみます。
 天気は流れ・・・流れで把握してみてください。










 梅雨前線、今日までは東進、明日は南下しつつ東進という波打つような動きをします。
明日の前線南下傾向が早まれば県内の回復も早めですけど、どうなりますやら?
 このタイミングが梅雨の予報の複雑なところです。

5、今日の天気予報は当たるのか?
 100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。


 いつものように、地上の天気傾向の台本・・・上空の天気図から。




今日は前線東進モード、上空の谷も東へと動いています。
また、大気不安定のモト・・・上空の寒気は北日本へ・・・北日本中心に大気不安定という原因になります。

 で・・・前線の活動の指標・・・前線に流れ込む湿った暖かい空気・・・雨の原料の様子を見ると・・・




 九州方面にはかなりたっぷり、東日本もたっぷり、北日本にもそこそこ、暖湿流が流れ込んでいます。
九州方面では空気がちょっと上昇しただけで雷雲モクモクの状態になっていますし、東日本もまとまった雨が降るためには十分な状態になっているようです。

 そして、空気がちょっと上昇したら・・・という状態と雨の状態をまとめてみることができるように、降水量と地上付近の空気の流れをまとめてみると・・・




 空気が集まれば上昇流発生・・・合流・衝突・山へぶつかる・・・雨雲発生・・・そんな目で見ると、どのあたりでまとまった雨になるのかがよくわかります。

 そして、県内・・・雨がまとまりそうな午後6時頃の様子。




 空気が集まる場所・・・点線付近で黄色やオレンジの降水量が多いところが計算されています。

 今日、前線上の低気圧が進んできますが、低気圧の接近に伴い、風の流れも変化して雨のエリアも微妙に変化します。
 リアルに見えすぎてしまう雨のエリアのアニメは変に誤解を生みそうなので作るのを止めにしておきました。

15時20分追記
 梅雨前線の雨雲が長野県にかかってくるタイミングの計算値が実況に照らして?????な状態だったので、アニメを使うことを止めたのですが、正午を初期値とする計算値でようやく納得できるものが出てきました。
 それでもまだ、低気圧前面の雨の様子が????ですが、依然北部中心に大雨注意報・洪水注意報が発表されていますから、警戒モードは続いています。
 梅雨の雨の降りだし・・・九州の計算値もなかなか実況をイマイチ反映したものになりませんが、長野県付近も密かに現在のスパコンと観測網の限界が見えています。




 今朝、一連の大雨情報は終わりましたが、注意報は残っていますからから、天気予報の当たりハズレは自粛しますが、今日一日、出かけるなら雨具の用意・・忘れずに!

 当ブログの記事等に関して、ご質問・ご意見等がありましたら、
  kasayangw@yahoo.co.jp
までメールしてください。ブログ下のコメント欄もどうぞ。
 可能な限り返信いたします。




  


2010年07月02日

雷の通り道を考える(7月2日)今日も夕立発生です


 今日も夕立・・・雷雲が発生していますが・・・




 上空に強い寒気がやってきて大気が不安定・・・と天気予報ではよく言いますが、それだけだったらどこでも雷雲が発生しちゃいます。
  今朝の記事: http://kasayan.naganoblog.jp/e505110.html

 でも「雷の通り道」なんて言葉をよく耳にしますよね。




 今日午後3時のアメダスの風向風速の観測結果ですが、よーく見ると、山や盆地によって風の通り道があることがわかります。

 それじゃ、山や盆地の影響を受けない上空は?・・・もちろん上空の低気圧や高気圧の位置に従って、そこそこ単純な流れ方をしています。

 で・・・モクモクとわき上がる雷雲・・・積乱雲といいますが、この雲の高さは地上に近いところから始まって、最大身長?10000m(上空10キロ)まで。

 雷雲の足元?は地上付近の風の影響を受けますけど・・・・・



 
 腰のあたり・・・上空1500m付近では、そこそこ高い山や高原に影響され・・・・




 北アルプスより高い所・・・遮るもののない3000m以上の部分では上空の流れに強く流されます。




 そんなイメージでおなじみにレーダー画像を見ると、雷雲の通り道が見えてくるはずですが・・・・

甲信地方レーダー: http://www.jma.go.jp/jp/radnowc/index.html?areaCode=207

 今日も17時に大雨情報が発表されます

長野県気象情報: http://www.jma.go.jp/jp/kishojoho/322_index.html

 予想降水量も記載されているはずですから、雷雲の通り道との関係を思い浮かべながら読むと、単に「・・・と気象庁は注意を呼び掛けています」という話をニュースを聞くよりもっとリアルに内容を理解することができると思います。

 ちなみに、風と地形を考えるときのヒントは・・・・
・風と風が正面からぶつかると上昇流が発生する(雨雲発達)
・風と風が次第に接近して合流すると上昇流が発生する
・風が山にぶつかると上昇流が発生する(裏側では下降流になる)
・風は山を分岐して回り込む
・風は山の周辺や後ろで縦・横に渦を巻く
・風は山を乗り越えると上下に波うつことがある
・風は狭い溝の中(盆地)では早くなる

 ・・・・もっとたくさんのパターンがありますけど、こんなことを思い浮かべながらレーダー、そしてアメダスの風向風速の観測値を見ると、色々見えてくるはずです




  


Posted by kasayan at 16:44Comments(0)雑記

2010年07月02日

天気予報は当たるのか?(7月2日)半夏生の雷雲


 故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?

1、今日の一言

 いきなりですけど、今日も昨日並の夕立の可能性があります。
 晴れている間に、昨日の雨で詰まった排水溝の掃除をしておきたいところです。

 大雨と雷及び突風に関する長野県気象情報
   http://www.jma.go.jp/jp/kishojoho/322_index.html

 今日は雑節の一つの半夏生
「半夏生(はんげしょう)は雑節の一つで、半夏(烏柄杓)という薬草が生えるころ(ハンゲショウ(カタシログサ)という草の葉が名前の通り半分白くなって化粧しているようになるころとも)。七十二候の一つ「半夏生」(はんげしょうず)から作られた暦日で、かつては夏至から数えて11日目としていたが、現在では天球上の黄経100度の点を太陽が通過する日となっている。毎年7月 2日頃にあたる。」
(Wikipedia)

 Kasayan・・・こういった季節の話題というのを天気予報の中で伝えるのはあまり好きではなくて、現役の頃は、そんな時間があればもっと天気の内容を伝えろよ・・・と思っていました。
 ただ、放送局の女性(おばちゃん)プロデューサーの希望で、季節の話題をはじめて企画したのが「半夏生」
 半夏生になると(Kasayanの誕生日の前日)、歳時記なんか調べて2分ほどの原稿を嫌々書き上げたことを思い出すのです・・・・・




 これ、昨日12時の可視画像
 いまさら昨日の衛星画像・・・ですけど、昨日12時にひまわり6号から7号にバトンタッチして、正式運用になったひまわり7号の最初の画像です。記念にブログに保存・・・です。

2、全国の予報
 テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。





 雲マークと傘マークが散在していて、ぐずつくんだな・・というイメージ。
どのエリア予報文を読んでみても、「雷」の文字がついています。
 さらに、各県の概況を読んでも「不安定」の文字ばかりですから、どういう天気になるのかイメージできますよね?

3、長野県の予報
 長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。





 昨日朝の予報は「夕方から雨 所により夜雷を伴う」でしたが、今朝の予報文には「雷を伴い激しく降る」と書かれています。
 用語集で「激しく降る」の定義は、”1時間に30mm以上50mm未満の雨”ですから、警報が発表される1時間雨量の基準が40~50ミリの所が多い長野県にとっては警報級の雨が予想されているということになるわけですから、今日も警戒モードということですね。

 降り出しも昨日は「夕方」でしたが、今朝は「昼過ぎ」
 雨のアニメはいつものように一番最後に掲載しました。

4、一般的な天気図の評
 どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。




 実況天気図も予想天気図もhttp://www.jma.go.jp/jp/g3/)なんだか間の抜けた図で、高層天気図の勉強をしていない人には「なんで大雨?」というような図
 アニメを作っている時間がなかったということもありますけど、短期予報解説資料という解説に掲載されている図を使うことにしました。

5、今日の天気予報は当たるのか?
 100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。


 今朝も短期予報解説資料に基づいて、関連する図を掲載していきますが、今朝は昨日より時間があるので、多少コメントも【】の中に入れてみました。

1.実況上の着目点
①能登半島付近の日本海には寒冷渦(500hPa-9℃以下)【上空の寒気を伴った低気圧】があって、ゆっくり東進している。衛星画像で雲循環が明瞭。この寒冷渦の影響をうけて、本州中部を中心に発達した対流雲【モクモク雷雲:積乱雲】が発生し、昨日は広い範囲で発雷、現在も局地的に激しい雨が降っている。
沖縄周辺では、暖湿気(850hPa345K)【雨の原料】が入り、トラフの影響もあって、クラウドクラスターが【積乱雲の列】発生。











2.主要じょう乱の予想根拠と解説上の留意点

①1 項①【上の実況上の着目点の①】の寒冷渦ゆっくり能登半島付近からFT36【3日09時】 には秋田沖に進む。これに伴い、広域で不安定な場は、今日は東北地方、明日は北海道に拡大する。東日本から東北地方で、可降水量【空気の雨を降らせる能力】やPOT【発雷の可能性】などは、昨日に比べ今日は大きく、不安定現象は広域になる。発達した対流雲周辺では、1時間30~60mm の短時間強雨(局地的には80mm前後)の可能性。低地の浸水、河川の増水、土砂災害、落雷、竜巻などの激しい突風、降ひょうに注意・警戒








南西諸島では暖湿気(850hPa345K)が入り、明日にかけて断続的に、1 時間30~50mm の非常に激しい雨となる恐れがある。
大陸の前線が、FT24 頃【2日21時】から対馬海峡付近にのびてくる。前線の南側には暖湿気(850hPa345K)が流入、西日本でも1 時間20~50 ミリの短時間強雨、落雷、突風に注意




 最後は、いつものように、長野県周辺の降水のアニメ




 今日も広範囲・・・・かなり早めでしょうか・・・長野県が激しい雷雨エリアの西の端っこになるようですね。




 ちょうど、日本海と太平洋の風がぶつかるライン上で雷雲が発達するようです。

 今日もできれば・・・できればですけど、何か変化があったら更新してみます。


 当ブログの記事等に関して、ご質問・ご意見等がありましたら、
  kasayangw@yahoo.co.jp
までメールしてください。ブログ下のコメント欄もどうぞ。
 可能な限り返信いたします。




  


2010年07月01日

雷雲はどこへ?(7月1日)雷雲発達中


 今年一番の夕立じゃないでしょうか?




 雷雲はこれからどう動くのか?




 教科書通りなら、上空3000m付近のこの流れに沿って北上傾向




 長野市周辺・・・結構な降水量が計算されています。
 雷・竜巻・・・・短時間強雨・・・くれぐれもご用心!!

19時10分追記
 普通の夕立なら、一雨降って、涼しくなって終わり・・・・なんですけど、今日の夕立、一雨去ってもまた雨という傾向があるようです。
 下に転載しておいた大雨情報のように、今夜遅くまでは警戒を怠らないほうがよさそうです。

  長野県土砂災害警戒情報(図)
 
大雨と雷及び突風に関する長野県気象情報 第1号
平成22年7月1日16時04分 長野地方気象台発表
■見出し
長野県では、1日夜遅くにかけて、大気の状態が不安定となり、雷を伴った激しい雨の降る所があるでしょう。低地の浸水、土砂災害、河川の増水、落雷や降ひょう、竜巻などの激しい突風に注意して下さい。
■本文
[気象状況]
 上空に寒気を伴った気圧の谷が接近しています。
 このため、長野県では、大気の状態が不安定となり、雷を伴った激しい雨が降り、大雨となる所があるでしょう。
[雨量の予想]
 1日夜遅くにかけて、1時間40ミリの激しい雨の降る所があるでしょう。
 2日18時までの24時間降水量はいずれも多い所で
 北部 100ミリ
 中部 100ミリ
 南部  80ミリ

の見込みです。
[防災上の留意事項]
 低地の浸水、土砂災害、河川の増水、落雷、降ひょう、竜巻などの激しい突風に注意して下さい。
[特記事項]
 次の「大雨と雷及び突風に関する長野県気象情報」は1日22時頃に発表する予定です。

 雷発生の原因は・・・今朝の記事をどうぞ。
      http://kasayan.naganoblog.jp/e504362.html

  


Posted by kasayan at 16:33Comments(2)雑記

2010年07月01日

天気予報は当たるのか?(7月1日)夕立活発


 故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?

1、今日の一言




 いきなりですけど・・・原油流出事故で非常事態のメキシコ湾で発生したハリケーンの様子。
おなじみのGoogle Earth雲画像とGSMという気象庁の天気図を張り付けたものです。
 ワールドカップの南アフリカも一目でズームできるし、火山灰で大変だったヨーロッパにもあっという間にズーム。
 すごく重宝しています。

 今日も多忙につきシンプルバージョン
短期予報解説資料という気象庁の資料に解説コメントはおまかせにしたので、図の書き込みだけ・・興味があったら見てください。

 あっ・・・季節の便りが長野地方気象台から・・・
■日時:2010年07月01日
■場所:長野県 長野
■内容:にいにい蝉初鳴
■平年比:01日早い
■昨年比:05日遅い
 7月になっていきなりですね・・・
 
2、全国の予報
 テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。





3、長野県の予報
 長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。





 「のち 雨」マークで表現されるほどの夕立
昨日もありましたけど、今日はもっと活発・・・・一番下に降水のアニメ用意しました。

4、一般的な天気図の評
 どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。








5、今日の天気予報は当たるのか?
 100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。


 ここからは短期予報解説資料に合わせて図を並べておきます。

(注)FT=24:1日21時、FT=48:2日21時

1.実況上の着目点
①日本海には寒冷渦(中心付近で500hPa-9℃前後)があってゆっくり東進している。衛星画像で雲循環が明瞭。西日本上空には500hPa-6℃以下の寒気が入っていて、発雷している所も
ある。
②東北地方では所々活発なエコーが見られ、1 時間20 ミリ前後の降水を観測。
③前線の南側にあたる奄美周辺で対流雲が発達、活発に発雷している。







2.主要じょう乱の予想根拠と解説上の留意点
西日本から東日本では、下層の暖湿気(850hPa339K 前後)が残っている中、FT48 にかけて1項①の寒冷渦が日本海を東進、寒気(500hPa-6℃)が入るため、大気の状態は不安定となる。







今日は西・東日本、明日は東日本を中心として、特に地面加熱の進む午後、対流雲が発達する見込み。1 時間30~50 ミリの短時間強雨土砂災害や河川の増水、落雷、突風、降ひょうに注意。局地的に1 時間60 ミリ前後の非常に激しい雨が降るおそれもある。EL(浮力がゼロになる高度)も200hPa 前後と高く、対流雲が発達することから竜巻などの激しい突風のおそれもある。




北日本では正渦度移流が続き、FT48 にかけてシアーラインがほぼ停滞する。大気の状態が不安定となり、対流雲が発達する見込み。局地的に1 時間30 ミリ前後の短時間強雨や土砂災害、河川の増水に注意。落雷、突風、降ひょうにも注意が必要。明日は今日よりも安定度悪い点に留意。




③南西諸島では下層暖湿気(850hPa342K 前後)が流入し、不安定な場が続く。エコーがかかると短時間強雨のおそれもある。対流雲の動向に留意。
④FT24 頃、華北に前線が顕在化、FT48 にかけて朝鮮半島付近にのびてくる見込み。前線に向かって暖湿気(850hPa345K)が流入し、大気の状態が不安定、前線前面ではシアーも明瞭。次の資料に注目。

 ということで・・・今日の夕立はかなり活発・・・




 時間があったら、夕立の様子を追記します。


 当ブログの記事等に関して、ご質問・ご意見等がありましたら、
  kasayangw@yahoo.co.jp
までメールしてください。ブログ下のコメント欄もどうぞ。
 可能な限り返信いたします。