2010年07月09日
天気予報は当たるのか?(7月9日)前線の雨と雷雲の雨
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言

昨日の夕立は局地的で、ここ数日の中で一番安定していましたが・・・・今朝は九州南部にものすごく活発な雨雲。

こうやってレーダー画像をgoogle earthに貼り付けてみると、鹿児島県の枕崎付近、山や平地なんか無関係に50ミリを超える非常に激しい雨が降っていることが、よりリアルに伝わってきますよね。
これ梅雨前線上の低気圧の雨ですけど、低気圧は今夜にかけて紀伊半島まで進みます。
ということは・・・・今日は南岸を中心に下り坂。
ああ・・・週末の天気は?と心配になりますけど・・・今朝の段階では、明日土曜日だけはなんとか晴天で済むところが多いかもしれない・・・・・あくまで今朝の段階では・・・・ですよ・・・・
13時追記:
昨年より45日遅い、平年より4日早い・・・というと、なんじゃ?という感じがしますけど、季節のたより、こんな電文が入ってきました。
関東甲信地方に「大雨と雷及び突風に関する関東甲信地方気象情報 第1号」が発表されています。
■日時:2010年07月09日
■場所:長野県 長野
■内容:シオカラトンボ初見
■平年比:04日早い
■昨年比:45日遅い
関東甲信大雨情報:http://www.jma.go.jp/jp/kishojoho/103_index.html
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

南岸を低気圧が進むので、南側のエリアは前線の雨。
一方、北側のエリア・・・中部・北陸付近は前線上の低気圧の雨ともいえますけど、昨日南下を始めた強めの寒気の影響による夕立エリア。
こうやってエリア分けしているのは、エリアの境目付近ほど予報がはずれやすい(ズレやすい)傾向があるからなんですけど、長野県北部・・・ちょうど境目。
梅雨時にはあまり効果が感じられない方法なんですけど、イベントや行楽で天気予報が気になってしょうがないときは、ちょっとおすすめです。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

天気予報も予報文も下り坂、中部や北部、雨は「夕方」ですけど、所により発生する雷は「昼過ぎから」。
雨より前に、雷が発生するんですね・・・・もちろん、雷雲の下では局地的にザーザーなんでしょうけど。
不安定エリアと前線のエリアの境目にある長野県の予報は、両方のエリアをミックスしたような予報になっています。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

今日も前線の動きが分かりやすいように、短期予報解説資料の図を使いました。
今朝の段階では、前線上の低気圧の東進に伴い、西日本で梅雨前線が北上傾向。
九州の雨はいったん回復しても明日にはまた雨。
一方、東日本方面の前線は南岸に停滞したまんま・・・低気圧さえ通過してしまえば長野県、明日は・・・回復してくる可能性があるんですよね・・・しつこいようですけど、今朝の段階では・・・・
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
もうこのブログでは定番になってますけど、地上の天気の骨格・・上空の空模様から。

今日日中、日本の上空を気圧の谷(線が凹の部分)が通過。
気圧の谷と南岸の前線上の低気圧が対応・・・低気圧が活発になります。
上空の冷たい風の流れ(青矢印)と暖かい風の流れ(赤矢印)がぶつかるあたりが低気圧。
前線が活発になる理由はここにもあります。
そして、昨日九州北部や山陰に南下してきた-9℃の強い寒気が日本海沿岸をなめるように東進。
これが北日本や北陸中心の不安定エリアの原因です。
で・・・これまた昨日に引き続き、地上付近の湿った暖かい空気(雨の原料)の様子。

昨日同様、東日本にはそこそこの暖湿気。
夕立の少なかった昨日と同程度ですけど、今日は寒気が南下しています。
相対的に不安定の程度は昨日より増すわけですね。
一方、九州方面には強い暖湿流が前線上の低気圧の東側を回り込むように流入。
低気圧がやってくる前に、活発な雨雲がやってきそうです。
ということで、具体的な雨の様子・・・この流れ、もう飽きてきちゃいましたけど・・・・・


図を見れば、コメントなんかいらないですよね。
ただ、今朝の段階で(今日はこのフレーズが多すぎですけど)、気象庁がメインに使っているGSMという計算値とMSMという計算値の降水量がちょっと違った傾向を示しています。
短期予報解説資料を読むと「GSM は降水の集中で発達させすぎと考えられ、最新のMSM を採用して東進を早めて・・・」なんて書かれています。
計算が不安定なときは安全マージンを多めにとりたいですよね・・・
今日の予報・・・MSMのアニメの計算値同様、南部では「昼過ぎ」ですから12時過ぎ、中部や北部は「夕方」ですから午後3時以降の雨が予想されています。
計算値通りの予報ですし、気象庁が採用しなかったGSMモデルでも同様の傾向ですから、これを覆す情報は見当たりません(海外の計算値を除く)。
予報は当たるとしか言えませんが、雨の降り方や降り出しのタイミングは多少安全マージンをとって、昼過ぎの外出は降られるものだと思っておきたいところです。
最後に、今朝の段階の(しつこい?)明日の予報、GSMデータに載せておきました。
今夜の予報でもう一度確認しないと・・・ちょっと不安な感じです。

ボチボチ梅雨明け予想・・・できそうな雰囲気になってきたので、この週末考えてみようかな・・・・・
当ブログの記事等に関して、ご質問・ご意見等がありましたら、
kasayangw@yahoo.co.jp
までメールしてください。ブログ下のコメント欄もどうぞ。
可能な限り返信いたします。
1、今日の一言

昨日の夕立は局地的で、ここ数日の中で一番安定していましたが・・・・今朝は九州南部にものすごく活発な雨雲。

こうやってレーダー画像をgoogle earthに貼り付けてみると、鹿児島県の枕崎付近、山や平地なんか無関係に50ミリを超える非常に激しい雨が降っていることが、よりリアルに伝わってきますよね。
これ梅雨前線上の低気圧の雨ですけど、低気圧は今夜にかけて紀伊半島まで進みます。
ということは・・・・今日は南岸を中心に下り坂。
ああ・・・週末の天気は?と心配になりますけど・・・今朝の段階では、明日土曜日だけはなんとか晴天で済むところが多いかもしれない・・・・・あくまで今朝の段階では・・・・ですよ・・・・
13時追記:
昨年より45日遅い、平年より4日早い・・・というと、なんじゃ?という感じがしますけど、季節のたより、こんな電文が入ってきました。
関東甲信地方に「大雨と雷及び突風に関する関東甲信地方気象情報 第1号」が発表されています。
■日時:2010年07月09日
■場所:長野県 長野
■内容:シオカラトンボ初見
■平年比:04日早い
■昨年比:45日遅い
関東甲信大雨情報:http://www.jma.go.jp/jp/kishojoho/103_index.html
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

南岸を低気圧が進むので、南側のエリアは前線の雨。
一方、北側のエリア・・・中部・北陸付近は前線上の低気圧の雨ともいえますけど、昨日南下を始めた強めの寒気の影響による夕立エリア。
こうやってエリア分けしているのは、エリアの境目付近ほど予報がはずれやすい(ズレやすい)傾向があるからなんですけど、長野県北部・・・ちょうど境目。
梅雨時にはあまり効果が感じられない方法なんですけど、イベントや行楽で天気予報が気になってしょうがないときは、ちょっとおすすめです。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

天気予報も予報文も下り坂、中部や北部、雨は「夕方」ですけど、所により発生する雷は「昼過ぎから」。
雨より前に、雷が発生するんですね・・・・もちろん、雷雲の下では局地的にザーザーなんでしょうけど。
不安定エリアと前線のエリアの境目にある長野県の予報は、両方のエリアをミックスしたような予報になっています。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

今日も前線の動きが分かりやすいように、短期予報解説資料の図を使いました。
今朝の段階では、前線上の低気圧の東進に伴い、西日本で梅雨前線が北上傾向。
九州の雨はいったん回復しても明日にはまた雨。
一方、東日本方面の前線は南岸に停滞したまんま・・・低気圧さえ通過してしまえば長野県、明日は・・・回復してくる可能性があるんですよね・・・しつこいようですけど、今朝の段階では・・・・
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
もうこのブログでは定番になってますけど、地上の天気の骨格・・上空の空模様から。

今日日中、日本の上空を気圧の谷(線が凹の部分)が通過。
気圧の谷と南岸の前線上の低気圧が対応・・・低気圧が活発になります。
上空の冷たい風の流れ(青矢印)と暖かい風の流れ(赤矢印)がぶつかるあたりが低気圧。
前線が活発になる理由はここにもあります。
そして、昨日九州北部や山陰に南下してきた-9℃の強い寒気が日本海沿岸をなめるように東進。
これが北日本や北陸中心の不安定エリアの原因です。
で・・・これまた昨日に引き続き、地上付近の湿った暖かい空気(雨の原料)の様子。

昨日同様、東日本にはそこそこの暖湿気。
夕立の少なかった昨日と同程度ですけど、今日は寒気が南下しています。
相対的に不安定の程度は昨日より増すわけですね。
一方、九州方面には強い暖湿流が前線上の低気圧の東側を回り込むように流入。
低気圧がやってくる前に、活発な雨雲がやってきそうです。
ということで、具体的な雨の様子・・・この流れ、もう飽きてきちゃいましたけど・・・・・


図を見れば、コメントなんかいらないですよね。
ただ、今朝の段階で(今日はこのフレーズが多すぎですけど)、気象庁がメインに使っているGSMという計算値とMSMという計算値の降水量がちょっと違った傾向を示しています。
短期予報解説資料を読むと「GSM は降水の集中で発達させすぎと考えられ、最新のMSM を採用して東進を早めて・・・」なんて書かれています。
計算が不安定なときは安全マージンを多めにとりたいですよね・・・
今日の予報・・・MSMのアニメの計算値同様、南部では「昼過ぎ」ですから12時過ぎ、中部や北部は「夕方」ですから午後3時以降の雨が予想されています。
計算値通りの予報ですし、気象庁が採用しなかったGSMモデルでも同様の傾向ですから、これを覆す情報は見当たりません(海外の計算値を除く)。
予報は当たるとしか言えませんが、雨の降り方や降り出しのタイミングは多少安全マージンをとって、昼過ぎの外出は降られるものだと思っておきたいところです。
最後に、今朝の段階の(しつこい?)明日の予報、GSMデータに載せておきました。
今夜の予報でもう一度確認しないと・・・ちょっと不安な感じです。

ボチボチ梅雨明け予想・・・できそうな雰囲気になってきたので、この週末考えてみようかな・・・・・
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kasayangw@yahoo.co.jp
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可能な限り返信いたします。
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