2010年01月18日
天気予報は当たるのか?(1月18日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
冬型の気圧配置が弱まっていますが、昨日と一昨日、雪雲が生まれる日本海から雪雲が消える長野まで、「雪雲の道」を訪ねてみました(17日の記事、16日の記事)。
今日日中は引き続き晴れる長野県ですが、今夜、「雪雲の道」を通って雪雲がフラリと訪ねてくるかもしれません。

今朝の長野市内、放射冷却で氷点下7度前後。
昨日に引き続き、上空より地上の気温が下がる逆転層ができて、煙突の煙が横に流れています。
周辺の山の高さから推測すると、地上400~500m付近が逆転層の境界。
日の出のオレンジに染まる菅平とのコントラストは、ちょっと幻想的な雰囲気です。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

今日はここ半月とはちょっと異なったエリア分けになっています。
東日本は「のち・・・」のマークが多くなっていて、右側の天気マークが曇りや雪。
北にいくほど雪マークが増えています。
今日、このエリアに天気を悪くする何か?がやってくるということですから、今日のチェックポイントはこの「何か」が中心になります。
また、雪マークのエリアが県内にも拡大しないのか?を確認しておく必要がありますね。
3、長野県の予報
長野にズーム。天気マークしか見ていないんじゃ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」があるかもしれませんよ。

今日の県内は晴れベース。
ただ、北部だけが「のち 曇り」マークになっていて、予報文によれば曇るタイミングは夜。
また、あいかわらず北部の予報文には「所により 雪」がついています。
「所により」はどこでしょう?
また、周辺各県の天気マークの多くは「のち 曇り」が多く、富山や新潟は「のち 雨(雪)」マークになっています。
にもかかわらず長野県中部と南部は太陽マーク一発!、予報文も晴れ一発!
本当にこれでいいのかな?という感じがしませんか?
県南部のお隣・・・静岡県中部西部も太陽マーク一発ですが、このあたりだけが太陽マークということのようですが・・・・あとでチェックしておきます。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?
テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

今朝のテレビやラジオの天気の解説は結構ばらついていたと思います。
東日本の「のち・・・」の理由について、東北や北陸を重視して説明すると、日本海に発生した低気圧の影響ということになりますが、関東や東海の曇りを重視して説明すると、気圧の谷について説明することになります。
また、日本海の低気圧が弱まる傾向にあるので、上空の気圧の谷が通過するため・・・とあっさり処理してしまう人もいるかもしれません。
さらに、関東ローカルでは南から湿った空気が流れ込み・・・というような関東限定の解説をする人もいるかも・・・・。
こういう場合、南北に長い長野県の解説は・・・雪の可能性もあるので低気圧中心かな?
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
上の一般的な天気図の解説では、地上の高気圧と高気圧の間の気圧の谷の影響・・ということを強調してみました。
長野県の場合はこれでも良いと思いますが、そうなると中部や南部はなんで曇らないんだよ・・・周囲の県はみんな曇るんだろ?という疑問が出てきちゃいます。
まず、広い範囲をもうちょっと深くチェックしてみます。

例によって、地上の天気悪化にパワーを与える上空の気圧の谷の様子。
今夜、上空の気圧の谷が発達しながら(深く・・そして南北に長くなって)本州を通過します。
これがもっと深い谷だったらドカンとした低気圧が発生して、北日本の天気はもっと悪化するはずですが、今回の気圧の谷はそこそこ。
谷が深めなのは北日本中心ですから、長野県内に大きな影響を与えるものではなさそうです。
つづけて、上層の寒気と下層の暖気の様子をチェック。
日本海を東進する低気圧の発達の程度や性質、降るものが雪?雨?に関係してきます。

まず、上層の気温ですが、ここ数日寒気はゆっくりと北上する傾向でしたが、今夜上空の気圧の谷が通過するタイミングでちょっとだけ南下します。

そして、下層の気温・・・上層とは反対に気圧の谷の通過のタイミングで上昇傾向。
低気圧は弱まる傾向ですけど、大気が不安定になりますから・・・小粒でもピリリ・・・低気圧付近では雷なんかも発生して一時的に雪や雨が強く降る可能性があります。
また、下層の気温上昇で北陸では雨が中心になりそう。
北部の「所により 雪」の雪も、かなり湿った雪の可能性があります。
では、長野県にズーム。
チェックポイントは「所により 雪」のエリアと、中部・南部は曇らないの?でした。

まず、MSMという天気のシュミレーションデータを見てみます。
「所により」のエリアは北アルプス周辺のようですね。
一方、昨日まで雪が降り止まなかった飯山方面はほんのわずかの降水しか予想されていません。
これ、西寄りの風が雪の素を運んでくるときに多いのですが・・・北アルプスが雪の素をブロックしてこの周辺だけに雪が降るパターン。
雲の予想を見ても、富山県や岐阜県・・・そして新潟県を覆っている雲が北アルプスでスパッとブロックされています。
だから、中部・南部は晴れマーク一発なんですね。
でも・・・・西寄りの風で雪の素が運び込まれるときには、北アルプスのブロックが効かない南部には西から雲が流れ込みやすい傾向にあります。
そこで、もうひとつの計算値、全地球モデル(GSM)という計算値もチェック。

こちらでは、木曽方面に雲が流れ込んでいます。
日中は晴れだと思いますが、北部同様に「夜 くもり」にしても良かったのかも・・・・
ということで、北部は、大北地域と飯山地域で雲が広がりやすく、低気圧が近づく午後から雪がちらつく可能性もあるということを意識していれば予報は当たると考えて良いと思います。
また、北アルプスのブロックが効く中部も晴れの予報も当たると思います。
一方、南部・・・一日を通して晴れの予報になっていますが、こちらの予報・・・晴れ一発についてはアヤシイと思います。
まあ、雨や雪の可能性はありませんから、ハズレと感じることは少ないと思いますけど・・・・・
(オマケ)
しばしば暖冬の長期予報のハズレが言われますけど、今日明日の予報と違って、長期予報の当たりハズレも長期で判断する必要があります。
長期予報・・・なんですから。
この点、せっかちなKasayanはあまり好きじゃない予報なんですね・・長期予報って。
当ブログの記事等に関して、ご質問・ご意見等がありましたら、
kasayangw@yahoo.co.jp
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可能な限り返信いたします。
2010年01月17日
雪雲の生まれ故郷を訪ねてみたら(1月17日)
昨日は雪雲の終着点・・・長野市付近の雪雲の通り道について考えてみました。
で・・・今日は雪雲の生まれ故郷・・・・冬の日本海を訪ねてみました。

午前10時、長野市出発。
坂中峠を越え、野尻湖を過ぎ、妙高市に入ると積雪量はカーブを曲がるたびに増えてきて、余裕の2メートル超え。

国道18号線の路肩は除雪によって3メートルの雪の壁が回廊のように続いています。
また、道路わきのコンビニの駐車場の周りにも雪の城壁?ができていて、背の高い看板に届きそうな勢いでした。

出発から1時間半・・・ようやく日本海へ。
雪雲の誕生の地は、思ったほど積雪はなく、せいぜい1メートル程度。

日本海で発生した雪雲が日本海側に上陸し、山へとかけのぼる過程で雪を降らせるというメカニズムからすれば、海岸付近の雪が比較的少ないというのもうなずけます。
そして、雪雲誕生の地・・・昨日までの強風のおさまった日本海には、海面スレスレまで雲が垂れこめていました。


寒い朝、川霧が立ち上る様子を見かけますが、日本海のそれは沸騰した湯釜から湯気が立ち上るかのようです。
昨日16日の新潟付近の日本海の海面水温は12~13℃前後。
今日日中の気温は1℃前後でしたから、10℃以上の温度差が雪雲を誕生させているんですね。

以前ヨットで日本一周をしたとき、親不知沖で見た穏やかな日本海の光景とは全く異なる厳しい日本海の姿でした。

このように湿った雪を降らせる雪雲が、車で30分以内・・・わずか30キロほどの距離を南下するだけで標高1000m以上の長野の山々を駆けのぼるわけですから、大量の粉雪を北信地方に降らせるのもうなずけるような気がします。

むこう一週間ほど寒気は遠ざかりますが、再び雪が降るとき、雪雲が生まれる日本海の姿を思い浮かべることでしょう。
2010年01月17日
天気予報は当たるのか?(1月17日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
15年前の今日、早朝からKasayanは電話でたたき起されました。
「生きてるから!」という一言で電話は切れてしまいましたが、その声が母の声だということはすぐにわかりました。
「生きているなんて当たりめーじゃん」と目をこすりながらテレビをつけると、モクモクと立ち上る煙と、倒れた高速道路の映像が目に飛び込んできました。
しばらくは何のことかわからなかったのですが、それが当時父と母が暮らしていた神戸・・・それも東灘区の様子だとわかると、鳥肌が立つのを感じました。
母は唯一生き残った通信手段の公衆電話に並んで、たった一言だけ安否を伝えてきたわけです。
その2日後、Kasayanは食料・飲料・カセットコンロの入った旅行カバンを持って震災の神戸の街を歩いていました。
つぶれた屋根を乗り越え、倒れた電柱や陥没した道路を迂回し、辛うじて倒壊を免れた父母の家にたどり着いたのは半日歩いた後でした。
あれから1月17日の朝になると、あの電話のことを必ず思い出します。

今朝の長野市内、放射冷却でマイナス10℃近くまで冷え込んでいます。
例によって、上空より地上付近の気温が下がって逆転層が形成され、煙突の煙は逆転層を越えることができずに横になびいています。
長野市内はこの冬一番の寒さ・・かな?
寒くても、平穏な日曜の朝ですね。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

日本海側の雪のエリアが一段と小さくなってきたことがわかります。
そして太平洋側の晴れのエリアが拡大していますが、東日本の太平洋側は太陽マーク一発ではなくて、曇りマークとセットになっています。
高気圧が張り出してきて冬晴れが広がる・・・といっても、このあたりの説明を省いてしまうのは手抜きの天気予報だと思うんですけど、テレビはどうでした?
3、長野県の予報
長野にズーム。天気マークしか見ていないんじゃ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」があるかもしれませんよ。

県内全域、晴れ時々曇りマーク。
予報文も同じですけど、北部だけ「所により 夕方まで 雪」がついています。
「所により」ってどこでしょう?
これを特定しない天気予報も手抜きでしょうね。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?
テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

高気圧が張り出して冬型がゆるむのは誰でもわかります。
ただ、等圧線のウネウネを良く見ると、近畿地方を横断するように弱い気圧の谷が出来ていることがわかります。
山間の谷には谷川が流れていて山に降った雨水が集まってきますが、空の上の谷にも周囲から水蒸気が集まってきて雲ができます。
この弱い気圧の谷の雲が、近畿から東日本にかけて太陽マーク一発にならない理由です。
県内にも、この雲がかかってきますから、「時々 くもり」。
予想外に谷が深くなると、「くもり」になっちゃいますが、基本は高気圧のエリア内ですから気にするほどではなさそうです。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
天気予報の予報をするにあたって、今日は短期予報解説資料という予報を作る人のために気象庁本庁が作った解説に沿ってチェックします。
今朝発表の資料は、通常の半分くらいしか書かれていないシンプルなもの。
また、内容も一般の人に理解出来る程度の簡単なものでした。
高気圧が張り出して天気回復傾向なんで、特に注意点を書く必要がなかったんですね。
3項目あるので、今日の天気に関する2項目を天気図に照らしながらチェックしていきます。
①北海道上空の500hPa で-45℃以下の寒気はFT24 にかけて東進して抜ける。北日本はFT24 にかけて気圧傾度が緩み、雪はほぼ終息する。
これは、上空5000m付近で-45℃の寒気が、今夜9時に北海道の東に抜けると言っているだけです。
そして、北日本の冬型・・・等圧線が混雑している状態は解消し、雪も止んでくるということです。

②500hPa・5520m付近の正渦度極大域が-30℃のサーマルトラフを伴って、今日日中、東日本を通過する。これにより、北陸では今日日中まで雪が続くが、夜には高気圧に覆われる。
これはちょっと難しいかもしれませんが、「正渦度」というのは上空の空気の流れのうち、反時計回りの渦ができやすいエリアのこと。
川の流れには曲がり角や石の後ろ側に渦が出来ていたりしますが、それと同じで上空の風の流れにも渦ができます。その渦の下・・・地上には低気圧や気圧の谷が発生するわけですが、その渦のできやすいエリアが日中東日本にかかっていて、特に大きな渦・・「極大域」が通過するということです。

上の天気図アニメで見た弱い気圧の谷ができるのはこのため。
おまけに上の寒気の図で見た-30℃のサーマルトラフ・・・寒気が凹になっている所ですが・・・を伴っているので、雪雲も活発になると言っているわけです。
この渦が抜ける夜までは北陸の雪・・・県内では北部の「所により 雪」のエリアで雪が止まないということですね。
具体的に雪のエリアを特定してみると・・・・

やっぱり新潟県境と飯山方面でした。
ということで、今日の天気予報の「根拠」のチェックは終わりましたが、アヤシイ部分は?
雪については「所により」がついていますから、降らなくてもハズレにゃなりませんし、全く降らないということはないでしょう。
問題は「時々 くもり」の部分。
上で見た「正渦度極大域」の影響がデカイと雲エリアの拡大が懸念されますが・・・・今朝の段階でアメダスの日照時間の観測値を見ると、北部も含めて県内相当に晴れています。
あまり検討しても意味がなさそうですから・・・・これ以上の検討はやめておきましょう。

今日の予報も当たる・・・ですね。
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2010年01月16日
雪雲の通り道を考える(1月16日)
土曜の昼下がり・・・長野駅付近は青空と太陽が顔を出すものの雪がチラチラ・・・・
夕方になってようやく飯綱山が久々に顔を出してくれました。
明日から一週間は雪ともおさらば。
大雪最後に長野市街地に雪を降らせる雪雲の通り道について考えてみました。
専門的であるような・・・単なる備忘録であるような・・・・走り書きですので、長野市民で長野の雪の降り方に興味がある方だけお読みいただければ結構です。
まず、3枚の写真から。



いずれも長野バスターミナル付近のビルから、①南西方向 長野放送・茶臼山方面、②北西方向 県庁・頼朝山方面、③北東方向、善光寺・浅川方面を撮影したもの。
各写真の山腹に白く霧状に写っているのが雪雲の先端。
雪雲が消えつつも、なお雪を降らせている様子です。
これを、立体地図に書き込んでみると・・・・

長野市街地には、一様に雪雲が流れ込んでくるのではなく、基本的に3本の雪雲の通り道があるようです。
標高1300m前後の山が連なる虫倉山・陣馬平山山系の南側、犀川に沿った小川ライン。
その北側で戸隠・飯綱山の南側、鬼無里から裾花側に沿った鬼無里・戸隠飯綱南ライン。
さらに、南北に連なる妙高・黒姫・飯綱の東側、野尻湖・浅川ライン。
写真の番号と地図上の番号を対応させてありますが、ちょうど山の間をぬうように雪雲が流れ込むと考えると、雪雲が弱まりつつあるタイミングで、その先端部分3か所が、写真のように見えたと考えられそうです。
また、谷あいを雪雲が抜けてくるため、霧ヶ峰車山山頂にあるレーダーに映りにくかったということも理解できます。

さらに、この様子をMSMという天気のシュミレーションデータに書き込んでみました。

今日の午後、長野市付近の雲を流す風の流れは北西でした。
また、北アルプスの西側は上昇流域、東側一帯は広く下降流域になっており、長野市東部から志賀高原にかけて再び上昇流域が形成されていました。
そこで・・・・・こんなストーリーを考えてみました。
北アルプスの東側の下降流によって雪雲は消滅しつつも、戸隠・飯綱をはじめとする2000m級の山を迂回する際に強制的な上昇流が発生。
一時的に雪雲は活発になり、3つの雪雲の通り道に沿って長野盆地に下降し、最後の雪を降らせて消滅していった・・・。
もっと北西の風が強く、日本海で発生する雪雲が背の高い活発なものであれば、北信五岳を一気に乗り越えて長野盆地から上田方面まで大量の雪を降らせるのでしょうが、今日は冬型の気圧配置が弱まるタイミングだったので、雪雲の通り道の骨格の部分だけが見えた・・・・のかもしれません。
そうだとすれば、この雪雲の通り道は、雪雲が活発な時の降雪量の分布にも影響してくるはずです。
さらに、風向風速との関係から降雪を細かく予測することも可能かも?
すでに、長野市役所や気象台には積み重ねられたデータが存在しているかもしれませんねぇ・・・・
どうなんだろ?
2010年01月16日
天気予報は当たるのか?(1月16日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
テレビの天気予報では、冬型ゆるむ・・ということがポイントになっていると思いますが、ここでも同じことをやっていては意味がありません。
今日は「天気マークの予報を使いこなす」というノウハウものを意識しつつ記事を書いてみました。
ところで今朝の長野市内、まだ雪が舞っていますが、千曲市方面に青空が顔をのぞかせています。

今日はセンター試験のようですが・・・はるか昔の共通一次試験を思い出します。
雪が降る中を自転車で信州大学工学部に向かう途中・・・・国鉄の陸橋の上で自転車のチェーンが外れ、手を油と雪まみれにして修理し、会場に急ぎました。
それ以来、共通一次試験には雪が降るというジンクスがあったのですが、センター試験と名称が変わってから、そんな話も無くなったようです。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

天気が回復基調のときは、あれこれ理屈をこねるより、どんなペースで回復するのかをビジュアルでイメージしておいたほうが良いと思います。
というのも、全国ネットの天気予報では、回復が遅れる地域を置き去りにして回復のイメージが強調されがちだからです。
ということで、今日、明日の天気マークをゆっくりチェンジするようにしてみました。
自分の頭上の天気マークに着目するのではなく、どのエリアで雪マークが減って、太陽マークがどのように拡大するのかを感覚的にとらえてみてください。
3、長野県の予報
長野にズーム。天気マークしか見ていないんじゃ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」があるかもしれませんよ。

こちらは、自分の頭上の天気マークが明日にかけてどう変化するのかに着目してみてください。
どうしても太陽マークに目が向いてしまいますけど、二つセットの「時々(一時)」の天気マークは左側のマークがメインの天気傾向です。
そして、自分の頭上の天気に影響しやすい一番近くの周囲の県の天気マークもチェックしておきましょう。
北部なら新潟県上越と富山県、中部南部は岐阜県。
県境ならこっちの予報を見たほうが良い場合もありますし、予報がハズレたときの天気がこれになることが多いんです。
で・・・今日から明日の天気マークのイメージができたところで、予報文を読んでみましょう。
長野県 16日 5時
北部
今日 北の風 雪 朝 から くもり (413)
明日 北の風 くもり 昼前 から 夕方 晴れ
所により 昼前 まで 雪 (201)
中部
今日 北の風 くもり 昼前 から 晴れ 所により
朝 まで 雪 (211)
明日 南の風 後 北の風 晴れ 昼前 から 時々
くもり (110)
南部
今日 北の風 晴れ (100)
明日 北の風 後 南の風 晴れ 昼過ぎ から 夕方
くもり (100)
予報文の末尾に(413)とか(211)という暗号のような番号が並んでいますが、テロップ番号といって、天気マークの番号。100なら太陽マーク一個を表示しなさいよという意味です。
天気マークの天気予報は、コンピューターがこの番号を自動的に読み取って、指定の天気マークを表示しているだけ。
風の予報や、「昼前から夕方」なんて時間指定までしてくれる予報文のほうが全然情報量が多いですから、これを読まないのはもったいない。177も同じですから、今さら・・・と思われがちな電話の天気予報ってかなり使えるんです。
(予報文のサイト http://www.imoc.co.jp/yohou/yhd_2.htm )
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?
テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

テレビの天気予報では、冬型がゆるむ・・・ということが強調されていると思います。
ただ、こちらも「冬型がゆるみにくい」というエリアが置き去りにされがちです。
北日本の冬型・・・西高東低の気圧配置が残るということも意識しておきましょう。
この影響を受けやすい県北部・・・それも新潟県境付近の回復はかなり遅くなりそう・・・ということになります。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
上で見てきた天気チェックの方法からすれば・・・南部の晴れはまず堅いでしょう。
お隣の愛知県や静岡県西部も晴れ・・・曇りの岐阜県南部も「のち晴れ」ですから・・・。
南部の予報は当たると思います。
中部・・・太陽マークがついていますが、左側のマークは曇りですから基本的に曇りベース。
どれだけ晴れ間がでるのか?ということですけど、昨日まで岐阜県側から流れ込む雪をブロックしてくれていた北アルプスに近いエリアでは晴れ間が出にくいと思われます。
雪ベースの予報が出ている富山県に近いエリアほど雲が広がりやすいということです。
一方、諏訪や八ヶ岳方面、そして上田や佐久方面は晴れ間というより冬晴れに近いでしょう。
お隣の山梨県や群馬県の太陽マーク一発!に近いはずです。
そして、大雪が続いた北部。
中部に近い長野市南部や千曲市は晴れ間が多いはずですが、北にいくほど雲が厚みを増して、県境付近は雪ベースの新潟県と同様雪の降りやすい状態が続きそうです。
以上のことをキチンと理解して天気予報をみていれば、比較的単純な気圧配置の今日は予報がハズレることはないはずです。
・・・とまあ、専門天気図など使わずに天気マークだけでここまで考えることができることがおわかりいただけたと思います。
テレビで見かける県内の予報は長野県だけしか表示していませんけど、周囲の県の予報も含めたものを増やしてくれると良いのですけど・・・。
ただ、天気マークだけのチェックで判断が難しいのは明日でしょうね・・・・。
高気圧が張り出しても、高気圧の中心がどこにあるか?高気圧の吹きだしの風がどう流れ込むか?で雲が広がりやすいことがあります。
もっとも、太陽マーク一発でも、予報文の中に曇る可能性がキチンと書かれています。
明日の南部の予報文は良い例です。
最後に、雪が続く飯山方面の降水(雪)の様子だけ専門の天気図で確認しておきます。

雪が本当に止むのは、明日の後半からということになりそうです。
このエリア・・・もうちょっと我慢ですね。
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2010年01月15日
大雪終わって暖かくなる??
3日間連続で大雪情報が発表されていましたが、今日の夕方に発表された第8号をもって「大雪に関する長野県気象情報」が終了しました。
[補足事項]
「大雪に関する長野県気象情報」は、これで終了します。
もうひとつ、来週は暖かくなりそう・・・なので、最後の大雪情報と週間予報をまとめておきました。
もっとも、明日の夕方までにまだまだ降雪が予想されていますから、特に降雪の多い地域ではあと1回は雪かき・・・がんばって!!・・・という感じです。

[予想降雪量]
16日18時までの24時間に、いずれも多い所で、
北部 大北地域山沿い :40センチ
平 地 :20センチ
長野地域山沿い :40センチ
平 地 :20センチ
中野飯山地域 :50センチ
中部 乗鞍上高地地域 :10センチ
松本地域の聖高原周辺:10センチ
その他の地域 : 5センチ
上田地域の菅平周辺 :10センチ
その他の地域 : 5センチ
佐久地域 : 5センチ
諏訪地域 : 2センチ
南部 木曽地域 : 5センチ
その他の地域 : 2センチ
(原文はこちら http://www.jma.go.jp/jp/kishojoho/322_index.html )
大雪が終わると・・・・いつ暖かくなるんだ?・・ということが気になってきます。
ザクッとむこう一週間の天気図と気温の予想をチェックしてみました。

まずは、むこう一週間の天気図ですが、大陸から高気圧が張り出して・・・19日~21日日中までは春の天気図のように移動性の高気圧に覆われます。
21日には前線が通過しそうですから、すくなくとも18日(月)~20日(水)は、晴れベースの天気になりそうですね。
で・・・・・暖かくなるの?ということですが・・・・・

むこう一週間の上空1500m付近の気温の様子です。
0℃の線が、19日(火)には日本海まで北上して21日に南下。
ですから、色を塗ってある19日から21日までは、地上でも気温上昇。
長野地方気象台発表の週間予報 http://www.jma.go.jp/jp/week/322.html によれば、20日の最高気温9℃が予想されています。
そうなると、なだれ注意報が発表されたりしますから、今回大雪のあったエリアの方は要注意ですね。
この高温・・・昨日までは異常じゃないの?という予想がされていましたが、今日発表のデータを見る限り平年よりちょっと高めという程度のようです。
・・・・明日はまだまだ寒いですが・・・もうちょっとの我慢・・・・
2010年01月15日
天気予報は当たるのか?(1月15日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
今朝も引き続き、長野地方気象台から大雪情報が発表されています。
大雪警報が発表されている中野飯山地域の降雪がダントツ・・・44センチ。
このエリア、明日にかけてさらに70センチの降雪が予想されています。

今朝の情報は文末に引用掲載しておきますが、大雪情報には普通の天気予報には書かれていない県内各地の「予想降雪量」が書かれていますから、ぜひ原文を読んでみてください。
気象庁HP http://www.jma.go.jp/jp/kishojoho/322_index.html
ただ、午前11時に新しい情報が発表される予定ですから、新しい情報でアップデートを忘れずに!
このところ、県内では大雪がどのようにとらえられているのかな?と考えて、雪に関するタイトルが書かれているブログを読んでいます。
斜めに予報を読んで「大雪といってるけど雪それほどでもないじゃん!」と勘違いされている人や、「どれだけ降るんだろう?」とドキドキしている人など、悲喜こもごも。
みなさん朝は忙しいですから、予報を横目で見るのも仕方ありませんが、中途半端に予報を見るとかえって誤解しちゃいます。
そんな時には天気マークじゃなくて、予報文を読むのがおすすめです(177でも同じです)。
予報文のサイト http://www.imocwx.com/yohou/yhd_2.htm
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

基本的には日本海側の雪と太平洋側の晴れという冬型の天気分布に変化はありません。
ただ、九州方面は南部まで曇りベース。
先日、九州でも雪が降りましたが、冬型がゆるむ際の最後っ屁?・・のような弱い低気圧が通過するから。
寒気は抜けているので降っても雪になりません。
3、長野県の予報
長野にズーム。天気マークしか見ていないんじゃ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」があるかもしれませんよ。

さて県内・・・昨夜の北部の予報は「雪 時々 くもり」マークでしたが、今朝は雪マーク一発!
昨日の記事で、明日は上空の気圧の谷が通過する・・・と書きましたが、キチンと谷が来ちゃったようです。
どんな降り方をするか?は後でチェックします。
そして中部と南部・・・中部は「昼前から昼過ぎ」に晴れ間が出るようですが、南部は「昼過ぎから夕方」に晴れ間が出るので、太平洋に近い南部のほうが遅れて回復するようです。
御嶽山の南側の比較的標高の低いところから雪雲が流れ込む傾向が続いているんでしょう。
この雪雲の通り道をKasayanは勝手に御嶽南ラインと呼んでいますが、この様子もあとでチェックします。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?
テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

九州や北海道では、冬型の気圧配置に微妙な変化がありますが、県内には大きく影響しないので解説は書き込んでいません。
むしろ長野県上空の等圧線の間隔がゆ~っくりと広がって冬型がゆるんでくる様子を見ておいてください。
本当にゆ~っくり・・・・・なので、今日一杯は大雪モードです。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
今日もまた・・・ですけど、大雪情報や警報が発表(しつこいようですが行政命令じゃないので発表です)されているので、天気予報のアヤシさをチェックするようなことはしません。
で・・・まずは、冬型の気圧配置が続いても、べたーっと雪にはならず、降ったり止んだりさせる原因になる上空の気圧の谷の様子からチェックしてみます。

今朝と今夜の上空の谷の様子。
日中、東日本上空を一発気圧の谷が通過します。
こいつが通過すれば雪は弱まる・・・・とおもいきや・・・・夜には北日本中心にもう一発!気圧の谷がやってきます。
ということで、上空の気圧の谷のバトンタッチがされてしまうので、雪の降るエリアに変化があるものの、大雪になりやすい状態が連続してしまいます。
さらに、上空の気圧の谷がやってくると、地上付近にできる日本海収束帯という雪雲のベルトコンベアが活発になって、県内に雪雲を運びこみます。
この日本海収束帯がどの方向から雪雲を運びこむかによって県内の雪の降るエリアが変化するわけですが・・・・・・

今日の日本海収束帯・・・昨日に引き続き北陸に雪雲を運びこみます。
また、収束帯は上空3000m付近の西風に沿う傾向にありますが、長野県北部・・・地上に近い上空1500m付近で北西の風が吹いていると、流れが南に曲がって飯山方面に雪雲が流れ込む傾向にあるようで(Kasayan独自の見解ですが)・・・・今日がまさにその傾向。
やはり飯山方面は引き続き大雪警戒モードのようです。
また、上空3000m付近の流れは、能登半島で南北Y字に分かれ、南の流れは長野県西部に向かっています。
ただ、北アルプスに守られる中部に雪雲が流れ込まず、南部御嶽山の南側・・木曽地方に雪雲が流れ込むことになるようです。
このあたりが、今朝発表の気象庁の予報に表現されているんでしょうね。
そうそう・・・大北地域・・・北アルプスをかろうじて越えた雪雲と、糸魚川~小谷付近の谷を通った雪雲で雪の可能性があるようです。
さて・・・今朝はこんなところで時間切れ・・・・
大雪情報のうち、積雪の実況を省いて引用添付しておきます。
繰り返しになりますが、原文もあわせてチェックしてくださいね。
大雪に関する長野県気象情報 第6号
平成22年1月15日05時40分 長野地方気象台発表
(見出し)
中野飯山地域では、15日夜のはじめ頃にかけて大雪となるでしょう。大雪
による視程障害、積雪や路面凍結等による交通障害に警戒して下さい。
(本文)
[気象状況]
日本付近は、16日にかけて冬型の気圧配置が続く見込みです。
長野県では、北部では16日にかけて、乗鞍上高地地域と木曽地域では1
5日夜のはじめ頃にかけて、断続的に強い雪が降るでしょう。
中野飯山地域では15日夜のはじめ頃にかけて、大雪に警戒して下さい。
[予想降雪量]
16日06時までの24時間に、いずれも多い所で、
北部 大北地域山沿い :40センチ
平 地 :20センチ
長野地域山沿い :40センチ
平 地 :20センチ
中野飯山地域 :70センチ
中部 乗鞍上高地地域 :20センチ
松本地域の聖高原周辺:10センチ
その他の地域 : 5センチ
上田地域の菅平周辺 :10センチ
その他の地域 : 5センチ
諏訪地域 : 3センチ
佐久地域 : 5センチ
南部 木曽地域 :15センチ
その他の地域 : 3センチ
の見込みです。
[防災事項]
中野飯山地域では、大雪による視程障害、積雪や路面凍結等による交通障
害に警戒して下さい。
大北地域、長野地域、乗鞍上高地地域、木曽地域でも、降雪による視程障
害、積雪や路面凍結等による交通障害に注意して下さい。
また、電線や架線、樹木への着雪に注意して下さい。
積雪の多い傾斜地では、なだれに注意して下さい。
[補足事項]
次の「大雪に関する長野県気象情報」は、15日11時頃に発表する予定
です。
当ブログの記事等に関して、ご質問・ご意見等がありましたら、
kasayangw@yahoo.co.jp
までメールしてください。
可能な限り返信いたします。
2010年01月14日
大雪情報が発表されています(1月14日)
今朝の引き続き、長野地方気象台から大雪情報が発表されていますので、Kasayanの備忘録を作るついでに集めたデータ等もあわせて掲載しておきます。

今日午後6時までの24時間で、一番降雪量が多かったのは飯山地方。
野沢温泉で60センチ、飯山で51センチ。
雪雲がかかり続けていた新潟県境の栄村(11日の記事に栄村森宮野原駅=JR積雪量最高地点を訪ねた写真を掲載しています)では、さらに積雪が増えていると思われ、今日も飯山線は戸狩から先で運転を見合わせていました。
さて、長野地方気象台発表の大雪情報ですが、午前11時発表の情報までは県北部全般の大雪の警戒を呼び掛けていましたが、夕方発表の情報では中野飯山地域を中心にしたものになっています。
午後7時現在、中野飯山地域に大雪警報が発表(発令という表現は行政命令ではないので誤りです)されていることもありますが、冬型の気圧配置が弱まるにつれて大雪のエリアも、飯山方面に限定されてきていることも確かです。
積雪の実況は上の図に書き込んだので、実況を省いた形で引用掲載します。
なお、情報中の天気図は、気象庁発表の予想天気図にKasayanが加筆したものです。
大雪に関する長野県気象情報 第5号
平成22年1月14日16時56分 長野地方気象台発表
(見出し)
中野飯山地域では、15日にかけて大雪となるでしょう。大雪による視程障
害、積雪や路面凍結等による交通障害、農業施設の倒壊に警戒して下さい。
(本文)
[気象状況]
長野県では、15日にかけて、強い冬型の気圧配置が続く見込みです。こ
のため、北部や県の西側の地域を中心に、15日にかけて断続的に強い雪が
降り、大雪となるでしょう。
[予想降雪量]
15日18時までの24時間に、いずれも多い所で、
北部 大北地域山沿い :40センチ
平 地 :20センチ
長野地域山沿い :40センチ
平 地 :20センチ
中野飯山地域 :60センチ
中部 乗鞍上高地地域 :20センチ
松本地域の聖高原周辺:10センチ
その他の地域 : 5センチ
上田地域の菅平周辺 :10センチ
その他の地域 : 3センチ
諏訪地域と佐久地域 : 3センチ
南部 木曽地域 :15センチ
その他の地域 : 3センチ
の見込みです。
[防災事項]
中野飯山地域では、大雪による視程障害、積雪や路面凍結等による交通障
害、農業施設の倒壊に警戒して下さい。
大北地域、長野地域、乗鞍上高地地域、木曽地域でも、降雪による視程障
害、積雪や路面凍結等による交通障害、電線や架線、樹木への着雪、農業施
設の倒壊に注意して下さい。
積雪の多い傾斜地では、なだれに注意して下さい。
[補足事項]
次の「大雪に関する長野県気象情報」は、15日06時頃に発表する予定
です
ところで、「今日、長野市内では雪が降らなかった」といったら、「なにとぼけたことを言っているんだ」という返事が返ってくると思います。

これは14時の長野駅付近上空の様子。
雪雲を透して太陽が見えますが、しっかりとした雪粒が舞っていました。
一方、この時間、そして前後30分の気象庁のレーダーを見ても、長野市上空に雪雲は映っていません。

レーダーに映らない雪雲が雪を降らせているわけです。
次に、当然雪が降っているはずの長野地方気象台(善光寺の東側)のアメダスの降水量や積雪深の記録を見ると・・・・

積雪の変化は1センチ程度で誤差なのか判別がつきませんし、降水量は一日を通してゼロ。
これだけ見れば、「今日、長野市内で雪は降らなかった」と考える人もいるかもしれません。
まず、降水量は雨量計で観測できないほど少ないもの・・・雪を溶かすと小さな水滴になって0.5ミリにも達しない程度のものだったと考えられます。
また、レーダーに映らかかったのは、雪雲が薄霧のように弱いものであったこと、そして山肌にへばりつくような雲頂高度の低いものであったことが考えられます。
長野県の雪雲は、主に霧ヶ峰の車山、新潟の弥彦山、福井の東尋坊、名古屋市に配置されているレーダーのデータを合成したものによって観測されています。
レーダーの電波は直進性がありますから、2000m以上の山が入り組んでいる長野県の場合には、電波が届きにくいエリアに入り込んだ雪雲をとらえにくい傾向にあります。

車山の標高は2000m弱。
雪雲の活発な部分が低い所にあれば、車山の北にある長野市の場合、美ヶ原や聖山付近の山々に遮られて電波が届かない可能性が出てきます。
ちなみに、計算による今日の長野市の降水(雪)の様子を見ると、14時の降水量は非常に弱い0.2ミリ前後。

雲頂高度は3000m付近。

雪雲を構成している氷粒はかなり低いところにあったのではないかと考えられます。
長野市で雪は降らなかった・・・・人間の目が必要なんですね。
2010年01月14日
天気予報は当たるのか?(1月14日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
朝、目覚めて気になる積雪の様子から・・・・

ざっと見たところ、新潟県境に雪は集中。
そして、「昨夜の段階では」大雪情報に書かれていた予想降雪量より少ないと感じます。
ただ、長野地方気象台からは今朝も大雪情報が発表されていて、さらなる降雪が予想されていますから、これで終わりじゃありません。
記事の最後に予想降雪量を引用掲載しておきます。

これ、昨日午後、長野県東部で晴れ間が広がったときの衛星画像。
北陸や東海で雪雲が広がっているのに、長野県東部だけ見事に晴れのエリアに入っています。
西高東低の気圧配置が北東~南西に傾いていたので、県内には季節風が西寄り。
北アルプスが完璧に雪雲をブロックしていたんですね。
また、北アルプスの南側の木曽地方には雪雲が流れ込んでいて、中央アルプスが伊那地方への雪雲をブロックしているのもわかります。
長野県の雪・・・・アルプスの影響がすごいです。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

昨日に引き続き、九州も日本海側の雪エリアに入っていますけど、宮崎県など九州東部は晴れエリア。
九州全体が雪エリアだった昨日より冬型の天気分布がゆるんでくることが、天気マークの配置だけでわかります。
3、長野県の予報
長野にズーム。天気マークしか見ていないんじゃ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」があるかもしれませんよ。

天気マークは北部だけ雪なのねぇ・・・という感じですが、予報文をキチンと読めば今日から明日にかけての天気傾向がわかります。
北部は昼過ぎから時々くもりですから、次第に回復傾向・・・・だけど明日になると「時々 雪」ということで、今日の午後は一時的な回復という感じ。
中部や南部も今日は「所により 昼過ぎ まで 雪」ですから、そのあとは回復。
だけど明日になると「所により」はついていますが、「朝 から 夕方 雪」なので、明日日中は回復基調ながら雪の可能性があり。
結局、北部ほど雪が降りやすい傾向が続くけど、今日の後半はいったん回復。
ただ、明日になると再び雪が降りやすい・・・ということのようです。
予報文は、電話の177の内容と同じ。
ヘタに天気マークだけの天気予報を携帯で見るよりずっと情報量があるんです。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?
テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

実況天気図から予想天気図にチェンジしています。
一目で大陸の高気圧が西日本に張り出していることがわかります。
ですから、西から冬型の気圧配置はゆるむ傾向。
ただ、高気圧の張り出しが南寄り・・・・
東日本は引き続き冬型の気圧配置。
強い冬型から普通の冬型に戻るといったイメージです。
ホントは北海道を通過する低気圧も重要なんですけど・・・・長野にゃ関係ないのでパス。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
今朝も長野地方気象台から大雪情報が発表されているので、防災情報が発表されているのに天気予報が当たるのなんの?といっているのはマズイでしょう・・・ということで、今日も当たりハズレはパス。
今日も詳しい解説にとどめておきます。
まずは、今日の雪の傾向から見ていきましょう。

午前9時と午後9時の予想降水(雪)量を並べてみましたが、一目瞭然で雪が弱まることがわかります。
ただ、新潟県境付近・・・本当にしつこく雪が残るんですね・・・本当に豪雪地帯ですね。
では次に、雪が弱まる理由・・・・寒気の変化も見ておきます・・・というのも、一つのデータだけで判断するとコンピューターの不安定な計算値にだまされてしまうから。
総合的に判断しなければ・・・・これが結構メンドウ・・・・

大雪の一つの目安となるマイナス36℃の寒気・・・北上しています。
ということで・・・雪が弱まる理由は冬型の気圧配置が西からゆるみ、寒気も抜けるから・・・ということで確定しました(本当はもっと沢山の天気図を見ています)。
じゃ・・・なんで明日再び雪が降りやすい状態になるんだよ?
基本的に明日の天気図も今夜の予想天気図と見た目は大きく変わりません・・・・

ここの部分は、天気予報番組を作るにあたって解説が一番困るところ。
よく耳にする「上空の気圧の谷が通過するため」という部分ですが、なんだかごまかされたような気がしますよね?
だけど、それ以外に説明のしようがないので・・・・「地上の雪雲にパワーを与える上空の気圧の谷」と言いかえていますが・・・・・・

昨夜から今朝にかけて雪雲を活発にした上空の谷は、今夜三陸沖へ。
明日、再び雪雲にパワーを与える谷が、今夜朝鮮半島付近へやってきます。
こうやって図で示せば多少はわかりやすいのかな?
まあ、こんな形で今日から明日の天気をまとめてみました。
最後になりましたが、今朝発表の大雪情報から予想降雪量の部分だけ抜粋引用しておきます。
原本は http://www.jma.go.jp/jp/kishojoho/322_index.html にあります。
11時に新しい情報が発表されるようですから、チェックしてみてください。
当ブログの記事等に関して、ご質問・ご意見等がありましたら、
kasayangw@yahoo.co.jp
までメールしてください。
可能な限り返信いたします。
1、今日の一言
朝、目覚めて気になる積雪の様子から・・・・

ざっと見たところ、新潟県境に雪は集中。
そして、「昨夜の段階では」大雪情報に書かれていた予想降雪量より少ないと感じます。
ただ、長野地方気象台からは今朝も大雪情報が発表されていて、さらなる降雪が予想されていますから、これで終わりじゃありません。
記事の最後に予想降雪量を引用掲載しておきます。

これ、昨日午後、長野県東部で晴れ間が広がったときの衛星画像。
北陸や東海で雪雲が広がっているのに、長野県東部だけ見事に晴れのエリアに入っています。
西高東低の気圧配置が北東~南西に傾いていたので、県内には季節風が西寄り。
北アルプスが完璧に雪雲をブロックしていたんですね。
また、北アルプスの南側の木曽地方には雪雲が流れ込んでいて、中央アルプスが伊那地方への雪雲をブロックしているのもわかります。
長野県の雪・・・・アルプスの影響がすごいです。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

昨日に引き続き、九州も日本海側の雪エリアに入っていますけど、宮崎県など九州東部は晴れエリア。
九州全体が雪エリアだった昨日より冬型の天気分布がゆるんでくることが、天気マークの配置だけでわかります。
3、長野県の予報
長野にズーム。天気マークしか見ていないんじゃ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」があるかもしれませんよ。

天気マークは北部だけ雪なのねぇ・・・という感じですが、予報文をキチンと読めば今日から明日にかけての天気傾向がわかります。
北部は昼過ぎから時々くもりですから、次第に回復傾向・・・・だけど明日になると「時々 雪」ということで、今日の午後は一時的な回復という感じ。
中部や南部も今日は「所により 昼過ぎ まで 雪」ですから、そのあとは回復。
だけど明日になると「所により」はついていますが、「朝 から 夕方 雪」なので、明日日中は回復基調ながら雪の可能性があり。
結局、北部ほど雪が降りやすい傾向が続くけど、今日の後半はいったん回復。
ただ、明日になると再び雪が降りやすい・・・ということのようです。
予報文は、電話の177の内容と同じ。
ヘタに天気マークだけの天気予報を携帯で見るよりずっと情報量があるんです。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?
テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

実況天気図から予想天気図にチェンジしています。
一目で大陸の高気圧が西日本に張り出していることがわかります。
ですから、西から冬型の気圧配置はゆるむ傾向。
ただ、高気圧の張り出しが南寄り・・・・
東日本は引き続き冬型の気圧配置。
強い冬型から普通の冬型に戻るといったイメージです。
ホントは北海道を通過する低気圧も重要なんですけど・・・・長野にゃ関係ないのでパス。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
今朝も長野地方気象台から大雪情報が発表されているので、防災情報が発表されているのに天気予報が当たるのなんの?といっているのはマズイでしょう・・・ということで、今日も当たりハズレはパス。
今日も詳しい解説にとどめておきます。
まずは、今日の雪の傾向から見ていきましょう。

午前9時と午後9時の予想降水(雪)量を並べてみましたが、一目瞭然で雪が弱まることがわかります。
ただ、新潟県境付近・・・本当にしつこく雪が残るんですね・・・本当に豪雪地帯ですね。
では次に、雪が弱まる理由・・・・寒気の変化も見ておきます・・・というのも、一つのデータだけで判断するとコンピューターの不安定な計算値にだまされてしまうから。
総合的に判断しなければ・・・・これが結構メンドウ・・・・

大雪の一つの目安となるマイナス36℃の寒気・・・北上しています。
ということで・・・雪が弱まる理由は冬型の気圧配置が西からゆるみ、寒気も抜けるから・・・ということで確定しました(本当はもっと沢山の天気図を見ています)。
じゃ・・・なんで明日再び雪が降りやすい状態になるんだよ?
基本的に明日の天気図も今夜の予想天気図と見た目は大きく変わりません・・・・

ここの部分は、天気予報番組を作るにあたって解説が一番困るところ。
よく耳にする「上空の気圧の谷が通過するため」という部分ですが、なんだかごまかされたような気がしますよね?
だけど、それ以外に説明のしようがないので・・・・「地上の雪雲にパワーを与える上空の気圧の谷」と言いかえていますが・・・・・・

昨夜から今朝にかけて雪雲を活発にした上空の谷は、今夜三陸沖へ。
明日、再び雪雲にパワーを与える谷が、今夜朝鮮半島付近へやってきます。
こうやって図で示せば多少はわかりやすいのかな?
まあ、こんな形で今日から明日の天気をまとめてみました。
最後になりましたが、今朝発表の大雪情報から予想降雪量の部分だけ抜粋引用しておきます。
原本は http://www.jma.go.jp/jp/kishojoho/322_index.html にあります。
11時に新しい情報が発表されるようですから、チェックしてみてください。
[予想降雪量]
15日06時までの24時間に、いずれも多い所で、
北部 大北地域山沿い :30センチ
平 地 :15センチ
長野地域山沿い :30センチ
平 地 :10センチ
中野飯山地域 :40センチ
中部 乗鞍上高地地域 :15センチ
松本地域の聖高原周辺:10センチ
その他の地域 : 5センチ
上田地域の菅平周辺 :10センチ
その他の地域 : 5センチ
諏訪地域と佐久地域 : 3センチ
南部 木曽地域 :10センチ
その他の地域 : 5センチ
当ブログの記事等に関して、ご質問・ご意見等がありましたら、
kasayangw@yahoo.co.jp
までメールしてください。
可能な限り返信いたします。
2010年01月13日
大雪情報が発表されています(1月13日)
正直なところ、今日の強風・・・比較的風の穏やかな県内にこれだけ風が吹き込むとは思いませんでした。
信濃町では、統計開始以来・・・といっても昨年からですけど・・・の最大瞬間風速30.5m/sを記録しています。

長野地方気象台は、午前10時過ぎから午後3時半まで「風雪注意報」を出していましたが、今朝発表の大雪情報の中では、山岳を除いて強風には一言も触れていませんでしたから、気象台にとっても予想外だったかもしれません。
ところで、昨日は気象庁本庁が大雪情報をだしていましたが、今日は長野地方気象台も大雪情報を発表しています。
Kasayanの備忘録を作るついでに、その内容を引用掲載しておきます。
(大雪情報は、ニュースなどで「・・・と気象台は注意を呼び掛けています。」と放送される防災情報です)
また、大雪情報とは別に発表されている注意報の原文には、実況に応じてホットな予想降雪量などが記載されていますから、注意報・・・それも原文をあわせて読まれることをおすすめします。
長野地方気象台発表注意報・警報原文: http://www.jma.go.jp/jp/warn/322.html
(注意報は随時発表と解除がなされます。常に新しいものをご覧ください)
なお、情報文中の天気図は、気象庁発表の速報天気図と予想天気図にKasayanが加筆したもの。
文末に今夜9時から明日正午まで、3時間毎の降水(雪)量予測をアニメにしたものを添付してあります。
大雪に関する長野県気象情報 第2号
平成22年1月13日17時14分 長野地方気象台発表
(見出し)
県内では、13日夜のはじめ頃から14日朝にかけて、北部や県の西側の地
域を中心に断続的に強い雪が降り、大雪となるおそれがあります。降雪や路
面凍結による交通障害、電線等への着雪、なだれに注意して下さい。
(本文)
[気象状況]
長野県の上空約5000メートルでは、13日夜遅くから14日明け方に
かけて、氷点下39度以下の強い寒気が流れ込み、14日にかけて、冬型の
気圧配置が強まる見込みです。
このため、13日夜のはじめ頃から14日朝にかけて、北部や県の西側の
地域を中心に断続的に強い雪が降り、北部の平地でも大雪となるおそれがあ
ります。
[予想降雪量]
14日18時までの24時間に、いずれも多い所で、
北部 大北地域山沿い :40センチ
平 地 :20センチ
長野地域山沿い :40センチ
平 地 :20センチ
中野飯山地域 :60センチ
中部 乗鞍上高地地域 :20センチ
松本地域 聖高原周辺:20センチ
その他の地域:10センチ
上田地域 菅平周辺 :20センチ
その他の地域:10センチ
諏訪地域と佐久地域 : 5センチ
南部 木曽地域 :20センチ
その他の地域 : 5センチ
の見込みです。
[防災事項]
降雪による視程障害、積雪や路面凍結等による交通障害、電線や架線、樹
木等への着雪に注意して下さい。
特に山岳部では、風雪が強まる事に加え、積雪の多くなる所では、なだれ
に注意して下さい。
14日朝以降も北部の山沿いや中野飯山地域では、断続的に雪が降り続く
見込みで、更に降雪量は増える可能性があります。
[補足事項]
次の「大雪に関する長野県気象情報」は、14日5時頃に発表する予定で
す。
