2010年01月28日
今日の天気について(1月28日)
Kasayanの備忘録を兼ねた、今日の天気についての考察を記事にしておきます。
正直なところ全然面白くないと思いますので、今朝の記事をお読みになって、実際はどうなったのか?という興味をお持ちの方だけお読みいただければと思います。
まず、実況天気図を確認。

12時~15時に南岸前線上の低気圧が東海沖を北東進。
次に、今朝の記事に掲載した雨のピークと考えた計算値と実況(レーダー)との比較。

計算値とほぼ同じ降水域になっています。
南部、特に南西斜面の降水が多くなるという点もOK。
東海沖を通過した低気圧本体の雨雲が南部に強い雨を降らせたと考えられます。
一方、北部長野市付近、計算値は0.1ミリ以下の雨量が予想されていますが、レーダーでは雨雲が観測されていません。
少なくともKasyanの目が届く長野駅付近では完全に雨が上がっていました。
念のため、12時~13時の一時間の降水量をチェック。

大町・白馬・小谷方面、および上越県境付近で雪ないし雨が降っていたと考えられます。
したがって、今日の場合0.1ミリ以下の計算値であれば「くもり」と判断しても良かったと考えられます。
(雪の場合は0.1ミリ以下の計算値でレーダー画像に雨域が観測されていない場合でも降雪が観察されることが多い)
この点、今朝の気象庁発表の時系列予報では、12時~15時の時間帯に傘マークがついていました。
アメダスにでは北部県境付近で降水が観測されていましたが、人口の多い市街地で雨が上がっていたため、時系列予報を見た人には若干回復が早かったという印象になったと考えます。
その後の回復については、15時に善光寺方面に出かけたついでに撮影した空の様子を・・・
まず、旧市街地北の空。

中野方面、野尻湖方面で青空が顔をのぞかせていました。
正直なところKasayanは、冬型の雪雲とのバトンタッチがもうちょっと上手くいって、もっと雲が多いと考えていました。
このパターンの青空は、範囲が少なくても強烈に「晴れ」のイメージを与えるので要注意です。

今朝の天気チェックでは、下層に関してはそこそこの寒気が南下してくる予想になっていたのですが、上層の寒気はイマイチ。降水量がそこそこ予想されていたので、標高が高いという理由のみで雪雲の発達と県内への流れ込みをイメージしてしまいました。
北日本を通過する寒冷前線と背後の寒気の中心の動き、そして日本海上の風との対応という基本的な部分をちょっと軽く見ていたようです。

一方、長野市南部、千曲市方面は雲が多く、時々太陽が覗く程度。
むしろ、こっちのほうが回復が早いと思ったのですが・・・ダメダメです。

同時刻の雲量の計算値は、前線に近い南部ほど上層雲が厚くなっていたようです。
したがって、山岳による影響をあまり受けないまま県内に広がって日中十分な晴れのイメージに至らなかったんですね。
いずれにせよ、今日の反省点は相当温位図(雨のモトの濃さの図みたいなもの)の検討が浅かったということに尽きそうです。
結局今朝のお天気チェック・・・雨の上がり方はイメージ通りでしたが、回復のイメージの作り方が不十分でした。
メンドウだけど、こうやって記事を残したことが今後に生きる・・・とイイんですけど。
【メモ】

2010年01月28日
天気予報は当たるのか?(1月28日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
県内朝から雨や雪・・・・・
昼前後からあがってくるようですが、
こういうときって、「いったいどの範囲で雨(雪)になってんだ?」とか「雨(雪)雲はまだ抜けないの?」なんて気になりませんか?

キー局が担当する関東ローカルの天気予報では、こんなときにはレーダー画像を使って「あと3時間ほどで雨は上がりそうです」なんて解説をしますが、長野ローカルでこんな解説を見たことありますか?
何度か書きましたが、早朝の地方の放送局は最低限の人員で運用されています。
エッこんなに少ないの?と思うほどですから、朝のニュースを作ったり、キー局とのお天気カメラ操作の打ち合わせなんかで大忙し。
天気予報のメニューを変更するヒマなんてありません。
(慣れない人がCG画面の変更操作したりすると放送事故の原因になったり・・・・)
ですから、よほどのことが無い限り、自動で送出される天気画面を使い、気象台の予報文や気象会社から送られてくる原稿を読み上げるだけになります。
ネットの充実化、多チャンネル化の中で、地方ローカル局が生き残るする道の一つとして朝の天気予報の見直しも必要だと思うんですけど・・・・
26日の記事に書いたように、予報のエリアを細かくするという方向にしか進んでいないのは、ちょっと方向を誤っているような気がします。
ニーズに合った天気予報・・・ニーズとは何か?を問い直すべきでは?
(ちょっと偉そうに語っちゃいました・・・・お天気「放談」なんで・・・・)
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

本当は回復するタイミング毎にエリア分けしようと思ったんですけど、複雑になっちゃうんで、大ざっぱに分けておきました。
近畿より東は日中前線や低気圧の雨雲が通過するタイミングで刻々と天気が変化します。
その様子は後の天気図アニメなどでチェックしますが、県外へお出かけでしたら、上のリンク先で各地の予報文を読んでみてください。
県内の予報と同様、「昼過ぎから」とか「夕方から」など、天気変化のタイミングがコンパクトに書かれています。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

北部の天気変化のタイミングは「後 北の風」になったとき。
予報文には「夕方 から 晴れ」と書いてありますが、午後のどこかで雨が曇りに変わります。
一方、中部や南部・・一日を通して南風の予報ですが、南風が強いのは前線が通過する直前によくみられること。
この風がおさまってくるタイミングで雨も上がります。こちらも「夕方」。
教科書的には、前線通過とともに中部や南部も北よりの風に変わるはずなんですけど、そうならないのは気圧配置が複雑なのと・・・高い山々の多い長野県の特徴です。
このあたり、気象庁HPの時系列予報がわかりやすいので、チェックしてみてください。
http://www.jma.go.jp/jp/jikei/322.html
そうそう・・・書き忘れてた・・・ 岐阜県や富山県で「のち くもり」なのに、長野県は「のち 晴れ」になっているのも、北アルプスが雲をブロックしているから。ここでも山の影響がわかります。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

天気を悪くする3つの原因があるのがわかりましたか?
一本の寒冷前線が通過するならもっとシンプルになるんですけど、原因ごとの微妙な相互作用があって特に北日本の天気変化は複雑です。
もっとも長野県に一番影響するのは一番西側の前線と前線上に発生する低気圧。
南西の風に乗って湿った暖かい空気が県内に流れ込みますから、25日の記事で書いたように南部の山の南西斜面付近では一時的にドバッと降る可能性があります。
午前7時現在、県内各地で融雪・なだれ注意報が発表されていますからご注意を。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
こういうときには雨雲の様子から・・・・あくまで計算値ですから、安全マージンをとって見てくださいよ!

県内はすでに雨が降っていますから、ここでは、「昼前後が雨のピークだな」「遅くとも夕方には回復ね」「でも新潟県付近には別の雨(雪)雲ができるんだな」という判断をします。
次は県内にズーム。

ピークと思われる昼から夕方まで3時間毎にチェック。
やっぱり南部ではちょっと多めの降水量が計算されています(黄色のところ)。
ただ午後3時頃には回復しそうですね。
そして、新潟・富山県境付近に別の雨(雪)雲が発達してきています。
・・・・冬型の気圧配置になって・・・雪雲ができてくるんですね。
午前11時45分追記:北部の雨雲は消散傾向。南部雨ピーク。今後雪雲の拡大に注目。11時気圧1008hpaいまだ下降傾向。北部風向南傾向継続?レーダー監視が効果的。
一応・・雪に変わるのか?をチェック。

上で見た雨(雪)雲の範囲には、降るモノが雪になるだけの寒気が南下しています。
午後3時までは雨でも、遅くとも夕方以降は雪。
・・・ザクッと今日の天気変化をチェックしてみましたが、今日の予報がハズレるとしたら・・・・
「のち 晴れ」になるタイミングが遅くなるという点でしょうか?
(のち 曇り 夜 晴れ・・という予報じゃないんですよね・・・今日は)
今日の雨・・・・冬型の気圧配置にバトンタッチするパターンですから、夏場の前線通過とは異なりスパッと回復しません(特に西や北のエリア)。
そのあたりを考慮したかどうかはわかりませんが、県内全域「晴れ」になるのは「夕方 から」。
すでに日が落ちる頃ですから、晴れのハズレを感じることはないでしょう。
天気マークだけ見て「のち 晴れ」だから午後には晴れんだろう!なんていう誤解をしなければ天気予報は当たるはずです。
そうそう・・・雨の降り方も一様じゃないので、降ったりやんだり・・・南部ではドバッもあるというイメージ。
気になる方は、気象庁HPや携帯電話でレーダー画面を見るのがイイですね。
http://www.jma.go.jp/jp/radnowc/
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