2010年08月10日
天気予報は当たるのか?(8月10日)台風情報と今日の雷雨

故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。久々の長野の天気に慣れるため、毎朝コツコツ天気予報の修行中。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
台風4号の動向が気になる方・・・多いと思いますので、今朝は台風の動向とあわせて今日の天気をまとめておきました。

また、盆休みの天気・・・週間予報については、昨夜の記事でまとめておいたので、よろしければ参考にしてください。
昨夜の記事の天気図をベースに、日々の週間予報の変化をチェックすれば、週間予報の天気マークだけを見て一喜一憂するよりは、天気のイメージ作りができると思います。
19時追記:午後から県内、南部から雷雲が拡大し、北部を飯山方面へ通過。19時現在では、県西部を中心に局地的に激しい雨になっています。今夜遅くには回復するでしょうけれど・・・・・
今日、夕方の長野ローカルの天気予報をPCのワンセグで見て驚き・・・・・。72時間後の台風の予想進路図の予報円中に長野県がスッポリと入っているのに、台風の予想進路図を天気予報番組で放送していた民放はなし。明後日に県内最接近ですから、対応は明日しかないはずなのに・・・・・。視聴者が自衛しないとダメなんですね。各局の天気用CG送出システムには、台風予想進路のメニューはあるはずなのに・・・。メニューや送出秒数の設定をいじると放送事故のモトだから、避けているんでしょうね・・・まず間違いなく。一応、最新の進路予想を気象庁HPから引用しておきますが、コースは南よりになる傾向があります。新しい情報でアップデートしてくださいね。

2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

傘マークがついているあたり・・・・太陽マークはありませんけど、思いほのか晴れ間もあってカッ!と暑くなりますが、スコールのような雨の可能性もあり・・・ということです。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

昨日は、計算値より早めに雨雲が消散・・・・特に北部では、山沿いの局地的な雨にとどまりました。
対流性の雨・・・予測の難しさが顕著になっていますが、安全マージンをとった予報でしたから、見逃しではずれたというよりは、ラッキーと思うべきだと思いますが、いかがですか?
今日は昨日よりずっと雨の可能性は大。
「夕方から 雨」ということですから、午後3時以降、雨の可能性が高まるということのようです。
また、マークは曇りベースですけど、太陽が出れば夏の日差し。
特に北部では、日差しの強さに晴れのイメージを持つかもしれませんけど、それだけに雨の予報を忘れて安心してしまって・・・失敗・・・ということがないよう下の降水のアニメを見て、天気変化のイメージ作りはしておいてください。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

台風は直接九州に上陸したりしませんけど、台風の東側を北上する湿った空気の影響があります。
そしてもう一つ・・・弱まった太平洋高気圧の西の端っこを北上する湿った空気。
二つの湿った空気が吹きこむあたり・・・傘マークのエリアになっています。
南風が吹き込んで、雨を降らせ、山を越えて日本海に吹き下りるとフェーン現象発生。
日本海側中心の猛暑ですけど、県の北部もその傾向がありますから、31℃の予想を越える可能性も???
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
台風の予想進路図は、新しいものを見たほうがイイに決まっていますから、台風が進むにしたがって、雨はどうなるの?・・・・について、明後日12日朝までのアニメを作りました。

わかりにくいかもしれませんが、点線が12時間降水量を表していて、点線に何重にも囲まれたところが降水量の多いところ。
台風の発達した雨雲は幸い九州の西の海上を北上するようですから、今日は九州の西岸付近や九州四国太平洋側が雨の要注意エリア・・・・東日本南岸もそこそこの降水量が予想されていますが、ここは短時間の強い雨に注意エリア。
ただ、明日の夜から明後日朝にかけて、台風が東北北部に接近するにしたがって、全国的に雨のエリア拡大。
前線が接近する北海道には、台風からの湿った空気が一気に流れ込んで大雨。
他のエリアも、短時間に災害の恐れがあるような雨。
土砂災害の可能性が十分あるだけの降水量ですから、夏休みや行楽の天気を気にするだけじゃなくて、自宅の防災についてもチェックする意味で、天気予報はコマメに見ておいたほうがよさそうですね。
ちょっと上空5800mあたりの様子も見ておきましょう。

日本海北部に、強い西風が吹いていますが(水色矢印)、この風の付近まで台風が北上すると、台風は一気に東へ流されます。
この強い西風・・・地上付近には前線があって、明日にかけて少しずつ南下。
前線と台風がセットになると大雨・・・というのは天気予報でよく耳にする言葉ですけど、北日本でセットができてしまいます。
だから北日本でも大雨に注意・・・なんですね。
また、この西風が計算値よりずっと南に降りてきたら、台風は早めに東へ進みだして、日本縦断になっちゃいますが(せいぜい日本海側をなめるように進む程度だとは思いますが)・・・・一昨日からの計算値を見ていると、少しずつ南よりになる傾向もあります。
コマメに天気予報をチェックという中には、雨だけじゃなくて、台風のコースをチェックという意味もあるわけです。
さて、今日の天気予報もみておかなくちゃ・・・・・
今日は、二つの暖湿流によって、西日本南岸と東日本付近に傘マークがついていましたが・・・・

二つの流れ・・・わかりますよね・・・・この二つの流れが明日以降、一つにまとまって北海道まで北上。
雨の原料がますます大量に流れ込むようになるわけですが、今日のところは、東日本付近のちょっと弱めの暖湿流が長野県付近を北へ吹きぬけるのが、県内の天気のポイントです。
で・・・具体的に雨のエリアは・・・・

二つの暖湿流と降水が多いエリアが対応してますよね。
次は東日本付近。

夕方にかけて南部から次第に雨エリアが拡大。
南部では夕方というよりは、昼過ぎから注意しておいたほうが良いかも・・・・
昨日は、次第に回復傾向でしたが、今日は悪化してくる傾向ですから、安全マージンを考えると、この計算値を割り引くというのは妥当でないと思います。
この計算値のイメージで予報を組み立てても良いと思いますから・・・・
今日の予報も当たりと考えておくのがよいでしょうね。
なにしろスコール?ですから、隣町をスコールが通過したからといって、予報がはずれたというのは、あまりにも自己中心的判断ですよね?
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(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)