2010年08月22日
天気予報は当たるのか?(8月22日)猛暑でも秋への階段は

故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。久々の長野の天気に慣れるため、毎朝コツコツ天気予報の修行中。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
初雪が降ったようです・・・・といってもロシアのムルマンスク(Мурманск)という北極海に面したところで・・・

ロシアでは40℃前後の猛暑が続き、深刻な山火事が発生していましたが、ここにきて急に気温が下がり、20日にはいきなりモスクワで9℃を観測。
北極付近の寒気がロシア西部に南下してきたようです。

あまりのダイナミックな気温の変化に驚きを通り越してしまいそうですが、そろそろ地球は秋モードに入り始めたんですね。
猛暑が続き、熱中症による死者の増加、害虫発生などの問題が連日ニュースを賑わわせていますが、この寒気が日本付近までやってくれば・・・・・秋・・・・・・・いつになるんだろう?
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

東北北部に曇りベースのエリアが帯のようにできています。
このエリアを境にして、北海道はほんの少し秋の気配が感じられる夏空・・・南側は秋の気配も???な猛暑の夏空ということになります。
夏祭りの終わった東北方面・・・そろそろ秋も近いかな・・・と感じられるようになっているのでは?
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

昨日の県内、南部中心に弱い雷雨がありましたが、北部は雄大積雲ができても、積乱雲までは発達せず、ほとんど雷雨はありませんでした。
今日も同じ傾向。
北部と中部で北風が予想されていますから、やはり南部中心の夕立ということになりそうです。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

まあ・・・こんなもんでしょう。
西日本の高気圧・・・赤道付近から上空を北上してやってくる熱風と、チベット高原からやってくる熱風が合体して吹き下ろす場所。
上空のドライヤーの吹き出し口です。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
同じような傾向が続いているのでマンネリ気味・・・ちょっと目先を変えて・・・・・

今日正午の降水の様子(+気圧・風)と、同じ時間の上空5900m付近の天気図を並べてみました。
西日本では地上だけではなく上空にも高気圧。
このもう一段上にもチベット高気圧があります。
乾燥した熱風が吹き下りるので、前線帯がある東北の日本海側を除いて、地上付近の雨のエリアは日本を避けるように周囲に計算されているだけですね。
夕方の雨の様子も見てみましょう。

ドライヤーの吹き出し口の西日本の山と、長野県・山梨県付近で夕立の降水が計算されています。
熱雷といって、地上付近が熱せられることによって、大気が不安定になり発生する雷雨。
お湿りというにはちょっと不十分ですが、局地的な強い雨による増水や雷には注意が必要です。
東日本は?

夕立発生のタイミングも遅そうですし、高い山の多い長野県でも、さらに山沿い中心。
発生した雷雲が上空の北風で南に流されるので、降水の計算値も南北に計算されています。
昨日までの実況から考えると、この程度か、これより少なめになるかも・・・・・
例によって、雷雲が発生しやすい場所・・・昨日の実況と安全マージンを考え、少々多めに線を引いていますが、このあたりに積雲の列ができて、その中からポツポツと積乱雲に発達するものがあるかもしれない・・・・・という見方をしてください。

ということで・・・今日も天気予報は当たる・・・・でしょうね。
今日は冒頭で初雪の話を書きましたが、長野県では夏の味覚、秋の味覚が続々と出荷されるようになっています。
近所のJAのスーパーに買い物に行くと、川中島白桃という地元の銘柄の桃が4個200円~300円という格安の価格で販売されていました。
小ぶりの桃なので、地元で消費ということでしょうけれど、甘みが強く、柔らかく・・・・
長野も暑いじゃねーか!!と少々不満が続いていましたが、久々に長野にUターンしてきてよかったな・・・と思う一瞬でした。
当ブログの記事等に関して、ご質問・ご意見等がありましたら、コメント欄だけではなく、以下のアドレスにメールしていただいても構いません。
kasayangw@yahoo.co.jp
可能な限り返信いたします。

(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)
2010年08月21日
天気予報は当たるのか?(8月21日)猛暑いつまで?暑さ復活

故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。久々の長野の天気に慣れるため、毎朝コツコツ天気予報の修行中。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言

4つのグラフ・・・昨日発表された日本各地の向う一か月の気温の予想グラフですが・・・・・・
真ん中から右側が予想の部分。
ヒゲのようにたくさんの線がありますが、内容をちょっとだけ変えて予想をした結果を一つのグラフに書き込んでいるからですが、どの計算値も赤色の平年より高めのエリアに入っています。
非常に高い確率で、向う一か月も平年より気温が高い状態が続く・・・・ようは猛暑が続くという予想になっているわけです。
さすがに、9月の半ば過ぎには北日本を中心に、秋らしい周期的な天気変化にかわってくるようですが・・・・・
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

北海道の日本海側で夜から下り坂に向かうものの、その他のエリアでは、昨日のように曇りベースのエリアが無くなっちゃいました。
大阪の傘マークも早朝だけで終わり。
東日本以北の太平洋側で落ち着いていた猛暑が再び・・・・・・・
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

昨日は北部ではごくごく一部で、夕立の雲が発生しただけ・・・・今日は「所により・・・雨」がなくなりましたから、予報上は夕立なし。
一方、昨日も山沿いを中心に雷雨が遅くまで続いた中南部の予報文・・・引き続き「所により 夕方から 雨」がついていて、当然「雷」の文字も。
北部や中部の風が「後 北の風」ですから、このところの傾向どおり南部中心の夕立になりそうです。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

昨日までは北海道付近の乾いた高気圧と、西日本の太平洋高気圧のせめぎあいをアニメにしていましたが、北海道付近の高気圧が東海上に抜けてしまって、今日は太平洋高気圧の独り勝ち。
太平洋高気圧自体の勢力はそれほど強まっているというほどではありませんが、対戦相手がいなくなってしまったので、影響は涼しかった東北にまで及ぶようになります。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
地上の天気の骨格・・・上空の天気図から見ていきましょう。

北海道付近にあった高気圧は、上空の気圧の尾根に伴うものでしたが、上空の尾根は北海道の東へ。
代わりに北海道付近には上空の気圧の谷がやってきます。
この谷にともなう低気圧は北海道のずっと北を通過しますが、低気圧につきものの寒冷前線・・・のようなもの・・・地上付近で空気の流れがぶつかりあう収束線が今夜北海道を通過します。
このため、爽やかな夏空が続いていた北海道は夜から下り坂。
一方、北海道以外は、上空まで頭を出した太平洋高気圧の影響下です。
次は、いつもの雨の原料の様子・・・相当温位をチェック。

このところ、北海道付近は、乾いた空気に覆われて爽やかぁ・・でしたが、青色の薄い乾いた空気は東海上へ。
日本全国、濃淡はあるものの、湿った暖かい空気に覆われるようになります。
で・・・・基本的に夏晴れの猛暑ですけど・・・夕立はどこ?

雨らしい雨のエリアは太平洋高気圧の周辺だけで、日本の陸上ではチラッと夕立の降水がみえるだけ。
(沖縄はスコールみたいな雨がありそうですね)
東日本は?

昨日と似たような降水の様子。
関東甲信越の中では長野県・・・それも南部が夕立の中心になりそうです。
今日は、このあたりの雨の原料・・・温度や気圧に影響されない純粋な空気中の水蒸気の様子をみていましょうか・・・・・

青色が濃いところほど、混合比が高い・・・・空気中の水蒸気が多いということですが、長野県南部付近の青が特に濃くなっていて、雨の原料が多いことがわかります。
この雨の原料が雨粒になって、具体的にどこで雷雲が「発生」する?

雷雲は雨だけじゃなくて落雷の恐れもあるので、多少は安全マージンをとって考えています。
赤の線のあたりでモクモクの積雲の帯ができて、その中の元気のイイ雲が背伸びをして積乱雲まで発達・・・衰弱を何回か繰り返すという感じじゃないかと思います。
発生した雷雲を流す上空3000m付近の風は北西~北。
南へ流れる傾向でしょう。
関東付近のゲリラ雷雨は?
南部は比較的乾いている(相対的ですけど)し、大気の安定度も北部ほどじゃありませんから、多少風が収束してもすぐに雷雲発達ということにはならないでしょうけど・・・・・この風の傾向だと、栃木県と埼玉県の県境付近・・・秩父に近いエリアなんかはアヤシイ感じがするのですが・・・・わからないので、なにもマークしていません。
ということで、今日の予報も当たると思いますが、北部で夕立が予想されていないにしても、北アルプスや志賀高原付近では雷雲が発達する可能性はあるでしょう・・・夏山のセオリーどおり・・・・
午後からは、超短時間のパラリという雨や、一時的なゴロッ・・・はあると思って山に登るのは当然ですね。
当ブログの記事等に関して、ご質問・ご意見等がありましたら、コメント欄だけではなく、以下のアドレスにメールしていただいても構いません。
kasayangw@yahoo.co.jp
可能な限り返信いたします。

(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)
2010年08月20日
天気予報は当たるのか?(8月20日)昼間は暑く弱い夕立

故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。久々の長野の天気に慣れるため、毎朝コツコツ天気予報の修行中。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
これは、昨日午後3時、長野市南部上空の雲の帯。

浅間山付近から長野市南部を北西方向に帯のように延びていました。

この雲が発生していた時間帯の地上付近の空気の流れの様子ですが、ちょうどこの雲の位置で、浅間山や菅平の北側を通過する東風と、千曲川沿いの盆地を北上する南東の風が合流(収束)していたようです。
この雲、30分ほどでモクモクと積乱雲に発達して・・・・


上空3000m付近の北風に流され、長野市の南側の千曲市付近で局地的な雨を降らせました。
このところ、このブログでは風の収束を見て、雷雲が発生する可能性のあるエリアを考えていますが、レーダー以外ではなかなか検証ができません。
目の前で収束線(シアーライン)による雷雲の発生を見ることができ、おもわず写真に収めてしまいました。
こんな雲ができて成長しているようだったら・・・要注意ですね。
14時50分追記:「高温に関する異常天候早期警戒情報」が発表されました。
高温に関する異常天候早期警戒情報(関東甲信地方)
平成22年8月20日14時30分
要早期警戒
警戒期間 8月25日頃からの約1週間
対象地域 関東甲信地方
警戒事項 かなりの高温(7日平均地域平年差+1.8℃以上)
確率 30%以上
今回の検討対象期間(8月25日から9月3日まで)において、関東甲信地方では、8月25日頃からの1週間は、気温が平年よりかなり高くなる確率が30%以上となっています。また、この状態は8月28日頃からの1週間まで継続する見込みです。
健康管理や農作物の管理等に注意して下さい。また、今後の気象情報に注意して下さい。
なお、関東甲信地方では、昨日までの1週間、気温の高い状態が続いています。今後も1週目から2週目にかけて気温の高い状態が続く見込みです。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

パッと見ただけでは太陽マークが目立ってエリア分けなんて・・・・という感じがしますが、太陽が右側か左側かで分けると、こんな感じになります。
昨日の記事でも書きましたが、東から湿った空気が流れ込んで曇りやすい場所と一致していますよね。
エリア分けをする意味・・・エリアの境目の天気予報ってちょっとアヤシイ感じがしませんか?
境目あたりの気象台の予報官はどんなマークにするか悩んでいるはずですが、悩むということは・・・・アヤシイんですよね。
また、エリア分けししてエリア名をつけて、なんとなく文章にまとめると・・お天気キャスターの全国天気の解説ができちゃいます。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

昨日より予想気温が高くなっています・・・・・関東地方より・・・・
東風で関東は冷やされますが、その風が志賀高原・碓氷峠・秩父の山々などを越えて長野県に吹き下りるとフェーン現象発生・・・・関東のエアコンの室外機?状態です。
今日も「所により・・・雨・・・雷を伴う」がついていますが、昨日のように「激しく降る」は付いていません。
昨日よりは夕立の強さもトーンダウン。
ちなみに、関東では山沿いの地域にだけ夕立が予想されていて、「雷」という文字は一部だけ。
この図のエリアの中では長野県が一番雷雨の可能性が高いようです。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

昨日と違うのは、北の高気圧の中心が東へちょっとずれて、日本付近の気圧的には勢力がやや後退していることと、等圧線の傾向が北東方向から近畿付近まで斜めになっているということです。
このため、東海付近まで北東の風が吹いています。
東海の猛暑日も今日はお休みという感じになりますが、湿った空気は南に出っ張った紀伊半島を直撃。
愛知県付近では長野県の昇温でできる弱い低圧部に吹き込む南風にのって湿った空気が吹き込んで、雲が多めで、山沿いではにわか雨も。
上の全国天気のマークで、名古屋に傘マークがついて、浮いちゃっているのはこのためです。
二つの高気圧のせめぎあいも今日で終わり・・・明日からは・・・・太平洋高気圧がぁ・・・・・・
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
今日も、まずは上空と地上付近の高気圧の様子から。

北の高気圧が昨日より東へ移動していますよね。
北日本には次の気圧の谷が迫っていて、明日以降、太平洋高気圧の北側を通る湿った空気が流れ込みやすくなって・・・下り坂へ。
高気圧のせめぎあいは終わって、東日本や西日本は、太平洋高気圧の影響で・・・・・以下省略。
今日は上空と地上付近の気温の分布も見ておきましょう。

西日本上空には-3℃とはいえ、周辺からは明らかに浮いている高温エリア(Wと書いてある)。
太平洋高気圧と対応しています。
地上付近は、東から18℃エリアが関東付近へ進入。
地上付近を這うように流れ込むエアコンの風?・・・・南岸ほど線が西に折れ曲がっていますから、長野県には効果なし・・・・・です。
横道にそれちゃったんで、二つの高気圧の影響で地上付近の風はどうなっているのか?雲の様子は?ということをまとめて図にしておきました。

上の天気図のアニメそのままになっています。
東日本太平洋側の雲量が多い・・・そして、東風がぶつかる東海付近と九州東岸付近に湿った空気の影響がありそうですね。
次は、湿った空気・・・雨の原料が満タンになっているか?

関東より西のエリアが満タンのようですから、あとはどこで蛇口が開くか?ですが、上の空気の流れや日照による気温の上昇なんかがヒントになりそうです。
あと、SSIという発雷の指数・・・東日本は昨日ほど悪くない・・・・
で・・・・降水の様子。

午前中を中心に東海付近と九州東岸で雨。
午後は長野県や山梨県付近中心の雨。
東日本にズーム。

計算されている降水は、昨日よりずっと減って、長野県付近に集中しています。
昨日のように、予報に「激しく降る」がついていない理由がわかりますよね。
雷銀座の栃木県や群馬県の降水も、明らかに減っています。
それでも、具体的に雷雲が「発生」する可能性が高いエリアを検討。

一番上の写真のような雲の帯ができて、その中の最も発達する雲が積乱雲になるわけですが、赤の線に沿って雲の帯ができて、その中でポツポツと積乱雲に発生するものができるという感じでしょう。
関東付近、海風次第で収束帯ができますけど・・・・順当に東よりの風で、ゲリラ雷雨の可能性は低そう・・・これで発生したらゲリラですが・・・
発生した積乱雲を流す風・・・・

昨日に引き続き、弱い北よりの風。
発生した積乱雲はゆーっくりと南へ。
気象レーダーには南北の線のように、エコーが映るんじゃないかと思います。
ということで、今日の予報も当たりというしかありませんが、夕立のレベルは小さくなります。
自分の頭上で夕立がなかったとしてもハズレじゃありませんし、天気マークだけしかチェックしていなくて夕立にあってもハズレじゃありません。
当ブログの記事等に関して、ご質問・ご意見等がありましたら、コメント欄だけではなく、以下のアドレスにメールしていただいても構いません。
kasayangw@yahoo.co.jp
可能な限り返信いたします。

(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)
2010年08月19日
天気予報は当たるのか?(8月19日)今日の夕立は激しい?

故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。久々の長野の天気に慣れるため、毎朝コツコツ天気予報の修行中。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言

衛星画像のコントラストを上げて明るくしてみました。
関東の東海上に雲の帯・・・・昨日、乾いた空気と湿った空気の境目で南下中と書きましたが、計算値どおりキチンと南下してきましたが・・・・あと200キロほど南下してくれれば、関東付近から長野あたりも、あと1~2℃気温が低くなるんですけど、ここまで。
雲の帯は湿った空気の流れも表していて、東日本には東よりの湿った風が吹きこんでいて、関東を中心に曇りベース。

湿った空気がダイレクトに流れ込む関東付近・・・湿った空気がたどり着く関東西部の山沿いでは、昨日からの雷雲が、発達したり弱まったりしながらまだまだ残っています。
長野県内も午前3時頃まで、南部山沿いを中心に雷雲が残っていました。
今日は昨日以上に県内・・・南部中心に激しい雨を降らせる雷雨がありそうです。
ところで、今朝ラジオを聞いていたら、昭和55年の今日は新宿駅バス放火事件があった日だと伝えていました。
「1980年8月19日(日)21時過ぎ、新宿駅西口バスターミナル20番乗り場で、発車待ちのため停車中だった京王帝都電鉄(現・京王バス東)の運行する中野車庫行きバスの車内に、男が後部ドアから火のついた新聞紙とガソリンが入ったバケツを車両後方へ投げ込んだ。
火は瞬時にして燃え広がり、6人が死亡、14人が重軽傷を負う惨事となった。(Wikipedia)」
Kasayanはこの頃、東京の中野区の下宿に住んでいて、30年前の今日、新宿からバスに乗りました。
発車間際に駆け乗ったバスは・・・このバスの一本前のバス。
どういうわけかKasayanは決定的な場面というヤツに出くわします。
サリン事件の朝も地下鉄千代田線に乗っていたし、福岡でガルーダインドネシア航空の旅客機が墜落した瞬間も空港の出発ロビーから目撃していました。
妙な所で運を使っているからでしょうか?・・・・宝くじをはじめとしてビンゴや年賀状ですら当たらないのです・・・・
天気予報?・・・これは運じゃないから・・・・
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

昨日までは東北南部が帯状の曇りベースエリアになっていましたけど、今日は関東を中心としたエリアがえぐりとられるように曇りベースになっています。
上の衛星画像で見た湿った北東の風の影響です。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

全県で「所により 昼過ぎから 雨」になっていますが、中部と南部では「激しく 降る」がついています。
中部の風が「後 北の風」になっていますから、傾向としては昨日同様、南部中心の夕立ですけど、東風の湿り気が、昨日よりたっぷり流れ込むので、夕立も激しくなるようです。
どこで?は、似た傾向の昨日の様子をふまえて、下で検討することにします。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

どうしても、北海道付近にある乾いた高気圧が目立っちゃいますけど、太平洋高気圧は西日本でキチンと顕在。
むしろ、上空に背を伸ばして発達傾向です。
北の高気圧と南の高気圧が日本付近で交差する、衆参ねじれ現象・・・じゃなくて高気圧のねじれ現象になっているわけですが、両者の中間にある東日本は形式的には気圧の谷。
雷雲が若干発達しやすい傾向です。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
上空で目立つ太平洋高気圧と、地上で目立つ北海道の高気圧・・・・上空と地上の天気図でチェックしておきましょう。

見ればわかる・・・だと思いますが、両者とも時計回りの上空の空気が吹き下りています。
高気圧の周辺ほど風速が強くなりますから、二つの風が特に交差するエリアが、東日本付近ということになります。
地上付近の流れをもう少し詳しく見てみましょう。

東日本へ吹きこむ湿った北東風の影響で発生する雲の帯が計算されています。
東日本の猛暑はちょっとだけ解消傾向ですけど、内陸奥深く・・・長野県あたりまで気温を下げるパワーはなさそうです。
11時30分追記:気象衛星の赤外画像(低温ほど白い。テレビで使われるヤツ)では、はっきり見えませんが、可視画像(人間の目と同じ)を見ると、関東付近を下層雲がびっしりと覆っていることがわかります。このため昼前の段階で、関東地方は都市部を除いてほとんど30℃を下回っています。一方、長野県の下層雲はイマイチ(アメダスの日照を見ればわかります)で、盆地を中心に30℃以上。東の湿った風が関東西部(長野県東側)の山岳地帯を乗り越え、県内は中・北部中心に下降気流域になっているようです。つまり、いつもとは反対のフェーン現象が発生している可能性あり。関東の涼しさのしわ寄せが長野県にやってきました。赤外画像に午後からポツポツと白い点が見えてきたら雲頂高度が高い(低温の雲頂の)積乱雲のアタマです。


この北東の風、本当はもうちょっと涼しいはずなんですけど、ドライヤーの吹き出し口・・・上空の太平洋高気圧があるということと、海面付近を吹く北東の風を冷やすはずの海水の温度が高めなので、パワーは少なめ。

三陸沖付近まで25℃以上の海水が支配的・・・冷たい水を好むサンマがイマイチという話もありますが・・・・・
ただ、湿った空気だけはキチンと運んできます。

東日本・西日本は、昨日に引き続き345K以上・・・たっぷりの雨の原料で覆われます。
ということで、雨の予想は・・・・

やっぱり東日本中心。
西日本も雨の原料はあるんですけど、上空の寒気も無く(むしろ暖気がある)、強い上昇気流を発生させる空気の収束もなさそうですから、山沿いで局地的な雷雨がある程度。
問題の東日本・・・・

昨日と似た傾向・・・県内は午後から南部中心に雷雲が発生しますが、局地的。
日が落ちるころになってから、活発化する予想になっています。
昼間、発達不十分な雷雲モドキが残って、夜上空の冷却によって遅まきの発達になる・・・のかもしれません。
例によって、雷雲が「発生」しそうな場所を考えてみましたが・・・・・

昨日とほぼ同様。
県内は南部中心・・・北ア方面は・・・・・相変わらず????です。
関東付近は東よりの風を打ち破って南よりの海風が入ればゲリラ的な雷雲の発生があると思いますが、日照が弱いことと海風の入り方の関係がイマイチわかりません。
晴れ間が出たりするようなら、ゲリラの可能性が高まるんじゃないかと思います。
雷雲を流す上空の流れ。

全般に北よりの風・・・風は弱いですけど、県内で発生した雷雲はゆっくり南に流れますから、中部や南部の雨が強く予想されている傾向にも整合します。
関東では北から雷雲が襲ってくる?
ということで、今日の予報・・・「所により」がついていて、雷雨の可能性が高い以上、当たりというしかありませんよね。
当ブログの記事等に関して、ご質問・ご意見等がありましたら、コメント欄だけではなく、以下のアドレスにメールしていただいても構いません。
kasayangw@yahoo.co.jp
可能な限り返信いたします。

(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)
2010年08月18日
天気予報は当たるのか?(8月18日)暑さ続き夕立も

故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。久々の長野の天気に慣れるため、毎朝コツコツ天気予報の修行中。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言

今朝の衛星画像ですが、朝鮮半島から東北を通り、三陸沖へと雲の帯ができています。
この雲の帯が乾燥して爽やかな夏空と、湿った猛暑の夏空を分ける線・・弱ーい前線帯です。
北海道の今朝はのきなみ15℃前後まで下がって、布団をかけて寝たくなるような気温ですが、東日本・西日本では沿岸部を中心に熱帯夜でした。
この線が東日本の南岸まで南下してくれば猛暑は吹っ飛ぶんですけど・・・・

今日午後3時の雲の様子と地上の空気の流れ。
少しだけ南下してくるんですよね・・・・・
そして雲の帯・・・上空の雲中心ですけど、東日本に掛り始めて、ほんのちょっとだけ太陽を遮って気温が低めになる可能性も・・・・あるかもしれない・・・・・もっと南下すれば北東の涼しい風が東日本に吹き込みそうなんですが・・・・・微妙なんで明日朝のお楽しみ。
(赤の点線部分は、風が収束するところ。雲が発生したり雷雲が発生しやすかったりします)
この雲の帯の下、東北ではシャープな雨雲が発生していて秋田から岩手にかけて雨が降っているところがあります。

10年以上も前ですけど、ちょうどこの季節、Kasayanは岩手県の盛岡に長期滞在して、岩手のテレビ局の秋の番組改編用の天気予報番組の制作をしていました。
今朝の東北のようなにわか雨の多い年でしたが、あの24時間テレビの日・・・・
晩飯を食べて局に駆け戻ると、天気予報番組担当の部長が、黄色のTシャツを着て募金箱を手に玄関に立っているところに出くわして・・・・気象会社にとって、放送局はお客様・・・・一生分の金額を募金してしまったことをレーダー画像を見ながら思い出してしまいました。
領収書がほしかった・・・・ああ・・・ミミッチイ自分・・・・
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

エリア分けしようかどうか迷いましたが、一応東北は曇りベースになっていますから、エリア分け。
夕立も含めて雨の降りやすい状態ですから、ぐずつきエリアとネーミングしてしまいました。
もっとも、雲の切れ間から夏の日差しもありそうですから、ちょっと悪目のネーミングかもしれません。
このエリアを境目にして、北と西では同じ夏空でも性格が全然違う夏空になりそうです。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

猛暑夏空エリアが続く東日本。
長野県の予報も変わり映えがありませんが、今日は「昼過ぎ」とか「夕方」などの時間指定なしに「所により雨」がついています。
もちろん「雷を伴う」。
細かく見ると、今日は北部だけでなく中部まで一日を通して北風。
風の流れが昨日までとちょっと異なります。
風の流れといえば、夕立の雨・・・「所により」のエリアに影響を与えます。
どうなるのか?については、あとで・・・・
15時34分追記:中部まで北風が予想される場合、南部中心の雷雨になるんですけど、今日はこの傾向がありますね。15時過ぎ現在までは・・・。北部でも雄大積雲は発生していますが上空への発達は今のところイマイチ。この雲が夕方以降の上空気温低下にともなってどう影響するのか?・・・です。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

北海道の高気圧がうらやましい・・・・・
書き込みだけでとりあえずOKなので、今日のポイント?は以上です。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
上のアニメで見た天気図・・・鏡餅みたいに南北に高気圧の二段がさねになっていますが、どうしてなんでしょう?なんか変ですよね?

上空の天気図で見ると、太平洋高気圧のアタマの部分は西日本方面へ東西方向に勢力拡大。
でも、北への張り出しはイマイチで、北海道付近は上空を西から東へ流れる強い風の通り道になっていて、周期的に気圧の谷と気圧の尾根がやってくるエリアになっています。
今は気圧の尾根がやってくる周期なので、北と南に高気圧の二段がさねになってます。
この東西の流れの南側に潜在的な前線帯・・・・これが南下すれば秋。
うらやましい北海道のことは忘れて、猛暑の太平洋高気圧エリアと弱い前線帯に目を向けて・・・・・
いつものように、夕立の雨の原料・・・暖湿流の様子を見てみましょう。

赤で示した雨の原料の目安・・・相当温位は相変わらずピークの345K以上。
水色が濃いほど湿った空気ですが、北と南で空気の湿り気が全然違うこともわかります。
その境目に潜在的な前線帯。
今日も何かおこれば夕立ドバッ・・・・の可能性は十分にありそうです。
で・・・・今日の雨は?

午後、東北南部や東日本・そして九州方面で雨が予想されています。
一番上から二番目の図(面倒でごめんなさい)・・・陸上に赤の点線を引いた所中心の雨です。
東日本は?

昨日の様子からすると・・・関東はこのアニメの傾向で推移するでしょう・・・たぶん・・・・
昨日も長野県内の計算値は実況より少々過大の傾向がありましたから、多少疑いの目で見なくてはならないのですが・・・・
日中もちらほら雷雨がありそうですが、長野県内では夜になってから強い降水が計算されています。
昨日、昼過ぎに定番の山沿い中心に雷雲が発生しましたが、これはすぐ消えてしまい、夜になって再びチラホラ小さな雷雲が発生していたんですよね・・・・・
今日はその傾向が強いのか?????

例によって、雷雲の発生しそうなエリアを赤の点線で示しておきました。
同時に発生するんじゃなくて、この線付近で雷雲が発生したり衰弱したりするわけですが、今日は昨日に増して関東東岸から吹き込む東よりの風が卓越しています(強い風ではありませんが)。
このため、雷雲の発生エリアも昨日までとはちょっと違います。
関東南部平野部でも東よりの風が収束すれば一時的に雷雨。
長野県も、東風が県の西側まで吹き込み、太平洋高気圧から吹き込む南よりの風や、日本海から吹き込む北風とぶつかって雷雲を発生させる可能性があります。
具体的にどういうタイミングでどこで?は正直わかりませんが、昨日と同様の傾向を示すなら、昼過ぎに県西部や南部の高い山で雷雲がいったん発生して消滅。
夜、昼間の雷雨の雲が残り、上空が放射冷却で冷えても地上付近の暖気が残って不安定に・・・アチラこちらで(赤の線のどのあたりかは????)で再び雷雲発生ということになるかもしれません。
17時20分追記;関東南部の収束線で雷雲が発生しています。場の東よりの風に対して相模湾からの海風の南成分が入って収束域ができ上昇流発生、雷雲が発達したものと考えます。ある程度想定ができたので、ゲリラ・・じゃないですね。長野県南部の雷雲は中ア付近を中心に発生していますが、今後日が落ちてからは浅間山付近、八ヶ岳付近、乗鞍方面での雷雲の発生が注目されます。北ア方面は・・・・????です。

また、雷雲を流す上空の風は弱く、方向もバラバラ。

風が弱いので、雷雲が流されず・・・・移動して拡散ぜず・・・・同じ場所で強い雨を降り続けさせる・・・・という可能性があります。
ということで、今日も夕立については?????という状態。
ある程度の予測はしてみましたが、自信がありません。
上空に寒気がないときは難しい。
「所により」夕立があるとしかいえませんから、今日も予報どおりでイイんじゃない?・・・ということでごめんなさい。
今日も時間があったら、気付いたこと、後から思いついたこと・・・もろもろ追記します。
当ブログの記事等に関して、ご質問・ご意見等がありましたら、コメント欄だけではなく、以下のアドレスにメールしていただいても構いません。
kasayangw@yahoo.co.jp
可能な限り返信いたします。

(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)
2010年08月17日
天気予報は当たるのか?(8月17日)暑さいつまで?夕立は?

故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。久々の長野の天気に慣れるため、毎朝コツコツ天気予報の修行中。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
猛暑!・・・・といいますけど、今朝の長野県内の高原では15℃前後まで下がっていて、半袖じゃ寒いと感じる気温になっているんですよね。
一方、関東はのきなみ25℃以上の熱帯夜。

今朝の野辺山の気温は日本で一番低く、北海道より涼しく(寒く?)なっていいます。

観光が重要な産業の長野県・・・・不況で観光のテコ入れが叫ばれていますが、これだけ猛暑が話題になっているんですから、この涼しさをもっと売り物にするっていうのもアリかもしれませんね?
猛暑の東京から車で2時間弱で、東京の冬の日中の寒さがあるんですから・・・・・
さて、昨日も書きましたが、この暑さいつまで?

グラフの暖色の部分にあると平年より高め思っていただいてよいのですが、どう見ても平年より下がるということはなさそう・・・・・
今日までが一つのピークでいったん平年並みに・・・その後、今週末あたりにまた高めに・・・・ということになりそうです。
暑さはまだまだ・・・・・・
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

昨日とエリア分けは同じ。
東北の前線ぐずつきエリア・・・・秋田で「のち 雨」になっていますが、「のち」のタイミングは夕方。
ということは、夕方以降、前線が活発になってくるようです。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

関東北部の「のち」傘マークは、当然夕立の傘マーク。
昨日も夕立は活発でしたが、今日も「激しく降る」と予想されています。
で・・・昨日も計算値より夕立が少なかった長野県。
今日も「所により」・・・夕立が予想されています。
今日は計算通りになるのか?ならいのか?は非常に悩ましいところですが・・・
昨日に引き続き、関東の海風が弱めですから、昨日以上に神奈川・東京・埼玉方面ではゲリラ雷雨の可能性が高い・・・・と思います。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

雨の原料・・・暖湿流が流れ込む傾向はずっと続いています。
今夜、前線が活発になる理由ですが、上空を弱い気圧の谷が通過するためなんですが、地上の天気図ではわかりにくいので、弱い気圧の谷ということでまとめました。
日本海の高気圧は大陸の比較的乾いた空気、太平洋の高気圧は湿った空気・・・密度の差で前線ができているわけですが、日本海側の高気圧が勢力を強めたので、気圧の点でも二つの高気圧のせめぎあいが活発になるというわけです。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
夕立や前線の雨の様子を考えるには、雨の原料・・・相当温位の様子をはずすわけにはいきません。

今日も九州や東日本中心に、上空に寒気がなくても十分に不安定になって、たっぷり雨を降らせることのできる345K(ケルビン)以上の高い数値が計算されています。
SSIという発雷の指数を見ても、九州や東日本、西日本山沿いでは十分な数字。
風が集まったり、山で強制的に上昇させられたり、前線が活発になれば、局地的に強い雨が降ってもおかしくない状態です。
今朝は暖湿気を流す上空1500m付近の流れも見ておきましょう。

太平洋高気圧を時計回りに日本付近に流れ込んでいます。
一方、大陸から北海道へ乾いた空気を運ぶ流れも見えますよね。
この流れが本州まで流れ込むようになれば・・・・秋なんですけど。
さて、今夜前線を活発にする上空の気圧の谷の様子。

浅~い気圧の谷なので、ベタっとたっぷりの雨を降らせるだけ前線を活発にすることはなさそうですが、それでも短時間に強い雨を降らせる程度に前線を活発化させることにはなりそうです。
で・・・雨が活発になる様子。

いつもと違う図を使いました・・・・12時間降水量です。
青の点線の内側が雨の可能性があるエリアで、青く塗ったところはそこそこまとまった雨が予想されるエリアと思ってください。
東北日本海側で降水量がまとまってくるのがわかりますよね。
掲載していませんが、明日朝までにはもう少し降水量は増えてきます。
ということで、いつものように東日本の降水のアニメ。

ここ2日間ほど、関東北部の降水はそこそこよい計算値が出ているのですが、北アルプスと北信五岳方面が少々過大な感じ。
今朝の計算値をどう見るか?非常に悩ましいところですが、富山県から北アルプスにかけての降水は昨日よりエリアも広く、多めに計算されています。
暖湿気の様子や大気の安定度も昨日とほぼ同様なのですが・・・・・・上空の気圧の谷の影響は・・・強くなさそうですし・・・
イイカゲンに断言できませんから、関東北部はそこそここれに近い状態になると思いますが、長野県付近は昨日同様、このアニメは夕立が発生する可能性が高いエリアと考えておくことにします。
その中でも特に夕立が発生しそうなエリアを赤の点線で・・・・

どうなりますやら・・・・???・・・
このあたりに着目して、実況重視・・・・レーダーで確認して対応するしかないようです。
(おすすめ携帯用レーダーサイト)
携帯用QRコード(サイト左下):http://www.river.go.jp/
携帯用URL:http://i.river.go.jp/
12時25分追記:昨日より雷雲が発達しているようです。ほぼ上記の赤点線のエリアですが、乗鞍周辺でも雷雲が発生しています。収束の程度から迷って赤点線を引きませんでしたが、いざ発達が強くなると定番の発生位置はやはり定番・・・でした。関東平野では東風が卓越していますが、今後東京湾付近で南の海風が入った場合にはゲリラ雷雨の可能性が高まると思います。南風が入るのか?入るとしてタイミングは?はわかりません。
レーダーでの実況監視しか対応策は・・・・・・
12時45分追記:昨日からの衛星の水蒸気画像をじっくりと観察していたら、高気圧の中心が西進するに従って、水蒸気の流入方向が西よりから南よりに変化して、ダイレクトに入るようになっていました。相当温位図やSSIに拘泥しすぎて???になっていましたが、今日のほうが雷雲が発達しやすいですね。ということは上のMSMの降水アニメに準じた雷雲の発生が・・・・・あるかな?・・・早合点は失敗のモトなんですけど・・・
17時05分追記:長野県内、昼過ぎから15時までは、昨日より活発に雷雲が発生していましたが、15時すぎには終息へ。上空に寒気がない熱雷の寿命は非常に短く、気温が下降に向かい始めるとみるみる発達が抑制されてしまいます。一方、関東では、埼玉県付近にゲリラ雷雨のタマゴ?が頻繁に発生していましたが(Xバンドレーダー)、場が南東の風で統一されており、南成分との収束がみられず17時までに気象庁レーダーに捉えられた兆候は15時過ぎに1回見られただけでした。夜にかけて陸風に転換し、東進する北部山沿いの雷雲の下降流との収束が発生するタイミングが残りのポイントです。
ということで、夕立のエリア・・・予報と同様「所により」以上のことはなにもいえません・・・・わからないものはわからない。
ですから、今日の天気予報は・・・・・こんなもんでしょうね。
当ブログの記事等に関して、ご質問・ご意見等がありましたら、コメント欄だけではなく、以下のアドレスにメールしていただいても構いません。
kasayangw@yahoo.co.jp
可能な限り返信いたします。

(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)
2010年08月16日
天気予報は当たるのか?(8月16日)猛暑いつまで?夕立は?

故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。久々の長野の天気に慣れるため、毎朝コツコツ天気予報の修行中。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
猛暑が続いてますねぇ・・・・・
猛暑はいつまで続くのよ?という気持ちになってきますが、14日(金)に発表された一か月予報では、日本全国、平年より高くなる確率が50%以上、関東甲信や東海地方では、70パーセント以上の確率で高くなると予想されています。
多少は猛暑の一休みがあるだろう・・・なんて週間予報を見てみると・・・・
昨日発表の週間予報には「最高気温・最低気温はともに、全国的に平年並か平年より高く、平年よりかなり高い所があるでしょう。」と書かれていて・・・・・

これ、今朝発表になった最新の高層天気図ですけど、18日から21日頃まで、色を塗ったHマーク・・・・
太平洋高気圧のコアが西日本と東日本を覆っています。
上空から地上に向けて熱風を吹き下ろすドライヤーの吹き出し口が上空にあるので・・・今日発表の週間予報も、昨日と同様でしょう・・・・
ついでにダメ押し・・・13日に発表された異常天候早期警戒情報では、18日~27日に、東日本より南側で、平均気温が「かなり高い」確率が30パーセント以上なんて予想も出されていますから、”暑さも一休み”という希望?がみつかりません。
もっとも・・・秋雨前線?の超ハシリのような前線が日本海にあって、季節は少しずつ前進していることは確かですから、もうちょっと我慢しませう。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

北と南の太陽マークを、東北の雲マーク・傘マークが分断しています。
ここに前線があって、夏と秋の超ハシリの空気をわけています。
東北地方のぐずつきエリアがほんの少し南下すれば関東甲信越方面に影響してきますから、南下と影響はあるの?という目で天気をチェックしてみましょう。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

「所により雨で雷を伴う」という予報文にはもうアキアキ・・・・夕立ですけど・・・
一昨日は、計算より多く雨が降り、昨日は計算より少なめ・・・夕立がどこでどの程度降るのか?という予想については、かなり難しい状況になっています。
長野県の場合、夕立が発生する場所については、予想外ということは少ないのですが、降る量・・・夕立の程度が難しい・・・・
シミュレーションプログラムの限界ギリギリのスケールの現象で、計算困難なのは確かなんですけど、かなりイイ計算値が出る場合とそうでない場合の条件の違いがイマイチわからない・・・・
この夏はデータ集めだけで終わってしまいそうです。
そうそう・・・・関東方面、今日は海風の予想がイマイチ弱い・・・ゲリラ雷雨の可能性・・・あるかもしれません。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

今日日中、前線はちょっと南下気味。
陸上では弱まる傾向ですけど、潜在的な前線があります。
暖湿流が流れ込んで前線が活発になりやすい新潟方面は、強い雨の可能性を考えておいたほうがよいかもしれません。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
今日も夕立や前線付近の雨に影響してくる暖湿流の様子からチェックしておきましょう。

昨日同様、日本海に暖湿流の流れの軸がありますけど、前線の南下に伴って、東北だけじゃなくて東日本にも流れ込んできます。
この暖湿流の流れ込み次第で、北陸の雨が活発になったり、関東甲信越の夕立も激しくなったりするんですが、昨日よりは流れ込みやすい傾向ですから、計算値に近い形の降水になるのでは・・・と思うんですけど・・・・・
で・・・今朝の雲と雨の様子を見てみましょう。

暖湿流と対応する雲の帯に沿って、レーダーの雨域が観測されていますが、ちょうどこの位置に前線があります。
前線が南下するにともなって、雨のエリアがどうなるか?

弱まりながらですけど、若干南下してくるのがわかります。
新潟方面では、黄色の活発な降水が計算されていますが・・・・
この計算値はMSMという名前の計算値。
もう一つのGSMという計算値では新潟方面の降水はそれほど活発ではありません。
どっちの計算値も、ここ数日降水に関してはイマイチ。
もっとも、暖湿流の流れ方も考慮し、防災の点も考えれば、MSMのように新潟で活発な降水があることを想定しておくべきだと思います。
そして東日本。

新潟方面に前線が南下してくるのはよいとして・・・・
問題は関東甲信の山沿いの降水。
一応、夕立の発生する可能性が高いエリアとして想定しておきましょう。
上空の風は西寄りですから、発生した雷雲は東へと流れる傾向です。
また、東京都の西部に計算されている雷雲。
関東の海風・・・今日の予想は10m/s未満。
また、上空の風は都心部に流れる西風。
この計算通りなら、予想ができちゃっているので、ゲリラではありませんけど、海風が収束する場所ができて、そこで雷雲が発生する可能性がありそうなので、東京・神奈川・埼玉中心に、ここ数日の中では要警戒というところだと思います。
17時15分追記:関東地方、今日は海風が弱かったので、ゲリラ雷雨があるかな?と思っていたら浦和付近で非常に局地的な雷雲が発生しています。海風の収束ができる場所で発生しますから、計算でとらえきれないゲリラ雷雨の典型といえると思います。一方、長野県付近は昨日に引き続き、計算値ほど雷雲が発生していません・・・というより、発生しているけど発達していないというのが正しいような気がします。新潟方面は・・・・これからかも?・・・大雨情報は引き続き有効のようですから・・・

気象庁が上の計算値をさらに統計的に処理して作っている天気分布予報も見ておきましょう。

昨日作った風が集まったり山にぶつかったりして上昇気流が発生しやすい場所・・・夕立の可能性があるエリアとほぼ同じ場所に雨が予想されています。
夕立がある・・・というわけじゃなくて、夕立の可能性が高いエリアとして一つの目安になりそうです。
今朝も「大雨と雷及び突風に関する全般気象情報 第6号」が発表されていて、北日本や長野県のお隣の北陸では大雨に警戒が呼びかけられています。
大雨情報:http://www.jma.go.jp/jp/kishojoho/
防災モードになっていますから、今日も天気予報の当たりハズレ云々は自粛しておきます。
(といっても、ハズレといえるだけの検討はできていないんですけど・・・・・)
当ブログの記事等に関して、ご質問・ご意見等がありましたら、コメント欄だけではなく、以下のアドレスにメールしていただいても構いません。
kasayangw@yahoo.co.jp
可能な限り返信いたします。

(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)
2010年08月15日
天気予報は当たるのか?(8月15日)北は大雨、猛暑も雷雨

故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。久々の長野の天気に慣れるため、毎朝コツコツ天気予報の修行中。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言

これ、今朝5時発表の長野県の天気概況。
天気予報と同時に発表される、いわば予報官による天気予報の解説みたいなものですけど、これを読まない方が結構いらっしゃるのでは?と思います。
アンダーラインの部分を読みながら実況天気図と、予想天気図を見れば、予報上ポイントとなる気圧配置に着目することができます。
また、「午後はにわか雨や雷雨となる所」と書いてありますから、今朝の予報に「昼過ぎから雨」と書いてある「雨」は、ベタ雨じゃなくて「にわか雨」の事なんだな・・・・ということもわかります。
気象庁HPの府県天気予報の末尾に掲載されていますから、天気チェックの際に目を通すのがおすすめです。
気象庁府県天気予報:http://www.jma.go.jp/jp/yoho/322.html
ところで、「所により」とか「所があるでしょう」の「所」って、どの程度の範囲を指すんでしょう?

予報用語の定義集からの抜粋ですけど、「対象予報区全体の50%未満」なんですよね。
今日の予報では長野県全県に「所により雨」がついていますけど、長野県の半分弱で雨が降っても「所により」です。
「所により」と書いてあっても、遊びに出掛けるときは、自分にゃ関係ないんじゃないの?なんて気持ちで予報を読んでしまいますけど・・・・・・50%未満ですよ・・・・
どうすればイイんでしょう?
ピンポイント予報を見る?
・・・・もしお隣のピンポイントエリアで雨が予想されていたら・・・・・天気はデジタル的に変化しませんよね・・・
Kasayanなら、天気分布予報(メッシュ予報)を見ます。
お隣のマス目に雨が予想されていないか?という目で見て安全マージンを考えるでしょう。
天気分布予報:http://www.jma.go.jp/jp/mesh20/207.html?elementCode=0
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

今日の単純なエリア分け。
北日本や北陸には、昨日に引き続き「大雨と雷及び突風に関する全般気象情報 第4号」が発表されています。
また、気象情報の中には「東日本や西日本でも気温の上昇する午後を中心に大気の状態が不安定となって、山沿いを中心に雷雲が発達する見込みです。急な強い雨や落雷、突風に注意してください」と書かれていますから、太陽マークのエリアにも警戒の呼びかけが・・・・
行楽シーズンなので、原文を読んで注意点など確認してみてください。
大雨情報:http://www.jma.go.jp/jp/kishojoho/
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

太陽マークはあれど、雲マークが右側にありますから、今日も曇りベース。
雲の切れ間ができれば真夏の日差しですが、「昼過ぎ」・・・・結構早い時間からにわか雨の可能性が予想されています。
昨日のにわか雨と比較すると、多少は少なめだとは思いますが・・・・・
ただ、雨は少なめでも、今日は猛暑復活。

高気圧の縁に吹く南西風が吹くので、山の風下の各地でフェーン現象が発生。
岐阜県の山越えの風が吹き下りる富山県、南アや秩父、箱根方面の山越えの風が吹き下りる山梨県や関東内陸部では、のきなみ35℃以上の猛暑日。
長野県北部では南部より高い32℃が予想されていますが・・・・日差しが強ければもっと上がる可能性だってあります。
フェーン現象ですから、太陽が出なくても気温が上がります。
「今日はくもりだから熱中症は大丈夫」なんて思っていると大変なことになりますから、ご注意を。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

天気図中のデッカイ暖湿流の矢印・・・これがポイント。
フェーン現象による猛暑を引き起こし、前線付近では大雨を降らせる張本人です。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
まずは、今日のポイント・・・暖湿流の様子から見てみましょう。

日本海側を345K(ケルビン)以上の強い暖湿流が北上しています。
湿った空気の川みたいなものですね。
昨日も書きましたが、こいつが山にぶつかったり、山々を迂回して合流したりして上昇気流が発生すれば雷雲発生・・・前線にぶつかれば発達した雨雲発生。
具体的な今日の雨は?

北日本方面の大雨・・・午前中は日本海側中心ですけど、午後から広いエリアでかなり活発になるようですね。
そして東日本。

これはあくまで傾向だと思ってください。
昨日は、長野県北部中心に、朝の計算値よりずっと多く、広い範囲で雨になりました。
県境の高い山々中心ですが、発生した雨雲は上空の風で流されます。
上空の風も南西の風・・・北アルプス付近で雷雲が発生すれば、多少は弱まるものの県内に拡大しちゃいますよね。
計算より多くなるのか同じなのか少ないのか?・・・計算値の限界に近いところなので・・・・・
15時30分追記:雷雲の発生のタイミングが今日は3時間ほど遅い感じがします。発生の程度については???ですが、発生位置については下の図の予想位置とほぼ一致しているようです。計算の限界ですね・・・・・。対策は、予想した発生位置を中心とした目視監視と、レーダーを使った実況監視しかなさそうです。
21時25分追記:今日の計算値は、昨日とは正反対に過大に計算されていたようです。暖湿流の中心が日本海を北上する傾向でしたから、東日本・西日本の暖湿流はその余波と考えてもよいものでした。
もっとも、山岳地帯では局地的に激しい雷雨が発生する可能性は十分に想定でき、長野県はまさにその山岳地帯に該当していました。また、お盆の行楽シーズンということもあって、気象台の雷注意報が午前9時台に早くも発表されていたことや、11時の予報内容を見る限り、計算値を割り引いて考えるということはしていなかったと思います。長野県の雷雨の予想の難しさと対応方法の困難さを実感したような今日の空模様でした。
でも・・・それじゃ困るので、一応・・・・一応の目安になりそうな、雷雲が発生しやすい場所の予想をしてみました。

赤の点線部分・・・湿った空気の流れが山で強制的に上昇させられたり、互いにぶつかって雷雲が発生するのでは・・・と思われる場所。
関東付近は南風が強くフェーン現象が発生するので、ゲリラ雷雨の可能性は低いと思いますが、長野県内ではゲリラ的に発生する可能性もありますから、あくまで目安と考えて、気になる方は、携帯で見ることのできるレーダー画像でチェックしてください。
携帯用QRコード(サイト左下):http://www.river.go.jp/
携帯用URL:http://i.river.go.jp/
当ブログの記事等に関して、ご質問・ご意見等がありましたら、コメント欄だけではなく、以下のアドレスにメールしていただいても構いません。
kasayangw@yahoo.co.jp
可能な限り返信いたします。

(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)
2010年08月14日
天気予報は当たるのか?(8月14日)盆休みの大雨

故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。久々の長野の天気に慣れるため、毎朝コツコツ天気予報の修行中。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言

この天気図は、1999年8月14日の朝の天気図。
この数時間後、熱帯低気圧(TDと表示)付近、神奈川県丹沢の玄倉川が増水して、川の中州でキャンプをしていた人13名死亡という水難事故が発生。
この日をもって、天気予報番組から「弱い熱帯低気圧」という表現が消えました。
「弱い」という表現が熱帯低気圧を軽視してしまうのではないか、ということから、東京のキー局各社とNHKで申し合わせをして、気象庁より先に「弱い」という表現を使わないことにしたわけですが・・・・・・
この日、休日だったKasayan・・・雨の中を急遽休日出勤。
この大事件に天気予報だけでなく、ワイドショーなどへの対応にも駆け回り、さらに「弱い」の表現を止めませんか?という相談を他局の天気予報担当者と打ち合わせ・・・・。
忙しさはどうでもよかったのですが、天気予報なんか誰も見ていないんじゃないか・・・・あてにしている人なんかいないんじゃないか・・・・という気持ちになったイヤな出来事でした。

今年の盆休み・・・・今日は北日本や北陸で大雨。
気象庁からは、「大雨と雷及び突風に関する全般気象情報 第2号」が発表されています。
大雨情報: http://www.jma.go.jp/jp/kishojoho/
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

天気マークだけで、およそのエリア分けをするとこうなりました。
別のエリア分けもできそうですが、いずれにせよ北日本や北陸を中心に大雨。
大雨情報に記載されている予想雨量は以下のようになっています。
15日6時までの24時間に予想される雨量は、いずれも多い所で、
東北地方、北陸地方 120ミリ
東海地方 100ミリ
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

昨日に引き続き、基本は曇りベース。
全県で、「所により 雨 で雷を伴う」という文言が記載されていますが、「昼過ぎから」などという時間指定はされていません。
つまり、夕立とはちがって、一日を通して、雷雨が降りやすい不安定な状態ということ。
盆休みの行楽・・・川遊びや登山は・・・・ですね・・・・
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

今日の大雨の原因は二つ。
日本海を東北方面へと進む低気圧と前線、そして前線に吹き込む暖かく湿った空気です。
前線や低気圧に近い、東北や北陸で大雨になるのは当然ですね。
大雨情報には東海の降水量も記載されていますが、こちらは、湿った暖かい空気の影響中心。
午後から突然降り出す強い雨・・・・短時間の強い雨に注意というパターンです。
この状態、明日まで続きそうですから・・・アレ・・・ですね。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
どうして、今日の前線、活発なんでしょう?

昨夜9時の上空1500m付近の天気図ですが、空気の湿り気の程度で色分けしてあります。
北側は青の乾燥した空気、南側は赤の湿った空気。
その差がずいぶん大きくなっていて、境目に前線。
この差が大きいほど、前線は活発ですから・・・・・・・・
不安定の様子や降水量とも関係してくる雨の原料の程度・・・相当温位という数字も見てみましょう。

345K(ケルビン)以上の数字は、雨の原料としてはたっぷりで十分に不安定になる一つの目安ですが、日本全国345K以上の雨の原料で覆われています。
水たっぷりの風船状態ですから、針でちょっとつつくと・・・上昇気流などが発生すると強い雨が降る状態。
水たっぷりの風船を壁に投げつけたような場所・・・前線付近の北陸や東北でまとまった雨になります。
これらの空気の動きを作る骨格になる流れ・・・上空の天気図も見てみましょう。

上空には太平洋高気圧が顔を出していません。
東海上でなりを潜めているようです。
一方、北緯40度以北・・・東北北部より北側で等高度線(等圧線と同じ)が混雑していて、朝鮮半島付近には、上空の気圧の谷(赤の点線)があります。
上空の気圧の谷と、地上の低気圧が一体になると、地上の低気圧が発達するのですが、今夜東北にやってくる前線上の低気圧の上空に気圧の谷はないので、幸い低気圧は発達しません。
でも・・・・明日夜以降、朝鮮半島付近の上空の気圧の谷が北日本にやってきます。
北日本・・・しばらく雨が降りやすい状態が続きそうですし、今日以上に降る可能性もありますから、警戒継続といったところです。
さて、再び地上付近に戻って、今日の雨の様子をチェックしておきましょう。

前線と低気圧付近に強い降水が計算されていて、今夜にかけて東北日本海側や、北陸に迫ってくるのがわかります。
また、太平洋高気圧の縁辺にスコールのような小さな降水が計算されていて、これがぶつかる太平洋岸中心にそこそこまとまった降水が計算されています。
傾向・・・わかりますよね?
で・・・・東日本付近。

湿った空気がぶつかりやすい場所・・・南西方向から湿った空気がやってきますから、高い山の南西斜面中心の降水になっています。
前線が接近する北陸は、夜にかけてかなりまとまった雨になりそうですね。
12時30分追記:実況は計算値より少々早めに推移しているようです。3時間早めて考えればイイ感じかな?
湿った空気がぶつかる南西斜面・・・・もうちょっと詳しく見てみましょう。

午後6時の天気図・・・・矢印は湿った空気が流れ込む方向ですけど、北アルプスの西側で上昇気流ができていて降水活発、松本や大町方面は反対に雨雲が弱まる下降気流のエリア。
北信五岳や美ヶ原・霧ヶ峰付近で再び上昇して雨を降らせるという構造になっているようです。
あくまで傾向ですし、発生した雨雲は流されますから、常にこの傾向が続くというわけじゃありませんけど、今日の北アルプス登山は最低の条件。
また、地形に影響されやすい雨ですから、局地的な雨・・・川の増水にはくれぐれもご注意を。
今朝は大雨情報が発表されていますから、天気予報のあたりはずれを云々するのは止めにしておきます。
当ブログの記事等に関して、ご質問・ご意見等がありましたら、コメント欄だけではなく、以下のアドレスにメールしていただいても構いません。
kasayangw@yahoo.co.jp
可能な限り返信いたします。

(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)
2010年08月13日
天気予報は当たるのか?(8月13日)台風過ぎて前線が

故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。久々の長野の天気に慣れるため、毎朝コツコツ天気予報の修行中。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言

これ、霧ヶ峰の車山山頂にある気象庁のレーダードーム。
テレビやネットでみかけるあの気象レーダーの観測をしているところです。
無線オタクというわけではありませんが、なぜか海の通信士、空の特殊無線技士の資格を持っていて、とりあえずレーダーは多少使えるKasayan・・・・年に一度の公開があったので、高原ドライブを兼ねて見学に行ってきました。

これが、レーダーの電波の送受信機。
中にはマグネトロンという電子レンジのお化けが入っていて、レーダーの電波が作られてます。
上についている導波管という角型の筒は、レーダーの電波をパラボラアンテナまで送る役目をしています。
マイクロ波は、同軸ケーブルじゃなくて、水道のように金属の管を使って送るんです。

メーター類。周波数の遷移はゼロ。マグネトロンが安定して発振している証拠。
出力は250KW。アンテナの前は電子レンジ状態で被爆しちゃうので、立ち入り禁止で撮影はできませんでした。

そして、レーダードームから見た長野市方面。
レーダーの電波は直進性が強いので、見通しの効く雨雲しかとらえることができないわけですが・・・どのあたりの雨雲がとらえにくいのか?望遠レンズも使ってよーく観察してきました。

日本各地には、これだけ気象レーダーが設置されていて、データが合成されてそれぞれのレーダーの死角を補っていますが、山の多い長野県。
レーダーのクセをつかむのが夕立の早期発見のコツかもしれません。

見学を終えて見るレーダー画像・・・・ちょっと違って見えるような気がしてきます。
昨日通過した台風4号の雨雲は、すっかり東海上へ抜けましたが、朝鮮半島から日本海には怪しい雨雲。
明日は、レーダーが活躍するかもしれません。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

天気マークや予報文を読んでエリア分けすると、大きく北日本の安定した晴れエリアと、それ以外の不安定エリアにわかれるんですけど、山陰方面が曇りがちなんで、こんなエリア分けになりました。
安定・不安定が大きく分かれる東北南部付近・・・・このあたりに何かある・・・というわけですね。
曇りがちの山陰付近にも何かが・・・
エリア分けを意識しながら予想天気図を見ると、ちょっとだけ予想天気図を見る目が変わってくるはずです。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

雲マークが左側ですから、曇りベースの天気。
台風一過にはなりません。
もっとも「時々晴れ」ですから、強い夏の日差しが出れば、晴れというイメージをもたれる方が多いでしょう・・・・気温も31℃ですし。
「所により夜雨」ということですから、どのあたり?どの程度?はチェックしておきます。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

太平洋側と日本海側に前線がありますけど、この二つの前線・・・本当はつながっているので、潜在的な前線が東日本付近にあるわけです。
だから東日本は曇りベースでちょっとだけ不安定。
山陰方面の曇りベースは、日本海の前線と低気圧の影響のようです。
そして、強い暖湿流が西日本へ・・・・上空の寒気はありませんが、湿った暖かい空気がぶつかる山で雷雨ということになりそうです。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
まず、太平洋と日本海の前線、そして東日本の潜在的な前線の様子をチェックしておきましょう。

この図の矢印は地上付近の空気の流れ、緑の線は相当温位といって、雨の原料の程度を示したもの。
相当温位の線が混雑して急激に雨の原料の量が変化している所が前線の場所(密度差がある場所)です。
線が混雑したところ(相当温位集中帯)が東日本をしっかり横断していますから、そこには弱い前線があって曇りベース。
夕立もそこそこというところです。
この前線の南側は雨の原料が多いところになりますが、原料の量をもうちょっと詳しくみると・・・・

345K以上の数字は雨の原料がたっぷりという目安になりますが、西日本は350K以上の特に大きい数字になっています。
この空気が猛暑で温められて上昇すれば即夕立発生。
今日は西日本が特に不安定というわけです。
で・・・具体的な雨の様子。

雨のエリアもなんとなく東日本でつながっている感じがしませんか?
あと、太平洋高気圧の西の端っこには、いつものように暖湿流に伴う降水が点在しています。
では東日本付近をアニメで。

激しい雨があるというわけじゃありませんけど、関東北部や西部、長野県の高い山中心に降水が計算されています。
また、夜にかけて前線の強い雨域が北陸に迫ってくるのがわかります。
明日は北陸、ちょっとまとまった雨になるかもしれませんね。
ということで、今日の予報・・・「時々晴れ」が、時々くもり程度のイメージになるかもしれませんが、当たりでしょう。
「所により 夜 雨」もエリアが狭いようですから、マークだけで判断している人も、はずれと感じることはほとんどないでしょうね。
当ブログの記事等に関して、ご質問・ご意見等がありましたら、コメント欄だけではなく、以下のアドレスにメールしていただいても構いません。
kasayangw@yahoo.co.jp
可能な限り返信いたします。

(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)