2010年08月30日
天気予報は当たるのか?(8月30日)台風6号、7号と夕立
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。久々の長野の天気に慣れるため、毎朝コツコツ天気予報の修行中。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
南の海上が、ようやく賑やかになってきました。

週末に九州の西側を北上した熱帯低気圧は、気象庁の予想に反して台風まで発達しませんでした。
気象庁が予想天気図にTS(台風)と書きこんで、実際に台風まで発達しなかったケースは非常に珍しいケースだと思います。
もっとも、週末には連発で台風6号と7号が発生し、さらには南西諸島付近に熱帯低気圧まで発生しています。
太平洋高気圧がまだまだ元気なので、台風を日本付近に寄せ付けませんから、今のところ沖縄以外に直接の影響はなさそうですが、これから太平洋高気圧が弱まってきたときのことを考えると、ちょっと心配になります。
台風については後で詳しく・・・・・
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

北海道は曇りベースですが、それ以外は相変わらず太陽マークが左側・・・・猛暑夏空モードが続きます。
九州方面に傘マークがついているので、九州各県の予報文を読むと「激しく降る」の文字がズラリ。
太平洋高気圧と台風から流れ込む湿った空気の影響ですから、台風の間接的な影響といえそうです。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

猛暑夏空モードのど真ん中にある長野県。
昨日は夕立がほとんどありませんでしたが、今日は全県に「所により雨」がついています。
もっとも「雷」の文字はありませんから、弱い夕立。
どこで、どの程度?については、降水のアニメでチェックしておくことにします。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

今日の天気を悪くするポイントは3つ。
湿った暖かい空気による九州と西日本南岸の雨。
接近する前線と、そこに流れ込む暖湿気による、北海道の夜からの雨。
気温上昇による本州内陸部の局地的な夕立です。
太平洋高気圧が幅をきかせているので、台風についてはテレビの天気予報もあまり神経質な扱いはしていないと思います。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
まずは、誰もが気になる台風の予想進路図からチェックしていきましょう。

九州の西側を北上していきますから、いまのところ沖縄以外に直接の影響はなさそう。
その原因はまだまだ活発な太平洋高気圧です。

上空5800m付近の太平洋高気圧の様子ですが、今夜にかけて西日本方面に勢力を強めます。
この状態がすくなくとも明後日までは続きそうですから、台風が日本に接近するおそれはありませんが、そのかわり猛暑が続くという悩ましい状態ですね。
ついでに、太平洋高気圧の周辺を時計回りに回る、上空の台風を流す風(指向流)の様子もチェックしておきましょう。

5800m付近の流れだけで台風のコースが決まるわけではありませんが、この高さの流れは台風のコースにかなり影響します。
一目で、台風は日本に来ないね・・ということがわかると思います。
ただ、台風と太平洋高気圧がセットになると、南の海上の湿った空気が日本付近に流れ込んできます。
台風の間接的な影響で、大雨をもたらすおそれがありますから、まずは、湿った空気を流す風の様子を見てみましょう。

太平洋高気圧周辺の流れを台風や熱帯低気圧が加速して、朝鮮半島付近を通り、北海道方面に流れ込むことがわかります。
この流れの中で、どのあたりが一番湿った空気なのか?

明日朝までのアニメにしてみましたが、青が濃いところほど混合比が高いところ・・・つまり水蒸気がたっぷり含まれている場所です。
今日は日本海の上ですけど、明日になると北陸方面へと南下してきます。
水色の比較的乾燥したエリアにある東日本・・・今日の夕立は少なそうですけど、湿った空気が流れ込んでくる明日には夕立が活発になるかもしれませんね。
ということで、湿った空気と雨の関係・・・今日の具体的な雨の様子を見てみましょう。

湿った空気の流れに沿って、スコールのようなポツポツの降水域が計算されています。
強い流れの東の端にあたる九州や四国南岸の予報に「激しく降る」と書かれている理由がわかりますね。
では、東日本の夕立は?

昼間はいつもの関東北部、夜になってから、南アルプスや北アルプス方面を中心とする高い山に少しだけ降水が計算されているだけ。
予報に「雷」がついていなかった理由がわかります。
17時30分追記:菅平~地蔵峠付近にポツンと積乱雲が発達しています。関東から軽井沢・上田へと盆地を抜けて北上する風と、上越から信濃町方面を抜けて長野盆地東側を南下する風が収束して上昇気流が発生し、それが、山肌の気温上昇による不安定のトリガーになって発生していると思います。
上空3000m付近の流れは南風ですから、長野盆地、特に南側は、短時間ですけどザッとあるかもしれません。
レーダー:http://www.jma.go.jp/jp/radnowc/index.html?areaCode=207
ということで・・・・今日の予報も当たりとしか言いようがありません。
夕立が少なかった昨日の長野県北部には上空にすじ雲・・・卷雲が発生していましたが、今朝はなし。
卷雲と雷雨の関係・・・考えていたら更新ボタンを押し忘れてました・・・・。
当ブログの記事等に関して、ご質問・ご意見等がありましたら、コメント欄だけではなく、以下のアドレスにメールしていただいても構いません。
kasayangw@yahoo.co.jp
可能な限り返信いたします。

1、今日の一言
南の海上が、ようやく賑やかになってきました。

週末に九州の西側を北上した熱帯低気圧は、気象庁の予想に反して台風まで発達しませんでした。
気象庁が予想天気図にTS(台風)と書きこんで、実際に台風まで発達しなかったケースは非常に珍しいケースだと思います。
もっとも、週末には連発で台風6号と7号が発生し、さらには南西諸島付近に熱帯低気圧まで発生しています。
太平洋高気圧がまだまだ元気なので、台風を日本付近に寄せ付けませんから、今のところ沖縄以外に直接の影響はなさそうですが、これから太平洋高気圧が弱まってきたときのことを考えると、ちょっと心配になります。
台風については後で詳しく・・・・・
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

北海道は曇りベースですが、それ以外は相変わらず太陽マークが左側・・・・猛暑夏空モードが続きます。
九州方面に傘マークがついているので、九州各県の予報文を読むと「激しく降る」の文字がズラリ。
太平洋高気圧と台風から流れ込む湿った空気の影響ですから、台風の間接的な影響といえそうです。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

猛暑夏空モードのど真ん中にある長野県。
昨日は夕立がほとんどありませんでしたが、今日は全県に「所により雨」がついています。
もっとも「雷」の文字はありませんから、弱い夕立。
どこで、どの程度?については、降水のアニメでチェックしておくことにします。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

今日の天気を悪くするポイントは3つ。
湿った暖かい空気による九州と西日本南岸の雨。
接近する前線と、そこに流れ込む暖湿気による、北海道の夜からの雨。
気温上昇による本州内陸部の局地的な夕立です。
太平洋高気圧が幅をきかせているので、台風についてはテレビの天気予報もあまり神経質な扱いはしていないと思います。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
まずは、誰もが気になる台風の予想進路図からチェックしていきましょう。

九州の西側を北上していきますから、いまのところ沖縄以外に直接の影響はなさそう。
その原因はまだまだ活発な太平洋高気圧です。

上空5800m付近の太平洋高気圧の様子ですが、今夜にかけて西日本方面に勢力を強めます。
この状態がすくなくとも明後日までは続きそうですから、台風が日本に接近するおそれはありませんが、そのかわり猛暑が続くという悩ましい状態ですね。
ついでに、太平洋高気圧の周辺を時計回りに回る、上空の台風を流す風(指向流)の様子もチェックしておきましょう。

5800m付近の流れだけで台風のコースが決まるわけではありませんが、この高さの流れは台風のコースにかなり影響します。
一目で、台風は日本に来ないね・・ということがわかると思います。
ただ、台風と太平洋高気圧がセットになると、南の海上の湿った空気が日本付近に流れ込んできます。
台風の間接的な影響で、大雨をもたらすおそれがありますから、まずは、湿った空気を流す風の様子を見てみましょう。

太平洋高気圧周辺の流れを台風や熱帯低気圧が加速して、朝鮮半島付近を通り、北海道方面に流れ込むことがわかります。
この流れの中で、どのあたりが一番湿った空気なのか?

明日朝までのアニメにしてみましたが、青が濃いところほど混合比が高いところ・・・つまり水蒸気がたっぷり含まれている場所です。
今日は日本海の上ですけど、明日になると北陸方面へと南下してきます。
水色の比較的乾燥したエリアにある東日本・・・今日の夕立は少なそうですけど、湿った空気が流れ込んでくる明日には夕立が活発になるかもしれませんね。
ということで、湿った空気と雨の関係・・・今日の具体的な雨の様子を見てみましょう。

湿った空気の流れに沿って、スコールのようなポツポツの降水域が計算されています。
強い流れの東の端にあたる九州や四国南岸の予報に「激しく降る」と書かれている理由がわかりますね。
では、東日本の夕立は?

昼間はいつもの関東北部、夜になってから、南アルプスや北アルプス方面を中心とする高い山に少しだけ降水が計算されているだけ。
予報に「雷」がついていなかった理由がわかります。
17時30分追記:菅平~地蔵峠付近にポツンと積乱雲が発達しています。関東から軽井沢・上田へと盆地を抜けて北上する風と、上越から信濃町方面を抜けて長野盆地東側を南下する風が収束して上昇気流が発生し、それが、山肌の気温上昇による不安定のトリガーになって発生していると思います。
上空3000m付近の流れは南風ですから、長野盆地、特に南側は、短時間ですけどザッとあるかもしれません。
レーダー:http://www.jma.go.jp/jp/radnowc/index.html?areaCode=207
ということで・・・・今日の予報も当たりとしか言いようがありません。
夕立が少なかった昨日の長野県北部には上空にすじ雲・・・卷雲が発生していましたが、今朝はなし。
卷雲と雷雨の関係・・・考えていたら更新ボタンを押し忘れてました・・・・。
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kasayangw@yahoo.co.jp
可能な限り返信いたします。

(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)