2010年08月27日
猛暑いつまで?一か月予報と高温に関する情報(8月27日)

9月に入ってこの記事へのアクセスが多いようですが、猛暑や台風に関する最新の記事については、トップページ(http://kasayan.naganoblog.jp/)をご覧ください。
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。久々の長野の天気に慣れるため、毎朝コツコツ天気予報の修行中。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、天気予報をチェックしています
今日の雷雨については、今朝の記事をご覧いただくとして・・・・・
気象レーダー:http://www.jma.go.jp/jp/bosaijoho/radar.html#a_top
猛暑が続いていて、「猛暑はいつまで続くの?」、なんてことばっかりが気になっている方も多いことと思います。
今日は金曜日・・・週に一回の一か月予報が発表されました。
え?・・・毎週発表?と思われるかもしれませんが、週間予報だって毎日発表されているんだから、一か月予報を毎週発表したってイイじゃなないですか・・・・
未来の予測は、新しいデータが加わることで、日々変化するのがあたりまえ。
絶対これが当たるんだ!と修正もせずにハズされるよりずっと良心的だとおもいませんか?
横道にそれてしまいましたが・・・この図が向こう一カ月の平均気温の傾向・・・・

日本列島全部真っ赤っか!
これ、向う一か月、気温が平年より高くなる確率が60パーセント以上だということ。
しばしばこのブログでも、上空5800m付近の気圧の谷・・・なんて話を書いていますけど、向う一か月、上空の気圧の谷は、平均すると日本の西側にあると予想されています。

一般的に、上空の気圧の谷の西側では大陸の冷たい空気が南下、東側では南の暖かい空気が北上する傾向があります。
したがって、向う一か月、日本の西側に気圧の谷がある傾向が続くということは、気圧の谷の東側の日本付近では、ずーっと暖かい空気が流れ込みやすいということ。
そりゃ、上空の気圧の谷が、日本海北部や北海道を通過して、冷たい空気が流れ込むこともあるでしょうけれど、平均すると・・・です・・・あくまで。
また、日本の西側に気圧の谷があるとすると、日本付近は気圧の尾根。
上空の気圧の尾根付近の地上には・・・・通常、高気圧があるわけですが・・・・これが秋の移動性高気圧ならイイんですけど、なんと太平洋高気圧の可能性大。
さすがに9月に入れば太平洋高気圧が南に下がる気配はあるんですけど、中途半端に南下して、かえって高気圧の縁を湿った暖かい空気が流れ込んで、梅雨末期のムシムシのスコール状態になる可能性も。
気温の様子をグラフで見てみましょう。

何度がご紹介しましたが、計算の誤差を減らすために、少しずつ違った値を入力して計算しているので、グラフの線がたくさんあるわけですが、ほとんどの計算値が平年より高い傾向を示しています。
北日本~沖縄まで・・・・。
平年より気温が高くなる可能性・・・十分ですね・・・・これを見る限り・・・・・
おまけに今日は、「高温に関する長野県気象情報 第1号」なんていう情報も発表されています。
高温に関する長野県気象情報 第1号
平成22年8月27日15時25分 長野地方気象台発表
■見出し
長野県では、向こう一週間は気温が平年より高く、最高気温が34度前後となるところがあるでしょう。
■本文
長野県では、向こう一週間は気温が平年より高く、平均気温は平年より3度から4度程度高い日が続くところが多い見込みです。
また、最高気温が34度前後となるところがあるでしょう。
気温の高い状態が続きますので、熱中症などの健康管理や農作物、家畜類等の管理に十分注意して下さい。
農業県の長野県・・・・農作物への影響が心配です。
ただ・・・・すこしばかり涼しい便りが届いています。
■日時:2010年08月27日
■場所:長野県 長野
■内容:ススキ開花
■平年比:11日遅い
■昨年比:13日遅い
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kasayangw@yahoo.co.jp
可能な限り返信いたします。

(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)
2010年08月27日
天気予報は当たるのか?(8月27日)熱帯低気圧発生夕立は?

故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。久々の長野の天気に慣れるため、毎朝コツコツ天気予報の修行中。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
今朝から通常更新に戻ります。
わかりにくい記事になっていたり、昨日は更新しなかったりして・・・・お越しくださった方・・・失礼いたしました。

日本の東に中心を持つ太平洋高気圧の縁を、雲の帯が取り巻いています。
熱帯の湿った暖かい空気が、東シナ海を北上し、朝鮮半島付近で方向を東へ変え、東北北部を通過して北太平洋の低気圧へと流れ込むという壮大な流れ。
この1カ月以上、ダラダラとこのような流れが続いていましたが、そろそろ北上する流れがカタマリになってきました。
東シナ海に熱帯低気圧発生。
これが台風になるのかならないのか?

”とりあえず”、熱帯低気圧のまま朝鮮半島方面に進むと気象庁は予想しています。
もっとも、新しい計算値が出されるたびに、その発達の程度はコロコロと変化する状態ですから、天気予報を見るときのチェック項目にしておきたいところです。
先日、「弱い熱帯低気圧」というコトバが天気予報から消えた話を書きましたが、今朝発表の短期予報解説資料には、こんなことが書いてありました。
「TD と台風の違いは最大風速だけで、熱帯の非常に湿った空気を持ち込み大雨を降らせるのはどちらも同じ。大雨に要注意・警戒。」
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

天気マークの天気予報だと、太陽マークと雨マークが目立ってしまいますが、よーく見ると、東北北部と北海道の道南では曇マーク優先で、拡大すると傘マークもついています。
天気図から前線が消えても、前線帯は残って、天気マークに影響を与えます。
チラッと天気マークの天気予報をチェックするのではなく、ちょっとだけズクを出して(長野県の方言で、面倒がらずに・・という意味)、天気マークを細かくチェックすると、今まで以上に天気分布の理解が深まります。
特に、エリア分けの境目にあたるときは、予報の安全マージンをチェックするのに効果的ですよ。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

傘マークはすべて夕立の雨。
夕立の場合、マークは晴れとか晴れのちくもりにしておいて、予報文で「所により・・・雨」にすることが多いのですが、わざわざ傘マークを付けるということは、それなりの夕立を予想しているということです。
傘マークのエリアを見ると、いわゆる山沿い中心と解説されるエリアです。
県内の予報文には「激しく降る」と書かれていますから、用語集でいう「1時間に30mm以上50mm未満の雨」が予想されています。
この雨が同じ場所で2時間降れば最大100mm程度の雨になるということですから、雷雲がどの程度の速度で進むのか?ということは、防災上とても重要になってきます。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

書き込みしたコメントでイイでしょう。
東日本付近の空気は比較的安定しているのですが、気温がうんと上昇して、安定した空気が不安定になって降る雷雨。
暖まりやすいところほど雷雨になるわけですが、山の斜面はソーラーパネルの設置方法のように、太陽に対してダイレクトに向き合っていますから暖まりやすいところ。
山沿い中心になります。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
気になる熱帯低気圧については、今日の一言で・・・・
まだまだ日本の天気を支配している太平洋高気圧の様子から。

上空5900m付近の太平洋高気圧のコアの部分・・・・今夜にかけて西側で北へと勢力を拡大します。
まだまだ夏は続ききます・・・・夏休みの宿題に追われる時期になっても・・・・(長野県の子供たちの夏休みはとっくに終わってますけど)。
もうちょっとイメージしやすいように、久々の未来の衛星画像?を作ってみました。

日本海を東西に延びる雲の帯が西側で北上しています。
太平洋高気圧が前線帯の雲を押し上げてくるわけです。
さて、気になる夕立の様子ですが・・・

西日本は湿った空気による雷雨、東日本は気温がピークに達する午後からの雷雨。
熱帯低気圧の雨は、海上中心ですけど、沖縄・奄美方面では一時的にドバッというスコールのような雨が降りそうです。
続いて東日本・・・・

昨日同様、長野県中心の雷雨。
もっとも、昨日は、雷雲を流す上空の西風が強めだったので、雷雲は関東北部方面に流れて回復は早めでしたが、今日は長野県付近に夜遅くまで降水が計算されています。
上空の風が弱いんですね・・・・
上空の風の様子を見てみましょうか・・・

長野県や山梨県付近で渦を巻いていますが、風速も弱い状態。
発生した雷雲はあまり流されず、長野県内に留まります。
発達と衰弱を繰り返しながら、夜遅くまで・・・ですから、上で書いたように、局地的には100mmを越える雨量になるところも予想されます。
大雨警報が発表される可能性もありますから、ご注意を。
一応、雷雲が発生しそうな場所をチェック。

地面付近で暖まった空気が特に上昇気流になり易そうな場所に赤の点線を引いてみました。
気温上昇によってできる熱低気圧の中心は諏訪付近。
そこに流れこむ風が、盆地をすり抜け、山を迂回し、複雑な流れになっています。
これらの風がぶつかる場所、山を駆けのぼる場所が雷雲発生要注意の場所。
風向がちょっと変わっただけで予想の位置が変化しますから、赤の点線の幅はかなり広めに考えてください。
14時20分追記:レーダーを見ていて、中央アルプス付近の収束帯に赤い点線を引き忘れたことに気付きました。追加して考えてください。12時を過ぎて、北部では上越から吹きこむ北風が中心になってきました。積乱雲が活発になってきているようです。
17時30分追記:関東南部、相模湾からの海風(南よりの風)と、鹿島灘からの海風(東よりの風)がぶつかって、埼玉県東部付近にゲリラ雷雨が発生しているようです。大気の安定度が非常に微妙なところでしたが、風の収束(ぶつかりあい)がここまでしっかりできあがると、雷雨になるしかない・・・か。
ということで、久々に・・・・今日の天気予報も「所により」が付いている以上、当たる・・・・ですね。
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(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)