2010年08月04日
天気予報は当たるのか?(8月4日)夕立続くけど・・・

故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。久々の長野の天気に慣れるため、毎朝コツコツ天気予報の修行中。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言

このところ、白く水蒸気たっぷりという空が続いていましたが、今朝の長野市内は久々に青空。
視程も良くて、長野市内から北アルプスの槍ヶ岳。
これだけで、湿った空気が流れ込まなくなった・・・ということがわかります。
一昨日・昨日と警報級の雨が連発した夕立も規模縮小傾向の予感がしますけど・・・どうでしょうか?
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

昨日と同じエリア分けですけど、気持ち・・・前線ぐずつきエリアが北上したことと、西日本南岸に傘マークがついていることが違います。
太平洋高気圧が北へちょっとだけ・・・西にググッと張り出すと、こんな変化になるわけです。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

予報文を読むと、「夕方」(午後3時以降)から「くもり」ですから、「所により昼過ぎから雨」だった昨日より、青空が隠れるタイミングが遅くなっています。
とはいっても「所により」「雨で雷を伴う」がついていますから、夕立の可能性はあり。
中南部は「夕方から」ですが、北部は時間を限定していませんから、北部ほど夕立の可能性があるという点は昨日と同じようです。
近県・・・新潟や群馬県北部に「のち」傘マークがついていますから、ここからも北部中心の夕立がうかがえます。
今日もオマケですけど、神奈川県の海上の風が10メートルを超えそうですから、関東のゲリラ雷雨の可能性は低いんじゃないかな…と・・・・・??
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

太平洋高気圧が張り出すので・・・・・暖湿流の軸が西へシフト・・・・東北北部の前線が弱まる・・・・というのが今日のポイント。
暖湿流が直接ぶつかる西日本太平洋側の山・・南斜面中心に雨。
北日本の前線の影響は回復へ、という流れです。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
上空の寒気も気圧の谷もないので、暖湿流だけチェック。

345Kという大量の雨の原料のエリア(赤で塗った数字)は、西日本経由北海道方面へ。
青の色は混合比といって、水蒸気の量の指数。
北海道の南までは多めになっていますが、東日本の太平洋側では相対的に少なくなっています。
水蒸気が少なくなってきたので、白っぽい空が青空に変化してきたんですね。
今度は西日本方面が白っぽい空になっちゃいますけど・・・・
その様子をレーダーで見ると・・・

西日本の南岸には、ポツポツとスコールのような雨雲が点在しているのがわかります。
この雲がぶつかる西日本南岸の南向きの山付近ではザッと降ってや止む・・・強い日射が・・・くりかえし・・・という熱帯のような空模様になるわけです。
今日の雨の様子をみると・・・

やっぱり、西日本南岸中心に降水が計算されていて、宮崎方面ではちょっと多め。
東日本付近は・・・

ギラギラ太陽で気温が上昇して発生する熱雷という雷雲が山沿い中心に発生するということのようです。
発生すると、時間がたつにつれて北に流れる傾向。
地上付近から上空にかけて南よりの風が吹いているからです。
ということで・・・今日の天気予報も当たり・・・昨日ほど激しい雨にはならないと思いますが、風の流れは昨日と似ていますから、昨日と同じエリア中心にご用心というところでしょう。
今朝はあまり時間がなかったので、夕立の様子・・・追記する時間があれば、また追記しておきます。
17時20分追記:空気中の水蒸気量が少ないので、積雲等、対流雲の発生は少ないですね。
ぼちぼち雷雲が発生する時間帯になってきましたが、レーダー画像では、南部にチラホラ見えるだけ。
これから発生するとしたらどのあたり?を計算値に記載しておきました。昨日に比べると極めて局地的な雷雨で済みそうですが・・・・・どうなりますやら?


19時40分追記:熱雷の特徴でしょうか。計算値より数時間遅れでレーダーエコーが観察されるようになってきました。日没後の気温と風の変化の計算値への影響について、勉強しないとダメですね。
21時15分追記:早々に雷注意報も解除になりました。数値予報の計算値はやや過大の降水を計算していたように思います。レーダーでは、多少のエコーは観察されましたから、現象のスケールからいって、流線等から発雷可能性エリアの位置を推定することは可能ですが、降水については一定条件において修正をかける必要がありそうです。その条件とは?・・・この夏に見つけられるとイイんですけど・・・・
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