2010年08月06日
天気予報は当たるのか?(8月6日)猛暑いつまで週末の天気は?

故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。久々の長野の天気に慣れるため、毎朝コツコツ天気予報の修行中。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言

朝っぱらから、新潟県十日町方面では雷雲が発生して、大雨洪水警報が発表されています。
湿った空気が日本海側から流れ込んで山にぶつかって雷雲が発生している模様・・・同じ場所で雨が続いてしまうパターンかも?
朝ですけど、夕方のような空模様・・・新潟県をはじめとるする北陸では一晩中25℃以上の熱帯夜の所が多くなっていて、朝でも夕立が発生する時間帯のような状態が続いています。

そして、長野市の気温の変化グラフ・・・・朝5時で26℃ですから熱帯夜になってしまいました。
夜になれば涼しくなる長野のはず・・・なんですけど・・・・夜になっても上空のドライヤー、太平洋高気圧のパワーは強力です。
こうなると、この猛暑はいつまで?という気持ちになってきますから、今日は週末にかけての太平洋高気圧の様子をチェックしておきました。
この週末は長野県知事選挙があるんですが・・・選挙の投票率にも影響してきそうですよね・・・・・
今回の長野県知事選挙・・・・候補者の出馬のニュースの映像を見て・・・
どっかで会ったことあるな?・・・・それも、一緒に飲んだことがあるぞ???・・・と思ってよーく考えてみると、友人の結婚式で隣の席になった人が出馬していました。
大学生の頃、時々遊びにいった友人の下宿の住人だったので、その話題で酒も進んだのですが、まさか知事選に出るとは・・・・そのときもらった名刺を見ると、間違いありませんでした。
昨年は、もと部下の気象予報士が国会議員になっちゃうし・・・・政界が妙に身近に感じられるこのごろ・・・・さて誰に投票すべきかしらん?
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

九州に傘マークがついていますけど、夕立の傘マーク。
雲マークとセットになった太陽マークが多くなっていますけど、ほとんどは太陽が左側・・・晴れベース・・・猛暑が続きます。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

もちろん、「所により」がついていて夕立を予想していますが、昨日なかった「雷」の文字がついています。
今日は、太平洋高気圧の張り出しの具合(気圧の尾根の位置)が微妙に北上するので、湿った空気を流す上空1500m付近の流れが変化して昨日より夕立の雲が発達しやすくなる傾向。
夕立の様子・・・アニメはきちんと作っておきましたが、上空の流れは微妙なので、できれば昼飯どき・・・遅くとも夕立が発生する前には・・・・風の流れと夕立の発生が予想されるエリアの予想図を追記したいと思っています。
計算値が変化する可能性があるからです。
13時10分追記:計算値に頭を悩ませているうちに、長野県北部では、すでに雷雲が発達しはじめていて、長野市内では雷鳴も聞こえています。11時発表の予報も今朝の予報と同様の文面でしたから、気象庁も予測していないレベルの発生だと思います。そいういう意味では、長野県にしては珍しいゲリラ・・・ですね(都市型のゲリラ雷雨とは発生過程が異なりますが)。
懸念していたように、今日の計算値(MSMというモデル)の降水はイマイチあてにならないので、風の収束から雷雲発生の位置を推定したほうが可能性が高いかもしれません。
12時の観測を初期値とした、計算値が出たらアップしようと思いますが・・・・
レーダーで雷雲の様子確かめて対応するのが吉という状況です。
気象レーダー:http://www.jma.go.jp/jp/bosaijoho/radar.html#a_top

13時25分追記:長野地方気象台は、11時発表の予報を訂正しました。13時発表になっていますが、電文として届いたのは13時10分過ぎ。レーダーを見てあわてて訂正したというところだと思います。
北部・中部
くもり 所により 夜のはじめ頃 まで 雨 で 雷を伴い 激しく 降る
17時追記:風の方向が昨日とは全く異なってしまったので、降水量の計算値がまったくアテになりません。気象台は13時に予報を訂正しましたが、北部の雷雨は一時的だったため、訂正の内容が適当であったとは・・・という状態です。計算値で予測するよりは、レーダー監視で対応するしかない状態。もっとも、明日以降は、今日の計算値と実況がとり込まれて、当たる?計算値や予報になると思います。現在は南部中心のまとまった雨。雷雨の予測が一筋縄ではいかないことを示した今日の風向きの変化でした。
18時20分追記:18時以降、当初の計算値の傾向に収まってきています。積乱雲のスケールが小さい発達過程は教科書通り、ダメ。成熟してきた段階で実況に忠実になるという流れ。勉強になりました。
19時10分追記:上空3000m付近の流れは先日までの夕立とは正反対の東風。このため、雷雲は岐阜方面へ。長野県北部、13時頃の早めの降水は、志賀高原・菅平付近の雷雲が東風で長野盆地まで流れ込んだため。先日までは西風で草津方面で早い雷雨が観測されていたが、その逆の過程。備忘録でした。

岐阜県で傘マークがついているのが気になりまねぇ。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

昨夜の実況図と今夜の予想図を比較すると、気圧の尾根(赤矢印)の位置が微妙に変化します。
だからといって、太平洋高気圧が弱まるというわけじゃありません。
厳密にいえば、1020hPaの等圧線はやや東へ後退しますが、黄色でなぞった1016hPaの等圧線は西へ勢力を伸ばす傾向。
気圧の変化のグラフはこうなっています。

高気圧の西の端に近い福岡は、今朝も気圧は上昇傾向。
長野は、日中ヒートローとか熱低気圧と呼ばれる、気温上昇による低圧部になるので、一時的に気圧は下がるものの、全般に上昇傾向。
今日はまだまだ猛暑モード・・・・・週末は?
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
ということで・・・この猛暑いつまで?・・・・週末にかけての太平洋高気圧のパワーチェック。

明日、明後日と、太平洋高気圧が上空に占めるエリアがゆっくりと縮小。
多少は・・・・わずかは・・・・少しくらいは・・・・西から猛暑モードも緩むか?・・・・という感じ。
もっとも、UCL(upper cold low)と呼ばれる寒気を伴った上層の渦(熱帯低気圧や台風を発生させることもある)が西日本に接近。
日曜日には、西日本中心に短時間に激しい雨が降る可能性が高くなっています。
UCLの様子を水蒸気画像で・・・・

南東側に湿り気の多い部分・・・発達した積乱雲のカタマリをもっています。
こいつがやってきそうですから、ちょっとイヤな感じです。
さて、今日に戻って・・・夕立の様子をチェックしておきましょう。

夕方以降、西日本・東日本中心に夕立が発生しますが、東日本・・・長野県周辺で降水量が多い青色が目立ちます。

一昨日、昨日と計算値より少なめの夕立になっていましたが、今日は状況が少し変化します。
正直なところ、計算値通りになるのか?Kasayanにはサジ加減がイマイチわかりません。
他の計算値やガイダンスと言われる統計的手法を使った計算値をみても、県の西部の山々を中心に夕立・・・という程度まで。
岐阜県の傘マーク・・・予報官も同じ計算値を見てつけたんでしょう。
ということで、今日の予報・・・現在のKasayanには、予報を覆すだけの情報も能力もないので・・・・当たるということしかいえません。
いずれにせよ、今日も猛暑・・・・です・・・・・
あっ、そうそう、昨夜の記事に「長期間の高温に関する長野県気象情報 第1号」を掲載しておきました。
長期間の高温・・・・イヤな響きですが、農業に従事されている方など、気になる方はお読みください。
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(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)