2010年08月16日

天気予報は当たるのか?(8月16日)猛暑いつまで?夕立は?




 故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。久々の長野の天気に慣れるため、毎朝コツコツ天気予報の修行中。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?

1、今日の一言

 猛暑が続いてますねぇ・・・・・

 猛暑はいつまで続くのよ?という気持ちになってきますが、14日(金)に発表された一か月予報では、日本全国、平年より高くなる確率が50%以上、関東甲信や東海地方では、70パーセント以上の確率で高くなると予想されています。

 多少は猛暑の一休みがあるだろう・・・なんて週間予報を見てみると・・・・
昨日発表の週間予報には「最高気温・最低気温はともに、全国的に平年並か平年より高く、平年よりかなり高い所があるでしょう。」と書かれていて・・・・・




 これ、今朝発表になった最新の高層天気図ですけど、18日から21日頃まで、色を塗ったHマーク・・・・
太平洋高気圧のコアが西日本と東日本を覆っています。
 上空から地上に向けて熱風を吹き下ろすドライヤーの吹き出し口が上空にあるので・・・今日発表の週間予報も、昨日と同様でしょう・・・・

 ついでにダメ押し・・・13日に発表された異常天候早期警戒情報では、18日~27日に、東日本より南側で、平均気温が「かなり高い」確率が30パーセント以上なんて予想も出されていますから、”暑さも一休み”という希望?がみつかりません。

 もっとも・・・秋雨前線?の超ハシリのような前線が日本海にあって、季節は少しずつ前進していることは確かですから、もうちょっと我慢しませう。

2、全国の予報
 テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。





 北と南の太陽マークを、東北の雲マーク・傘マークが分断しています。
 ここに前線があって、夏と秋の超ハシリの空気をわけています。
 
 東北地方のぐずつきエリアがほんの少し南下すれば関東甲信越方面に影響してきますから、南下と影響はあるの?という目で天気をチェックしてみましょう。

3、長野県の予報
 長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。





 「所により雨で雷を伴う」という予報文にはもうアキアキ・・・・夕立ですけど・・・
 一昨日は、計算より多く雨が降り、昨日は計算より少なめ・・・夕立がどこでどの程度降るのか?という予想については、かなり難しい状況になっています。
 長野県の場合、夕立が発生する場所については、予想外ということは少ないのですが、降る量・・・夕立の程度が難しい・・・・
 シミュレーションプログラムの限界ギリギリのスケールの現象で、計算困難なのは確かなんですけど、かなりイイ計算値が出る場合とそうでない場合の条件の違いがイマイチわからない・・・・

 この夏はデータ集めだけで終わってしまいそうです。

 そうそう・・・・関東方面、今日は海風の予想がイマイチ弱い・・・ゲリラ雷雨の可能性・・・あるかもしれません。

4、一般的な天気図の評
 どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。




 今日日中、前線はちょっと南下気味
陸上では弱まる傾向ですけど、潜在的な前線があります。
 暖湿流が流れ込んで前線が活発になりやすい新潟方面は、強い雨の可能性を考えておいたほうがよいかもしれません。

5、今日の天気予報は当たるのか?
 100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。


 今日も夕立や前線付近の雨に影響してくる暖湿流の様子からチェックしておきましょう。




 昨日同様、日本海に暖湿流の流れの軸がありますけど、前線の南下に伴って、東北だけじゃなくて東日本にも流れ込んできます。
 この暖湿流の流れ込み次第で、北陸の雨が活発になったり、関東甲信越の夕立も激しくなったりするんですが、昨日よりは流れ込みやすい傾向ですから、計算値に近い形の降水になるのでは・・・と思うんですけど・・・・・

 で・・・今朝の雲と雨の様子を見てみましょう。




 暖湿流と対応する雲の帯に沿って、レーダーの雨域が観測されていますが、ちょうどこの位置に前線があります。
前線が南下するにともなって、雨のエリアがどうなるか?




 弱まりながらですけど、若干南下してくるのがわかります。
新潟方面では、黄色の活発な降水が計算されていますが・・・・
 この計算値はMSMという名前の計算値。
 もう一つのGSMという計算値では新潟方面の降水はそれほど活発ではありません。

 どっちの計算値も、ここ数日降水に関してはイマイチ
 もっとも、暖湿流の流れ方も考慮し、防災の点も考えれば、MSMのように新潟で活発な降水があることを想定しておくべきだと思います。

 そして東日本




 新潟方面に前線が南下してくるのはよいとして・・・・
問題は関東甲信の山沿いの降水
 一応、夕立の発生する可能性が高いエリアとして想定しておきましょう。

 上空の風は西寄りですから、発生した雷雲は東へと流れる傾向です。

 また、東京都の西部に計算されている雷雲
 関東の海風・・・今日の予想は10m/s未満
 また、上空の風は都心部に流れる西風。
 
 この計算通りなら、予想ができちゃっているので、ゲリラではありませんけど、海風が収束する場所ができて、そこで雷雲が発生する可能性がありそうなので、東京・神奈川・埼玉中心に、ここ数日の中では要警戒というところだと思います。

17時15分追記関東地方、今日は海風が弱かったので、ゲリラ雷雨があるかな?と思っていたら浦和付近で非常に局地的な雷雲が発生しています。海風の収束ができる場所で発生しますから、計算でとらえきれないゲリラ雷雨の典型といえると思います。一方、長野県付近は昨日に引き続き、計算値ほど雷雲が発生していません・・・というより、発生しているけど発達していないというのが正しいような気がします。新潟方面は・・・・これからかも?・・・大雨情報は引き続き有効のようですから・・・




 気象庁が上の計算値をさらに統計的に処理して作っている天気分布予報も見ておきましょう。




 昨日作った風が集まったり山にぶつかったりして上昇気流が発生しやすい場所・・・夕立の可能性があるエリアとほぼ同じ場所に雨が予想されています。
 夕立がある・・・というわけじゃなくて、夕立の可能性が高いエリアとして一つの目安になりそうです。

 今朝も「大雨と雷及び突風に関する全般気象情報 第6号」が発表されていて、北日本や長野県のお隣の北陸では大雨に警戒が呼びかけられています。

 大雨情報http://www.jma.go.jp/jp/kishojoho/

 防災モードになっていますから、今日も天気予報の当たりハズレ云々は自粛しておきます。
(といっても、ハズレといえるだけの検討はできていないんですけど・・・・・)

 当ブログの記事等に関して、ご質問・ご意見等がありましたら、コメント欄だけではなく、以下のアドレスにメールしていただいても構いません。
  kasayangw@yahoo.co.jp
 可能な限り返信いたします。





(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)