2010年08月19日

天気予報は当たるのか?(8月19日)今日の夕立は激しい?




 故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。久々の長野の天気に慣れるため、毎朝コツコツ天気予報の修行中。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?

1、今日の一言




 衛星画像のコントラストを上げて明るくしてみました。
関東の東海上に雲の帯・・・・昨日、乾いた空気と湿った空気の境目で南下中と書きましたが、計算値どおりキチンと南下してきましたが・・・・あと200キロほど南下してくれれば、関東付近から長野あたりも、あと1~2℃気温が低くなるんですけど、ここまで。

 雲の帯は湿った空気の流れも表していて、東日本には東よりの湿った風が吹きこんでいて、関東を中心に曇りベース




 湿った空気がダイレクトに流れ込む関東付近・・・湿った空気がたどり着く関東西部の山沿いでは、昨日からの雷雲が、発達したり弱まったりしながらまだまだ残っています
 長野県内も午前3時頃まで、南部山沿いを中心に雷雲が残っていました。

 今日は昨日以上に県内・・・南部中心に激しい雨を降らせる雷雨がありそうです。

 ところで、今朝ラジオを聞いていたら、昭和55年の今日は新宿駅バス放火事件があった日だと伝えていました。

「1980年8月19日(日)21時過ぎ、新宿駅西口バスターミナル20番乗り場で、発車待ちのため停車中だった京王帝都電鉄(現・京王バス東)の運行する中野車庫行きバスの車内に、男が後部ドアから火のついた新聞紙とガソリンが入ったバケツを車両後方へ投げ込んだ。
火は瞬時にして燃え広がり、6人が死亡、14人が重軽傷を負う惨事となった。(Wikipedia)」


 Kasayanはこの頃、東京の中野区の下宿に住んでいて、30年前の今日、新宿からバスに乗りました
発車間際に駆け乗ったバスは・・・このバスの一本前のバス
 どういうわけかKasayanは決定的な場面というヤツに出くわします。
 サリン事件の朝も地下鉄千代田線に乗っていたし、福岡でガルーダインドネシア航空の旅客機が墜落した瞬間も空港の出発ロビーから目撃していました。
 妙な所で運を使っているからでしょうか?・・・・宝くじをはじめとしてビンゴや年賀状ですら当たらないのです・・・・
 天気予報?・・・これは運じゃないから・・・・
 
2、全国の予報
 テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。





 昨日までは東北南部が帯状の曇りベースエリアになっていましたけど、今日は関東を中心としたエリアがえぐりとられるように曇りベースになっています。
 上の衛星画像で見た湿った北東の風の影響です。

3、長野県の予報
 長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。





 全県で「所により 昼過ぎから 雨」になっていますが、中部と南部では「激しく 降る」がついています。
中部の風が「後 北の風」になっていますから、傾向としては昨日同様、南部中心の夕立ですけど、東風の湿り気が、昨日よりたっぷり流れ込むので、夕立も激しくなるようです。

 どこで?は、似た傾向の昨日の様子をふまえて、下で検討することにします。

4、一般的な天気図の評
 どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。




 どうしても、北海道付近にある乾いた高気圧が目立っちゃいますけど、太平洋高気圧は西日本でキチンと顕在
 むしろ、上空に背を伸ばして発達傾向です。

 北の高気圧と南の高気圧が日本付近で交差する、衆参ねじれ現象・・・じゃなくて高気圧のねじれ現象になっているわけですが、両者の中間にある東日本は形式的には気圧の谷
 雷雲が若干発達しやすい傾向です。

5、今日の天気予報は当たるのか?
 100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。


 上空で目立つ太平洋高気圧と、地上で目立つ北海道の高気圧・・・・上空と地上の天気図でチェックしておきましょう。




 見ればわかる・・・だと思いますが、両者とも時計回りの上空の空気が吹き下りています。
高気圧の周辺ほど風速が強くなりますから、二つの風が特に交差するエリアが、東日本付近ということになります。

 地上付近の流れをもう少し詳しく見てみましょう。




 東日本へ吹きこむ湿った北東風の影響で発生する雲の帯が計算されています。
 東日本の猛暑はちょっとだけ解消傾向ですけど、内陸奥深く・・・長野県あたりまで気温を下げるパワーはなさそうです。

11時30分追記:気象衛星の赤外画像(低温ほど白い。テレビで使われるヤツ)では、はっきり見えませんが、可視画像(人間の目と同じ)を見ると、関東付近を下層雲がびっしりと覆っていることがわかります。このため昼前の段階で、関東地方は都市部を除いてほとんど30℃を下回っています。一方、長野県の下層雲はイマイチ(アメダスの日照を見ればわかります)で、盆地を中心に30℃以上東の湿った風が関東西部(長野県東側)の山岳地帯を乗り越え、県内は中・北部中心に下降気流域になっているようです。つまり、いつもとは反対のフェーン現象が発生している可能性あり。関東の涼しさのしわ寄せが長野県にやってきました。赤外画像に午後からポツポツと白い点が見えてきたら雲頂高度が高い(低温の雲頂の)積乱雲のアタマです。







 この北東の風、本当はもうちょっと涼しいはずなんですけど、ドライヤーの吹き出し口・・・上空の太平洋高気圧があるということと、海面付近を吹く北東の風を冷やすはずの海水の温度が高めなので、パワーは少なめ。




 三陸沖付近まで25℃以上の海水が支配的・・・冷たい水を好むサンマがイマイチという話もありますが・・・・・

 ただ、湿った空気だけはキチンと運んできます。




 東日本・西日本は、昨日に引き続き345K以上・・・たっぷりの雨の原料で覆われます。

 ということで、雨の予想は・・・・




 やっぱり東日本中心
 西日本も雨の原料はあるんですけど、上空の寒気も無く(むしろ暖気がある)、強い上昇気流を発生させる空気の収束もなさそうですから、山沿いで局地的な雷雨がある程度。

 問題の東日本・・・・




 昨日と似た傾向・・・県内は午後から南部中心に雷雲が発生しますが、局地的
 日が落ちるころになってから、活発化する予想になっています。

 昼間、発達不十分な雷雲モドキが残って、夜上空の冷却によって遅まきの発達になる・・・のかもしれません。

 例によって、雷雲が「発生」しそうな場所を考えてみましたが・・・・・




 昨日とほぼ同様
 県内は南部中心・・・北ア方面は・・・・・相変わらず????です。
 関東付近は東よりの風を打ち破って南よりの海風が入ればゲリラ的な雷雲の発生があると思いますが、日照が弱いことと海風の入り方の関係がイマイチわかりません。
 晴れ間が出たりするようなら、ゲリラの可能性が高まるんじゃないかと思います。

 雷雲を流す上空の流れ




 全般に北よりの風・・・風は弱いですけど、県内で発生した雷雲はゆっくり南に流れますから、中部や南部の雨が強く予想されている傾向にも整合します。
 関東では北から雷雲が襲ってくる?

 ということで、今日の予報・・・「所により」がついていて、雷雨の可能性が高い以上当たりというしかありませんよね。

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(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)