2010年08月21日
天気予報は当たるのか?(8月21日)猛暑いつまで?暑さ復活

故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。久々の長野の天気に慣れるため、毎朝コツコツ天気予報の修行中。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言

4つのグラフ・・・昨日発表された日本各地の向う一か月の気温の予想グラフですが・・・・・・
真ん中から右側が予想の部分。
ヒゲのようにたくさんの線がありますが、内容をちょっとだけ変えて予想をした結果を一つのグラフに書き込んでいるからですが、どの計算値も赤色の平年より高めのエリアに入っています。
非常に高い確率で、向う一か月も平年より気温が高い状態が続く・・・・ようは猛暑が続くという予想になっているわけです。
さすがに、9月の半ば過ぎには北日本を中心に、秋らしい周期的な天気変化にかわってくるようですが・・・・・
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

北海道の日本海側で夜から下り坂に向かうものの、その他のエリアでは、昨日のように曇りベースのエリアが無くなっちゃいました。
大阪の傘マークも早朝だけで終わり。
東日本以北の太平洋側で落ち着いていた猛暑が再び・・・・・・・
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

昨日は北部ではごくごく一部で、夕立の雲が発生しただけ・・・・今日は「所により・・・雨」がなくなりましたから、予報上は夕立なし。
一方、昨日も山沿いを中心に雷雨が遅くまで続いた中南部の予報文・・・引き続き「所により 夕方から 雨」がついていて、当然「雷」の文字も。
北部や中部の風が「後 北の風」ですから、このところの傾向どおり南部中心の夕立になりそうです。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

昨日までは北海道付近の乾いた高気圧と、西日本の太平洋高気圧のせめぎあいをアニメにしていましたが、北海道付近の高気圧が東海上に抜けてしまって、今日は太平洋高気圧の独り勝ち。
太平洋高気圧自体の勢力はそれほど強まっているというほどではありませんが、対戦相手がいなくなってしまったので、影響は涼しかった東北にまで及ぶようになります。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
地上の天気の骨格・・・上空の天気図から見ていきましょう。

北海道付近にあった高気圧は、上空の気圧の尾根に伴うものでしたが、上空の尾根は北海道の東へ。
代わりに北海道付近には上空の気圧の谷がやってきます。
この谷にともなう低気圧は北海道のずっと北を通過しますが、低気圧につきものの寒冷前線・・・のようなもの・・・地上付近で空気の流れがぶつかりあう収束線が今夜北海道を通過します。
このため、爽やかな夏空が続いていた北海道は夜から下り坂。
一方、北海道以外は、上空まで頭を出した太平洋高気圧の影響下です。
次は、いつもの雨の原料の様子・・・相当温位をチェック。

このところ、北海道付近は、乾いた空気に覆われて爽やかぁ・・でしたが、青色の薄い乾いた空気は東海上へ。
日本全国、濃淡はあるものの、湿った暖かい空気に覆われるようになります。
で・・・・基本的に夏晴れの猛暑ですけど・・・夕立はどこ?

雨らしい雨のエリアは太平洋高気圧の周辺だけで、日本の陸上ではチラッと夕立の降水がみえるだけ。
(沖縄はスコールみたいな雨がありそうですね)
東日本は?

昨日と似たような降水の様子。
関東甲信越の中では長野県・・・それも南部が夕立の中心になりそうです。
今日は、このあたりの雨の原料・・・温度や気圧に影響されない純粋な空気中の水蒸気の様子をみていましょうか・・・・・

青色が濃いところほど、混合比が高い・・・・空気中の水蒸気が多いということですが、長野県南部付近の青が特に濃くなっていて、雨の原料が多いことがわかります。
この雨の原料が雨粒になって、具体的にどこで雷雲が「発生」する?

雷雲は雨だけじゃなくて落雷の恐れもあるので、多少は安全マージンをとって考えています。
赤の線のあたりでモクモクの積雲の帯ができて、その中の元気のイイ雲が背伸びをして積乱雲まで発達・・・衰弱を何回か繰り返すという感じじゃないかと思います。
発生した雷雲を流す上空3000m付近の風は北西~北。
南へ流れる傾向でしょう。
関東付近のゲリラ雷雨は?
南部は比較的乾いている(相対的ですけど)し、大気の安定度も北部ほどじゃありませんから、多少風が収束してもすぐに雷雲発達ということにはならないでしょうけど・・・・・この風の傾向だと、栃木県と埼玉県の県境付近・・・秩父に近いエリアなんかはアヤシイ感じがするのですが・・・・わからないので、なにもマークしていません。
ということで、今日の予報も当たると思いますが、北部で夕立が予想されていないにしても、北アルプスや志賀高原付近では雷雲が発達する可能性はあるでしょう・・・夏山のセオリーどおり・・・・
午後からは、超短時間のパラリという雨や、一時的なゴロッ・・・はあると思って山に登るのは当然ですね。
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(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)