2010年07月03日

天気予報は当たるのか?(7月3日)不安定から梅雨前線へ


 故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?

1、今日の一言

天気予報は当たるのか?(7月3日)不安定から梅雨前線へ


 万博が開催されている中国上海付近から西日本にかけて発達した雲の列
 先週末あたりはインドシナ半島から台湾を経由して九州に流れ込む雲の列が中心でしたが、ここにきて雲の列が北上しています。
 梅雨のモードがちょっと変化したかな?という感じですから、天気チェックも頭を切り替えていく必要がありそうです。

 で・・・昨日はまでは、梅雨前線と無関係(ちょっとは関係ありますけど)の上空寒気による大気不安定の夕立の雨中心でしたけど、今日明日は梅雨前線の雨ということになります。
 雨の降り方もちょっと変わってくるので、長野の梅雨・・・どういう視点でチェックしていこうかと思案中。

天気予報は当たるのか?(7月3日)不安定から梅雨前線へ


 これ、今朝8時15分のレーダー画像
 長野県内、昨夜の夕立の雨は明け方になってようやく終息しましたが、早くも岐阜県付近には梅雨前線の雨がやってきています。 

2、全国の予報
 テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。


天気予報は当たるのか?(7月3日)不安定から梅雨前線へ


 日本全国傘マークだらけですけど、北日本と西日本で雨の原因が違います
 ということで、降り方も違いますから、こんなときは、各エリア、細かくチェックする必要があるわけです。

3、長野県の予報
 長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。


天気予報は当たるのか?(7月3日)不安定から梅雨前線へ


 なんと、北部の天気マークは曇りになっています。
 もっとも、予報文を読むと、「所により 朝 から 雨」
 なんともわかりにくい天気傾向ですけど、「所により」という言葉の定義を見ると・・・・

・現象が地域的に散在し、複数の地域を指定して表現することで冗長な表現になる場合に用いる。
その発現域の合計面積が、対象予報区全体の50%未満である。
・予報に対して用い、実況に対しては「ところどころ」を用いる。


 ということですから、最大北部の半分くらいは雨モード
 上のレーダー画像からもなんとなくわかりますけど、曇りマークだけ見ていたら大失敗してしまう天気傾向です。
 北アルプスが岐阜県からやってくる雨をどれだけブロックしてくれるかが北部の雨に関係してきそうですね。

4、一般的な天気図の評
 どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

 今朝から今夜、そして明日夜にかけての天気図を3枚並べてみます。
 天気は流れ・・・流れで把握してみてください。

天気予報は当たるのか?(7月3日)不安定から梅雨前線へ


天気予報は当たるのか?(7月3日)不安定から梅雨前線へ


天気予報は当たるのか?(7月3日)不安定から梅雨前線へ


 梅雨前線、今日までは東進、明日は南下しつつ東進という波打つような動きをします。
明日の前線南下傾向が早まれば県内の回復も早めですけど、どうなりますやら?
 このタイミングが梅雨の予報の複雑なところです。

5、今日の天気予報は当たるのか?
 100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。


 いつものように、地上の天気傾向の台本・・・上空の天気図から。

天気予報は当たるのか?(7月3日)不安定から梅雨前線へ


今日は前線東進モード、上空の谷も東へと動いています。
また、大気不安定のモト・・・上空の寒気は北日本へ・・・北日本中心に大気不安定という原因になります。

 で・・・前線の活動の指標・・・前線に流れ込む湿った暖かい空気・・・雨の原料の様子を見ると・・・

天気予報は当たるのか?(7月3日)不安定から梅雨前線へ


 九州方面にはかなりたっぷり、東日本もたっぷり、北日本にもそこそこ、暖湿流が流れ込んでいます。
九州方面では空気がちょっと上昇しただけで雷雲モクモクの状態になっていますし、東日本もまとまった雨が降るためには十分な状態になっているようです。

 そして、空気がちょっと上昇したら・・・という状態と雨の状態をまとめてみることができるように、降水量と地上付近の空気の流れをまとめてみると・・・

天気予報は当たるのか?(7月3日)不安定から梅雨前線へ


 空気が集まれば上昇流発生・・・合流・衝突・山へぶつかる・・・雨雲発生・・・そんな目で見ると、どのあたりでまとまった雨になるのかがよくわかります。

 そして、県内・・・雨がまとまりそうな午後6時頃の様子。

天気予報は当たるのか?(7月3日)不安定から梅雨前線へ


 空気が集まる場所・・・点線付近で黄色やオレンジの降水量が多いところが計算されています。

 今日、前線上の低気圧が進んできますが、低気圧の接近に伴い、風の流れも変化して雨のエリアも微妙に変化します。
 リアルに見えすぎてしまう雨のエリアのアニメは変に誤解を生みそうなので作るのを止めにしておきました。

15時20分追記
 梅雨前線の雨雲が長野県にかかってくるタイミングの計算値が実況に照らして?????な状態だったので、アニメを使うことを止めたのですが、正午を初期値とする計算値でようやく納得できるものが出てきました。
 それでもまだ、低気圧前面の雨の様子が????ですが、依然北部中心に大雨注意報・洪水注意報が発表されていますから、警戒モードは続いています。
 梅雨の雨の降りだし・・・九州の計算値もなかなか実況をイマイチ反映したものになりませんが、長野県付近も密かに現在のスパコンと観測網の限界が見えています。

天気予報は当たるのか?(7月3日)不安定から梅雨前線へ


 今朝、一連の大雨情報は終わりましたが、注意報は残っていますからから、天気予報の当たりハズレは自粛しますが、今日一日、出かけるなら雨具の用意・・忘れずに!

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