2010年04月07日
天気予報は当たるのか?(4月7日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言

雨の朝・・すでに上がったところも多いと思いますが、南部中心に雨が残っています。
昨日の記事にも書きましたが、夜遅くから寒冷前線が南下・・・・朝のうちに南岸へ抜けるようです。

寒冷前線が通過すれば・・・スカッと晴れるというのが教科書通りの天気変化ですが、今日の県内、そういうわけにはいかないようです。
くわしくは本文で・・・・
ということで・・・昨日に引き続いて季節の便り。
もうすでにツバメを見たり、タンポポの花を見た方も多いと思いますが、昨日は長野地方気象台の公式の発表が出ています。
タンポポは平年より1日早く、昨年より6日遅い開花。
ツバメの飛来は平年より5日早く、昨年より14日遅いということです。
生物気象情報といいますけど、昨年まで横浜に住んでいたKasayanには全然興味の対象外でしたが、長野に帰って見ると、季節の便りという言葉の重みを感じます。
昨日は春の訪れを実感させてくれるような天気でしたが、今日は3月に逆戻り。
北部の桜の開花宣言はこれで足踏みになるかな?
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

基本的には低気圧や前線が抜けて回復なんですが、日本を南北に分断するようなぐずつきエリア。
ぐずつきエリア内も回復傾向ですから、回復遅れエリアにしたほうが良かったかもしれません。
長野県を含むこのエリアができてしまう理由がチェックポイントですね。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

予報文を読むと、太陽マークまで回復しない北陸のお隣・・・北部ほど回復が遅いということがわかります。
北部も一応最終的には晴れになるようですけど・・・・・
中部や南部は「所により 昼前 まで 雨」・・・ということで、午前中はぐずつくようですね。
回復は遅く、太陽マークに至るのは「夕方 から」ということのようです。
なんで、回復遅れるんでしょう?
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

回復が遅れるエリア・・・・今夜にかけて南下してくる寒気と太平洋岸にできる弱い気圧の谷の影響があるようです。
また、長野県北部より北のエリアは弱い冬型の気圧配置。
日本海側に雲がかかりやすいのは雪雲になりきれない冬の名残の雲ができるからですね。
・・・と、簡単にまとめちゃいましたけど、今日の天気はもっと奥が深いようです・・・・
でも、これ以上になると単なる気象オタクのうわごとになるので、この程度で良しとします。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
まず、南下してくる寒気の様子をチェックしておきましょう。
雪(雨)雲の発達の程度や気温の下がり具合を見ておきます。

上空1500m付近でマイナス6℃の寒気は、降るものが雪になる目安。
北日本の日本海側や長野県北部は、今夜この寒気に覆われてしまいます。
ということは、日本海では雪雲が発生しやすく、夜にかけて気温が下がってくることになります。
暖かかった昨日とうって変わって、今日の午後から夜にかけて1カ月ほど前の気温まで急降下。
午前中の気温が今日の最高気温であとは下がる一方です。
で・・・・寒気によってできる雲の様子は?

日本海に雪雲が発生していて、北風によって日本海沿岸に流れ込み・・・・新潟県境付近の山々に雲がかかっていることがわかります。
高い山ではまたまた雪なんてことになりそうです。
また、関東東海沖にも雲の帯。
北風が長野県付近の山岳地帯を迂回しながら通り抜け、このエリアで合流(シアーライン)することによってできる雲の帯。
関東付近の回復が遅れる理由です。
もっとも、寒気だけではここまで天気は悪くなりません。
空気に低気圧のような渦の動きをさせたり上昇させたりする原因もあるはずです。

上空5500m付近の天気図ですけど、上空の気圧の谷が日本上空を通過。
関東付近はもっとも低気圧性の渦が出来やすいエリアになっています。
これが効いているようです。
さらに雲や雨を作る原料(相当温位)や上昇流の様子。

寒冷前線通過後も南岸には相当温位の線が密になった場所・・・相当温位集中帯があって比較的強い上昇流が予想されます。
またそのエリアが関東付近で北に凸になっています。
予報では中部や南部、夕方から回復のようですけど、場合によってはそこまで回復しないかも?
最後に、これらの要素を頭に入れながら具体的な雨の様子を確認してみます。

12時と18時の降水量の予測ですけど、県内、完全な回復とはイマイチ言えないようです。
また、北部県境付近では、午後になっても冬の雪雲と同じエリアに降水が計算されています。
寒気も入ってきますから、このエリアでは桜のつぼみの上に雪なんてこともありそうです。
で・・・・今日の天気予報・・・・傾向天気にはそのままでOKだと思うのですが、中南部のマークは「のち」太陽マークになっていて「晴れるんだね」というイメージが強すぎるような気がします。
回復についてはちょっと遅めくらいに考えていれば当たったと感じると思います。
一方北部の県境付近は一日ぐずつきますから、予報文のように回復するのは北部でも南のエリア限定で考えておいたほうが良いと思います。
こちらも多少割り引いて考えていればハズレとまでは感じないと・・・思うんですけど・・・・
今日は自分の備忘録も兼ねてちょっと図が多くなってしまいました。
【備忘録】

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Posted by kasayan at 08:27│Comments(0)
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