2010年05月25日
雷と突風及び降ひょうに注意!!(5月25日)
気象庁から「雷と突風及び降ひょうに関する関東甲信地方気象情報 第1号」が発表されています。
ちょっと珍しい防災情報ですけど、こんな情報を発表するということは、かなり危険性を感じているからでしょう。
まずは原文から・・・・・・・・・・・・・・・
雷と突風及び降ひょうに関する関東甲信地方気象情報 第1号
平成22年5月25日16時20分 気象庁予報部発表
(見出し)
関東甲信地方では、26日昼過ぎから夜遅くにかけて、広い範囲で雷雲が発達する見込みです。落雷、突風、降ひょう、急な強い雨に注意して下さい。
(本文)
26日は、関東甲信地方の上空およそ5500メートルに氷点下15度以下の寒気が流れ込み、大気の状態が不安定となる見込みです。
このため、26日昼過ぎから夜遅くにかけて、関東甲信地方の広い範囲で雷雲が発達するでしょう。
落雷や突風、急な強い雨のおそれがありますので、屋外活動などには注意して下さい。
また、降ひょうのおそれもありますので、農作物の管理などにも注意して下さい。
今後、地元気象台の発表する警報、注意報、気象情報に留意して下さい。
次の「雷と突風及び降ひょうに関する関東甲信地方気象情報」は、26日5時頃に発表する予定です。
珍しい情報であることに加えて、明日朝にも最新の情報を発表する予定になっていることからすると、かなり心配モード。
明日午後、県東部がメインになると思いますが、今夜の雨からすでにシナリオはスタートしています。


明日朝の計算値でエリアや時間帯が変化する可能性がありますから、明日朝の天気予報のチェックも忘れないでくださいね。
2010年05月25日
天気予報は当たるのか?(5月25日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
16時50分追記:
16時16分に県内全域に雷注意報が発表されています。
■発表日時
平成22年 5月25日16時16分 長野地方気象台発表
■概要
県内では、25日夜遅くにかけて、大気の状態が不安定となり雷の発生する所があるでしょう。落雷、突風、降ひょう、急な強い雨に注意して下さい。長野、中野飯山、松本の各地域では河川の増水に注意して下さい。
■長野地域 [発表]雷注意報 [継続]洪水注意報
雷 25日夜遅くまで
洪水 25日夜遅くまで
付加事項 突風 ひょう

なぜ?という理由は上空に寒気が流れ込んできたから。詳しくは本文と寒気のアニメをご覧ください。
さらに、「雷と突風及び降ひょうに関する関東甲信地方気象情報 第1号」も発表されています。
こちらは明日26日を想定した気象情報ですけど、実際は今日の夕方から始まっているといってもよさそうです。農業に被害を与える雹の恐れ高くなっているわけですが・・・・・・・
詳しくは直接原文を読んでくださいね。
関東甲信気象情報:http://www.jma.go.jp/jp/kishojoho/103_index.html
昨日、長野県大北地域には一日中大雨警報が発表されていました。
30年ぶりに長野に帰ってきたKasayanには大北地域ってどこよ?っていう感じでしたが、最近はようやく慣れてきたという感じです。
もっとも、今月27日(明後日ですねぇ)には、地域をさらに細分化して市区町村単位で注警報が発表されるようになります。
ところが、テレビやラジオでは、従来どおりのエリア(2次細分区域といいます)で発表するとのこと。
警報が発表される市区町村の名前が多すぎて、テレビだと視聴者が関係する地名を画面上探しきれないし、ラジオでは聴き逃す可能性があるという理由のようです。
5か月前(1月27日の記事:http://kasayan.naganoblog.jp/e390806.html)で、マスコミはどう発表するのか?疑問点などを書いておいたのですが、やっぱり・・・という感じです。
仮に昨日の大北地域の警報が新しい発表方法で表示されたとしたら・・・・
「大町市・池田町・松川町・白馬村・小谷村に大雨警報が発表されています」ということになります。
たった一つの地域でこれですから、台風が来て県内各地に警報が発表されたら・・・・画面は地図帳の索引のようになりそうですね。
ネットでは注警報が発表られたことを自分で調べなければならないし・・・・・
結局、市町村の防災担当者だけが喜ぶだけの変更になっちゃいそうですね。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

かなり大ざっぱにエリア分けしています。
北日本の雨エリアはよいとして、その他のエリア・・・特に大気不安定なところと、そうでないところで分けることもできるんですけど細かくなってしまうので・・・・
ほとんどが二つのマークがセットになっていて、傘マークが散在。
予報文をつまみ読みすると「所により雨」とか「雷を伴う」なんて書かれていたりしますから、マークだけで判断するとザッと雨に降られたりして失敗しがちなエリアだと思ってください。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

県内は「晴れのちくもり」マークですけど、予報文には全域に「夕方から くもり 所により 雨」がついています。
お隣の北陸や東海にはキチンと「のち 雨」マークがついていますから、長野県だけ雨が見逃してくれるはずがありません。
テレビの天気予報では長野県だけ表示したりしていますけど、地図にスペースがあるのなら、周辺の県の天気マークくらいは表示してほしいですよね?
7時40分追記:今朝の信越放送の天気予報・・気象庁発表の予報を放送しているにもかかわらず、天気マークだけ表示して、原稿でも「所により」の部分は一切コメントせず。これじゃ信越放送の天気予報を見た視聴者には肝心なところがまったく伝わっていないはず。どうなってるんでしょう・・・・
で・・・風は全般に南風・・・中南部ではちょっと強めで暖かい空気が流れ込んできます。
晴れ間が出れば初夏の太陽・・・気温もいきなり急上昇です。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

大気不安定の理由は、日本海でほとんど停滞している低気圧とその上空にある寒気。
低気圧の上空ではジェット気流から切り離された空気が大きな渦を巻いていて、どーんよりと日本海上空を漂っています。
寒気の渦の南側が日本にかかっているのですが、地上付近には南からの暖かい風や晴れによる気温上昇。
大気は不安定になるわけです。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
今日のポイントは大気不安定。
その原因の寒気の渦と雨の様子をひとまとめにしてアニメにしてみました。
なにしろ手作りのアニメ・・・・苦心の作と思って、降水のエリアと寒気のエリアが上空の渦に流されて、日本海上をグルグル回りながら日本海沿岸に近づいてくる様子を見てやってください。

上の天気図のアニメとこのアニメで何が起こっているか、わかるようにしてみたつもりです。
で・・・大気不安定になるのはどのあたり?ですが・・・・・

網かけの部分が特に大気不安定で、雷が発生してもおかしくない場所ですけど、東日本や東北中心。
上空の流れの矢印が南西の場所で特に大気が不安定です。
また、上空の渦の様子もとてもハッキリしていますね。
最後に、長野県付近では具体的にどうなるか?予報文の「夕方からくもり所により雨」の様子をチェック。

15時頃から北陸方面に降水が計算されていて、18時頃からは北アルプスを超えて昨日同様に大町方面や木曽谷方面で強い降水が計算されています。
予報文では「所により」と書いてありますけど、県の西部中心に比較的広い範囲で雨が降りそう。
寒気の様子、安定度の様子、不安定の原因はキチンとそろっていますから、夕方以降この程度の強い雨が計算されてもおかしくありません。
帰宅時間と重なりますから、県内どこに住んでいても、一応傘は用意しておいたほうがよさそうですね。
ということで、今日の天気予報、マークだけ見ていたら雨に降られちゃう可能性大。
天気予報は当たるけど、キチンと予報文は読んでください。
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