2010年05月23日
大雨情報が発表されました(5月23日)
ついに、長野地方気象台も「大雨に関する長野県気象情報 第1号」を発表しました。
気象庁が発表する「全般気象情報」に、甲信地方が新たに加わったので、地方気象台でも大雨情報を発表することになったと思いますが、やっぱり来たか・・・・という感じです。
今回の大雨の解説については今朝の記事を読んでいただければと思いますが、久々の大雨、そして長く続く雨ですから、明日朝にも発表されるであろう大雨情報で情報のアップデートが必要です。
大雨の解説:http://kasayan.naganoblog.jp/e473129.html
長野地台大雨情報:http://www.jma.go.jp/jp/kishojoho/322_index.html


大雨に関する長野県気象情報 第1号
平成22年5月23日17時07分 長野地方気象台発表
■見出し
長野地域、大北地域、中部、上伊那地域では、今後の降水により23日夜遅くから24日夜にかけて、土砂災害に注意して下さい。長野地域、大北地域、中部、南部では、24日未明から24日夜にかけて、河川の増水に注意して下さい。
■本文
[気象状況]
前線を伴った低気圧が黄海にあって、発達しながら北東に進んでいます。低気圧は、24日朝に日本海西部に達し、その後は動きが遅くなる見込みです。
このため、県内は23日朝から雨となっており、地盤が緩んでいる所があります。
この雨は、引き続き24日にかけて降り続く見込みです。
[雨の予想]
23日18時から24日18時までの24時間に予想される降水量は、いずれも多い所で、
北部 100ミリ
中部 100ミリ
南部 120ミリ
の見込みです。
[防災上の留意事項]
長野地域、大北地域、中部、上伊那地域では、23日夜遅くから24日夜にかけて、土砂災害に注意して下さい。
長野地域、大北地域、中部、南部では、24日未明から24日夜にかけて、河川の増水に注意して下さい。
[特記事項]
次の「大雨に関する長野県気象情報」(文章情報)は、24日06時頃に発表する予定です。
日曜の夜はローカルニュースも本数が少ないので、長野ローカル局がどう扱うのか?興味あるところ。
NHKはさすがにニュース項目に入れると思いますが、民放の防災意識がハッキリ出る場面だと思います。
2010年05月23日
天気予報は当たるのか?(5月23日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言

発達した積乱雲のカタマリ(点線)が、東シナ海を東に進んで九州方面に次々と流れ込んでいます。
クラウドクラスターなんて呼ばれているんですけど、マシンガンの弾が繰りかえし同じ場所にあたると、厚い鉄の板にも穴があいちゃうように、積乱雲が小さくても繰り返しやってくると大雨になってしまうんですよね。
気象庁は、今朝も「大雨と雷及び突風に関する全般気象情報 第4号」を発表して、大雨に警戒を呼び掛けています。
24日6時までの24時間に予想される雨量は、いずれも多い所で
四国地方、九州南部・奄美地方 400ミリ
近畿南部、東海地方 350ミリ
九州北部地方(山口県を含む) 300ミリ
近畿中部 200ミリ
中国地方 180ミリ
沖縄地方、関東地方 120ミリ
東北太平洋側 60ミリ
とうことですけど、「いまのところ」長野県は大雨のエリアに入っていません。
ただ、東海地方の影響が長野県南部にどの程度影響するか?気になりますが、やっぱり「いまのところ」影響は少なそう。
でも、注意して推移は見守りたいところです。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

西から下り坂ということが一目瞭然の天気マークの配置です。
今日の雨は東北南部までというところですね。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

傘マークばっかりですけど、西ほど、太平洋側ほど早く雨になるというマークの配置。
ただ県内は全部傘マーク一発。
明日の予報文も書いておきましたが、明日も基本的に雨。
雨はゆーっくりと進んでいるようです。
ということで、今日も雨の降り方中心にチェックをしていきましょう。
雨が上がるタイミングをチェックしてもあまり意味がなさそうです。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

このアニメで見ていただきたいのは、暖かく湿った空気(暖湿流)が流れ込み続けるので、大気不安定の状態が続いて、強い雨が降りやすい状態が継続するということ。
そして、気圧配置の動きがうーんと遅いということです。
強い雨が続く=大雨。
珍しく雨のエリアもアニメに入れましたけど(時間かかっちゃった)、雨が続く様子、わかりますよね?
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
長野県を対象に大雨情報が発表されているわけではありませんけど、雨のエリアが少しズレれば県内も大雨になる可能性があるわけですから、予報の当たりハズレを云々するのははばかられる感じ。
今朝のブログは、気象庁の大雨情報に書かれている大雨の理由を天気図で詳しくチェックしておくということにしておきます。
まず、大雨情報の中に書かれている気圧配置の記載・・・・
[気圧配置など]
前線を伴った低気圧が黄海にあって、北東に進んでいます。低気圧は、23日夜に日本海西部に達し、その後は動きが遅くなって、24日は日本海で発達する見込みです。
これは上の天気図のアニメでわかりますよね。
今日日中の低気圧の動きも遅いのに、ますます遅くなるというわけですから、強い雨が続いてしまう場所での警戒は明日にかけても必要だということです。
なんで低気圧の動きが遅いの?ということですが・・・・

日本上空には西から東へ強い風が吹いていますけど、この風は蛇行しています。
この蛇行がうーんと蛇行すると、しまいには風の流れから切り離された渦ができてしまいます。
この渦は日本付近を漂ってなかなか東へ流れていきません。
そして渦の下、地上付近にできた低気圧もゆーっくりとしか進まないわけです。
そして、気圧配置の影響でどんな危険なことが起こるのか?ということについては・・・・
[防災事項]
西日本には南から暖かく湿った空気が流れ込み、大気の状態が不安定となっています。九州では、発達した雨雲がかかり、1時間に50ミリを超える非常に激しい雨が降り、大雨となっている所があります。
とのこと。
暖かく湿った空気の様子は・・・・・

日本海を発達しながら進む低気圧には反時計回り・・・南から風が流れ込みます。
この風が太平洋の夏の湿った空気を日本に運んできます。
一方、上空の流れから切り離された渦の付近には寒気が貯まっています。

上空の冷たい空気、地上付近に湿った暖かい空気・・・・冬の風呂場の天井から滴が落ちてくるように、雨雲が発達するわけです。
そして、大気も不安定・・・雷が発生しやすくなります。
あと、防災事項として書かれていること・・・・
低気圧や前線の動きが遅いため、24日にかけて総雨量が多くなる見込みです。低地の浸水、河川の増水やはん濫、土砂災害に厳重に警戒して下さい。
落雷や突風にも注意が必要です。特に、寒冷前線の通過時には竜巻などの激しい突風のおそれもあります。
で・・・長野県の雨の降り方ですが・・・・・

今日に関しては、強烈な降水が予想されているというわけではありません。
このエリアでは、南東の暖かく湿った空気が流れ込みやすく、雲を発達させる山もある紀伊半島付近中心に強い降水が予想されているだけです。
南部ほど雨が強く、北部では場合によってはくもり時々雨程度のイメージで推移する所もあるかもしれませんけど、用水の氾濫など気になる方は、11時、17時発表の天気予報をチェックしてください。
県内は今夜からがピークになるはずですから、特に17時発表の予報は確認しておきたいところです。
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