2010年05月03日

天気予報は当たるのか?(5月3日)


 故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?

1、今日の一言

 ゴールデンウィークもど真ん中
 天気は日に日に良くなってきて、初夏の様相になってきています。




 久々に「気象衛星から見た雲の様子の予想」を作ってみました。
 左側は今朝のホントウの衛星画像・・・・右側は今夜9時の衛星画像の予想図です。
 中層雲量と上層雲量の計算値をイタズラして衛星画像らしく加工したもの。

 南海上には梅雨が近づいていることを感じさせる雲。
北海道付近には冬の空気と春の空気がぶつかってできる雲。
 二つの雲にはさまれた日本付近はゴールデンウィークの晴天域です。

2、全国の予報
 テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。





 今日も日中は全国的に晴れ模様・・・・エリア分けしませんでしたが・・・・「日中は」です
秋田県だけ傘マークがついていますが、東北北部や北海道にズームしてみると、日本海側中心に「のち 傘マーク」が散在。
 予報文を読んでみると、いずれも「のち」のタイミングは夜ですから「日中は晴れ模様」というわけです。

 なぜ北日本に「のち 傘マーク」があるかは予想天気図に書き込んでおきました。

3、長野県の予報
 長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。





 長野県・・・・今日も明日も傘マーク一発
 今日の予報文も明日の予報文も「晴れ」だけです。
 
 風・・・北部だけ南の風が日中北風になる予想になっていますが、これは日中気温が25度前後まで上昇して、上昇気流が発生・・・・長野市付近が弱い低圧部になって、新潟県方面の空気が流れ込んでくるから。
 本当に湿った海の空気が流れ込むまでには行かないですけど、いわゆる海風のようなもの
 長野県は山の県ですけど、日本海に近いことを実感させてくれる北風です。

 いずれにしても、この天気マークで天気予報のハズレを考えるのは、あまり生産的な気がしません。

4、一般的な天気図の評
 どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。




 高気圧に覆われて晴れ・・・はよいとして・・・・・

 全国の天気マークで秋田県についていた傘マーク・・・北海道の北にある低気圧から延びているシアーライン・・・気象庁は前線(空気の密度が急変しているところ)とは解析していませんけど、寒冷前線とほぼ同じ・・・・が通過するから。

 強力な前線じゃありませんから、ちょっとだけ天気が悪くなる・・・・それも夜・・・ということであまり影響は心配しなくてよさそうです。

5、今日の天気予報は当たるのか?
 100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。


 まず、上空1500m付近の風と相当温位という雨の原料の様子をチェックします。




 水色が濃いところほど空気が雨の原料をたっぷり含んでいるところ。
 高気圧の中心が東海上にありますから、時計回りに高気圧から吹きだす南西の風に流されて、太平洋の湿った空気が西日本・日本海経由で北日本へと向かっていることがわかります。

 うんと湿った空気というわけじゃありませんけど、この湿った空気の影響が東日本をジャンプして、今夜北日本に影響を与えることになります。

 で・・・この湿った空気による具体的な雨の様子は・・・・




 南の海上は梅雨前線の雨のエリアと言ってよいでしょう。
 沖縄方面はもうすぐ梅雨の季節。
 一方、日本付近は今日いっぱい、計算されるような雨はなさそうですが、北日本の日本海付近には例のシアーラインの影響で、弱い降水が計算されています。

 湿った空気が直接流れ込む西日本は大丈夫?
 中部地方には関係ないですけど、よそ見して、地上の風の様子と下層雲の計算値、そして雷雲が発生する可能性を示すSSIという指数をチェック。




 西日本の地上付近は南風をモロに受けて、南斜面で下層雲が発生することが予想されています。
 また紫の網かけの部分・・・・雷雲が発生しやすい指数がちょっと高くなっています。
 このエリアの予報や概況を読んでも、にわか雨や雷という言葉は書かれていませんけど、実際はどうなるのか?・・・注目しておきたいと思います。
 というのも、昨日長野県付近の予報文や概況ににわか雨は予想されていませんでしたが、午後3時頃に一時的ににわか雨が観測されたところがありました(野辺山・八ヶ岳方面中心)。
 雷雲(積乱雲)発生の安全マージンを知っておきたいからです。

 で・・・今日の予報・・・・昨日の時点で長野県付近の上空の気圧の谷や寒気は抜けてしまっていますから、昨日のようににわか雨の心配もありません・・・・予報がハズレる要素は非常に少ないと思います。

 もちろん・・安全マージンを勉強するという意味で・・・・安定度の指数がちょっとだけ気になる八ヶ岳・野辺山方面・・北日本のシアーラインの影響をちょっとだけ受けそうな新潟県境付近については重箱のスミを突き破るような気持ちで・・・実況を見てみたいとは思いますけど。


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