2010年05月05日

天気予報は当たるのか?(5月5日)

 故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?

1、今日の一言

 まずは、昨日午後2時の気温の様子から。




 松本で29.4℃になっていますが、14時54分には30.3℃を記録していて、全国3位の高温になりました。

 こりゃ異常だ!・・・なんて感じもしますけど、1969年(大阪万博の前の年ですねぇ)5月10日に32.3℃を記録していますから、5月の観測史上一位というわけではありませんでした。

 そして・・・今日も、昨日同様かそれ以上に暑くなりそうですよ・・・・・

2、全国の予報
 テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。





 今日もエリア分けなし・・・・この連休、「全国的に」という言葉で表現できる天気分布が続いています
ホントに珍しいこと。

 もっとも、「全国的に晴れ」は今日までで、「のち くもり」マークがほとんど
西から下り坂ですが、雲の広がりが早いので、こちらも「全国的にのち曇り」です。

3、長野県の予報
 長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。





 予報文では「夜 くもり」ですから、実質的には「晴れ」っていうことです。

 気温は30℃直前まで上がることが予想されていますから、30℃以上を記録するところがチラホラ出てもおかしくなさそうですね。
 そうなると・・・・夕立は大丈夫?という気がしてきます。

 空気が乾燥しているので、心配はあまりなさそうですけど・・・Kasayanのお天気放談は用心深い・・というのがコンセプトですから、キチンとチェックはしておきます。

4、一般的な天気図の評
 どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。




 必要なことは全部書き込んでおきました。
 このゴールデンウィークの高気圧はホントに頑張ってくれました。
 中心が東の海上に抜けても、ずっと影響をのこしていましたから、後引き高気圧・・・としてはかなり珍しいと思います。

5、今日の天気予報は当たるのか?
 100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。


 まずは、今朝の雲の様子から・・・




 大陸にはすでに次の気圧の谷の雲がひかえています。
 雨のエリアは大陸の雲の左側(西側)に限定されていて、雨とは関係ない雲の右側(東側)が日本に進んできても、上空の高い雲がほとんどですから、雨ではなくて曇りで済みそう。
 これが「のち 曇り」の雲になります。




 午後6時の予想図ですけど、まずは上空の雲が日本を覆って、雨のエリアはまだまだ西にあることがわかります。
 雨は明日以降ですね。

 で・・・・県内の今日の気温上昇と夕立の可能性をチェックしておきましょう。

 まずは相当温位・・・雨の原料の流れ込みの様子から。




 昨日に引き続き、雨の原料の多い空気(水色のエリア)は高気圧の周辺を回り込むようにして東北北部へと向かっています。
 そして日本付近は乾燥注意報が出るような乾燥域。
 夕立の条件が整っても、雨の原料は少なめ。

 次は長野県では何が起こるのか?を詳しくチェック。




 中部地方午後3時の気温の分布
 松本盆地・長野盆地の気温が関東内陸部とならんで周辺よりダントツ高くなっていることがわかります。
 内陸特有の気温上昇です。

 そうなると、暖かい空気は上昇しますから・・・・




 局地的に松本付近を中心にした低気圧が出来ることがわかります。
 松本付近ではユラユラと空気が上昇していくんですね・・・・・
 そして、空気が上昇して上にいっちゃうと空気が薄くなりますから、そこには周辺から空気が流れ込むことになります。




 矢印は地上付近の空気の流れ・・・松本付近に向けて渦を巻くように空気が流れ込んできます
 そして・・・関東付近の暑い空気が流れ込む八ヶ岳付近を中心に雲が発生して・・・・青い降水のエリアが計算されているのがわかります。
 この図は午後6時の図ですけど、どうやら午後3時以降、この付近では弱い夕立・・・にわか雨といったほうが良いかもしれませんけど・・・・の可能性がありそうです。
 一時的ではありますけど、この付近はちょっと用心ですね。

 ちなみに、この雨の可能性は予報文はもとより、県内の概況にも書かれていませんから、気象台は「大したことないね」という判断をしているはずです。

17時10分追記
 八ヶ岳を中心に、雨雲が湧いています。気象台の概況も予報文もにわか雨をつけました。
「中部と南部では夜のはじめ頃にかけて、にわか雨や雷雨となる所があるでしょう。」とのこと。
なんで朝の段階でこれを書かなかったんだろう?ちょっと不思議です。





 で・・・今日の予報・・・・この雨が本当に降れば中部の東側ではハズレと感じるでしょう。
それ以外の地域ではハズレにはなりそうもありませんね


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