2010年05月11日

天気予報は当たるのか?(5月11日)

 故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?

1、今日の一言

 昨日の夕方、長野地方気象台から「低温と霜に関する長野県気象情報 第1号」が発表されました。
低温と霜に関する長野県気象情報 第1号
平成22年5月10日16時35分 長野地方気象台発表
(見出し)
 長野県内では、12日頃からこの時期としては強い寒気が流れ込むため、平年よりかなり低い気温が続き、平地でも低温や霜による被害のおそれがあります。
 農作物の管理に注意して下さい。
(本文)
 長野県内では、12日頃からこの時期としては強い寒気が流れ込み、15日頃にかけて平年よりかなり低い気温が続く見込みです。
 最高気温は13日に平年より8度程度低く、最低気温は13日から15日にかけて平年より5度程度低く、平地でも最低気温が3度以下となる所がある見込みです。
 低温や霜による農作物の被害のおそれがありますので、十分注意して下さい。
今後、気象台が発表する気象情報に留意してください。

 先週の記事で寒気が南下してくる様子をアニメでまとめておきましたが、どうやら計算値どおりに寒気が南下してくるようです(後で新しい計算値を掲載しておきます)。

 この春、長野県内では霜による農作物の被害が億の単位になっているようですが、果樹の花が受精し、これからというときにこれ以上被害が発生しなければ良いのですが・・・・・
 庭の家庭菜園などに植えたキュウリなんかもダメになっちゃうんで、せめてビニールシートや新聞紙をかけようかと・・・人ごとじゃないです。

 新たな気象情報が発表されるニュアンスで書かれていますから、テレビやラジオなどの受け身の情報収集ではなくて、自ら情報をとりに行くネットを活用して早め早めの対策が必要でしょう。
 気象庁HP気象情報: http://www.jma.go.jp/jp/kishojoho/322_index.html
 気象庁HP注意報:http://www.jma.go.jp/jp/warn/
 などをご覧になって、新しい情報で対策をとられることをおすすめします。

 ちなみに、長野地方気象台が発表する霜注意報の発表基準は・・・
「最低気温が2℃以下(早霜、晩霜期)」です。

 また、気温の実況はアメダスを見るのが通常ですが・・・・
 気象庁アメダス: http://www.jma.go.jp/jp/amedas/207.html?elementCode=2
 さらに、この季節、霜は朝の放射冷却で発生しますから、朝にかけての気温変化をリアルタイムのグラフで監視することも有効でしょう。
 WNIアメダスグラフ: https://weathernews.jp/observation/cgi/search_result.fcgi?id=48156

 もっとも、地形や上空の雲、風などによって畑毎に状況は異なりますから、普段から畑に安価な温度計などを設置して、上記アメダスのデータに加えて、霜が降りたときの気温や湿度、時間、そして空模様を記録しておくと、来年以降役立つことと思います。
 さらに天気図等も保存されておくとよいと思いますけど、メンドウなら、このブログを保存しても・・・少しはお役に立てる・・・・かな?

2、全国の予報
 テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。





 昨日雨が降ったので、今日は・・・なんて思いたくなりますけど、今日も雨
晴れを挟まないで、再び雨にバトンタッチです。

 太陽がそれなりに顔を出すのは九州と北海道くらい。
 中間のエリアは西が「のち くもり」、東が「のち 雨」マークになっていますから、雨域の通過エリアということになります。

3、長野県の予報
 長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。





 長野県付近は、縦棒をはさんで右に傘マークがある雨ベース、左に傘マークがあるくもりベースのマークが混在していますが、全般に「ぐずつく」のね・・・というイメージ
 
 いつものようにマークだけじゃ「ぐずつく」ということしかわかりませんから、予報文を読んでみると・・・「朝晩 雨」ということですから、昼間はくもりで傘はいらないの?なんて気がしてきます。

 でも思いだしてください・・・昨日の午後・・・・
天気マークは晴れのちくもり・・・予報文では「所により 雨」がついていましたけど、中部や南部を中心に「のち 雨」と感じませんでしたか?
 予報を出す気象台の予報官・・・降水量が少なめならば、かなり広めに雨が降っても・・・時間が長めに降っても・・・「所により」にして、ちょっと良いめの天気マークを付けるクセがあるようです。

 今日の雨の降り方も、詳しくチェックしておきます。

16時追記
 雷注意報が発表されました。日中も県内各地で雨雲がチラホラ。夕方からは雷の可能性も・・・悪目に推移してますね。
■発表日時
平成22年 5月11日15時55分 長野地方気象台発表
■概要
県内では、11日夜遅くにかけて雷の発生する所があるでしょう。落雷、突風、降ひょう、急な強い雨に注意して下さい。
長野地域 [発表]雷注意報
 雷 11日夜遅くまで
 付加事項 突風 ひょう




4、一般的な天気図の評
 どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。




 今日の雨・・二つの原因があります。
 太平洋の低気圧と日本海の低気圧。

 南信は太平洋の低気圧の影響が強く、北信は日本海の低気圧と低気圧から延びる収束線・・・シアーラインといいますが、空気の流れの方向が急激に変化したり、ぶつかったりしている所・・・の影響が強いようです。
 シアーラインは、急に雨を降らせたりする寒冷前線と似たようなものと思えばよいでしょう。

 二つの影響をうける長野県・・・雨も結構複雑に降りそうですから、天気マークや予報文だけ見て、日中はくもりで傘はいらない?なんて考えていると失敗するかも?

5、今日の天気予報は当たるのか?
 100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。


 遅霜の可能性は明日以降ですから、今日一番の関心事は雨・・ですよね?

 まず今朝の実際の雨の様子をレーダーで確認。




 南部中心に雨雲が散在・・・傘なしで安心して外出できない感じですよね。

 で・・・これからどうなるか?雨の降り方のアニメからチェックしておきましょう(手作業で作ってるので結構大変なんですけど頑張る・・・)。




 太平洋側の低気圧の雨域は昼過ぎには東海上へ抜けていきます。
朝、南部中心に降っている長野県の雨はいったん回復「傾向」ですが・・・午後から、日本海の収束線の雨雲がかかってきます。
 「朝晩 雨」という予報文の流れになっています。

 もっとも・・・・昼12時の長野県付近をズームしてみると・・・・




 太平洋側の雨域が通過したあと、結構早めに日本海の収束線(シアーライン)の雨雲にバトンタッチしちゃうようです。
 日本海のシアーラインの雨雲は地上付近の風の流れに影響されますから、高い山の多い長野県・・・北アルプスなどの山々が雨雲をブロックしてすぐに雨にはなりにくい・・・くもりベースではあると思いますが、それでも弱い雨があってもおかしくない状況です。

 前後の時間帯の降水の計算値を見ても、日中くもりといっても、弱い雨の可能性は十分にありそうです。

 で・・・今日の予報ですが・・・・確かに日中くもりベースの傾向はありますけど、人間のイメージとしては「ぐずつく」という表現のほうがピッタリくるように思います。
 ということで、予報はハズレとはいいませんけど、悪目に考えておいたほうが吉だと思います。

 最後は、明日以降・・・明後日の朝だと思いますけど、遅霜をもたらす可能性が高い寒気が南下してくる様子。




 今日の日中の気温は18度前後、明日朝は9度前後・・・明日日中に寒気が上陸してきますから・・・明後日の朝が問題になりそうです。
 でも、今日の一言に書いておいたURLで新しい情報をチェックしてくださいね。

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