2010年05月19日

天気予報は当たるのか?(5月19日)


 故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?

1、今日の一言

 今朝5時の気温の様子・・・・




 つい4日前の15日朝には、県内各地2℃前後まで下がり霜の心配をしていたというのに、今朝は・・・・・・
長野市では18度以上もあります。
 農作物に限らず人間だってビックリしちゃうような気温変化ですね。

 昨日のお天気放談・・・わからない・・・なんて書いて無責任かな?なんて思いましたけど、わからないものは分からないし、迷ったものはしかたないんだからと思っていますけど・・・・気象庁の予報だって結構迷走しています
 長野県の予報に限って言えば、昨日の朝の段階で翌日(今日)はまだ雨にならないという予報でしたけど・・・・・




 朝の段階で南部中心に雨が降りだしているところがあります。

 気圧配置の動きが非常に遅いここ数日、予報が難しくなっています
予報が難しいときは、気象庁もアヤシイとか、予報官が予報を出すにあたって迷ったであろう「もう一つの天気のシナリオ」をオープンにして、予報の受け手側で必要に応じて対応できるようにしてもらえたらとイイんですけど
 決して混乱なんて起こらないと思うんですけど、どう思われます?

2、全国の予報
 テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。





 雨エリア・・もっと細かくわけようかとも思ったのですが、そうもいきませんでした。
ざっと傾向を言葉でまとめたほうがわかりやすそうです。

 で・・・東北北部は雲マークになっていますけど、予報文を読めば雨の可能性がないわけではありません。
 そして、西日本ほど・・・また太平洋側ほど、傘マークが二つセットのマークの左側にあって雨中心の天気ということになりそうです。
 一方、東日本は「のち 雨」マークが多いですから、これから本格的に雨ということですね。

3、長野県の予報
 長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。





 南部は「朝 から」中部と北部は「夕方 から」雨。

 でも、雨雲がまとまりのない今朝のレーダーの様子を見ると、そんなにスパッと雨が降りだすとは思えませんよね?
 お隣の埼玉県には太陽マークまでついていたりして・・・
 ここは詳しくチェックしておく必要がありそうです。

 気温は昨日ほど上がりませんけど、それでも長野で24度の予想。
 くもりベースでもそこそこ気温が上がるのは、予報文にある「南の風」
湿った暖かい空気が南の風に乗って南部から流れ込んでくるようです。

4、一般的な天気図の評
 どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。




 必要なことは全部書き込んだつもりですけど、日本海のシアーライン・・・・
風向が急激に変化していて空気が集まる(線状の)場所
集まった空気が上昇して雨雲が発生します。
 寒冷前線に似ていますけど、前線のように前後で気温(空気の密度)の差があまりありませんから、天気図上には何も書かれていません。
 これじゃ地上の天気図だけで天気を読むのはちょっと難しいですよね?
 
5、今日の天気予報は当たるのか?
 100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。


 今日の雨の原因・・・暖湿流とシアーラインですけから、この二つの様子から。




 例によって水色の濃いところほど、雨の原料が多いところ・・暖湿流の本流?です。
まず第一段・・九州付近の梅雨前線(九州も梅雨モードですね)が暖湿流をキャッチして雨雲を発達させます。
 そして第二段・・・日本海のシアーライン付近で暖湿流が上昇して南北に縦長の雨雲発生。
この雨雲の帯の南側が日本海をゆっくりと北上していきます。
 今日の雨、二つの雨エリア合作

 次はシアーラインをチェック。
地上付近の空気の流れと降水の様子をまとめてみると・・・




 日本海側で南西と南東の二つの風がぶつかってシアーラインが発生。
その進行方向(東側)の暖湿流側で雨雲が発達しています。
 なぜ寒冷前線にしてないの?




 シアーラインの後ろ側(西側)の上空にはそこそこ寒気は入っていますけど、地上付近はシアーラインの前後でほとんど温度差がありません
 急激に温度変化がある寒冷前線とは解析できないんですね。

 さて、長野県は二つの雨の原因の間に挟まって、降りそうでなかなか降らない・・・降っても断続的というような天気変化をしそうです。
 その様子を降水アニメで詳しくチェック。




 暖湿流が直接ぶつかるようになる南部は早めにベタ雨になりそうですけど、暖湿流が中央アルプスや北アルプスなどの山々にブロックされる中部・北部ぐずつくという表現がピッタリの降水変化。
 予報文では「夕方 から」ですけど、実際はぐずつきながら夕方にはベタ雨になるというイメージですね。

 ということで、今日の予報、南部はそのまんま当たり
 中部や北部は「夕方から」にこだわらず、折り畳みの傘を持って出かけるくらいのイメージでいたほうが良いと思います。
 じゃ・・・はずれるの?といわれそうですけど、狼が出るぞ!にならないように気配りすると「夕方から」雨にするのもあながち変だという気もしませんから、一応当たると言っておきます。

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