2010年05月24日

大雨情報が発表されています(5月24日)


 今日も午後5時過ぎに「大雨に関する長野県気象情報 第3号」が発表されています。
今夜の天気予報やニュースの中でも「・・・と気象台は注意を呼び掛けています」というコメントで放送されることでしょう。

 まずは原文を読んでみてください。
わかりやすいように、天気図と積算降水量の図を掲載しておきます。
大雨に関する長野県気象情報 第3号
平成22年5月24日17時13分 長野地方気象台発表
■見出し
大北地域では、24日夜のはじめ頃まで土砂災害に警戒。また、25日明け方まで河川の増水に注意長野地域、中部、南部では、24日夜遅くまで、土砂災害に注意25日明け方にかけて河川の増水に注意して下さい。
■本文
[気象状況]
 紀伊半島付近には、低気圧があって東へ進んでいます。この低気圧から温暖前線が伊豆諸島を通って、関東の南東にのびています。また、日本海西部には別の低気圧があって、ほとんど停滞しています。
 今夜は、紀伊半島付近の低気圧が関東地方の南岸を進む見込みです。このため、長野県内は24日夜にかけて、雨が降る見込みです。
 県内は今までに降った雨により地盤が緩んでいる所があります。







[雨の実況]
 降り始め(23日03時)から24日16時までの、アメダス観測地点で観測された降水量は、多い所で
 王滝村御嶽山  283.0ミリ 松本市奈川   208.5ミリ
 木曽町開田高原 208.5ミリ 宮田高原    169.0ミリ
 松本市上高地  167.5ミリ 飯島      166.0ミリ
 木曽町木曽福島 140.5ミリ 伊那市下新田  138.0ミリ
 阿智村浪合   133.5ミリ 大桑村須原   130.0ミリ
 となっています。




[雨の予想]
 24日18時から25日18時までの24時間に予想される降水量は、いずれも多い所で、 
 北部  30ミリ
 中部  30ミリ
 南部  30ミリ
の見込みです。 
[防災上の留意事項]
 大北地域では、24日夜のはじめ頃まで、土砂災害に警戒して下さい。
 長野地域、中部、南部でも、24日夜遅くにかけて、土砂災害に注意して下さい。
 長野地域、大北地域、中部、南部では、25日明け方にかけて、河川の増水に注意して下さい。
[特記事項]
 次の「大雨に関する長野県気象情報」(文章情報)は、24日21時頃に発表する予定です。

 今朝の記事に雨の様子のアニメを掲載しておきましたが、今朝の計算値どおり午後からは南部中心に降水量が多くなっているようですね。

 雨はあと数時間で回復に向かうものの、川の上流で降った雨が明日朝にかけて下流で増水する心配があるようです。
 というのも、24時間の降水量が5月としては1位を記録した地点が長野県で続出。




 警報が出続けていた大北地域(大町など)や伊那では記録を更新しています。
 記録を更新したということは、5月としては今までに経験したことのない増水があるということです。
大北地域の下流・・・犀川や千曲川のこれからの増水には注意が必要ですね。
 河川敷の畑や施設が被害にあわないとよいのですが。
 千曲川河川事務所HPhttp://www.hrr.mlit.go.jp/chikuma/bousai/kasen/suii.html

 次の大雨情報は今夜9時頃になるようですが、たぶん終息の宣言と明日朝にかけての増水や土砂崩れについての警戒を呼び掛けるものだと思いますけど、まだまだ注意が必要ですね。
 
   


Posted by kasayan at 17:53Comments(0)雑記

2010年05月24日

天気予報は当たるのか?(5月24日)


 故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?

1、今日の一言

 今朝、長野県大北地域に大雨警報が発表されました。
 昨日から西日本では警報が連発で発表されていましたが、大北地方の大雨警報は午前7時現在、東日本で発表されている唯一の大雨警報です。

 警報の電文に付されていた概要には大北地域では、24日夜のはじめ頃まで土砂災害に警戒、24日夜遅くまで河川の増水に注意。長野地域、中部、南部では、24日夜遅くまで土砂災害や河川の増水に注意。北部では、24日夕方まで強風に注意。」と書かれています。




 この図は、警報が発表された時刻に近い午前5時のレーダー画像に、計算値の風の流れを矢印で重ねたもの。
 県内には盆地に沿って南~南東の風が吹きこんでいて、北アルプスや御嶽方面の高い山にぶつかって上昇、雨雲を発達(黄色の部分)させていることがわかります。
 この状態、しばらく続きそうですから、北ア方面は特に要注意ですね。

 また、昨夕に引き続き、今朝も「大雨に関する長野県気象情報 第2号」が発表されています。
 気象情報は、ニュースの中で「・・・と気象台は注意を呼び掛けています」とアナウンサーが読んでいる原稿の原文のことです。
大雨に関する長野県気象情報 第2号
平成22年5月24日05時45分 長野地方気象台発表
(見出し)
大北地域では、24日夜のはじめ頃まで土砂災害に警戒して下さい。また、24日夜遅くまで河川の増水に注意して下さい。長野地域、中部、南部では、24日夜遅くまで、土砂災害や河川の増水に注意して下さい。
(本文)
[気象状況]
 日本海西部には低気圧があって東に進んでいます。この低気圧に伴う温暖前線が、中国地方を通り伊豆諸島付近にのびています。
 長野県内では、23日明け方から雨が降り続き、地盤が緩んでいる所があります。
 24日は、引き続き低気圧に向かって暖かく湿った空気が入り、長野県内では夕方まで雨が降り続く見込みです。 
[雨の実況]
 降り始め(23日03時)から24日05時までの、アメダス観測地点で観測された降水量は、多い所で
 松本市奈川155.5ミリ  松本市上高地126.5ミリ
 宮田高原121.0ミリ 木曽町開田高原119.5ミリ
 王滝村御嶽山116.0ミリ
 となっています。
[雨の予想]
 24日06時から25日06時までの24時間に予想される降水量は、いずれも多い所で、 
 北部  50ミリ
 中部  60ミリ
 南部 100ミリ
の見込みです。 
[防災上の留意事項]
 大北地域では、24日夜のはじめ頃まで、土砂災害に警戒して下さい。
 長野地域、中部、南部でも、24日夜遅くまで、土砂災害に注意して下さい。
 長野地域、大北地域、中部、南部では、24日夜遅くまで、河川の増水に注意して下さい。
[特記事項]
 次の「大雨に関する長野県気象情報」(文章情報)は、24日17時頃に発表する予定です。

 ということで・・・・今日のお天気放談は、雨の降り方をメインにまとめてみたいと思います。
 
2、全国の予報
 テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。





 今日中に回復するエリアは長野県より西のエリア。
東日本・北日本はこれからがピークです。
 二つのエリアの境目にあたる長野県・・・日中に回復する可能性は・・・低そうですね。

3、長野県の予報
 長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。





 中南部は夜になってやっとくもりへ。
北部は夕方以降「時々くもり」ですから、夜になっても雨が尾を引きづる予報になっています。
 いずれにせよ、今日明るいうちの回復は期待できそうもありません。

4、一般的な天気図の評
 どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。




 昨日に引き続き、気圧配置の動きが遅いというのがポイントです。
 同じところにずっと降り続けますから、短時間に猛烈に降らなくとも、そこそこ強い雨でも継続して降ることで災害の危険性が高まります。
 なんで、気圧配置の動きが遅いの?という話は、昨日の記事に書きましたから、興味のある方は読んでみてください。
 昨日の記事:http://kasayan.naganoblog.jp/e473129.html

5、今日の天気予報は当たるのか?
 100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。


 今日はさすがに天気予報の当たりハズレの話はできません
 雨の降り方のチェックを中心にまとめておきました。

 気圧配置のの変化は上の天気図のアニメをご覧いただければよいですから、それに伴う雨のエリアの変化を時系列で見ておきましょう。




 雨の降り方の傾向について、今朝発表された「大雨と暴風及び高波に関する全般気象情報 第6号」の文章がとてもうまくまとめていました。
 四国地方は24日昼前まで、近畿地方は24日昼過ぎまで、東日本では24日夜にかけて、北日本では25日にかけて」雷を伴った非常に激しい雨が降ることになります。
 昼過ぎ頃までは、寒冷前線による西日本の雨、それ以降は関東付近にできる低気圧本体と温暖前線に吹き込む暖湿流の雨という変則的な影響を受けるようです。
 
 どうやら県内は昼頃から雨のピークを迎えそうですから、ズームして詳しく見てみましょう。




 昼頃から三重県や愛知県に降水量が多く計算されています(黄色)。
 午後6時頃から回復に向かいそうですが、午後のピークについてもう少し詳しく見ておきましょう。




 今朝は南東の風がメインで大北地域中心の雨ですが、午後3時は南の風がメインになって、風がぶつかる御嶽山や中ア・南ア付近・・・南部中心の雨が予想されています。

 結局今日一日は警戒モード
 何事もなく、今年初めての大雨モードが終わってほしいものです。

 大北地域の大雨警報の基準(R1=一時間降水量)




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