2011年09月20日

台風15号の動向と雨・風の変化(9月20日)


 12時40分追記あり、 18時00分追記あり

 沖縄方面を除いて、3連休中に台風の直接の影響はありませんでしたが、今日から明後日にかけて全国的に台風モード




 気象庁5日間予報
   http://www.jma.go.jp/jp/typh/typh5.html
 米軍台風進路予想(TC Warning Graphicをクリック。日本時間は+9時間)
   http://www.usno.navy.mil/JTWC/




 西日本南岸中心に、台風12号の被害に追い打ちをかけるような強い雨が降っていて、雨はますます強まる傾向です。

 ご存じのように、台風からの湿った暖かい空気(雨の原料=暖湿気)がにぶつかって雨雲を発生させるとともに、秋雨前線を活発化させているため。




 台風12号のときは、山にぶつかる雨雲中心の紀伊半島と、秋雨前線の雨雲中心の北海道でまとまった雨が降りましたが、今回は両方がミックスしてより広い範囲で大雨になっています。

 では最初に、今日の天気の着目点を、短期予報解説資料(プロ用の資料)で確認しておきましょう。




 ポイントは・・・・・
 ①今日から明日、比較的長い時間をかけて大雨の範囲が東日本へと移動していくということ。
 ②台風が明日以降加速すること。
 ③東日本を通過する際も、暴風域(風速25メートル以上)を伴っているということ。

 西日本中心の大雨と、東日本を含めた強風(暴風)が要注意点になりそうですね。

 まずは、一番気になるであろう①大雨の様子から・・・・

 まずは、今夜9時までの雨の様子を風の流れと絡めて、MSMという解像度の高い計算値でチェック。




 地上付近で、北東の風と南寄りの風が赤の点線付近でぶつかっていることがわかると思います。
 北東の風は冷たい秋の風で、南寄りの風は暖湿気を運ぶ風
 上昇気流帯が発生して、雨雲が特に発達しやすい場所です。

 西日本中心の大雨といっても、東日本も気を抜けない状態といえそうですね。

 では、続く今夜9時以降の雨の様子を、GSMという解像度のやや低い計算値でチェック。




 明日未明には台風本体の発達した雨雲が南岸にかかってきて、明日朝には、台風12号がノロノロと北上した位置に台風15号がやってきます
 今回は北東に進むので、紀伊半島の強雨のピークは台風の加速とともに解消しますが、それでも一時的には台風12号のときのような短時間の強雨の可能性も

 また、この計算値見る限り、明日は東日本でも一時的とはいえ短時間強雨や竜巻などへの警戒が必要といえそうです。

 そして・・・・以上の計算値はすべて1時間降水量ですから、積算するとどれだけの降水量になるのか?が心配になるところ。




 降水量に関する気象庁の公式見解は書き込みの降水量・・・全般台風情報というニュースの元ネタになる情報で、今朝(20日)4時40分発表のもの。

 図は、12時間降水量を表していて、数字は極値になりますが、極値の数字を加算していくと、気象庁の公式見解に近い数字になるはずです。

 一般に積算降水量が200ミリを超えると土砂災害が発生しやすいと言われていますから、誰がなんといおうと厳重警戒の大雨ということは確かでしょう。

 大雨のチェックはこのくらいにして、明日以降、暴風域を伴った台風が加速しつつ接近することによって心配される強風の様子をチェック。

 まずは、②加速する台風の様子から。




 今日の偏西風は日本海の北側・・・台風はまだノロノロ。

 しかし、明日になると朝鮮半島方面から上空の気圧の谷が南下してきます。
 これに伴って偏西風も急速に南下
 台風をキャッチして明後日にかけて一気に台風を押し流すことになりそうです。

 台風を押し流す風速と台風自体の強風の風速が加算されて・・・明日は風台風の様相を示すかもしれません。

 地上付近の③強風の様子を風速のアニメにしてみましたが・・・・




 陸上は地面の摩擦で風速が弱くなりますが、最大瞬間風速はこのアニメの平均風速の1.5~2倍
 地形的に風が吹き抜けるような盆地や谷では風が一段と強まる傾向もあります。

 上でチェックした降水量のアニメには風向も掲載されていますから、風向と併せてどのような風が吹くのか?を考えて、東日本では今日中に対策は終えておきたいところです。

 で・・・最後は・・・・以上の計算値を思い浮かべながら・・・・気象庁発表の天気予報で、ご自分の頭上の天気の公式見解?を確認してくださいね。

 気象庁短期予報(最寄りの地域をクリックして拡大、予報文も読むこと)
   http://www.jma.go.jp/jp/yoho/
 気象庁週間予報(更新は11時と17時)
   http://www.jma.go.jp/jp/week/


 ・・・今朝の台風チェックはこのくらいにしておきますが、昼飯でも食べながら天気チェックをして、気付いたことがあれば追記したいと思います。

12時40分追記

 昼の気象レーダーの画像




 瀬戸内海の南側で発生した雨雲は、四国をはさんで北東方向と北西方向に分かれて流れています。
 地上付近の風の様子をアメダスでチェックすると・・・・




 雨雲が発生しているあたりに南寄りの風と北寄りの風がぶつかる収束線・・・今日の記事に掲載してある計算値どおり。
 風の温度・・・気温をチェックしてみると・・・・




 北寄りの風が吹いているところでは気温が低く、20℃を下回るところもちらほら・・・
 このあたりが秋と夏を分ける(地上付近の)秋雨前線

 上空の風もチェックしてみると・・・




 上空にいくほど南風優勢・・・・地上付近の冷たい空気の上を暖かい風が滑り上がり・・・上昇気流になって雨雲が発達しているんですね。

 暖湿気が山にぶつかって発生した雨雲がメインだった台風12号と異なり、前線の雨も加わった15号
 北上とともにさらなる警戒が必要ということになりそうです。

 以上の図はすべて気象庁HPに掲載されています。
 こんな使い方をすると効果120%ですよ。


17時50分追記

 名古屋市で109万人に避難勧告が出されているということなので、名古屋方面の大雨の様子をまとめておきました。




 昼の追記と同様、名古屋方面でも太平洋岸平野部まで日本海の寒気が南下
 日本海の寒気と台風からの暖湿気がぶつかるライン(赤点線)をはさんで、気温が急変しているのがわかります。




 これは地上付近の風の様子(計算値)とレーダーの画像を合成したもの。
 北東風によって三重県付近まで寒気が南下して、名古屋付近に南北に風がぶつかる収束線(黄点線)が形成され、収束線に沿って雨の強いエリア(赤)が観測されています。
 (静岡県方面は長野県山岳地帯がブロックして風が弱く収束線は形成されていません)

 一方、上空1500m付近の風の様子を重ねてみると・・・・




 地上と異なり南風が優勢・・・昼の追記と同様、収束線付近を踏み板にして、暖湿気が寒気の上を日本海まで滑り上がっているようです。
 寒気を滑り上がるということは・・・広い範囲で上昇気流が発生して雨雲が発達しやすい状態。

 また、鈴鹿山脈に沿った流れと伊勢湾方面からの流れが南北に収束して、上空でも雨雲が発達しやすい状態が重なっています。

 では、この雨がいつまで続くのか?
 台風が北東進するにつれて、風向が変化して、この風の収束しやすい状態が解消されるまで
 ・・・今朝掲載したMSMという計算値の傾向からある程度読みとれると思うので、じっくりとチェックしてみてください。

 もちろん・・・気象庁発表の最新の予報や情報をチェックするのが優先ですが・・・・

 東海地方気象情報
   http://www.jma.go.jp/jp/kishojoho/105_index.html


 
 ご意見・ご質問等は、コメント欄・メール(kasayangw@yahoo.co.jp)にてどうぞ。
 可能な限り返信いたします。



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Posted by kasayan at 08:03Comments(0)雑記

2011年09月19日

台風15号・台風16号の動向と大雨の推移(9月19日)


 2日間モバイルで更新していましたが、今日からは平常営業
 天気チェックは、天気図を見ながら作業ができるマルチモニタがイイですね・・・・・




 さて、テレビのニュースや天気予報でも迷走する台風の扱いが大きくなってきて、降水エリアの変化を表示するアニメや暖湿気が流れ込む様子などがCGで放送されるようになっています。
 そこで、このブログでは”読むメディア”という利点を生かして、同じ情報でもプラスアルファの情報を盛り込んで、台風チェックをすることにしました。

 まずは、テレビニュースや天気予報で伝えられている台風の注意点を、短期予報解説資料というプロ用の資料に掲載されている図で再確認




 今日・明日に関しては・・・・①停滞する台風の沖縄への影響が継続すること、②南下する秋雨前線が台風からの暖湿気で活発化し、西日本南岸中心に大雨のおそれがあることが注意点です。
 
 そして、台風進路予想図を見ると・・・明日以降の注意点は・・・・

 気象庁5日間予報
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 秋雨前線の南下(上空の気圧の谷と偏西風の南下)と太平洋高気圧の弱まりに伴う③台風15号の北上と本土への接近・上陸のおそれでしょう。

 そこで、まずは注意点①②・・・台風15号と秋雨前線今日~明日にかけての影響からチェックしてしまいましょう。




 降水のアニメはテレビでも使われていますから・・・・大陸から秋の空気を運ぶ北東風と、台風からの暖湿気(雨の原料)を運ぶ南西風が地上付近でぶつかって雨雲が成長するライン(赤点線)も書きこんでおきました。
 
 天気予報の解説では秋雨前線と台風がセットになって大雨が降る・・・といわれますけど、今日はセットになる直前の段階。

 今日は、前線本体の雨雲のラインと、前線南側の地上付近で風が収束して発生する雨雲のラインという2つの雨雲ラインがあって、明日未明に合体・・・そこでセット化・・・大雨本格化。

 この二つのラインに加えて暖湿気がぶつかる山岳南東斜面でも雨雲が発達します。

 結局、都合3つの大雨の要素があることになりますから、気象レーダーなどで雨の様子をチェックするには、これら3つの要素をイメージしておくとチェックが深まると思います。

 そして、これらの雨で明日までに降る雨の量は?・・・・・気象庁発表の台風情報を、12時間降水量の計算値と併せてチェックしておきましょう。




 台風情報は抜粋掲載した文字を読んでいただけばOK。
 図中、赤で囲んだ数字は12時間降水量の計算値の極値ですから、どのあたりでまとまった雨が降るのか?その位置がどのように変化するのか?それとも続くのか?という・・・イメージをしておくと、積算降水量から長雨による地盤の緩みなどを考える上で役立つはずです。

 ところで、以上チェックしてきた大雨は台風からやってくる暖かく湿った空気(暖湿気)が主な原因
 そこで、暖湿気が流れ込む様子の変化をアニメでチェックしておきましょう。




 台風の接近に伴って雨の原料がたくさん流れ込むな・・・・ということをイメージすることに加えて、赤矢印で示した暖湿気の流れ込む方向を見て、雨雲が成長しやすい山岳の風上斜面はどこかな?と考えておくと、地形に起因して雨雲が発達しやすい場所を想定することができるはずです。


 次は、③台風が本土に接近あるいは上陸することによる影響をチェック。




 これは気象庁のGSMモデルというシミュレーションで、台風進路予想図の元になる台風モデルとは異なるので、進路予想とは微妙に位置が異なります
 もっとも、予報円の範囲で位置が異なるだけなので、最新の進路予想図で雨が強まるタイミングなどを頭の中で修正して、台風の影響を考えることができるはずです。

 図中に、どこで、どのタイミングで、雨が強まるのか?大ざっぱに書き込んでおきましたが、このシミュレーションは気象庁が予報を作成するための一資料にすぎませ年から、台風情報や予報を優先して考えて、予報を具体的にイメージしたり安全マージンを考えるための目安に使ってください。

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 今回の台風、日本に接近して若干速度が速まりますが、それでもイマイチ遅い・・・・
 偏西風との距離が大きめ・・・ということは耳にされていると思いますから、もう少しイメージしやすいように3Dでアニメを作っておきました。




 今日から明日にかけて、偏西風とはまだ距離が大きめ。
 21日に東海方面で偏西風の南側の端っこと合流して、やっと足早に日本付近を通過するということになりそうです。

 偏西風とはこんな微妙な関係にあるので、台風の動向にはまだまだ十分な安全マージンをとっておきたいところです。

 さて・・・朝の天気チェックはこれで終わりにしますが、北海道の上空にはこれから強い寒気が入ってきます。
 初冬の寒気ともいえるような寒気なので、大雪山系の山には雪の可能性が出てくるかも?
 まだ十分にチェックしていないので、時間があったら北海道の初雪・・・検討して追記してみようかと思います。

 
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Posted by kasayan at 07:55Comments(0)雑記

2011年09月18日

台風15号・台風16号の動向と雨の様子(9月18日)


 今日も出先・・・モバイルで書いているので、マルチモニターで天気図をたくさん広げることもできません。
 作図はもちろん検討も不十分ですから、重要そうな情報や計算値だけをご紹介しておきます。
 
 繰り返しになりますが、計算値はあくまで予報を作るための道具・・・予報をそっちのけにして「頭上に雨のエリアがかかる?かからない?」という判断をするのではなく、気象庁発表の予報を120パーセント理解して有効に使うための道具として使ってください。


 まず、今日・明日の天気傾向を大雑把にチェック。




 短期予報解説資料というプロ用の資料ですが、予報官が今朝発表の予報を作るにあたって天気図上で着目したのがこれらのポイント。
 書き込みを読んでわかることだけ目を通すだけで、注目すべき天気のポイントは理解していだだけると思います。

 次は、今日・あすの雨の降り方を・・・気象庁発表の台風情報でチェック。




 台風情報をそのまんまコピペしたら天気予報ゴッコになってしまうので、相当温位という暖かく湿った空気(暖湿気)の様子をチェックするための図に、秋雨前線の様子(点線)暖湿気の流れる様子を書き込んでおきました。

 気象庁の公式の雨量の予想は・・・・

  19日6時までの24時間に予想される雨量は、多い所で
  東北地方、九州北部地方、九州南部、沖縄地方  150ミリ
  中国地方  120ミリ

 では、具体的にどのような雨の降り方をするのでしょうか?
 解像度の高いMSMという計算値でチェック。







 あくまで気象庁発表の予報を活用するための参考資料です。
 上の図に書き込んでおいた雨の降り方のイメージと一致していましたか?

 
 最後は台風が日本を縦断・接近?しそうなタイミング・・・・

 迷走中なので、あれこれ細かいことをチェックしてみ意味がなさそうなので、上空の気圧の谷が深まりつつ東進するのに伴い、偏西風が南下し、台風を押し流す様子をGSMという計算値でアニメにしました。




 どこを通るのか?ということを考えても、今の段階ではあまり生産的ではありませんから、台風15が北東に進むメカニズムをなんとなく把握しておく・・・程度にとどめておいてください。


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Posted by kasayan at 07:08Comments(3)雑記

2011年09月17日

台風15号・台風15号の動向と紀伊半島の雨(9月17日)


 今日(17日)、明日(18日)は、外出先からのブログ更新になるので、内容はちょっと薄くなってしまいますが、ポイントはしっかり押さえていきたいと・・・・・・





 気象庁が考えている目先のポイントは以上3箇所の激しい雨。
 台風が停滞する沖縄で暴風雨が継続するのはわかりやすいですから①目先の南岸の大雨と、②向こう一週間の台風の動向にしぼってチェックをしていくことにします。

 まず、①目先の大雨から。




 今朝の時点でまず注目したいのは、九州南東部~四国南部~紀伊半島~東海の、台風から流れ込む「暖湿気」による地形性の雨
 そして、南下してくる秋雨前線まで流れ込んだ暖湿気による活発な雨・・・北陸では思った以上の雨の量に驚かれている方もおられるでしょう。

 で・・・特に降水量がまとまっている目先の紀伊半島や四国の大雨の今後ですが・・・・

 いつもの・・・MSMという解像度の高いシミュレーションモデルを使った風と降水量の関係の図・・・作ることができる環境にないので・・・ほぼ同等の情報が得られるHPをご紹介しておきます。
 
 weather service   http://www.weather-report.jp/com/professional/msm/kosui/kinki.html

 雨だけではなく地上付近の風の様子もチェックして、風上にあたる斜面が雨雲発達の要注意ポイント。
 要注意ポイントがどのように変化していくか?という目でチェックしてみてください。

 さて、次は②台風の今後の動向

 書きっぱなしのブログに不適切な予想進路図は、以下のURLで最新のものをチェックしていただくとして・・・

 米軍台風進路予想(TC Warning Graphicをクリック。日本時間は+9時間)
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 気象庁5日間予報
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 沖縄付近で停滞した後、台風15号がどうなるのか?が一番関心のあることだと思います。

 この点、昨日の記事に掲載した気象庁のGSMモデルというシミュレーションデータでは、秋雨前線の南下に伴い、前線に対応する偏西風にのって日本を縦断というシナリオが予想されていました。
 で・・・今朝の最新の計算値では・・・・




 縦断のタイミングは昨日と微妙に変化していますが、少なくとも日本縦断する傾向に変化はありません

 なぜ、縦断するのか?を週間予報を作るための高層天気図でチェックしてみましょう。




 秋雨前線が南下してくるのは、日本の西にある上空の気圧の谷が次第に深まるとともに、ゆっくりと東へ進んでいるため。
 上空の気圧の谷が運んでくる冷たい秋と冬の空気も南下して、夏の空気とぶつかるライン・・・秋雨前線も南下してくるということになります。

 そして、上空の気圧の谷の南側には偏西風が流れているので・・・前線南下とともに台風が突然北東に走り出すことになるわけです。

 このように、週間予報のための天気図でもGSMと同様の結果になっていて・・・・

 アメリカのGFSというモデルでも・・・・




 5日間も先のシミュレーションのわりには、気象庁GSMとほぼ一致しているといってよいと思います。

 ということで、以上の台風の動向が、ますます未来の空模様の有力なシナリオになってきたといえそうですが、気象庁の台風進路予想図は少し遅めの計算をしています。
 台風モデルという別のシミュレーションを使っているので、違いが生じるのも当然なのですが、予報円の最先端を進むと思えば、GSMと大きく異なるともいえません

 今後、台風の進路予想を見る場合、中心位置に目を奪われてしまいますが、予報円の最先端を早めに進む可能性があるかもしれない・・・という安全マージンをとったチェックをされるとよいかも? 

 何が起こるのか?・・・一日3回発表される気象庁の予報を、上のアニメをイメージしながらチェックしてくださいね。

 気象庁短期予報(最寄りの地域をクリックして拡大、予報文も読むこと)
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 気象庁週間予報(更新は11時と17時)
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 コメントやメールへの返事・・・外出中なので少し遅れるかも・・・ごめんなさい。

 
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Posted by kasayan at 07:07Comments(4)雑記

2011年09月16日

台風15号・16号の動向と3連休への影響(9月16日)


  14時20分追記あり

 台風進路予想図だけではわからない3連休の天気
 週間予報を見ると傘マークが散在していてイマイチ。
 台風対策をはじめ、レジャーなどの計画に頭を悩ませている方・・・・多いと思います。
 
 ちなみに明日(土曜)までの予報は今朝の段階で発表されていますが、明後日の最新の予報は11時に発表されます。
 また、最新の週間予報は11時に発表されますから、朝の段階で明後日以降の予報をチェックしても無意味ということになります。

 ということで・・・11時発表の予報をチェックする前に、明後日の予報や週間予報を作るためのデータをチェックしておいて、気象庁の公式見解である11時発表の予報を120パーセント活用できるよう、データをまとめることにしました。

 まずは、いつものように今何が起こっているのか?予報のスタートラインの実況からチェックしておきましょう。




 雨が降っているのは、秋雨前線がかかる北海道と、台風からの暖湿気が流れ込む西日本太平洋側

 また、ご存じのように、台風15号は沖縄付近で停滞しますから、この状態がしばらく続いてしまいそう・・・ということが読みとれます。

 台風が停滞する理由は・・・・




 昨日の記事と同様、上空の高気圧が日本付近を覆い、猛暑をもたらすとともに台風の北上をブロックしているから。

 地上付近ではどうなっている?・・・・・




 太平洋高気圧は次第に東へ後退する傾向にあるものの、ストレートな台風の北上を許していません。
 そして、地上の高気圧の西縁を暖かく湿った空気(暖湿気)が北上し、日本付近に流れ込む傾向・・・・

 暖かく湿った空気の様子をリアルに見ると・・・




 地上付近の高気圧が東へやや後退するのに伴って暖湿気が次第に流れ込みやすくなってくるようです

 以上をまとめると、これからしばらくは・・・・上空の高気圧のブロックによって台風は停滞するけれど、地上付近の高気圧がやや弱まって暖かく湿った空気(暖湿気=雨の原料)が西日本方面からたくさん流れ込んでくる傾向・・・・だから西日本方面からまとまった雨が降り出し、長時間降るおそれがある・・・・・ということが想像できます。

 そこで、まずは今日から明日朝にかけて、解像度の高いMSMという計算値で雨の様子をチェック。




 西日本南岸にとどまらず、秋雨前線がゆっくりと南下するのに伴って、北陸や東北方面でもまとまった雨が降り出すようです。

 台風12号の大雨の被害が続いているのに・・・どれだけ降るのか?




 台風情報として気象庁が公式に発表している予想降水量(ニュースの元ネタ)を書きこんでおきましたが、まとまった雨が降る所は明日夜までに微妙に変化します。
 赤で囲んだ数字が12時間降水量の極値にあたる場所ですから、特に大雨になる場所がどう変化するのか?参考にしてください。

 では、その後の雨はどうなるのか?3連休の雨の様子GSMという解像度のやや落ちる計算値でチェック。
 残念ながら解像度の高いMSMの計算値は最大33時間先までだから・・・・




 秋雨前線が南下し、暖湿気の流入(赤矢印)方向も変化して、雨の降るエリアは微妙に変化
 関東南部付近は比較的雨が降りにくい傾向にありますが、どう考えるか?
 
 気象庁の予報官もこのデータを基礎に、他のデータも考慮して週間予報を作っていますから、週間予報に散在する傘マークの理由をこのデータから考えて、安全マージンをとった計画を立てる参考にしてください。

 では・・・・3連休後の台風はどうなるのか?まさか次の3連休まで影響するんじゃ?

 台風の北上をブロックしている上空の高気圧の変化を見ると・・・・・




 19日あたりから弱まってくる傾向(上の実況図と比較してみてください)。
 ボチボチ台風の北上が始まる予感・・・・・

 21日から22日夜にかけて台風の様子をアニメにしてみると・・・・・




 しばしば、梅雨前線とか秋雨前線の上を台風が走る・・・なんて言いますが、南下してきた秋雨前線上を日本縦断・・・という計算結果がでています。
 秋雨前線付近には偏西風が流れているから・・・・・

 昨日の時点では????の部分も多かったのですが、週間予報を作成するための別の資料でも同様の結果が出ています。

 ただ・・・未来の空模様の一つのシナリオとして有力だということは言えると思いますが、速度の遅い台風はまだまだ不安定要因大

 今日から22日までザーッと計算値を眺めてきましたが・・・・気象庁発表の台風進路予想図が示す5日先までが予報、それ以降は有力なシナリオと考えて、直近の予想(短期予報)と遠距離の予想(週間予報)を常に見比べてコマメに修正するのが吉だと思います。

 そのためにおすすめのHPは、やはり気象庁のHP。
 税金でできているHPですから十分に使いこなしてください。

 米軍台風進路予想(TC Warning Graphicをクリック。日本時間は+9時間)
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 気象庁5日間予報
   http://www.jma.go.jp/jp/typh/typh5.html

 気象庁短期予報(最寄りの地域をクリックして拡大、予報文も読むこと)
   http://www.jma.go.jp/jp/yoho/
 気象庁週間予報(更新は11時と17時)
   http://www.jma.go.jp/jp/week/

14時20分追記
  紀伊半島~四国南岸~九州南東岸の雨が次第に活発になっています。
 地形と雨の関係がわかるように3Dにしてみましたが・・・・・




 
 
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Posted by kasayan at 07:45Comments(6)雑記

2011年09月15日

台風15号の進路予想と・・・(9月15日)


 3連休を控えて、台風15号の動向が気になる方が多いと思います。
 また、紀伊半島方面では土砂ダムを抱えてさらなる大雨をもたらすかもしれない台風15号の動向に進路予想図とにらめっこしておられる防災担当者の方々もいらっしゃることでしょう。

 にもかかわらず・・・・




 進路予想図は5日間先まで沖縄付近に台風が停滞することを予想しているのみ・・・・・
 このブログでは、観測の度に更新される進路予想図を引用しないのが原則ですが、停滞の可能性が高くなっているということを一目でわかるよう、例外的に引用しました。

 米軍台風進路予想(TC Warning Graphicをクリック。日本時間は+9時間)
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 こうなると・・・・「長く停滞」することで「何が起こるのか?」「停滞後にどのような動向を示すのか?」が一番気になります。

 そこで、今朝は①台風の動向に影響する太平洋高気圧の様子と水蒸気(雨の原料)の様子、次に計算値がそこそこ信頼できそうな②17日21時までの台風の影響(雨)、そして、計算値の信頼性が落ちるけれど、参考資料という位置づけで③17日以降の台風の動向について、かなり詳しくまとめてみたいと思います(少々長いですよ)。
 (今日の天気については最後に簡単にまとめてありますから、興味の無い方はそちらからどうぞ。)

 では、①台風の動向に影響する太平洋高気圧と水蒸気の様子・・・・・
 イメージしやすいように、まずは衛星の水蒸気画像で広い範囲の状況の把握しておきましょう。




 台風を押し流す強い偏西風は、台風よりずっと北の大陸の沿岸・・・ひまわりの水蒸気画像で”白くない帯状の場所”=太い赤線部分。
 秋雨前線に対応した弱い偏西風も日本海中部に流れています。
 
 ということは・・・偏西風と台風の距離が大きく台風を速やかに押し流す気配はありません。

 それでは、日本付近に拡大して、水蒸気の様子(雨の原料)についてもう少しチェックしておきましょう。




 東日本や西日本は太平洋高気圧に覆われて、”白くない”水蒸気が少なめのエリアに入っていますが、台風15号の北東側には水蒸気たっぷりの空気が反時計回りに流れ込んでいます。
 先に見た台風進路予想どおりに台風が進めば、今日の午後にも九州方面に水蒸気が流れ込んでくる可能性・・・・九州で雨が降り始めるかも・・・・・

 ざっくりと全体の様子はわかりましたが、どうして台風が停滞するのか?原因がわからないと・・・・
 まずは一般的に台風の動向に影響する上空5800m付近の高気圧の様子から。




 確かに北上をブロックするように高気圧が日本付近を覆っています。

 でも・・・・高気圧が東側に後退すれば北上してくるはず・・・・高気圧は後退しないの?




 17日夜にはそこそこ東側に後退する予想。
 ということは台風が北上してくるんじゃ?・・・・さらに上空の天気図をチェックしてみると・・・・




 はるか上空では高気圧が台風をとり囲んでいて、北にも東にも・・・そして西にも台風を進めないようにしています。
 だから・・・台風進路図は停滞を予想し、米軍の進路図にいたっては南にUターンを予想しているわけですね。

 しかし・・・進路予想図のように沖縄方面に進むことによって、いずれにせよ水蒸気が西日本方面に流れ込むようになり、その状態が継続してしまうことが予想されます。

 水蒸気の様子をイメージし易いように3Dで表現してみました(正確には水蒸気と気温も合わせた暖湿気の様子)。




 今日午後の予想ですが、今後さらに暖湿気が流れ込むようになって、その状態がずっと続いてしまうということが考えられます。
 先の紀伊半島じゃありませんけど、長雨が予想されるので・・・・・何に警戒する必要があるかは誰もがご存じですよね?

 以上を踏まえて②17日21時までの台風の影響(雨)を詳しくチェックしておきましょう。




 最後の1枚だけ24時間降水量の予測になっているので注意してください。
 
 書き込みをしてあるので読みとるべきことは図を見ればわかりますよね?
 大ざっぱに言えば・・・今夜、宮崎方面で雨が降り出し、次第に東へ拡大
 四国南部や紀伊半島で雨がまとまり初めて、赤の四角で囲った数字=12時間降水量を加算していくとかなりの降水量になるということです。

 あくまで生の計算値ですから、予報といえるレベルにするためには他のデータも加味して修正を加える必要があります。
 また、予報円の範囲内で台風の位置がズレ、雨のエリアも変化してきます。
 これをそのまま鵜呑みにして浮足立つのはどうかと思いますが、それでも警戒を要する状態が目前に迫っていることを教えてくれるデータといえるでしょう。
 対策のコストと、被害のロスを考えるための参考にしてください。

 そして、気になるであろう③17日以降の台風の動向・・・・週間予報を思い出していただければわかりますが、ただでさえズレが生じるシミュレーションに台風が加わって計算値はそのまま信頼するわけにはいきません
 しかし・・・「こういう計算結果もある」ということで、22日の計算値をご紹介しておきたいと思います。
 あくまで参考のためですから、判断はご覧になった方の自己責任で・・・・・




 データから読みとれることは書き込んでありますが、ひとつの天気のシナリオとして矛盾はない計算結果だと思います。

 また、ヨーロッパ中期予報センターとアメリカのGFSモデルは、同じく22日について以下のように計算しています。







 本当にこのようになるのか?ならないのか?Kasayanには全くわかりません
 ただ、可能性としてゼロではない・・・ということだけは言えます。

 不確かなデータを引用するのはどうか?と思いましたが、存在するデータがある以上、ご紹介だけはしておくことにしました。

 
 ・・・長々と台風15号について書いてきましたが、今日の天気は・・・・




 ここまでの説明で、予想天気図の書き込みを見れば十分にご理解いただけると思います。

 そして、いつもの雨と風の様子も・・・・




 見るだけでわかりますよね?

 ずいぶん長く書いてしまって・・・更新時間も遅くなってしまいました・・・・・・


 
 ご意見・ご質問等は、コメント欄・メール(kasayangw@yahoo.co.jp)にてどうぞ。
 可能な限り返信いたします。



(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNI、プログラム配布先より使用許諾を得ています)

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2011年09月14日

台風15号進路予想と「何が起こるか?」(9月14日)


 昨夜、ついに台風15号が発生しました。
 でも、進路や雨のシミュレーションについては熱帯低気圧が発生した時点から追ってきましたから、今さらという気がします。

 不確かな計算値であっても事前の注意喚起がされてもイイんじゃないかと思うのですが、日本の天気予報業界?では「国民の混乱」を恐れて、台風に昇格するまでは大きな扱いはしません。
 空振りの恐れの言い訳?にも思えるのですが、地方自治体の避難勧告や指示の難しさや、放射能の拡散シミュレーションの発表の遅れなどが問題になっている昨今、見直されても良いように思うのですが・・・いかがでしょうか?

 さて・・・今朝も実況からチェックしていくことにしましょう。




 これにアメダスが加われば、最低限の実況把握4点セットになります。

 必要なことは書き込んでありますが、沖縄方面のツブツブの雨・・・暖湿気による不安定性の雨を除けば、東北の前線の雨も回復傾向
 少なくとも今日は全国的に晴天・・・・超残暑?の一日になることがわかります。

 ということで・・・・晴天の今日の天気は後回しにして、台風15号のチェックを優先。
 予想進路については頻繁に更新されますから、いつものようにリンクだけをご紹介して・・・・・

 米軍台風進路予想(TC Warning Graphicをクリック。日本時間は+9時間)
   http://www.usno.navy.mil/JTWC/
 気象庁5日間予報
   http://www.jma.go.jp/jp/typh/typh5.html

 まずは、気象庁の予報の中核、GSMモデルのシミュレーション結果から。




 今朝も17日以降のシミュレーションについてはどうも不安定な感じ(GSM、ヨーロッパ中期予報センターともに台風のUターンが計算されていたりして・・・現時点で確信をもって採用できません)。

 ただ、少なくとも17日にかけて台風が沖縄方面をゆっくりと通過
 同じタイミングで秋雨前線が西から南下
 台風と秋雨前線のセット・・・・台風から流れ込む暖湿気によって前線が活発化することが計算されています。

 『現時点で』大雨が始まると思われる16日21時の降水について詳しく見ると・・・・




 九州南東部に124ミリ/12hの雨が計算されていますから、同じ傾向がさらに続くとすれば、土砂災害が警戒される200ミリの雨量は優に超えてくると思われます。

 同日時の暖湿気・・・雨の原料の流れ込みの様子は・・・




 九州方面台風から直接流れ込む暖湿気、四国や紀伊半島方面の暖湿気は、太平洋高気圧縁辺を流れる暖湿気が台風によってパワーアップされたもの。
 いずれにしても、340K以上という大雨を降らせるには十分な暖湿気です。

 そして、大雨になる理由はさらにもう一つ・・・台風12号による紀伊半島の大雨と同様、台風がノロノロだということ。




 偏西風が大陸沿岸・・・台風に届かない・・・・
 朝鮮半島方面から上空の気圧の谷が東進して、偏西風と秋雨前線が南下してきますが、台風をサッサと押し流すほど南下してくるかは微妙なところ。

 仮に偏西風が思いのほか南下したとしても、台風が日本を縦断してしまうことになりますから、それはそれで実りの秋に被害を与える恐れあり。

 計算値が不安定なので、シミュレーションだけでうかつなことは言えませんが、いずれにせよ空振り覚悟で3連休の対策を考えておいても良いのではないでしょうか?

 ちなみに、アメリカのGFSモデルのシミュレーション結果は・・・・




 安全マージンを考える参考にしてください。
 
 
 それでは・・・今日の天気をザッとチェックしておきましょう。







 太平洋高気圧の覆われて猛暑・・・これだけ。
 書き込みを読んでいただければOKです。

 ただ、局地的な雷雨については・・・・・・




 お馴染み・・・天気マークの予報じゃわかりません
 また、雷があっても「所により」なのか全域なのか?もわかりません。

 さらに、シミュレーションの解像度以下の現象なので、計算もされていません。




 しつこいようですが、予報官が計算値を吟味して作った府県天気予報でチェックしてください

 府県天気予報: http://www.imocwx.com/yohoud.htm

 最後に、すでに台風15号の影響が出始めている沖縄方面の昨夜の波の様子を・・・・




 これから台風が通過するまでは高まる一方ですから、3連休に沖縄旅行を予定されている方・・・無理をされませんように


 
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Posted by kasayan at 08:03Comments(2)雑記

2011年09月13日

台風15号?進路予想、秋雨前線活発化(9月13日)


 今朝5時30分のレーダー画像




 秋雨前線の雨・・・秋田県沖で活発化し、東へと進んでいます。
 これが今日の防災上のポイント。

 そして、先島諸島方面にツブツブの雨雲。
 沖縄の南東にある熱帯低気圧から流れ込む暖かく湿った空気(暖湿気)による雨雲ですが、これが今週末にかけての防災上のポイント。

 まずは・・・・台風15号になるなる・・・と言われ続けてまだ台風に昇格しない熱帯低気圧の様子からチェックしていきます。




 昨日同様、気象庁のGSMというシミュレーションモデル・・・計算が安定していそうな16日夜まで。
 思いついた防災上のポイントを書きこんでおきました。

 熱帯低気圧と台風の違いは、風速が17.2m/sを越えるか否かの違いでしかありません。
 日本に接近するまで熱帯低気圧のままでいると、どうしても意識が薄くなりがちですし、台風の中心がどこを通過するか?ばかりに注目してしまうものです。
 でも、台風の中心が通過しなかった紀伊半島で大災害が発生したことを忘れずに、台風の接近で何が起こるのか?を、広い範囲で考えておくのが大切です。

 ちなみに、アメリカのGFSモデルというシミュレーションでは・・・・




 気象庁のGSMモデルよりやや東寄りに台風を北上させています。
 そうなると、台風の東側の活発な雨も東寄りに・・・・紀伊半島付近も要警戒エリアに含まれてしまいます。

 台風をブロックする太平洋高気圧と、偏西風の様子をチェックしてみると・・・・




 偏西風は朝鮮半島付近
 いずれのコースであっても、台風が北上した場合、台風12号と同様ノロノロ・・・雨が続くおそれがあると考えて安全マージンをとった心の準備をしておきたいところです。

 米軍台風進路予想(TC Warning Graphicをクリック。日本時間は+9時間)
   http://www.usno.navy.mil/JTWC/
 気象庁5日間予報
   http://www.jma.go.jp/jp/typh/typh5.html


 さて、前線の雨が防災上のポイントになる今日の天気ですが・・・・




 前線上の低気圧の東進と、太平洋高気圧に覆われる東北南部以南の猛暑が着目点。
 南海上の熱帯低気圧・・・・TSと書かれているので、気象庁としては遅くとも21時には台風15号に昇格すると予想しているみたいですが・・・今日こそ15号になるでしょうか?

 短期予報解説資料というプロ用の資料に掲載されている図もチェックしておきましょう。




 予報官もほぼ同様の点に着目しているようです。

 では、以上の点を踏まえて、気圧配置の骨格といえる上空5800m付近の天気図をチェック。
 なんでこんな予想天気図(予想気圧配置)になるの?という理由はこの天気図を見ないとわかりません。




 太平洋高気圧の骨格東北南部~西日本を覆っているので、このエリアの猛暑は骨があって?継続性あり。
猛暑がいつまで続く?ということについては昨日の記事に掲載しておきましたので、興味のある方は昨日の記事をご覧ください)

 また、北日本の西側には上空の気圧の谷があって・・・等圧線(正確には等高度線)が凹になっているところですが・・・・東進しています。
 川の流れが曲がっているところに渦ができやすいように、偏西風が微妙にカーブしている上空の気圧の谷付近では、川底=地上付近で低気圧が発生します。
 このため上空の気圧の谷が東北を通過する午前中を中心に大雨のおそれがあるということになります。

 ただ、低気圧が発生しただけで、雨の原料が十分に供給されなければ雨は活発化しません。




 紀伊半島で大雨が降ったときのような強い暖湿気(雨の原料:赤塗りの数字)は熱帯低気圧付近の南海上で、日本付近に流れ込む暖湿気はソコソコ。
 それだけでは大雨にはなりませんが、東北北部付近には秋の冷たく乾燥した空気が南下してきています。
 暖気と寒気がぶつかって・・・・ソコソコのい雨の原料が効率よく?雨になって、活発な雨・・・大雨に注意ということになります。
 (短期予報解説資料では 東北地方80-100mm が予想されています)

 具体的な雨の様子は・・・・




 東北北部の雨は午前中が中心のようですね。

 そして、午後・・・昨日雷雨が発生したところでは、今日も雷雨が発生しそう・・・・
 昨日の某サイトのピンポイント予報で雨が予想されていなかったところでも、キチンと雷雨が発生していましたから、コンピューターの計算値中心のピンポイント予報は参考にする程度にとどめ、予報官が吟味して作った府県天気予報をメインに「雷」の文字をチェックしていただきたいと思います。

 府県天気予報: http://www.imocwx.com/yohoud.htm

 
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Posted by kasayan at 06:34Comments(0)雑記

2011年09月12日

台風15号?と秋雨前線の動向、暑さいつまで?(9月12日)


 今朝もアレコレと興味を持って実況把握から天気チェックを始めたのですが・・・・




 台風15号・・・一昨日から発生が予想されながら、今朝の段階ではまだ台風まで昇格していません
 本当に台風15号・・・発生するのかよ?という気になりますけど、気象庁も米軍も今夜あたりに台風(風速17.2m/s以上)になることを予想しているようです。

 米軍台風進路予想(TC Warning Graphicをクリック。日本時間は+9時間)
   http://www.usno.navy.mil/JTWC/
 気象庁5日間予報
   http://www.jma.go.jp/jp/typh/typh5.html

 となれば・・・・台風の進路だけではなくて、何が起こるのか?ということも気になるのが人情。
 GSMという気象庁の天気予報の根幹を担うシミュレーションをチェック。




 『いまのところ』沖縄付近を通過して、九州の西側をゆーっくりと北上することが予想されています。




 太平洋高気圧が西に張り出し、台風の日本への接近をブロック
 高気圧西側の弱い南風に流されてノロノロと北上・・・・
 偏西風は大陸付近を流れているため、台風がサッサと居なくなる気配が見られません。
 
 こんな状況を見ると・・・・紀伊半島に被害をもたらした台風12号を思い出しますが、この計算値どおりに進むのであれば、今度は台風の東側にあたる九州(宮崎県付近)で強い雨が長時間降り続けるおそれがあります。
 
 計算値は未来であるほど大きくズレるものですから、このまま鵜呑みにすることはできませんが、少なくとも災害に関係しそうな台風になる恐れがあると考えて、今後の動向に注意したいところです。


 そして・・・太平洋高気圧が台風の接近をブロックするとなると・・・・ムシムシ暑かった週末の天気・・・・夏の高気圧の影響で暑さはいつまで続くのか?ということが気になりますよね?




 北海道は18日頃に上空の気圧の谷が通過して太平洋高気圧の影響から離脱しますけど、北海道以外は太平洋高気圧の覆われ続けそう・・・・・




 平年との差のグラフを見ても・・・ずーっと平年より気温の高い状態
 高気圧の西の端から流れ込む暖かく湿った空気(暖湿気)も手伝って、ムシムシの暑さになってしまいそうです。


 さて・・・・長いスパンの天気チェックはこのくらいにして、今日の天気をザクッとチェックしておきましょう。




 ここ数日、似たような図を作っているようですが、向こう一週間も似たような図ばかり作るような気がして・・・・ちょっとウンザリ気味。

 秋雨前線と、太平洋高気圧縁辺を日本に流れ込む暖湿気がポイントになります。

 暖湿気が流れ込む様子も、昨日とほぼ同様。




 南岸の暖湿気・・・強烈な暖湿気というわけではないので、紀伊半島に大雨を降らせたり、広い範囲でゲリラ雷雨を発生させるような悪さをしないのが幸いなところです。
 でも・・・・ムシムシなんですよね・・・・・

 詳細な雨の様子をチェックしても・・・・




 昨日の雨の様子とあまり変わりません

 昨日も書きましたが、夕方の雷雨などはこのシミュレーション(MSM)では十分に計算されません
 また、いわゆるピンポイント予報でも十分に反映されませんから、予報官が総合的に判断して作った「府県天気予報」に「雷」の文字があるか否かで、安全マージンをもった判断していただきたいと思います。

 府県天気予報: http://www.imocwx.com/yohoud.htm

 ※メールや書き込みをいただいていますが、タイミング的に返事ができない状態です。
  今夜あたり、ようやく落ち着くのでまとめて返事を書きたいと思っています。ごめんなさい。

 
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Posted by kasayan at 06:56Comments(0)雑記

2011年09月11日

台風15号?の進路等、暖湿気による不安定な天気(9月11日)


 毎朝PCの前に座って、まずチェックするのは実況
 だいたい衛星画像⇒気象レーダー⇒アメダス⇒実況天気図の流れでチェックするのですが、今朝の着目点は①台風15号?の発生と、②台風12号被災地の紀伊半島の雨
 どちらも気になりますよね?

 まず、目先の問題・・・せき止め湖の決壊が懸念される②紀伊半島の雨ですが・・・・







 南海上には無数の雨雲
 小粒ですが発達した雨雲もあって、一部は紀伊半島に雨を降らせています。
 台風12号のときのような長続きする激しい雨ではありませんが、それでもイヤな感じがします。

 小粒の雨雲のモト・・・・湿った空気の様子を衛星の水蒸気画像で見ると・・・・




 動画でチェックしてみると、今日日中もまだまだ水蒸気が流れ込む傾向
 いわゆるゲリラ雷雨のような激しい雨にならなければよいのですが。

 そして、南海上には、今日中にも①台風15号になると予想されている熱帯低気圧の雲
 今後の進路が気になるところだと思いますが・・・・・




 昨夜の高層の実況天気図を見ると、日本付近は太平洋高気圧に広く覆われていて、とりあえず台風が北上できる状態ではありません

 今後、太平洋高気圧が弱まったら・・・・・・




 明後日(13日)夜の天気図をチェックすると、太平洋高気圧はゆっくりと弱まる傾向ですが、それでも東西にしっかりと根を生やしています。
 このため猛暑が復活しているわけですが、ダメージの大きい西日本に台風15号?が接近することを防いでくれていることを考えれば、我慢するしかないですよね。

 ちなみに、台風をサッサと押し流す偏西風は日本海北部・・・秋雨前線の北側あたりに位置しています。




 このような状態で台風が接近したら、12号と同様ノロノロになってしまいますから、その意味でも太平洋高気圧・・・頑張ってほしいところです。

 米軍台風進路予想(今朝は進路予想なし・Satellite Imageをクリック)
   http://www.usno.navy.mil/JTWC/
 気象庁5日間予報
   http://www.jma.go.jp/jp/typh/typh5.html


 さて、実況や台風?を把握したところで、今日の天気のチェックに入りますが・・・・・




 さすがに、見飽きてしまったかもしれない・・・・暖湿気の流れ込みがポイント。
 テレビのお天気キャスターもこればっかりでしょう。

 気象庁の予報官も同じ・・・・・短期予報解説資料を見ると・・・・




 内容は防災上重要なことばかり書かれていますが、その原因はすべて「暖湿気」
 暖かく湿った空気っていうヤツですね。

 前線と暖湿気の合わせ技が影響する東北や北海道・・・・暖湿気の直接の流れ込みが影響する西・東日本
 暖湿気の動向を詳しくチェックしておく必要がありそうです。




 暖湿気は高気圧の周辺を回って流れ込みますが、特に濃い?暖湿気(濃い赤の数字)は、台風14号崩れの熱帯低気圧を経て日本海から前線へ
 また、そこそこの暖湿気(薄い赤の数字)は南岸へ

 そんな様子をアニメで見ると・・・・




 九州や四国、紀伊半島方面は特に暖湿気による雨に注意が必要になりそうですね。
 また、日本海へも暖湿気が流れ込み続けそうですから、前線の活発化も要注意でしょう。

 で・・・・具体的な雨の降り方ですが・・・・




 前線の雨は目立ちますが、南岸の雨はイマイチ目立ちません。
 でも、安心はできません。レーダーでご覧いただいたように、南岸の雨雲は非常に小粒です。
 この計算値は5キロ格子で計算されているのですが、信頼できるのはおよそ20キロメートル前後の大きな現象。
 計算されない雨があるということを十分に理解した上で、アニメをチェックしていただきたいと思います。




 Kasayan・・・今日は外にいることが多いので・・・最寄りのエリアの夕立を考えてみました。

 シミュレーションの解像度を越える無茶な予想なので・・・・・占いに毛が生えたようなものですが、風が収束したり、山にぶつかったりして上昇気流が発生しやすい場所に赤の点線を引いてあります。
 携帯などでレーダーをチェックする際の目安にしてみてください。

 
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Posted by kasayan at 05:22Comments(2)雑記