2011年09月14日
台風15号進路予想と「何が起こるか?」(9月14日)
昨夜、ついに台風15号が発生しました。
でも、進路や雨のシミュレーションについては熱帯低気圧が発生した時点から追ってきましたから、今さらという気がします。
不確かな計算値であっても事前の注意喚起がされてもイイんじゃないかと思うのですが、日本の天気予報業界?では「国民の混乱」を恐れて、台風に昇格するまでは大きな扱いはしません。
空振りの恐れの言い訳?にも思えるのですが、地方自治体の避難勧告や指示の難しさや、放射能の拡散シミュレーションの発表の遅れなどが問題になっている昨今、見直されても良いように思うのですが・・・いかがでしょうか?
さて・・・今朝も実況からチェックしていくことにしましょう。

これにアメダスが加われば、最低限の実況把握4点セットになります。
必要なことは書き込んでありますが、沖縄方面のツブツブの雨・・・暖湿気による不安定性の雨を除けば、東北の前線の雨も回復傾向。
少なくとも今日は全国的に晴天・・・・超残暑?の一日になることがわかります。
ということで・・・・晴天の今日の天気は後回しにして、台風15号のチェックを優先。
予想進路については頻繁に更新されますから、いつものようにリンクだけをご紹介して・・・・・
米軍台風進路予想(TC Warning Graphicをクリック。日本時間は+9時間)
http://www.usno.navy.mil/JTWC/
気象庁5日間予報
http://www.jma.go.jp/jp/typh/typh5.html
まずは、気象庁の予報の中核、GSMモデルのシミュレーション結果から。

今朝も17日以降のシミュレーションについてはどうも不安定な感じ(GSM、ヨーロッパ中期予報センターともに台風のUターンが計算されていたりして・・・現時点で確信をもって採用できません)。
ただ、少なくとも17日にかけて台風が沖縄方面をゆっくりと通過。
同じタイミングで秋雨前線が西から南下。
台風と秋雨前線のセット・・・・台風から流れ込む暖湿気によって前線が活発化することが計算されています。
『現時点で』大雨が始まると思われる16日21時の降水について詳しく見ると・・・・

九州南東部に124ミリ/12hの雨が計算されていますから、同じ傾向がさらに続くとすれば、土砂災害が警戒される200ミリの雨量は優に超えてくると思われます。
同日時の暖湿気・・・雨の原料の流れ込みの様子は・・・

九州方面は台風から直接流れ込む暖湿気、四国や紀伊半島方面の暖湿気は、太平洋高気圧縁辺を流れる暖湿気が台風によってパワーアップされたもの。
いずれにしても、340K以上という大雨を降らせるには十分な暖湿気です。
そして、大雨になる理由はさらにもう一つ・・・台風12号による紀伊半島の大雨と同様、台風がノロノロだということ。

偏西風が大陸沿岸・・・台風に届かない・・・・
朝鮮半島方面から上空の気圧の谷が東進して、偏西風と秋雨前線が南下してきますが、台風をサッサと押し流すほど南下してくるかは微妙なところ。
仮に偏西風が思いのほか南下したとしても、台風が日本を縦断してしまうことになりますから、それはそれで実りの秋に被害を与える恐れあり。
計算値が不安定なので、シミュレーションだけでうかつなことは言えませんが、いずれにせよ空振り覚悟で3連休の対策を考えておいても良いのではないでしょうか?
ちなみに、アメリカのGFSモデルのシミュレーション結果は・・・・

安全マージンを考える参考にしてください。
それでは・・・今日の天気をザッとチェックしておきましょう。


太平洋高気圧の覆われて猛暑・・・これだけ。
書き込みを読んでいただければOKです。
ただ、局地的な雷雨については・・・・・・

お馴染み・・・天気マークの予報じゃわかりません。
また、雷があっても「所により」なのか全域なのか?もわかりません。
さらに、シミュレーションの解像度以下の現象なので、計算もされていません。

しつこいようですが、予報官が計算値を吟味して作った府県天気予報でチェックしてください。
府県天気予報: http://www.imocwx.com/yohoud.htm
最後に、すでに台風15号の影響が出始めている沖縄方面の昨夜の波の様子を・・・・

これから台風が通過するまでは高まる一方ですから、3連休に沖縄旅行を予定されている方・・・無理をされませんように。
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(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNI、プログラム配布先より使用許諾を得ています)
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