2011年09月21日

台風15号進路予想と大雨・強風の推移(9月21日)


 (昨日の名古屋の大雨のメカニズムについては昨日の記事に簡単にまとめておきました)

 15時05分追記あり

 愛知県を中心に100万人を超える人を対象にした避難勧告が出ている台風15号の大雨
 雨台風のイメージが強くなっていますが、これからは風台風の様相を呈してきそう・・・・・

 このブログでは、ニュースや天気予報では伝えてくれない専門的な情報を使って、台風の様子をチェックしていきたいと思います。

 まずは、一番気になる台風の進路予想ですが、時々刻々と変化しますから、引用はせずにURLをご紹介しますので、最新の情報をチェックするようにしてください(米軍サイトは非常につながりにくい状態です)。

 気象庁5日間予報
   http://www.jma.go.jp/jp/typh/typh5.html
 米軍台風進路予想(TC Warning Graphicをクリック。日本時間は+9時間)
   http://www.usno.navy.mil/JTWC/

 進路予想をチェックしたところで、次は気象庁が着目している台風の注意点を、短期予報解説資料というプロ用の資料で確認しておきましょう。




 テレビの天気予報で伝えられていることと同じですね(お天気キャスターもこれを見ていますから当然同じになるはずです)。
 大きくまとめてしまうと・・・・

 ①停滞する秋雨前線の影響で台風本体だけでなく離れたところでも大雨のおそれ。
 ②暴風域を伴ったまま台風が加速するので、風が急に強まるおそれ。


 ということが注意点になると思います(風と関連して高潮のおそれも)。

 まず、①大雨のおそれ・・・ですが、雨雲の発達に関係する風向の様子とからめてMSMという気象庁のシミュレーションでチェックしておきましょう。




 一応、ポイントは書き込んでおきましたが・・・・
 台風には反時計回りの風が吹き込みますから、台風が北東に進むに従って、頭上の風がどのように変化するのか?風との関係で雨はいつ?どのように変化するのか?とい視点で、時間・場所ともに安全マージンをとりながらアニメを見ていただきたいと思います。

 次は、②風が急に強まる点について、まずは午前3時の上空の実況天気図でチェック。




 朝鮮半島方面付近の上空の気圧の谷が深まりながら東進
 これに伴って、偏西風も南下
 北上する台風と接触するタイミングで台風が加速します。

 暴風域を伴った台風が加速すれば、急に風が強まるおそれがあることは容易に想像できますが、以上の様子をわかり易いよう立体的なアニメにしてみました。




 南岸中心に暴風域に入ること、関東付近で偏西風と接触して急加速することがわかると思います。


 ここまでお読みいただければ、あとは最新の天気予報やニュースをチェックしてイメージを微調整することで、天気予報を120パーセント活用していただけると思いますが、台風は時々刻々と変化しますから、ネットの気象情報を使って、目先の危険を回避することも非常に有効です。

 そこで、気象庁HP( http://www.jma.go.jp/jp/radnowc/ )にある情報を使って、午前3時の紀伊半島や東海方面をモデルに、目先の大雨や強風を察知するテクニックの一つをご紹介しておきたいと思います。




 さて、目先の大雨をチェックするなら、多くの方は気象レーダーを使われると思います。




 着目点は、どこで雨雲が発生しているのか?雨雲はどこへ流れていくのか?雨雲は増える傾向か減る傾向か?ということ。
 ですから、必ず動画でチェックする必要があります。

 雨雲の傾向がわかったら、次はアメダスの風向風速をチェック。




 雨雲は、暖かく湿った空気が山にぶつかったり風向が大きく変化したり風が集まっている場合(収束線)に多く発生・発達します。
 そんな風の様子をチェックするわけですが、風速が弱い場合、風向は地形の影響でばらつきます。
 細かなことは気にしないで、上の図のように、大ざっぱな流れを考え、どこで異なる風向の風がぶつかっているのか?どこに風が集まっているのか?考えてみてください。

 この図では、暖かい風と冷たい風を色分けしていますが・・・・これはアメダスの気温でチェック。




 風向の違いと気温の急激な変化がみごとに対応していることがわかると思います。
 暖気と寒気がぶつかると、より雨雲が発達しやすくなります。

 今回の台風は秋雨前線とセットになっているので、以上の傾向が顕著




 これらの関係をあらかじめ実況で把握しておけば、風向の変化とともに雨が強まることを直前に察知することも可能になります。
 少々難しいかもしれませんが、今後の台風のために、この機会を使って練習されてみてはいかがでしょうか?

 ちなみに、関東でも同様の傾向がみられています。










 ご自分の地域でも同様の大雨が起こる可能性があると考えて、税金で作られている気象庁HPの情報を使いこなし、防災に役立ててください

15時05分追記

 気象庁の解析では、台風15号は14時頃に浜松市付近に上陸とのこと。
 上陸の様子を雨雲と風の様子でまとめておきました。







 上陸の様子がこれほど明瞭に観察される台風は少ないものです。

 それだけ中心付近の風速が強く、台風の目がしっかりとした発達した台風
 台風周辺では陸上でも20m/s以上の風が吹いていて、最大瞬間風速はその1.5倍~2倍が想定されますから・・・・
 関東方面の帰宅時間・・・相当な乱れがあるかも?



 
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(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNI、プログラム配布先より使用許諾を得ています)

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Posted by kasayan at 07:03Comments(0)雑記