2011年09月05日

台風12号・台風13号の動向、今日まで残る影響(9月5日)


12時25分追記、 20時20分追記

 台風12号の影響がおさまらないうちに台風13号が発生。




 台風13号の進路を含めて今後の空模様が気になる方も多いと思いますが、テレビと同じ順番では芸がないので?、まずは向こう一週間の天気傾向からザクッと見ておきましょう。




 7日から6日間は太平洋高気圧に覆われて晴れが続きそう
 ノロノロ台風12号の影響が続きましたからヤレヤレと言ったところですが・・・晴れたら暑くなるんじゃ?




 想像どおり、7日以降は平年を上回る気温が予想されています。
 もっとも、さすがに9月ですから、朝の気温は低め
 朝と日中の温度差が10℃近くもありそうですから、寝苦しさはないでしょうけど・・・・・・・

 さて、テレビの天気予報では今日もそれなりに警戒モードの放送がされているんじゃないかと思います。
 台風に先行して東日本で大雨がありましたけど、台風が去るにあたっても最後は東日本の雨で締めくくられるようです。

 では、目先の台風12号と台風13号の影響について詳しくチェックしていきましょう。
 まずは、予想天気図から・・・と言いたいところですが、二つの台風が目立っているだけで気圧配置の時系列的な流れがわかりにくいので、短期予報解説資料というプロ用の資料に掲載されている図を抜粋しておきました。




 台風13号・・・北海道に接近しますが、とりあえず上陸の心配はなさそう
 ただ、北海道・・・道東方面は台風から流れ込む暖湿気の影響で非常に激しい雨が予想されています。理屈だけでいえば先の紀伊半島と同じ現象ですけど・・・。

 他方、台風12号がらみでは、台風12号の温帯低気圧化にともなって発生した寒冷前線が、東日本日本海側を通過
 さらに太平洋側には風が収束して(雷雲を発生させる)上昇気流が発生しやすい場所・・・シアーラインが発生して東海~関東を通過
 東日本中心に比較的短時間ではあるものの、ゲリラ雷雨の時に発生するような激しい雨の降り易い状態・・・ということが予想されています。

 米軍台風進路予想(TC Warning Graphicをクリック。日本時間は+9時間)
   http://www.usno.navy.mil/JTWC/
 気象庁5日間予報
   http://www.jma.go.jp/jp/typh/typh5.html

 では、気になる台風13号・・・進路を決定する上空の偏西風の様子からチェックしておきましょう。




 しばしば天気予報で耳にする上空の気圧の谷が発達して上空の低気圧になっています。
 上空の低気圧の南端を流れる強い風が偏西風・・・上空の低気圧が発達して偏西風が三陸沖へ・・・台風13号をキャッチして、北海道に上陸する前に北へと押し流してしまいそう。

 これを地上の気圧配置降水の様子で見ると・・・・




 上陸はなさそうなので一安心というところですけど、台風の北側の東風が暖湿気を北海道に運び込み道東で大雨の恐れ。

 ついでに本州付近を見ておくと・・・今日は寒冷前線とシアーラインの雨の帯が通過して・・・明日は回復ということのようです。

 ということで・・・次は寒冷前線の発生の様子をチェックしておきましょう。




 台風12号が大陸の寒気を引きづり下ろしてきます。
 このため、台風が運び込んだ暖かく湿った空気と寒気がぶつかって日本海に寒冷前線が発生
 北陸から東北の日本海側では、寒気の南下とともに前線の雨が活発化します。

 そして、南岸のシアーラインもチェック。
 シアーラインは風が集まったり急激に風向が変化することによって上昇気流が発生しやすい場所・・・詳しい雨の様子と一緒にチェックしてしまいましょう。
 



 暖気と寒気を矢印で書きこみ、大雨の注意ポイントを赤丸で囲みました。
 南岸の風の流れ・・・北西風が急激に南西風に曲がっている場所がシアーライン
 シアーラインの東側に暖湿気が流れ込んで雨雲が活発になることがわかります。

 暖湿気をもっとリアルにしてみると・・・・




 紀伊半島に大雨を降らせ続けた強い暖湿気・・・紀伊半島の東側に抜けて、今日はシアーラインに沿って東海~関東方面へ
 
 ついでに三陸沖に目を向けると、暖湿気を上空まで吸い上げる台風13号の様子がわかります。
 この暖湿気が今夜から北海道方面に流れ込むので・・・北海道道東で大雨警戒ということになります。

 まあ・・・・今日はこのくらいにしておきます。
 いずれにせよ、今日いっぱい警戒モードを続けたらその後は晴れが続くということですね。




 最後にオマケ・・・4日03時のレーダーアメダス合成画像
 災害が発生した地域が赤の32mm/h以上・・・表示上限のエリアに対応していることがわかります。

12時25分追記
 昼飯を食いながら考えていたのですが・・・・・ここ一週間の台風12号がらみの計算値・・・いつも流線と降水を表示しているMSMというシミュレーションが、終始台風の速度を早めに計算していたように思います。
 このため実況を見ながら遅め遅めに修正をかける必要が生じていたわけですが、それと同時に紀伊半島方面の降水量予測を上方修正しなくてはならない状況に。
 まだ感覚的なところですが・・・・今後の台風へどう生かしていくべきか?考えどころだと思います。




 これは、午前中愛知県から岐阜県にかけて南北にシャープな強雨帯が発生したときのレーダー画像(立体化したもの)。
 昨日、この様子がMSMというシミュレーションで計算されましたが、一時的な計算結果として後に消えていました。
 しかし、実際は一時的に計算された現象がこのように発現・・・これが持続したら岐阜県も大変な大雨になったことでしょう。

 そして、12時のレーダー・・・




 台風13号に流れ込む暖湿気による強い降水帯関東の東海上に観測されていますが、この降水帯がもう少し西だったら・・・・紀伊半島まではいかなくとも、関東も恐ろしい大雨になっていたかもしれません。
 遅い台風の恐ろしさを見せつけた台風12号・・・・


20時20分追記
 明日(6日)北海道で大雨に警戒・・・ということが天気予報で呼びかけられているので、一応MSMの計算値だけは追記しておくことにしました。
 暖湿気が流れ込む様子などは、朝掲載の解説等を読んでいただければわかると思います。





 
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(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)

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Posted by kasayan at 07:03Comments(2)雑記