2010年05月24日
天気予報は当たるのか?(5月24日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
今朝、長野県大北地域に大雨警報が発表されました。
昨日から西日本では警報が連発で発表されていましたが、大北地方の大雨警報は午前7時現在、東日本で発表されている唯一の大雨警報です。
警報の電文に付されていた概要には「大北地域では、24日夜のはじめ頃まで土砂災害に警戒、24日夜遅くまで河川の増水に注意。長野地域、中部、南部では、24日夜遅くまで土砂災害や河川の増水に注意。北部では、24日夕方まで強風に注意。」と書かれています。

この図は、警報が発表された時刻に近い午前5時のレーダー画像に、計算値の風の流れを矢印で重ねたもの。
県内には盆地に沿って南~南東の風が吹きこんでいて、北アルプスや御嶽方面の高い山にぶつかって上昇、雨雲を発達(黄色の部分)させていることがわかります。
この状態、しばらく続きそうですから、北ア方面は特に要注意ですね。
また、昨夕に引き続き、今朝も「大雨に関する長野県気象情報 第2号」が発表されています。
気象情報は、ニュースの中で「・・・と気象台は注意を呼び掛けています」とアナウンサーが読んでいる原稿の原文のことです。
大雨に関する長野県気象情報 第2号
平成22年5月24日05時45分 長野地方気象台発表
(見出し)
大北地域では、24日夜のはじめ頃まで土砂災害に警戒して下さい。また、24日夜遅くまで河川の増水に注意して下さい。長野地域、中部、南部では、24日夜遅くまで、土砂災害や河川の増水に注意して下さい。
(本文)
[気象状況]
日本海西部には低気圧があって東に進んでいます。この低気圧に伴う温暖前線が、中国地方を通り伊豆諸島付近にのびています。
長野県内では、23日明け方から雨が降り続き、地盤が緩んでいる所があります。
24日は、引き続き低気圧に向かって暖かく湿った空気が入り、長野県内では夕方まで雨が降り続く見込みです。
[雨の実況]
降り始め(23日03時)から24日05時までの、アメダス観測地点で観測された降水量は、多い所で
松本市奈川155.5ミリ 松本市上高地126.5ミリ
宮田高原121.0ミリ 木曽町開田高原119.5ミリ
王滝村御嶽山116.0ミリ
となっています。
[雨の予想]
24日06時から25日06時までの24時間に予想される降水量は、いずれも多い所で、
北部 50ミリ
中部 60ミリ
南部 100ミリ
の見込みです。
[防災上の留意事項]
大北地域では、24日夜のはじめ頃まで、土砂災害に警戒して下さい。
長野地域、中部、南部でも、24日夜遅くまで、土砂災害に注意して下さい。
長野地域、大北地域、中部、南部では、24日夜遅くまで、河川の増水に注意して下さい。
[特記事項]
次の「大雨に関する長野県気象情報」(文章情報)は、24日17時頃に発表する予定です。
ということで・・・・今日のお天気放談は、雨の降り方をメインにまとめてみたいと思います。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

今日中に回復するエリアは長野県より西のエリア。
東日本・北日本はこれからがピークです。
二つのエリアの境目にあたる長野県・・・日中に回復する可能性は・・・低そうですね。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

中南部は夜になってやっとくもりへ。
北部は夕方以降「時々くもり」ですから、夜になっても雨が尾を引きづる予報になっています。
いずれにせよ、今日明るいうちの回復は期待できそうもありません。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

昨日に引き続き、気圧配置の動きが遅いというのがポイントです。
同じところにずっと降り続けますから、短時間に猛烈に降らなくとも、そこそこ強い雨でも継続して降ることで災害の危険性が高まります。
なんで、気圧配置の動きが遅いの?という話は、昨日の記事に書きましたから、興味のある方は読んでみてください。
昨日の記事:http://kasayan.naganoblog.jp/e473129.html
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
今日はさすがに天気予報の当たりハズレの話はできません。
雨の降り方のチェックを中心にまとめておきました。
気圧配置のの変化は上の天気図のアニメをご覧いただければよいですから、それに伴う雨のエリアの変化を時系列で見ておきましょう。

雨の降り方の傾向について、今朝発表された「大雨と暴風及び高波に関する全般気象情報 第6号」の文章がとてもうまくまとめていました。
「四国地方は24日昼前まで、近畿地方は24日昼過ぎまで、東日本では24日夜にかけて、北日本では25日にかけて」雷を伴った非常に激しい雨が降ることになります。
昼過ぎ頃までは、寒冷前線による西日本の雨、それ以降は関東付近にできる低気圧本体と温暖前線に吹き込む暖湿流の雨という変則的な影響を受けるようです。
どうやら県内は昼頃から雨のピークを迎えそうですから、ズームして詳しく見てみましょう。

昼頃から三重県や愛知県に降水量が多く計算されています(黄色)。
午後6時頃から回復に向かいそうですが、午後のピークについてもう少し詳しく見ておきましょう。

今朝は南東の風がメインで大北地域中心の雨ですが、午後3時は南の風がメインになって、風がぶつかる御嶽山や中ア・南ア付近・・・南部中心の雨が予想されています。
結局今日一日は警戒モード。
何事もなく、今年初めての大雨モードが終わってほしいものです。
大北地域の大雨警報の基準(R1=一時間降水量)

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Posted by kasayan at 07:37│Comments(0)
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