2011年07月02日

関東以西は今日も不安定、雷雨はどこで?(7月2日)


 いきなりですけど今朝5時、気象庁発表の天気予報・・・・




 曇りマークや傘マークが散在していますが、なんとなく「悪くない天気・・・」という雰囲気がします。

 でも、「所により・・・雷・・・」エリアと書きこんだ地域の予報文を読むと、ほぼ例外なく夕立・・・雷雨が予想されています。
 天気マークだけで判断するとイタイことになる典型ですから、マークだけで判断せずに、お住まいのエリアの予報文を読んでください

 予報文: http://www.imocwx.com/yohoud.htm

 このブログでも、何度か予報文の読み方を掲載してきましたが、念のため・・・・・







 読み方次第では、時系列予報並みの情報を得ることができますし、地元の気象台の予報官が、地域特有の気象状況を加味して、生の計算値を修正したものですから、いわゆるピンポイント予報より優先してチェックすることをオススメします。

 さて、今日の天気図・・・・




 薄い文字で「高」とか「低」などと書きこんでありますが、何も書き込みしなければ、日本付近に低気圧も高気圧も無く、とらえどころのない天気図に見えます。

 このような場合、テレビやラジオの天気予報の解説をするのはなかなか難しく、せいぜい「大気が不安定になって・・・雷雨が発生・・・」なんていうコメントがされることが多くなります。

 今日の場合、特に際立った上空の寒気もなく、太平洋高気圧がやや南下しているので、強烈な暖湿流が流れ込んでくるわけでもありませんから、なおさら説明が難しくなります(今日の予想気温は関東甲信で30℃を下回っています・・・越える所も多いでしょうけど)。

 一応、今日の夕立の理由を簡単にまとめてみると・・・
 関東沖の地上付近の低圧部に吹き込む風と、日本海の高圧部から吹きだす風が関東甲信方面でぶつかって上昇気流が発生しやすい・・・・さらに、日中の日差しで空気が暖められ内陸部に小さく弱い低気圧(ヒートロー)が発生し、さらに上昇気流が発生しやすく・・・・上昇気流が発生する場所で雷雲が発達する・・・・ということになると思います。

 西日本方面は西から流れ込む暖かく湿った空気の影響で・・・でイイと思いますけど・・・・・

 で・・・・今日の注目ポイントも夕立(雷雨)はいつ?どこで?発生するの?ですが・・・・
 まず、全国の地上付近の風や雨の様子・・・午後3時のモノ・・・・




 書き込みと上の予想天気図を見ればなんとなくイメージがつかめると思います。

 関東甲信付近にズームしてみると・・・・




 昨夜は関東甲信のかなり広い範囲に小粒でもピリリというような雷雲が発生しましたけど、今日も似たような感じ。
 赤の点線のライン付近で風が収束しやすいので、上昇気流が発生する要注意ポイントだと考えます。

 ちなみに、今日は雷雲を流す上空の風が弱いので、発生した雷雲は似たような場所で発達・衰弱を繰り返すと思いますが、発生した雷雲からの冷たい下降気流が新たに収束して雷雲を発生させる場合もありますから、雷雲の影響を受ける範囲は赤の点線より広めに考えておいたほうが無難だと思います。

 また、昨日の実況から、計算値以上の降水量になるおそれもありそうですから、この図を見て単純に「俺の頭上は大丈夫」とは考えないようにしてください。

 最後は、例によってKasayanの備忘録・・・・暖湿流の流れの様子・・・・








  


Posted by kasayan at 06:59Comments(0)雑記

2011年07月01日

今日も不安定、週末の天気も不安定(7月1日)


 昨日は、関東甲信の広い範囲で雷雨になりましたが、今日も似た状態が続きます。
 そして週末も・・・・・

 まず、週末の天気の・・・雰囲気・・・・を見ておきましょうか。




 いずれも、夕立の可能性が高くなる午後3時の降水の予想計算値ですけど、バラバラとあちこちに降水が計算されていて、まさしく不安定な天気という感じがします。

 お住まいのエリアの予報文を読んで、天気変化をイメージしてみてください。
 ちなみに、明後日(日曜日)の予報は、11時に発表され、17時に最新の計算で新たに予報が発表されます。
 「雨」のコトバば、「所により」なのか、そうでないのか?で雨の降り方が違いますから注意して読んでみてください。

 予報文: http://www.imocwx.com/yohoud.htm

 では、天気図より先に今日の雨の様子から見ちゃいましょう。




 東北の雨は回復傾向ですが、関東甲信地方は一日を通して所々に降水が計算されています。
 また、九州方面からまとまった雨域が東進。

 二つの原因がありそうですが・・・なぜ?




 一つ目の前線の南下は分かり易いのですが、二つ目・・・この天気図を見ただけでは西日本から雨のエリアが東進するなんて、そう簡単には分からないと思います。

 テレビやラジオの天気予報で、解説するのが難しい場面ですが、たぶん「上空の寒気の影響で」とか、「(上空の)気圧の谷の影響で」、または二つあわせて「寒気を伴った上空の気圧の谷の影響で」なんて解説がされると思います。
 いずれもその通りなんですけど、「上空」と言われたって地上の天気図とは無関係なので分かりにくい・・・・
 そこで、上のアニメでは、高気圧の中心側に等圧線が凹になった部分・・・・弱い気圧の谷・・・・の影響を示しておきました。

 でも・・・実際に上空の気圧の谷や寒気の様子をチェックしなくちゃブログを書いている意味がありません。




 詳細は書き込みでわかりますよね?

 ちなみに、西日本に影響する上空の寒気(左上図)は、特に高いところ・・・上空約9000m付近の寒気を指しています。
 ただ、関東甲信地方に不安定な天気をもたらしているのは、上空5800m付近あたりまで低いところまで下りてきている寒気。




 昨日日中、この-6℃の寒気が関東南岸まで南下してきたので、雷雨が特に激しくなりました。

 で・・・・具体的な雨や風の様子・・・




 全国的な雨の様子はアニメにしてあるので、関東甲信や東北南部に特化(本当は西日本まで検討するのがメンドウなんで・・・ゴメンナサイ)。

 今日も昨日と同様、山岳地帯で雷雲が発生し、上空の西風に流されて関東に雷雲が流れてくるという傾向。

 もっとリアルに・・・・Google Earthに重ねてみました。




 北アルプス、浅間山周辺、八ヶ岳方面、中央・南アルプス方面、秩父方面などの山で降水が多く計算されていることがわかります。
 また、そのあたりに風が収束していることも(地上と上空約1500mの風の流れを合成してしまったので分かりにくいかも)。

 いずれにせよ、午後の外出には気象レーダーをチェックしておくのが吉です。

 例によって最後はKasayanの備忘録・・・・暖湿流の様子。






  


Posted by kasayan at 07:23Comments(0)雑記