2011年07月24日

上空に寒気、大気不安定へ(7月24日)


 7月24日・・・平年並みに季節が変わるのなら梅雨明け直後・・・・梅雨明け十日の安定した夏空が続き、夏休み最初の週末・・・なんていう雰囲気なんですけど、猛暑・台風通過・肌寒い陽気とめまぐるしく天気が変化し、季節感がムチャクチャになっています。

 そんな陽気に、昨日は風邪で寝込んでしまったKasayanですが、今朝は復活。
 気を取り直して今日の天気をまとめておくことにします。

 まず今夜の予想天気図で今日の天気傾向を大ざっぱに・・・・・




 天気図だけ見ると、日本付近に台風6号があるだけで、これといって目立った高気圧も低気圧も見当たりません
 理科の教科書や一般向けのお天気の解説本などを読んだだけでは、自分で天気を予想するのが難しい場面だと思います。

 いくつか書き込みをしておきましたが、ポイントは①台風の影響を受ける北日本太平洋側と、②上空の寒気の流れ込みによって大気が不安定になり、西日本太平洋側・関東甲信越山沿いで雷雨が発生しやすい、ということになります。

 もっと詳しく見ると、地上付近の空気の流れなどもポイントになってくるのですが、テレビの天気予報の解説ではこれら二つのポイントを簡単に解説するのが限度ですから、このブログでは二つのポイントをさらに詳しく・・・そして地上や上空の空気の流れもまとめておきたいと思います。

 まず、上空の寒気の様子




 ただ寒気が流れ込んでくるのではなく、上空の気圧の谷(上空の低気圧の南端)が寒気を運んでくるといったイメージ。
 
 上空の気圧の谷の南端(青い線の付近)には上空の強い流れがあるのですが・・・・・




 川の流れがカーブしていると淀みができたり渦ができたりしますが、上空の空気の流れも同じ。
 上空の流れが南側にU字にカーブしていると低気圧性の反時計回りの渦ができやすい状態になります。

 このように、上空では寒気が流入し、低気圧性の渦ができやすい状態が形成される・・・・つまり、大気が不安定(雷雨が発生しやすい状態)になるわけですが、さらに地上付近に雨の原料が流れ込んでくれば雷雨のパワーが強まります。




 地上付近には大平洋高気圧の縁辺の風(一番上の天気図のオレンジの矢ばね)に流されて、湿った暖かい空気(雨の原料)が流れ込み始めています。
 東日本ではまだ沿岸ギリギリですが、四国や九州にはかなりの量。

 だから・・・・大気不安定に雨の原料の流れ込みも加わって、西日本中心・・・それも太平洋側中心の雷雨。
 東日本は、海風が湿った空気が内陸に運びこんでくる場所ほど・・・・気温が上昇して上昇気流が発生しやすい場所ほど雷雨発生の可能性が高くなります。

 以上のイメージを意識しながら、風の流れと降水の関係を見てみると・・・・







 詳しくは図中の書き込みを読んでいただくとして・・・・・

 西日本南岸の雷雨はかなりの確率で発生すると思うのですが、関東甲信越の雷雨の発生の予測はかなり困難
 湿った空気の流れ込みに影響を与えるのが地上の加熱によって発生する局地的な熱低気圧(ヒートロー)や海風
 でも、どの程度のパワーで湿った空気を内陸に運び込むのかがわからない・・・・・。
 雲が多く太陽を遮れば、パワーが弱くなって雷雨も小粒になるし・・・・・「所により」でお茶を濁したいのが本音です。

 雷雨発生のひとつの目安と考えて、最寄りの気象台の予報文で「雷」の文字をチェックしてください

 予報文: http://www.imocwx.com/yohoud.htm

 今日はこれでおしまいですが・・・・
 上空の寒気というと、テーブル上にこぼした水が広がるようにやってくる寒気をイメージしますが、大気は立体的。
 上空ほど気温が低いわけですから、寒気がやってくる場所ほど低温の高さが低いということになります。
 そんな様子をイメージできる図を作ったのでご参考まで(今日の下層寒気)。




 

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 可能な限り返信いたします。



(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)



  


Posted by kasayan at 06:03Comments(2)雑記