2011年07月27日

台風9号?進路に注目、不安定な天気続く(7月27日)


 現在台風8号が発生していますが、台風8号は大陸方面に西進しそうなので日本への直接の影響はなし

 ただ今日にも発生しそうな台風9号?が非常にイヤな感じ・・・・
 一昨日から台風9号?の予想進路(計算値)を掲載していますが、今朝の最新の計算値ではコースが大きく変化しています。




 昨日の計算値は、小笠原付近を通過したあと、日本の東海上を北東進するというものでしたが、今朝の計算値はコースを西寄りに変えて、九州・四国の南へと進むことを示唆しています。

 大平洋高気圧の西への張り出しが強めに計算された結果だと思いますが、今後の計算値からは目が離せません

 米軍予想http://www.usno.navy.mil/NOOC/nmfc-ph/RSS/jtwc/warnings/wp1111.gif

 さて、今日の天気ですが・・・・今日も大気不安定・・・・上空の寒気と地上付近の暖湿流の影響で、今日は強い日差しがなくとも雷雲が発生しやすくなっています。




 ここ数日、似たような天気図でちょっとマンネリ気味ですが、今夜の予想天気図には、北海道付近にオホーツク海高気圧が顔を出しています。
 図に山の絵を書き込んでおきましたが、日本付近はオホーツク海高気圧(山)と大平洋高気圧(山)にはさまれた気圧の谷
 上空の空気の流れが大きく蛇行しているからですが(昨日の記事参照)、蛇行は簡単には解消しませんから、この状態がしばらく続いてしまいます

 そして、谷には谷川が流れているように、気圧の谷にも寒気や暖かく湿った空気が流れ込みやすく、日本付近は大気不安定の状態、雲が広がり易い状態が続くことになります。

 まずは上空の寒気を詳しく・・・・




 上空の空気の流れが蛇行していると、流れの淀みには寒気が貯まって居座るようになります。
 今日は-9℃の寒気のコアの部分が北日本を通過・・・北日本の大気は特に不安定へ。

 また、今日は大平洋高気圧がやや西に張り出すため、暖湿気が日本海を経由して東北方面にも流れ込むようになります。




 では、上空の寒気と暖かく湿った空気の相互作用で、いつ、どこでたくさん雨が降るの?




 暖湿流が避けて通る九州方面の雨は少なくて済みそうですが、近畿から東北にかけてはいつどこで降るかは特定できない状態
 どこでも雨が降り易いというしかありません。

 特に雷雨が活発になりそうな午後の様子を拡大して見ると・・・




 西では大平洋側、北では日本海側で活発という傾向はみられますが、雷雲は上空の風に流されますから断定はできません。
 また、頭上では降っていなくても、隣町では降っているというコマカなスケールの雷雲も多くことが考えられますから、安全をみて「所によって雷雨」とイメージしておくしかなさそうです。


 ところで、昨日(朝)の計算値・・・関東平野(特に南部)の雷雨についてはかなり過大に計算されていたようで、実際の雨の降りだしは遅く、その量も計算値ほどではありませんでした。




 昨日夕方の気圧配置や風の様子をざっくりと考察してみると、関東平野の風(海風)は収束しにくい状態
 雷雨の計算値には暖湿気の強さに大きく左右され、過大な降水をはじき出してしまったのではないかと思います。

 このため、気象庁発表の東京や神奈川の雷雨の予報については、多くの方がハズレという印象を持たれたのではないかと思います。
 ただ・・・今日の関東南部の雨については・・・あたりだと思います。


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(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)

  


Posted by kasayan at 07:17Comments(0)雑記