2011年07月30日
台風9号進路予想、関東甲信越の大雨(7月30日)
まずは台風9号の進路予想から・・・・
気象庁予報に最も使われるGSMというシミュレーションプログラム・・・・昨日から沖縄付近を通過し大陸方面へと進むコースを示唆し始めましたが、今朝は大陸方面へと進むことに変わりはないものの、ほんの少し日本寄りに揺り戻し・・・

大平洋高気圧の勢力が昨日の計算値よりやや弱めに計算されたためと思われますが、太平洋高気圧の勢力は台風の勢力とも連動しているので、まだまだ計算値は不安定傾向。

気象庁の進路予想図の予報円の中ならどこでも台風がやってくる可能性があると思っていたほうが無難です。
米軍進路予想図
http://www.usno.navy.mil/NOOC/nmfc-ph/RSS/jtwc/warnings/wp1111.gif
気象庁進路予想図(5日間予想)
http://www.jma.go.jp/jp/typh/11095.html
また、台風接近のタイミングで太平洋高気圧が日本付近に勢力を拡大することが計算されているため、週間予報では4日前後から東日本の気温が平年並になることが予想されています。

このあたりも、太平洋高気圧次第ですから、かなり流動的。
今回の台風が8月初旬の天気傾向に大きく影響することになりそうです。
さて・・・・新潟や福島方面で大雨による災害が発生していますが、今日の雨は?

メディアの天気予報では、大雨をもたらしている前線は南下しつつ弱まる傾向・・・・と言っていると思います。
大平洋高気圧が弱まって前線が南下、暖湿流(雨の原料)の日本海方面への流れ込みの程度などが変化しているので、天気図から前線が消滅していますが、天気図に描かれていないだけで実質的な前線は停滞し続けています。
また、上空の寒気のコアも、今日いっぱい関東甲信越や東北南部の上空にあります。
少なくとも今日いっぱいは、関東甲信越方面で突然の大雨のおそれがあると考えるべきでしょう。
では、上空の寒気の様子から詳しくチェックしていきましょう。

上空5800m付近で-6℃以下の寒気・・・・天気図中「C」と書かれている所がコアの部分ですが、北陸から関東付近をゆっくりと南下中。
今日いっぱいは寒気の影響を受けて、大気不安定の状態が続きそう。
次は暖湿流・・・寒気の下・・・地上付近に流れ込む雨の原料の様子。

昨日のようにダイレクトに北陸へと流れ込む傾向はおさまりますが、山陰付近を経由して関東甲信地方へ・・・やや西よりの方向から流れ込むことが計算されています。
で・・・雨はどのように降るの?
まずは今朝5時の実況から。

今朝の段階でも、新潟・福島・栃木・群馬県境付近の山岳の北側で激しい雨が降っています。
日本海側から暖湿気が流れ込むので、暖湿気がぶつかって上昇しやすい山の風上側で雨雲が特に発達していることがわかります(山間を抜けた暖湿流が太平洋岸でも雨雲を作っています)。
この雨のメカニズムは?


大平洋高気圧が弱りつつあるため、昨日まで優勢だった南西風(昨日の記事参照)は西日本の太平洋側まで押しやられ、代わって北のオホーツク海方面から流れ込む北東の風が優勢になっています。
このため、前線は南下しつつ弱まる傾向にはあるのですが・・・・
東海沖をはじめ、関東甲信地方は全般に低圧部になっていて西日本に流れ込む暖湿気を引っ張り込み、複雑な流れの暖湿流がぶつかる山や、暖湿流が収束する場所で上昇気流が発生し、寒気によって雨雲が発達するという構造になっているようです。
具体的な雨の変化は?

引き続き関東甲信越地方を中心に雨が活発。
今朝の気象庁から大雨情報が発表されていますから、何ミリ降るのか?など量的な予想は、以下のURLの最新の情報でチェックしてください。
大雨情報: http://www.jma.go.jp/jp/kishojoho/
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(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)