2011年07月29日
台風9号進路予想と関東甲信越の大雨(7月29日)
昨日台風9号が発生しましたが、その予想進路は流動的。
GSMという気象庁の予報の中核を担う計算値は、一昨日・昨日と九州・四国方面への接近を示唆していましたが(昨日の記事参照)、今朝の計算値は沖縄付近を通過して大陸方面に進むことを示唆しています(発達の程度も大)。

これは、太平洋高気圧の発達に関する計算が不安定なためと思われますが、新しい観測値を加えて計算するたびに計算値はフラフラと異なった結果をはじき出す可能性があります。

今月いっぱい台風の進路は定まらない(迷走の可能性も)と考えて、最新の予想進路をチェックするのがオススメです。
ちなみに、米海軍のGFSという計算値はこんな結果になっています(初期時間はGSMと同様28日21時)。

日本のGSMとほぼ同様の位置に台風を計算していますが、もう一つ・・・台風と思われる低圧部を計算しています。
野球で遠投するとき、手元が少し狂っただけで、とんでもないところに球が飛んでいってしまうように、気象のシミュレーションも遠い未来を予想しようとすると結果が大きく異なってしまいます。
今言えることは・・・・台風9号は沖縄付近に接近するということだけは確からしい・・・・が限度でしょう。
米軍進路予想図
http://www.usno.navy.mil/NOOC/nmfc-ph/RSS/jtwc/warnings/wp1111.gif
気象庁進路予想図(5日間予想)
http://www.jma.go.jp/jp/typh/11095.html
さて、今日の天気・・・・引き続き北陸や東北日本海側を中心の大雨・・・・
テレビやラジオの天気予報では、「大平洋高気圧が西日本に張り出し、高気圧縁辺・・・・東シナ海~朝鮮半島~日本海を回って、北陸方面に暖かく湿った空気が流れ込んでいる・・・・上空には寒気があって、前線付近では特に大気が不安定」・・・・・「前線は消滅する傾向だけど、この週末も東日本中心に大気不安定の状態が続く」という話が繰り返しされているはずなので、耳にタコ?かもしれませんが・・・・

書き込みを読んでいただければイイですよね?
特に大雨のおそれがある関東甲信越付近をズームしてみると・・・・

前線付近・・・新潟県方面で二種類の空気が強烈に収束しているのがわかります。
さらに、新潟・群馬・栃木県境付近の山々による空気の強制上昇も加わって、山の北側を中心に雨が活発になることも読みとれます。
以上を踏まえて、今日の雨の様子をアニメで見ると・・・・

ありきたりですけど、大雨厳重警戒。
そして、この不安定な状態・・・一番上のアニメをご覧になればわかるように、少なくとも向こう一週間は続いてしまいそうです。
ご意見・ご質問等は、コメント欄・メール(kasayangw@yahoo.co.jp)にてどうぞ。
可能な限り返信いたします。

(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)