2011年07月05日

前線南岸に停滞、天気回復も局地的に不安定(7月5日)



 故郷長野にUターンした気象予報士Kasayan。毎朝コツコツ天気予報の老化防止?。おきまりのテレビの天気予報に背を向けて、視聴者目線で「天気予報」をチェックします。

 いきなりですが、昨夜の実況天気図と、今夜の予想天気図から・・・・




 梅雨前線がゆーっくりと南下して太平洋岸に停滞

 前線がかかる九州方面では、引き続き暖かく湿った空気が流れ込みやすく、大雨のおそれが続きますが、その他の地域は梅雨前線の北側の比較的乾燥した空気に覆われて、天気が回復し、比較的カラッとした晴天

 ただ、天気が回復する地域でも、上空には寒気があるので、地上付近で風が集まったり(収束)、気温が上がって、空気が上昇する場所では局地的に雷雲が発生するおそれがあります。
 
 ・・・・テレビやラジオの天気予報では、だいたいこんな解説があると思いますが・・・そんな気圧配置から計算される具体的な雨の様子をチェックしてみましょう。




 梅雨前線はなだらかな「U」字を描いて南岸に停滞するので、前線がかかる九州や、前線に近い東海~関東の沿岸部ではぐずつき気味
 一方、前線の北側でも、関東甲信地方では、山沿いを中心に降水域が点在していて、不安定な空模様がうかがえます。

 不安定な空模様・・・雨の様子を風の様子と絡めてチェックしてみると・・・・




 前線の北側でも、長野県に低圧部が発生・・・・日本海側や太平洋側から低圧部に風が流れ込むようです。

 ズームしてみると・・・・




 例によって、風が集まる場所や、山岳にぶつかって強制的に上昇させられる場所で降水の計算。
 とりあえず、雷雲が発生しやすそうな場所を赤の点線で表示しておきましたが、発生した雷雲を押し流す上空の風は西寄りの風なので・・・関東平野部(埼玉付近?)も雷雨のおそれがあります。
 また、関東平野部にも気温上昇による熱低気圧が発生して風が収束する可能性もあるので(計算値も計算の度にコロコロ変化する傾向)、降水エリア(青)に気をとられず、携帯でもチェックできる気象レーダーなどを使われることをオススメします。

 ところで、風が集まって空気が上昇しても、周辺の空気が冷たくないと、空気を上昇させるパワーが弱く、雷雲の発生も弱いものになるのですが・・・・




 上空5800m付近には-6℃以下の寒気がスタンバッています。

 また、集まる風が湿った暖かい空気であるほど空気が上昇するパワーが強く、湿った空気であるほど雨を降らせるパワーが強くなりますが・・・・




 九州、四国、東海・関東の沿岸部・・・前線付近に暖かく湿った空気(高相当温位)が流れ込むとの計算値。
 上空に寒気があって、空気が集まりやすく、湿った空気が地上付近にそこそこ流れ込んでいる場所・・・・関東甲信付近で雷雲が特に発生しやすくなるようですね。

 以上で今日のチェックは終わりですが・・・九州南部・・・気象庁は梅雨明けを宣言してしまいましたけど・・・懸念していたように、9月にはその時期の修正があるでしょうか?


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(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)
  


Posted by kasayan at 06:14Comments(0)雑記