2011年07月04日
全国的に雨模様、北日本中心に大雨注意(7月4日)

故郷長野にUターンした気象予報士Kasayan。毎朝コツコツ天気予報の老化防止?。おきまりのテレビの天気予報に背を向けて、視聴者目線で「天気予報」をチェックします。
昨日も夕立の予測をしてみたので、その検証から・・・・・
昨日の気象レーダーと、昨日朝の夕立発生可能性場所の予想を比較・・・・


一昨日は長野県北部付近を中心に計算値が過大になる傾向があって、太平洋岸ほど計算値に近い結果になっていましたが、昨日は正反対・・・・・全般に過大に計算される傾向にありましたが、日本海に近い地域ほど計算値に近い結果になっていました。
(気象庁レーダーでは不明瞭な雷雲をとらえるため、河川情報センターのレーダーを掲載しています)
日本付近に流れ込む暖湿流の位置や雨を降らせるパワーの程度によって雷雨が発生しやすい場所が異なります。
東京や埼玉の西部の予報・・・「所により・・・雷・・・」は、ハズレに近いものになりましたが、ハズレと思われる場所でも積乱雲に至らない雄大積雲などが発生していたと思われますから、”落雷”に注意する上では、単純にハズレと評価できるものではないと思います。
さて・・・今日は、コマゴマとした地域を考える必要がないほどの雨模様が予想されています。
まずは、天気図で「何がおこるのか?」をチェックしておきましょう。

発達した低気圧の北日本接近(明日にかけて通過)と、梅雨前線の日本海からの南下の二つがポイント。
さっそく、前線の南下に伴って、前線の雨域の位置がどのように変化するのかをチェック。

コメントが必要ないほどですが、降る雨はシトシトの雨ではなくて、ザッと降っては止んで、またザッと降る夕立のような雨。
東北被災地や震度5強の地震があった長野県の松本付近では、ザッと降りだしたら土砂災害・・・を頭にチラッと思い浮かべてください。
今朝はいつもの具体的な風の様子の図は掲載しませんけど、上のアニメで明らかなように、前線の接近に伴い、全国的に南~南西の風がメインになるはずです。
さて、テレビでもラジオでも「前線が南下するため」とか「前線上の低気圧が発達するため」という解説がされると思いますが、「なぜ、前線が南下するの?」という解説はあまり聞かれないと思います。

これ・・上空の天気図ですが、上空の低気圧が北海道付近へと東進。
前線の南側は上空の気圧の谷になっていて次第に深まりながら東進していることがわかります。
この低気圧に太平洋高気圧が押し下げられて、低気圧と太平洋高気圧の間の梅雨前線も南岸まで南下することになるわけです。
そして・・・この上空の低気圧・・・・寒気を伴っています。

このため、冷たい空気と地上付近の暖かく湿った空気の相互作用で、前線が活発になります。
そして・・・・前線が通過すると、気温は下がる傾向。

これは、前線が早めに通過する新潟県上越市の時系列予報ですが、明日朝にかけて気温が下がりっ放し。
明日日中、日差しが出ればすぐに気温は上昇すると思いますが、朝は比較的涼しいと思います。
お住まいの地域の時系列予報は・・ http://www.jma.go.jp/jp/jikei/
この図では、気温の変化に加えて、前線の接近に伴い雨が降り出すタイミングもチェックできるはずです。
最後はKasayanの備忘録・・・またまた今日の暖湿流の様子。
3Dの画像を見ると、前線付近で暖湿気が壁のように上空まで上昇していることがわかります。
活発な前線活動・・・ですね。

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可能な限り返信いたします。

(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)