2011年07月12日
西日本の雷雨拡大、東日本は山沿いで雷雨(7月12日)

これ、昨日Kasayanの仕事場から撮影した落雷の様子。
長野市南部ではおよそ20秒に一回の割合で落雷が発生していました。
さて、今日のチェックポイントも雷雨・・・
今日の雷雨の予想をイメージしやすいように、まずは昨日の雷雨の様子のおさらいから・・・・
まずは昨日14時~16時の気象レーダーのアニメと、15時の風の様子。


大ざっぱに北からの風(日本海の海風)と、南からの風(太平洋の海風・内陸部の空気の流れ)がぶつかったり、接近したり、山にぶつかったところで雷雨が発生。
気温上昇で地面が暖められ、上昇気流が発生してできる熱低気圧(ヒートロー)も、風の流れに大きく影響しています。

二つの図をGoogle Earth上に貼り付けたものですが、予想図でもこんな図を頭の中にイメージしていただければ、どこで雷雨が発生するのか?をリアルに考えることができると思います。
それでは、今日の天気・・・まずは気圧配置から。

雷雨がポイントですが、雷雨の様子は西日本と東日本で異なります。
西日本の地上付近には大平洋高気圧縁辺の暖湿流が流れ込み、上空では寒気が通過するので、広い範囲で大気が不安定。
広範囲の雷雨が予想されます。
他方、東日本は、太平洋高気圧の高圧部に近いので、高気圧の下降流域(乾燥域)の影響を受け、雷雨は風が収束して上昇気流ができやすい内陸山岳部中心(原則的には・・・)。
もっと詳しくチェックしてみましょう。
まず、西日本上空の寒気から。

書き込みのとおりなので、次は西日本下層に流れ込みやすい暖湿流の様子。

暖湿流の主軸は西日本を通過して日本海経由で北海道方面へ。
関東地方は「相対的に」乾燥域(青色が薄い)になっていて、雷雨が局地的ということがわかります。
もっとも、気温が上昇すると海風が湿った空気を運んでくるので雷雨の可能性がまったくないというわけではありませんから、このあたりが予想の難しいところ・・・・
具体的に雷雨の様子を考えてみましょう(立体的に考えてみてください)。


東日本では長野県を中心とした中部山岳地帯中心の雷雨。
昨日同様、雷銀座の北関東平野部に雷雨を予想していませんが、万が一、海風が特に湿った空気を運びこんだり、何かの拍子に風が収束したりすれば、まさにゲリラ雷雨。
予想が困難ですが・・・・まあ、昨日同様・・・・無いとは思いますが・・・・・
何度も書いてきましたが、気象庁の計算値の解像度は雷雨の予想にはまだまだ足りていません。
あくまで、赤の点線部分での雷雨発生の可能性が高いと考えるにとどめてくださいね。

雷雨後の虹(長野駅付近)
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(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNIより使用許諾を得ています)