2010年06月26日
天気予報は当たるのか?(6月26日)予報はコマメに確認!
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言

西日本に活発な雨雲・・・特に九州南部や四国には一時間に30ミリを超えるような激しい雨。
もちろん、大雨に関する情報(ニュースで予想される雨量は・・と言っているヤツ)が出ています。
http://www.jma.go.jp/jp/kishojoho/
長野県付近にズームしてみると・・・

雨エリアの本体の東の端っこがすでに長野県にかかってきています。
南部ほど活発な雨雲。
今はバラバラな雨雲ですけど、岐阜県付近の雨雲の本体が何時頃長野県にかかってくるのか?
それが今日の天気予報のキモですね。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

西日本から東海にかけての太平洋岸は傘マーク一発・・しっかりとした雨。
東日本は「のち」傘マークですから、次第に下り坂。
上で見た衛星やレーダーの画像のエリアと同じイメージですね。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

昨日午後5時に発表された予報では、雲マーク一発で、予報文の中で「所により 雨」でした。
それが今朝になると、傘マークがキチンとついていて、北部中部は「のち雨」マークに・・・降り出しのタイミングは「昼過ぎ」。
南部は「時々雨」マークですから、朝から広い範囲の雨・・・に変更されています。
予報は昨日よりちょっとだけ悪目になったということですね。
昨夜更新した記事に、「明日朝5時発表の予報で最終確認してください」と書いておきましたが、梅雨前線の東の端っこにある長野県は予報が微妙な状態。
さらに高い山々が県境を城壁のように囲っているので、湿った空気や雨雲が県内の盆地に流れ込むのを防いでいるので、この城壁がいつ決壊するのか?しないのか?はたまた盆地をすり抜けるように雨雲や湿った空気が流れ込むのか?判断がさらに悩ましくなります。
(Kasayanの感覚では、コンピューターの計算値をほんの少し割り引く程度が実際のイメージと一致する傾向なんですけど・・・)
この程度の予報訂正なら、昨日の予報も当たりといってイイと思うんですけど・・・昨夜の予報・・・マークだけしか見ていない人の中には、予報がコロコロ変わる!!と文句を言う人もいるんでしょうね。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

アニメにするより、短期予報解説資料(プロ用の資料)に添付されていた図が、シンプルでわかりやすかったので、そのまま使わせていただきました(プロ用なんで、本当はもう少し別の書き込みが欲しいところなんですが)。
前線の位置、昨夜の予報では、太平洋高気圧が強まる影響で、もう少し北上するはずだったんですけど、高気圧がイマイチ強まらず、山陰沖から北陸沖にかけて同じようなところに停滞する方向に変わってきています(よろしければ昨日の記事もご覧ください)。
ということは・・・・前線が十分に北上しないので・・・・天気はちょっと悪目の方向です。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
いつものように、地上の気圧配置の台本になる上空の天気図と気温の様子から。

相変わらず、上空の天気図の線(等高度線:等圧線と同様に見ればOK)が思いっきり蛇行。
朝鮮半島の北西(華北)にある低気圧・・・上空の強い風の流れから切り離された渦(寒冷渦)・・・の位置は留ったまま。
台本がストップしているので、地上の天気変化もストップしたままです。
そして、華北の低気圧は下の図の青で塗った-9℃の冷たい空気のカタマリを持っていて、このカタマリがグルグルと反時計回りに回転。
寒気のカタマリの一部がググッと南に触手を伸ばすと一時的に梅雨前線が活発になります。
九州方面の梅雨前線の雨、動きが遅く、このタイミングで断続的に活発化しますから、雨が弱まっても安心できません。
一方、地上付近・・・雨の原料になる暖かく湿った空気が流れ込む傾向は?

赤で塗った強い暖湿流が、太平洋高気圧の西の縁にそって北上し、九州方面・・・幸い対馬海峡付近へそれてはいますけど・・・で強まる傾向。
先端部分は今夜には東北南部付近まで北上します。
赤の点線は暖湿流の北限ですけど、ここが天気図上の前線に対応。
長野県もこれからもっとムシムシする傾向・・・雨の原料がたくさん流れ込んできます。
で・・具体的な雨は?
まず、12時間降水量で・・・・

点線の内側はぐずつくというイメージのエリア、その内側の青で塗ったエリアがしっかりとした雨というイメージのエリア。
長野県付近はぐずつくというイメージとしっかりした雨というイメージの中間。
「時々雨」という予報・・・そのまんまです。
そしてもっと具体的に1時間降水量で見ると・・・・

今夜東北南部まで拡大・・・中部地方は・・・なんだか雨エリアにすきまが・・・・
長野県にズームしてアニメで・・・

北部中部の降り出し・・・予報は「昼過ぎから」ですけど、上のレーダーで見たように、実際は午前中からぐずつき気味。
また、午後から県内広く雨が拡大という流れですが、高い山々が湿った空気をブロックして、山中心の雨。
盆地では予報どおり「時々雨」というイメージでしょう。
ということで・・・・キチンと雨の傾向を理解していれば・・・今日の予報は当たる・・でよいと思います。
明日日曜?・・・こういう状況ですから、もちろん明日朝に最終確認してください。
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Posted by kasayan at 07:14│Comments(0)
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