2010年06月09日

天気予報は当たるのか?(6月9日)ハッキリしない天気続く


 故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?

1、今日の一言




 今朝の衛星画像・・・南海上には低気圧や前線のハッキリした雲が見えますが、基本的に日本付近は高気圧の雲の無いエリア・・・なんですけど・・・・

 赤の点線で囲んだエリアに比較的背の低い雲のカタマリがあります。
今朝、東日本中心に雨を降らせている雲ですが、これをアニメーション(気象庁HPでアニメで見ることができます。下のURLをクリック)で見ると、ぐるぐると反時計回りに渦を巻いています。
 気象庁衛星画像http://www.jma.go.jp/jp/gms/

 寒冷渦と呼ばれる上空の寒気のカタマリの渦によってできる雲。
今年の4月から、この寒気のカタマリが何回もやってきました。
 いつもより回数が多いんじゃないかな?なんて思うのですが、この寒気がやってこなくなると、もう梅雨です。
 6月8日の梅雨入り平年日を過ぎてしまった長野県ですけど・・・・・・

2、全国の予報
 テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。





 今朝はどうやってエリア分けしようかと迷ったのですが、エイやっ!と線を引いてしまったので、細かな傾向は上のリンクから気象庁のHPをたどって、各地の予報文を読んでください。
 不安定エリアも西から回復に向かいますけど、回復して晴れれば気温上昇・・・上空の寒気が抜ける傾向でも相対的に不安定になって、にわか雨の可能性が出てきます。

 昨日に引き続き、プロ用の「短期予報解説資料」には・・・
「日本付近の降水については予想やや不確実。実況とのズレを考慮し、MSM も参考にする」なんて書かれています。
 予想も不安定・・・・不安定エリアの雨の予想は相変わらず安全マージンをとる必要がありそうです。

3、長野県の予報
 長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。





 予報文を読むと、昼過ぎ=12時~15時の間に晴れ間が出てくる予想になっていますが、「所により」の雨は「夜のはじめ頃まで」・・・ということは夜9時頃まで雨の可能性が予想されています。
 午後回復に向かうけど、雨の可能性は夜までということは、回復がスムーズじゃないっていうことになります。
 はっきりしない天気・・・というはっきりしない表現?がピッタリのイメージでしょう。

4、一般的な天気図の評
 どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。




 北海道はサハリン付近の低気圧から延びるシアーライン(風が集まる所)の影響でやや下り坂ですけど、こちらは横目で見る程度にしておいて・・・・・
 昨日に引き続き、今日のポイントも、東日本をゆっくりと通過する上空の寒気です。

5、今日の天気予報は当たるのか?
 100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。


 先週から似たようなことばっかり書いていてマンネリ気味なので、どうして寒気がカタマリになって居座ったり、天気変化が遅いのか?
 上空の空気の流れと地上付近の空気の流れを見てみましょう。







 上の図・・上空の気圧配置と空気の流れと下の図・・・地上付近の気圧配置と空気の流れ・・・なんだかよく似ています
普通、上空の空気の流れが地上付近の気圧配置を変化させる役目を果たしているんですけど、地上も上空も似た空気の流れになっているので、地上の気圧配置もなかなか動きません。
 上空の流れがいつも以上に蛇行しているので、こんな傾向になっちゃっています。

 ちなみに、南海上の雨は南岸の低気圧の影響、東日本の雨は上空の低気圧(寒冷渦)の影響という区別がよくわかりますよね。

 さて、いつものように、東日本中心の不安定をもたらす寒気の様子




 川でも空気でも流れが蛇行していれば、曲がり角に渦をまいたよどみができますけど、それが東日本へ進んでくる寒気
 不安定の原因は居座り続けます。

 で・・・不安定による雨は・・・・
今朝のレーダー画像と、夕方の予想をまとめて見てみましょう。







 なんかほんのちょっとだけ雨のエリアが関東方面に南下しただけという感じですよね。
これだけ天気変化が遅ければ計算値の小さな誤差が大きく影響してしまいます。
 
 で・・・・今日の予報・・・・天気マークには太陽マークがついていますが、これに期待しすぎると失敗する可能性があります。
 予報がはずれるとまではいいませんけど、中部や南部では太陽マークをうんと割り引いて考えておいたほうが良いと思います。

16時30分追記:南部や中部と書きましたが、実際は北部で夕立になっちゃいました。
雷注意報も発表されています。
ここまで雷雲が発達するとは思いませんでした・・・・完敗・・・・来年への蓄積にしたいと思います。


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