2010年06月26日

週間予報をまとめてみました(6月26日)不安定な天気続く


 梅雨も真っ盛りになってきましたので、むこう一週間の週間予報をチェックしておきました。

 とりあえず、26日(土)午後5時気象庁発表の長野の週間予報を見てみます。




 明日27日から7月2日まで、ずーっと同じマーク
 28日以降は「一時 雨」
 予報の用語集で「一時」を調べると”現象が連続的に起こり、その現象の発現期間が予報期間の1/4未満のとき”ですから、向う一週間は基本的には曇りだけど一日24時間のうち最大6時間くらいは雨だね・・・・という予報です。

 また、信頼度の欄を見ると、30日以降は「C」判定
 通知表でCがついたら親に怒られそうですけど、週間予報の信頼度のC判定も最下位の判定




 もっとも、信頼度は降水について判断されていますから、予報に多少ズレが生じたとしても曇りベースの一週間になることは確かでしょう。

 で・・・・これで終わったら、このブログで週間予報をわざわざチェックする意味がないので、もうちょっと詳しくチェックしてみます。
 ただ、自分一人で考えると非常に手間がかかるので(普段の予想の7倍ですから)、気象庁の予報部が発表しているプロ用の資料「週間天気予報解説資料 6月25日10時発表」に基づいて、天気図をまとめてみました。
 左の図は上空5800m付近の天気図、中の図は上空1500m付近の相当温位(雨の原料の程度)、右側の図は一般的な地上の天気図で、網かけの部分が過去24時間の降水域、マークは長野県の天気マークです。
 なお、 文章中のカッコ内の書き込みはKasayanが書いてます。




 朝鮮半島にトラフ(上空の気圧の谷のこと。左図点線)が進み、前線(右図赤の点線)は黄海~日本海に位置し、西日本~東日本では暖湿気(850hPa相当温位340K前後:中図オレンジ色)が流入する。
 九州などでは前線による降水その他の地域では内陸部を中心とした不安定性降水(雷雲モクモク)が見込まれる。北日本には温暖前線の位相がかかり、降水となるところがある見込み。




 前線(右図赤の点線)は日本海からゆっくりと南下し、本州の日本海側に位置する。
西日本~東日本、北日本の一部では、前線近傍または暖域に入るため(中図オレンジ色)、広い範囲で降水となる見込み。北日本では、28日と同様の降水が残る所がある見込み。




 前線(右図赤の点線)は次第に不明瞭になるが、本州付近には下層暖湿気が残っている。
 そのような中、500hPaでは(上空)5820m付近のトラフ(上空の気圧の谷。左図点線)の東進に伴い(地上で空気の収束が起こる)-6度前後の(上空の)寒気が入ってくるため、大気の状態が不安定になる。西日本~東日本、北日本の一部では、内陸部だけでなく平野部でも広い範囲で、不安定性の降水(雷雲モクモク)が見込まれる。







 前線の位相(右図赤の点線)は南下するが、日本付近での活動は弱まり不明瞭になる予想。
 下層暖湿気(中図オレンジ)および500hPaのトラフ(左図点線)が残っており、大気の状態は引き続き不安定
 西日本~北日本では雲が多く、内陸部を中心に不安定性の降水(雷雲モクモク)が見込まれる。
ただし、FEFE19の降水域(右図の網かけ部分)は過大であり、割り引いて考える。

 ・・・・ということですが、上空の気圧の谷が日本上空にやってくる30日頃が雨のピークになるのではないかと思うのですが・・・

 すくなくとも、長野県は、ここ数日の九州のような大雨が続くような心配はなさそうですけど、曇りベースで日差しの出る日もあるものの、モクモク雷雲が発生するような日が続く・・・というイメージの一週間になりそうです。

 念のため、アメリカ海軍の計算値もアニメにしてみました。
 12時間降水量のアニメですけど、日本の気象庁の計算値とほぼ似た結果になっているようです。




 最後は気温の傾向




 沖縄付近は平年並み。
 北にいくほど平年よりちょっと高め・・・北海道は今日をピーク平年よりちょっと高めの状態が続くようですね。

 え?・・・明日日曜日の予報?・・・明日は明日の風が吹くぜ・・・といいたいところですけど、気象庁発表の長野県の予報は・・・・こちらを見ていただければよいのですが・・・
 http://www.jma.go.jp/jp/yoho/322.html
 はっきり言って、計算値がばらついている状況。
 Kasayan的には信頼度Cなので、明日朝5時発表の予報で最終確認をすることをおすすめします



  


Posted by kasayan at 19:26Comments(0)今週の週間予報は?

2010年06月26日

天気予報は当たるのか?(6月26日)予報はコマメに確認!


 故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?

1、今日の一言




 西日本に活発な雨雲・・・特に九州南部や四国には一時間に30ミリを超えるような激しい雨。
 もちろん、大雨に関する情報(ニュースで予想される雨量は・・と言っているヤツ)が出ています。
  http://www.jma.go.jp/jp/kishojoho/

 長野県付近にズームしてみると・・・




 雨エリアの本体の東の端っこがすでに長野県にかかってきています。
 南部ほど活発な雨雲。

 今はバラバラな雨雲ですけど、岐阜県付近の雨雲の本体が何時頃長野県にかかってくるのか?
 それが今日の天気予報のキモですね。

2、全国の予報
 テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。





 西日本から東海にかけての太平洋岸は傘マーク一発・・しっかりとした雨。
 東日本は「のち」傘マークですから、次第に下り坂
 上で見た衛星やレーダーの画像のエリアと同じイメージですね。

3、長野県の予報
 長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。





 昨日午後5時に発表された予報では、雲マーク一発で、予報文の中で「所により 雨」でした。
 それが今朝になると、傘マークがキチンとついていて、北部中部は「のち雨」マークに・・・降り出しのタイミングは「昼過ぎ」
 南部「時々雨」マークですから、朝から広い範囲の雨・・・に変更されています。
 予報は昨日よりちょっとだけ悪目になったということですね。

 昨夜更新した記事に、「明日朝5時発表の予報で最終確認してください」と書いておきましたが、梅雨前線の東の端っこにある長野県は予報が微妙な状態
 さらに高い山々が県境を城壁のように囲っているので、湿った空気や雨雲が県内の盆地に流れ込むのを防いでいるので、この城壁がいつ決壊するのか?しないのか?はたまた盆地をすり抜けるように雨雲や湿った空気が流れ込むのか?判断がさらに悩ましくなります。
(Kasayanの感覚では、コンピューターの計算値をほんの少し割り引く程度が実際のイメージと一致する傾向なんですけど・・・)
 この程度の予報訂正なら、昨日の予報も当たりといってイイと思うんですけど・・・昨夜の予報・・・マークだけしか見ていない人の中には、予報がコロコロ変わる!!と文句を言う人もいるんでしょうね。

4、一般的な天気図の評
 どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。




 アニメにするより、短期予報解説資料(プロ用の資料)に添付されていた図が、シンプルでわかりやすかったので、そのまま使わせていただきました(プロ用なんで、本当はもう少し別の書き込みが欲しいところなんですが)。
 
 前線の位置、昨夜の予報では、太平洋高気圧が強まる影響で、もう少し北上するはずだったんですけど、高気圧がイマイチ強まらず、山陰沖から北陸沖にかけて同じようなところに停滞する方向に変わってきています(よろしければ昨日の記事もご覧ください)。

 ということは・・・・前線が十分に北上しないので・・・・天気はちょっと悪目の方向です。

5、今日の天気予報は当たるのか?
 100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。


 いつものように、地上の気圧配置の台本になる上空の天気図と気温の様子から。




 相変わらず、上空の天気図の線(等高度線:等圧線と同様に見ればOK)が思いっきり蛇行
朝鮮半島の北西(華北)にある低気圧・・・上空の強い風の流れから切り離された渦(寒冷渦)・・・の位置は留ったまま
 台本がストップしているので、地上の天気変化もストップしたままです。

 そして、華北の低気圧は下の図の青で塗った-9℃の冷たい空気のカタマリを持っていて、このカタマリがグルグルと反時計回りに回転
 寒気のカタマリの一部がググッと南に触手を伸ばすと一時的に梅雨前線が活発になります。
 九州方面の梅雨前線の雨、動きが遅く、このタイミングで断続的に活発化しますから、雨が弱まっても安心できません。

 一方、地上付近・・・雨の原料になる暖かく湿った空気が流れ込む傾向は?




 赤で塗った強い暖湿流が、太平洋高気圧の西の縁にそって北上し、九州方面・・・幸い対馬海峡付近へそれてはいますけど・・・で強まる傾向
先端部分は今夜には東北南部付近まで北上します。
 赤の点線は暖湿流の北限ですけど、ここが天気図上の前線に対応。

 長野県もこれからもっとムシムシする傾向・・・雨の原料がたくさん流れ込んできます。

 で・・具体的な雨は?
まず、12時間降水量で・・・・




 点線の内側はぐずつくというイメージのエリア、その内側の青で塗ったエリアがしっかりとした雨というイメージのエリア。
 長野県付近はぐずつくというイメージとしっかりした雨というイメージの中間
 「時々雨」という予報・・・そのまんまです。

 そしてもっと具体的に1時間降水量で見ると・・・・




 今夜東北南部まで拡大・・・中部地方は・・・なんだか雨エリアにすきまが・・・・

 長野県にズームしてアニメで・・・




 北部中部の降り出し・・・予報は「昼過ぎから」ですけど、上のレーダーで見たように、実際は午前中からぐずつき気味
 また、午後から県内広く雨が拡大という流れですが、高い山々が湿った空気をブロックして、山中心の雨
 盆地では予報どおり「時々雨」というイメージでしょう。

 ということで・・・・キチンと雨の傾向を理解していれば・・・今日の予報は当たる・・でよいと思います。

 明日日曜?・・・こういう状況ですから、もちろん明日朝に最終確認してください

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