2010年06月13日
天気予報は当たるのか?(6月13日)西から下り坂
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
これ、昨日午後の衛星の可視画像。

昨日の午後、県内各地に雷雲になりきれない積雲がたくさん発生しましたが、結局雷雲になったのはほんの一部で、アメダスで観測できるようなまとまった雨も降りませんでした。
もう少し発達するかと思ったんですけど・・・・雷雲の発生はある程度予想できても、発達の程度を予測しきるのは難しい・・・・・・
警戒を要する情報ですから、空振りよりはマシですけど、もうちょっと勉強したいと思います。

こちらは、今朝の赤外画像とレーダー画像。
今日は西日本のこの雨雲がゆっくり東進して夜までには長野県までやってきます。
動きが遅い雨雲がいつかかってくるのか?という予想は微妙にズレやすいのですが、いずれにせよ午後3時以降は覚悟しておいたほうが無難のようです。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

西から下り坂ですから、中部地方の天気マークは「のち 雨」マークが多くなっています。
「のち」のタイミングが今日のチェックポイントですね。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

で・・・長野県の予報文の「のち」のタイミングは北部と中部で「夜」、南部が「夕方」になっています。
何度も書きましたけど、予報用語で「夕方」は午後3時~6時、「夜」は午後6時以降。
日の入りが遅くなっていますから、普段感じる文字のイメージよりちょっと早めに降り始めるというイメージになるかと思います。
降り始めの様子、詳しくチェックしておくことにします。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

今日の雨の原因は、南岸を進む前線のキンク部(折れ曲がったところ)に吹き込む湿った暖かい空気(雨の原料)。
キンク部がゆっくり東へ進むにつれて雨のエリアも東へ。
昨日、九州が記録的に遅い梅雨入りをしましたけど、梅雨前線が日本に横たわるいつもの梅雨とはちょっと異なる梅雨前線のカタチです。
今日、明日にかけて西日本や東日本の梅雨入りが予想されていたりしますけど、どうなるんでしょう?
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
このところ、天気変化が遅かったのは地上の天気の変化に作用する上空の流れが蛇行していたせいですけど、ゆっくりですが蛇行は解消傾向。

上空の天気図の折れ曲がり(等高度線といいます)が西からゆるやかになってきています。
書き込みの線の南側あたりにやや強めの空気の流れがあるのですが、この流れに沿って明日以降、梅雨前線が東西に横たわるようになれば、胸をはって梅雨入りといえそうです。
さて、一番気になる雨のエリアの動きを見ておきましょう。

動きが遅ーいですね。
九州方面の大雨は回復に向かいますが、四国や紀伊半島中心にまとまった雨。
で・・・・県内はどうよ?

計算値では午後3時頃から降水エリアが拡大して夜9時頃には全域へ。
もっとも山の多い長野県・・・前線に近い愛知県付近とは異なって、長野県北部への降水域の拡大は山に妨害されて中途半端。
盆地ごとに微妙な降り出しの違いがありそうです。

今日の雨、南東方向から流れ込む湿った暖かい空気がそのパワーの源。
長野県付近に流れ込むには南アや中アが邪魔になります。
北部にまで達するにはさらにハードルが多いですから、北部の降りだしはかなり遅くなるかもしれません。
今日の長野県・・・すでに雨雲に先行して上空の雲がかかっています。
今朝は県内各地、すでに流れ込んでいる湿り気でもやっていますが、これがとれれば白い空の晴れになるはずですが・・・・その前にもう少し低い所の雲がやってくれば晴れ間が広がる暇もなく曇り・・・そして雨へ・・・・(これ悲観的な見方の場合)
昼前に晴れ間が出る可能性は十分ありますから、予報は当たりと考えてよいと思います。
もっとも、晴れ間が出たらラッキーくらいに考えて、南部では降り出しのタイミングを日の入りよりちょっと早めに考えておいたほうが無難かもしれません。
オマケ

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