2010年06月22日
天気予報は当たるのか?(6月22日)今日も不安定続く
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言

この天気図・・・・20日(日曜日)午前9時から今朝午前3時までの実況天気図を、12時間毎のアニメにしたもの。
全然変わってないじゃん!!といいたくなるほど、南岸の梅雨前線の位置に大きな変化は見られません。
断続的に大雨が続いている九州南部で前線がアップダウンしているのが見てとれる程度。
地上天気図だけでは、細かな天気変化が読みとれません。
テレビの天気予報(番組作りに人手のある全国ネット)では、様々な専門天気図を模式化してわかりやすい解説の努力をするのですが、代表的な冬の寒気以外はあまりうまくいっていないのが実状。
このブログでも、思考錯誤しているのですけど・・・・なかなか難しいですね。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

様々なマークが散らばっていますけど、気になる傘マークは大きく二つに分類できます。
また、傘マーク、この図ではちょっとしか見えませんけど、上のリンクで地域にズームしてもらえば、東日本・北日本に結構多く散らばっていることがわかります。
そして、いつものように予報文を見れば・・・全国的に「雷」の文字。
今日もまた不安定・・・・天気図に変化が少なければ書くことも同じ・・・・ちょっと飽きてきちゃいました。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

県内、傘マークは「のち 雨」の北部だけですが、予報文を読めば、県内全域に「所により」がついています。
南部では「朝から」一日を通してにわか雨の可能性がありますが、エリアは限定。
北部は「昼過ぎ」ですけど、夕方(午後3時過ぎ)には結構広いエリアで一時的な雨。
前線の影響を受けやすい南部と、寒気の影響で不安定になる北部という傾向の違いですけど、詳しくは下の降水のアニメで見てみましょう・・・・昨日はそこそこ当たっていました。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

昨日とほぼ同じ・・・・広い不安定エリアの原因は上空の寒気と地上付近の暖湿流のセット。
そして、前線がかかりやすいう状態が続いている九州方面の雨・・・さすがにこれだけ降り続けば、土砂災害の危険性はかなり高まっているといってよいでしょうね。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
前線が似たような位置にあっても、地上の天気の台本?ともいえる上空の気圧配置は、微妙でも時々刻々と変化しています。
ということで、今日も上空5700m付近の天気図から。

コメントは図に書き込んでありますけど、上空の気圧の谷がやってくるタイミングで前線が活発になります。
明日にかけて九州方面にやってくる谷は要注意。
また、日本海に南下してくる上空の低気圧・・・寒冷渦・・・の影響もこれから要注目です。
では、今日も上空寒気と地上付近の暖湿流をチェック。


昨日も書きましたが、下の図の赤の点線が雨の原料が集中している雨活発エリア。
西日本中心ですが、東日本・北日本にも暖湿流が流れ込んでいて、上空の寒気と交差しています。
特に北陸から東北を青い線(-9℃)の寒気が通過していきますから、このエリアで雷雲の発生が活発になります。
で・・・今日も全国の降水の予想。

午前中は関東南岸、午後からは九州南部が梅雨前線活発エリア。
東日本・北日本は不安定の降水が散在。
長野県にズームすると・・・

今日も北部中心ですが、南部にも降水エリアが散在。
これを予報文に作り上げる予報官の苦労・・大変だと思います。
ということで・・・・・今日の予報・・・北部の夕方からの一時的な雨・・・・降らないじゃん!という所もかなりありそうですけど、上のアニメを見ればかなり広いエリアで雨の心配をしたほうがよさそうな状況だということもわかりますよね。
当たると思いますけど・・・・傘マークの印象が強いですから、はずれたと感じる人も多いかもしれません(このブログを読んでいればそんなことはないと思いますけど)
オマケですけど、ここ数日、長野市内(市街地)に雨が降りにくい原因を昨日の雨(市街地は降らず)でチェックしてみました。
まだ検討中なので、あえて理由は書かずに状況だけ図に書き込んでおいたので・・・興味のある方は考えてみてください。




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2010年06月21日
天気予報は当たるのか?(6月21日)今日も不安定
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言

今朝の雨雲の様子。
南岸の梅雨前線が活発になっていますけど、長野県付近も上空の寒気によるコマゴマとした対流雲(雷雲)が発生しています。
今朝にかけて南部を中心に降ったり止んだりが続いていましたが、Kasayanの住んでいる長野市内・・・・全然降らない・・・・・。
レーダー画像を見ていても、県の中南部や北部山沿いで雨雲が発生発達しても、長野市内にやってくる頃にはほぼ消滅。
全国有数の少雨地帯の長野盆地の底力を見せつけられたような気がします。
この状態、今日日中も続きますが、長野市内(市街地)はどうなんでしょう?
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

今日もエリア分けしていません。
二つの「ミックスゾーン」は不安定になっているのですが、前線からも強い寒気からもちょっと離れていて、晴れ間も出るのですが、湿った空気はキチンと流れ込んでいるため、ちょっと気温が上がれば雷雲発生。
結局、全国的に梅雨のはっきりしない天気なのでエリア分けはやめたわけです。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

ミックスゾーンの長野県・・・天気マークには太陽がついていますけど、予報文の「所により」以下に書かれている雨の時間帯はまちまち。
北部は「昼前から夕方」で日中・・・かなり長め。
中部は「明け方」で日中はほぼ曇りで推移。
一方、南部は「朝晩」で日中晴れ間があっても夜になって再び雨。
南北に長い長野県ならではの複雑な天気変化が予想されています。
この状況、MSMという計算値のアニメにハッキリと表現されていますから、下の降水量のアニメでチェックしてみてください。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

昨日に引き続き、長野県付近は地上の暖湿流と上空の寒気のセットに着目。
南岸ギリギリに停滞し続ける梅雨前線の雨は九州方面が中心になりそうです。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
まず、天気のフォーメーションを決定する上空の天気図。

南岸の前線と対応する南西の流れ・・・暖湿流を日本に運ぶ本流ですけど・・・は、ほぼ南岸に停滞。
陸地からちょっと離れているので、強い雨の中心は海上で九州南部が影響を受けやすくなっています。
今日、南岸の流れに沿って上空の気圧の谷が通過していきますから、このタイミングで一時的に梅雨前線が活発になりそうです。
で・・・例の上空の寒気の様子。

この時期としては強めの-9℃の寒気は今日北日本を通過して行きますが、-6℃の寒気は引き続き南岸まで南下。
先週の半ば、-6℃の寒気は日本海にありましたから、週末を経てかなり南下してきています。
一方、セットの片方、地上付近の暖湿流の様子は・・・

九州方面に強く流れ込んでいて、北限は東北北部付近まで達しています。
赤の点線は相当温位という雨の原料と関係する数値の線が混雑している所。
ここに南から風が吹きこんでいると、強めの上昇流発生・・・・前線・・・雨のエリアと対応します。
下の降水量の図と比較してみると、降水の活発化と暖湿流の様子が密接に関連していますね。
で・・・具体的な雨は・・・

南岸の降水は、上空の谷が通過してしまうので、夜にかけてやや弱まる傾向。
もっとも、日本海側中心にまるで冬の雪のエリアのように、寒気に伴う降水が計算されています。
長野県付近は?

傾向をアニメ中に書き込んでおきましたが、長野県の予報文・・「所により」以下の雨が降る時間帯の文章とみごとに対応しています。
予報官はこの図と同じMSMという計算値も眺めて、傾向を予報文にしたんでしょうね。
このアニメでも、長野市内・・・どうも雨に嫌われているようですけど、こういう計算値なら、雨が降らないとは言えない状況です・・・・安全マージンを考えれば・・・・・
以上総合して考えれば・・・・・
今日の天気予報も当たりですけど、いつも書いているように、エリアの予報はエリアの平均的な天気傾向を示しています。
上のアニメのような情報で、自分なりに頭上の天気にカスタマイズすることが必要です。
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2010年06月20日
天気予報は当たるのか?(6月20日)夕立雷注意です。
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
昨日、県内は各盆地を中心に太陽が顔を出したので、気象庁の予報がはずれて晴れたという印象を持った方が多かったと思います。
このところ、長野地方気象台の予報・・・ちょっと楽観的なんじゃないの?という書き方をしていましたけど、珍しく気象台の予報を弁護してみると・・・・
気象庁がメインに使っている天気のシュミレーションプログラムには、GSMとMSMという二つのプログラムがあるのですが、このところ観測値に基づいて計算するたびに降水のエリアが変化する傾向がありました。
また、一昨日の記事にも書きましたが、MSMの計算値は昨日の天気と同じく早めに回復するという傾向が出ていたのですが、GSMという計算値には夕方までそこそこ降水が計算されていました。
一昨日に降り始めた雨の降水量は、かなり多くなっていましたから、防災上の観点から、悪目の予測をしているGSMを優先して悪目の予報を発表し、予報の訂正で対応すべきとの判断があったのでしょう。
実際、昨日午前9時に、予報を訂正し、日中「晴れ」の予報を発表しています。
これからの季節、似たような状況が多いと思いますが、気象庁は午前5時、11時、午後5時の3回予報を発表するほか、状況に応じて訂正した予報を発表していますから、天気が気になる方はネットを使って頻繁に予報をチェックすることをおすすめします。
ラジオやテレビの天気予報では、訂正された予報が反映されるのが遅くなりますから・・・・
さて、今朝の雲の様子とレーダーで見た雨の様子・・・


レーダーで見た雨のエリアは南岸中心ですけど、雲のエリアは陸地までしっかり覆っています。
長野県付近は雲の切れ間になっていて、晴れ間が出そうですけど、その晴れ間もかなり微妙な感じがします。
で・・・・今日のポイントは梅雨のシトシト雨や豪雨じゃなくて・・・・夕立の雨です。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

今日は、全国各地の予報文に「雷を伴う」という文字がついている不安定な天気。
あえてエリア分けはしませんでした。
そして赤で囲んだエリア・・・太陽も出れば雲も広がるし、雷も鳴るというなんでもアリの天気。
長野県はそのど真ん中ですから、昨日みたいに「晴れてるジャン」なんて考えて油断していると・・・・
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

天気マークは「のち 晴れ」マークですから、お気楽なイメージがしますけど、予報文にはしっかりと「雷」の文字。
何時?何処で?
不安定・・・ですから、あくまで傾向を見ることになりますけど、できるだけ詳しくチェックしてみます。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。
まずは、今朝午前3時の実況天気図から・・・

そして、今夜9時の予想天気図を見比べると・・・・

パッと見はあまり変化ありません・・・これが梅雨の天気を考える難しさ・・・・
普通の天気図だけじゃ天気変化なんてそうそうわかりません。
今日の不安定の原因は、上空に流れ込む寒気と、地上付近に吹き込む湿った暖かい空気。
不安定のときの定番の組み合わせですね。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
まずは、不安定の定番の組み合わせのうち、上空の寒気から。

昨夜9時の上空の天気図ですけど、冷たい空気を運んでくる上空の流れ(青矢印)が日本上空まで南下しています。
そして、比較的冷たく乾燥した空気が上空を覆ってきていることもわかります。
これが今日はどうなるかというと・・・

-6℃の寒気は南岸まで南下して、さらに-9℃のさらに低い寒気が日本海側を通過。
一方、地上付近の空気はといえば・・・・

上空1500m付近は南西の風が吹きこんでいて、南から湿った暖かい空気を東北北部まで運んでいます。
地上が湿って暖かく、上空が乾燥して冷たければ・・・当然大気は不安定。

地上の流れと降水、上空の寒気をひとまとめにしてみると、こんな感じ。
長野県付近は日差しが出て、気温上昇による弱い低圧部も発生。
また、津軽海峡の西には弱い気圧の谷(低圧部)ができて、これらのエリア中心にモクモクわき上がる雷雲による雨が予想されています。
さらに、前線の凸部に深く流れ込む暖湿流によって西日本もかなり発達した雷雲ができそうですね。
これを時系列で見てみると・・・・

午前中は、先にレーダー画像で見たように、内陸はちょっとした梅雨の中休み傾向ですけど、夜までには西日本・東日本、北海道付近の内陸でもで雨活発化。
長野県は・・・・

午後3時頃から急速に雷雲が発達して、午後6時頃にはかなり広いエリアでザーザーの予想。
今日はGSMの予想もMSMの予想も同様の傾向を示していますから、計算の細かなMSMを中心に考えると・・・今日の天気予報は当たると思います。
上で見た雨のエリアは「傾向」ですから、「所により」の部分はかなり広めにイメージしておいてください。
もちろん、通り雨にように降ったりするところもありますけど・・・・・
一応、夜中には回復です。
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2010年06月19日
天気予報は当たるのか?(6月19日)大雨は峠越したけど
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
今朝も、気象庁からは大雨に関する全般気象情報が、長野地方気象台からは「大雨と雷及び突風に関する長野県気象情報 第4号」が発表されています。
原文は http://www.jma.go.jp/jp/kishojoho/322_index.html で読むことができるので、内容を抜粋すると・・・・
[雨の実況]
降り始めの18日12時から19日05時までの降水量は、
阿智村浪合 130.0ミリ
王滝村御嶽山 113.5ミリ
南木曽 101.0ミリ
飯島 98.5ミリ
飯田市南信濃 89.5ミリ
伊那市杉島 84.0ミリ
飯田市高羽町 83.0ミリ
ということで、南部中心に100ミリを超える雨が降ったようです。

[雨の予想]
19日06時から20日06時までの24時間に予想される降水量は、いずれも多い所で、
北部 40ミリ
中部 40ミリ
南部 50ミリ
予想降水量は比較的少なめですから、これからは降った雨が川に流れ込んだりダムが放水したりして増水することへの警戒、そして、雨水をたっぷり含んだ地面の土砂災害が警戒の中心になってくるようです。
[防災上の注意・警戒事項]
大北、上田、諏訪、佐久の各地域では、これまでに降った雨により地盤の緩んでいる所がありますので、19日昼前まで土砂災害に警戒して下さい。
また、その他の地域でも土砂災害に注意して下さい。
南部と佐久地域、諏訪地域では、19日朝まで、河川の増水、低地の浸水に注意して下さい。
県内では、19日朝まで、落雷、突風、降ひょうに注意して下さい。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

梅雨なしの北海道は別として、今日早めに回復するのが九州北部や山陰の西部。
その他のエリアは、「のち くもり」マークがメイン。
ゆっくりと回復に向かうようですが、雨がいつ上がるの?が週末土曜日、一番知りたいことですよね?
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

雨が上がるタイミング・・・県内全域「昼前」の予想になっています。
用語集で「昼前」は午前9時~12時を指しますから、早ければ午前9時には曇りということになります。
予想気温・・・ぐずつく割には高め。
ムシムシですね・・・・
回復の様子はビジュアルでチェックしたいと思います。
午前9時に予報訂正がありました。
南部が曇りのほかは、中北部で「昼過ぎから夕方晴れ」になっています。(ラジオを聞いていましたが、9時前の放送に間に合っていませんでした)
よい方向に修正してきましたね。
昨日夕方の記事で書いた、希望的予想のシナリオが現実化したという感じです。
防災の必要性があったので、悲観的シナリオを採用せざるを得なかったのは止むをえないでしょう。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

日の出前くらいが雨のピークでしたけど、これから夜にかけて前線南下。
雨が弱まる傾向・・・・だけど九州南部は強い雨のエリアが残る・・・・という流れ。
細かいことを書きこんでもわかりにくくなってしまうので、この程度にしておきます。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
今朝は梅雨前線のこと・・・色々考えていたら時間が無くなってしまって、図中にはあまり書き込みをしていません。
実況から予想という流れでザクッと天気の流れをまとめておくことにします。
専門天気図ばっかりなので、興味のある図だけ眺めてみてください。
1、昨夜21時の実況

日本付近は南からのたっぷりの水蒸気に覆われていますけど、朝鮮半島の西側には乾燥した比較的冷たい空気・・・白くない部分・・・がゆっくり流れ込んできています。
乾いた空気と冷たい空気が日本付近でぶつかっているんですね(-6℃は上空5700m付近、18度は上空1500m付近の気温の線)。
これを上空5700m付近の天気図で見ると・・・・

朝鮮半島の西側に寒冷渦という寒気を伴った上空の低気圧。
上空の強い流れから切り離されて、昨日からほんのちょっとしか動いていません。
前線が日本付近に停滞する原因の一つ。
また、昨日と同様に、青の矢印の強風軸と赤の矢印の強風軸がそれぞれ冷たく乾燥した空気と暖かく湿った空気を日本付近に運び込んでいます。
マイナス6℃のラインがちょうど雨のエリアの北限になっているようですね。
次に、もうちょっと下・・・上空1500m付近・・・・

日本の南岸・・・四国沖で50ノット(秒速25メートルの風)の強い風のラインができていて、これが梅雨前線の南側に対応。
青く塗った部分が雨雲のエリアですが、風速は雨雲の発達とも対応しています。
だからどうなの?・・・ということですけど、この図をもとに、風の様子や気温のラインの変化の予想を見れば、これからの天気を流れでイメージしやすくなるからです。
2、予想

上空の流れ・・前線と対応する南の強風軸はやや南下する傾向。
寒気の流れ込みの強風軸も日本海沿岸付近まで南下して優勢に。
他の計算値と併せてみると、前線南下の傾向です。

強風軸の南下に伴い、雨のエリアの北限と対応していたマイナス6℃のラインも南下する傾向。
そして、雲のエリア(灰色に塗ったところ。露点と気温の差が3℃未満)も南下して九州北部や山陰西部は晴れのエリアへ。
気象庁の予報と同じですね。
次は、地上付近に流れ込む暖湿流の様子。
上で見た上空1500mの天気図の未来を相当温位という雨の原料の様子と併せてチェック。

見えにくいですけど、強風のエリアは南の海上中心。
もっとも、湿った空気は東日本・西日本を覆い続けるようです。
寒気の南下に加えて、地上付近は南風で湿った暖かい空気が流れ込んでいるので、大気は不安定に。
前線は南下傾向ですけど、明日にかけて、九州方面から大気が不安定になってくるんでしょうね。
で・・・雨の様子、12時間降水量で見てみます。


12時間降水量の予想ですけど、夜にかけて東日本の雨は回復傾向。
もっとも、九州南部では今朝までと同程度の降水量が予想されています。
MSMという別の計算値で1時間降水量を6時間毎に見ると・・・

九州南部は継続して雨・・・東日本は今朝大雨を降らせた雨エリアは抜けるものの、弱い降水が残るようです。
県内付近は?

回復傾向ですけど、湿った地上付近の空気が風に流されてぶつかる山では一日を通して降水あり。
北から雲が薄くなって、盆地では弱い日差しがあるかもしれませんけど、山の上には雲がベタっとかかっていて、弱い雨も・・・という感じでしょう。
今日は、大雨情報が出ているので、昨日に引き続き天気予報の当たりハズレを云々しませんけど・・・大雨の峠は越すものの、梅雨らしいはっきりしない天気になる・・・と思います。
専門天気図の保存を兼ねてしまって、まとまりがなくなっちゃいました・・・ゴメンナサイ。
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2010年06月18日
大雨情報と週末の天気そして週間天気図(6月18日)
今朝5時、昼前11時に続いて、午後5時過ぎに大雨情報が発表されています。
朝も書きましたけど、大雨情報とは、ニュースで「・・・と気象庁は注意を呼び掛けています」って言っているアナ読み原稿の原文のことです。
原文を引用掲載ときますね。(画像はKasayan作成)
大雨と雷及び突風に関する長野県気象情報 第3号
平成22年6月18日17時14分 長野地方気象台発表
(見出し)
長野県内は、18日夜遅くから19日昼前にかけて、梅雨前線の活動が活発となるため、南部を中心に雷を伴った激しい雨が降り、大雨となるおそれがあります。土砂災害、河川の増水、低地の浸水、落雷、突風に注意して下さい。
(本文)
[気象状況]
梅雨前線が、華中から西日本を通り日本の東へのびています。前線上の九州の北には低気圧があって東北東に進んでいます。この低気圧や前線に向かって暖かく湿った空気が流れこむため、前線の活動が活発となる見込みです。このため、県内では南部を中心に、18日夜遅くから19日昼前にかけて、雷を伴って1時間に40ミリを超える激しい雨が降り、大雨となるおそれがあります。

[雨の予想]
18日18時から19日18時までの24時間に予想される降水量は、いずれも多い所で、
北部 120ミリ
中部 120ミリ
南部 200ミリ
の見込みです。
[防災上の留意事項]
土砂災害、河川の増水、低地の浸水、落雷、突風に注意して下さい。なお、警報に切り替える可能性がありますので、最新の気象情報に留意して下さい。
[特記事項]
次の「大雨と雷及び突風に関する長野県気象情報」(文章情報)は、19日05時頃に発表する予定です。
200ミリの雨は、教科書的には、土砂災害の発生する可能性が急激に高まる雨量です。
ということで・・・・明日の予報は気象庁のHPでチェックしてみてください。
http://www.jma.go.jp/jp/yoho/
なお、今回の雨のメカニズムは今朝の記事に書いてあります。
http://kasayan.naganoblog.jp/e494324.html
ちなみに、明日の降水の様子ですけど・・・・・
MSMという計算値では・・・・

低気圧が東北南部を通過したあとは、いったん前線は南下傾向。
完全回復とはいきませんけど、雨は上がる傾向。
長野県付近では具体的にどうなるか?をアニメで・・・・

昼頃にはほとんど回復しますけど、お見事なまでにアルプスの山々で雨が計算されています。
地上付近に南西の風に乗って流れ込む暖湿流がアルプスの山々にぶつかって雨を降らせるんですね。
塀のようなアルプスの山々が長野県を守って、全国有数の降水量の少ない県にしているわけですけど、こうやって山々に雨が降るおかげで渇水になりにくいという面もあるようです。
もっとも・・・・GSMという計算値(全地球モデルっていいます)では、どうも雨が尾を引きそうな感じも・・・・
希望的な見方では、昼頃には小雨が時々パラッ・・程度に回復しそうですけど、悲観的な見方をすれば、シトシト雨が夕方あたりまで続く・・・になってしまいそうです。
気象庁の予報は悲観的な見方に近いですけど、明日午後の計画を考えるなら、明日朝に最終判断するのが良いと思います。
で・・・・明後日は・・・・

ドバッと降る感じじゃありませんけど、県内はシトシトの可能性十分あり。
この予想・・・かなり微妙ですから、明後日日曜日に関しては、明日朝以降の予報で判断するのが良いでしょうね。
気象庁の予報は・・・・こちらでチェックしてください。
http://www.jma.go.jp/jp/yoho/
ところで、向う一週間の天気図を掲載しておきますが・・・・

しばらくは青で塗った雨のエリアに覆われ続けてしまいそうです。
もちろん、ちょっとした中休みはありますが、そのタイミングが何時になるのかは?毎日チェックするしかなさそうです。
ちなみに週間予報もこちらで・・・・チェックしてください。
http://www.jma.go.jp/jp/week/322.html
どうにもこうにも、はっきりしないコメントばかりですが、長野県の梅雨をじっくりと見るのは初めてのKasayan.
冬の雪は北西からやってきた雪雲が山々に影響されて複雑な降り方をしましたが、梅雨の雨は南西からやってきて、これまた山々に影響されて複雑な降り方をしそうです。
この梅雨でたっぷりと勉強させてもらうつもりです。
2010年06月18日
天気予報は当たるのか?(6月18日)大雨情報発表
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
今朝は、大雨情報・・・気象庁本庁から「大雨と雷及び突風に関する全般気象情報 第2号」が発表されていて、長野地方気象台も本庁の全般気象情報をうけて、「大雨と雷及び突風に関する長野県気象情報 第1号」を発表しています。

ということで・・・今日のブログ・・・・天気予報の当たりハズレを云々するのはお休みして、雨の降り方を詳しくチェックすることにします。
今朝のニュースでも大雨情報・・・「・・・と気象庁は注意を呼び掛けています」と言うヤツ・・・やっていたと思いますが・・・どうでした?
ニュース原稿は、原文を読み原稿に書き変えて省略してしまうので、ここでは原文を掲載しておきます。
全般気象情報・地方気象情報いずれも以下のURLで原文を読むことができます。
http://www.jma.go.jp/jp/kishojoho/
大雨と雷及び突風に関する長野県気象情報 第1号
平成22年6月18日05時58分 長野地方気象台発表
(見出し)
長野県内は、18日夜遅くから19日昼前にかけて、梅雨前線の活動が活発となるため、南部を中心に雷を伴った激しい雨が降り、大雨となるおそれがあります。土砂災害、河川の増水、低地の浸水、落雷、突風に注意して下さい。
(本文)
[気象状況]
梅雨前線が、華中から九州をとおり日本の東にのびています。前線上の九州の西海上には低気圧があって東北東に進んでおり、18日夜には山陰沿岸に達する見込みです。
この低気圧や前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込んでいるため、前線の活動が活発となっています。
このため、県内では南部を中心に、18日夜遅くから19日昼前にかけて雷を伴った激しい雨が降
り、大雨となるおそれがあります。
[雨の予想]
18日06時から19日06時までの24時間に予想される降水量は、いずれも多い所で、
北部 70ミリ
中部 100ミリ
南部 130ミリ
の見込みです。
その後も降水量はさらに増えるおそれがあります。
[防災上の留意事項]
土砂災害、河川の増水、低地の浸水、落雷、突風に注意して下さい。
[特記事項]
次の「大雨と雷及び突風に関する長野県気象情報」(文章情報)は、18日11時頃に発表する予定です。

梅雨前線の雨雲が活発化していますが、活発なエリア、これから北上してくるようです。
この雲の下ではこれから何が起こるんでしょうか?

2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

今夜日付が変わる頃までに雨が降り出すのが「西から強い雨エリア」。
北陸や中国地方をのぞいて、傘マークがついているエリアが、ほぼ大雨情報が注意を呼び掛けているエリアと対応していますから、太平洋側のかなり広い範囲が要注意エリア。
一日の降水量が200ミリを超えると、土砂災害の可能性が急激に高まります。
(全般情報からの抜粋)
19日6時までの24時間に予想される雨量は、いずれも多い所で
九州南部、近畿南部 250ミリ
九州北部地方、近畿中部、東海地方 200ミリ
四国地方太平洋側 150ミリ
甲信地方 130ミリ
の見込みです。
その後も梅雨前線は西日本から東日本に停滞するため、雨量はさらに増えるおそれがあります。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

南部は早めの降りだしで「昼過ぎから」、中北部は「夕方から」の予想になっていますが、「夕方」の定義は午後3時~6時ですから、日の入りの遅い6月・・・イメージより比較的早めに降りだすと思っていたほうがよさそうです。
南部の「所により夜遅く雷を伴い激しく降る」の部分・・・どこが「所により」か、後で詳しくチェックします。
ところで、気温は昨日ほどではないにしろ、30℃前後まで上昇。
一日南風が予想されていますが、この風が県内全域に湿った空気を運んできます。
南部中心にドバッと降る前はジメジメの暑さになるかもしれません。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

前線上の低気圧東進+前線北上+強い暖湿流流入=大雨
という公式です。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
今日は天気予報の当たりハズレ・・・検討しませんけど、大雨情報の内容をさらに詳しく・・・・
まず、今回の大雨のメカニズムからチェック。
地上の天気変化の原動力になる上空5700m付近の天気図を見てみると・・・・

上空の強い流れから切り離されて、動きが止まってしまった空気の渦=上空の低気圧が二つ、日本付近に。
この低気圧の位置が固定されてしまっているので、地上付近の天気変化が止まってしまい、前線が日本付近に停滞。
朝鮮半島の西の低気圧の回りを流れる強風と、日本の太平洋岸を流れる強い流れが日本付近でぶつかっています。
そして、この二つの流れが、それぞれ異なった空気を日本に運んできます。

南の流れは主に地上付近・・・太平洋の夏の湿った暖かい空気を運搬。
北の流れは大陸の冷たく乾燥した空気を運搬。
両者がぶつかる日本の南岸付近に梅雨前線発生・・・発達した雲ができるという構造。
南から地上付近に運び込まれる湿った暖かい空気には、たっぷり雨の原料が含まれていますが、雨の原料を計る目安が相当温位という数字。

345Kという一時間に50ミリを超える強い雨を降らせるだけの原料を含んだ空気・・・午前中は九州や四国方面・・・夜にかけて関東付近まで流れ込んできます。
で・・・雨はどうなるの?ということでまずは12時間降水量を見てみると・・・・

西日本中心の雨が東日本南岸に拡大してくるのがわかります。
具体的な降水量は、上で見た大雨情報に書かれていましたよね。
もっと詳しくアニメでチェック・・・まず全国版から・・・

コメントはアニメに書き込んでおきましたけど、長野県付近は夕方から今夜にかけてがピークになりそう。
長野県付近は?

予報と同じく、昼頃から東海の強い雨域の北側・・・県南部で雨が降りだして、午後6時までには県全域に拡大。
夜中には南部でオレンジの強い雨・・・1時間に20ミリ以上の強い雨が予想されています。
もっと具体的に・・・・・

湿った暖かい空気は南西の風に乗って長野県へ。
南部の盆地や谷に沿って北上・・・・中アや南ア(南アフリカじゃないっす)の南西斜面にぶつかって特に激しい雨になるものと予想されます。
北部はそれほどではない?かもしれませんけど・・・湿った空気の流れ込み次第でどうなるかわかりませんね・・・・
いずれにせよ、今日の午前中、用水路のゴミや雨どいのつまりを掃除して、雨が降りはじめたら外出しないで済むように準備はしておきたいところです。
できれば今夜・・・できればですけど・・・明日以降・・・週末の梅雨前線の様子もチェックしてみたいと思います。
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2010年06月17日
天気予報は当たるのか?(6月17日)夕立はあるのか?
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
梅雨入りしてもすぐに中休み・・・再び雨が降ったら今度は夏の暑さ・・・・・・

関東甲信地方の予想気温・・・今日は松本がダントツ!
暑くなると夕立が心配になってきますが・・・・今朝は夕立の可能性を考えていたので・・・更新おそくなっちゃいました。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

梅雨の中休みになると、梅雨の無い北海道方面がとばっちりをうけてぐずつくことが多いのですが、今日がまさにそれ。
もっとも中休みは今日だけで、明日は休み明けの梅雨に戻るようです。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

気温が上がって夏のような晴れが予想されていますが、気になるのは夕立。
長野県の予報文に夕立はありませんけど・・・・お隣の県に目をやると・・・
群馬県・埼玉秩父に「所により 夕方 から 夜のはじめ頃 雨」という文字。
その他の県には夕立の気配は書かれていませんでしたから、関東の山沿いに限定してにわか雨(夕立というまでは・・)を予想しているようです。
ですが・・・・Kasayanは心配性ですから、計算値はキチンとチェックしてくことにします・・・
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

北と西がメインのストーリーになっています。
ちなみに上空の天気図は、上空5500m付近です。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
今日は夕立の可能性だけチェックしときます。

強い雨のエリアは陸地になし。
夜、九州の西に活発な雨エリアが計算されていますが、これが明日の天気に影響してくるようです。
今日は問題なさそうですね・・・・この図については・・・
1時間降水量で見ると・・・・

GSMという計算値とMSMという計算値、二つの異なる計算値の同じ時間(午後6時)の降水量予測をならべてみました。
GSMでは気象庁の予報と同じく群馬県と埼玉秩父に降水が予想されています。
長野県は・・・北部や中部の東側、県境付近ですね。
北ア方面はうーんと少ない降水量が予想されています。
一方MSMでも同傾向ですけど、北アの降水がGSMより多めに予想されています。
これをどう考えるか?・・・・はっきりいって、長野県についてはなんともはや・・・・
こういうときは、「実況重視」ということかもしれません。
降水のエリアからすると、気象台・・・予報にはとりあえず書かないでおいて、11時の予報で修正したり、雷雲が発生したら注意報で対応・・・というつもりかもしれません。
したがって、夕立が気になる方は、11時発表の気象庁予報か、レーダーを使って外出前に空模様をチェックしてみてください。
気象庁HP:http://www.jma.go.jp/jp/yoho/
一応、もうちょっと細かくは見てみたのですが・・・・
松本方面は周辺で一番気温上昇・・・・熱低気圧(ヒートロー)発生・・・・松本方面に空気集中・・・
大気の安定度はそこそこ悪いけど・・・・

やっぱり実況重視で行きましょう・・・・・
今日の予報・・・・夕立さえなければガチンコで当たると思います。
今日のブログ・・・図を作る時間が無くなってしまった手抜きっぽくなっちゃいました・・・失礼!
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2010年06月16日
天気予報は当たるのか?(6月16日)回復はゆっくりと
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
今日は朝から一仕事したので、更新が遅れました。
そのかわり、専門天気図を使った図をたくさん作りましたので、興味のある方は図だけでも眺めてみてください。
難しい?かもしれませんけど、なんとなく天気予報の作り方の雰囲気が分かれば・・・・と思います。
ところで、昨日の朝、長野地方気象台発表の予報・・・午前5時に発表した直後の午前6時、「晴れのち雨」の予報を「くもりのち雨」に訂正していました。
実際は・・・・午前中晴れ間が出ちゃいましたよね?
予報の訂正は、予報を改悪してしまうことも多い・・・・・最初のインスピレーションは予報でも大事です。
ちなみに、今朝も午前5時に引き続き午前8時に予報を訂正しています。
今日は楽観的な予報を生活者目線で”改良”したようですから・・・・当たると思うんですけど・・・・・
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

ザッとエリア分けすると、西日本回復の晴れ・・・東日本は回復傾向・・・北日本はこれから雨が強まるという感じ。
雨域移動エリアなんて作りましたけど、東日本が「のち 晴れ(くもり)」で回復傾向、北海道が「のち 雨」で下り坂傾向・・・・雨のエリアが移動するという流れがマークでもキチンとわかりますよね。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。
まずは、午前5時に発表された予報から・・・これはすぐに忘れてくださいね。

そして午前8時に訂正された予報・・・・

午前5時の予報は、回復をかなり楽観的に考えて「昼過ぎから晴れ」にしていましたけど、訂正された予報は「夜 晴れ」にして完全回復を遅めにしています。
また、雨が回復するタイミングも遅らせて「所により 昼過ぎ まで 雨」にしています。
昨日から予報作成を担当している予報官・・・最初のインスピレーションは楽観的な方のようですが、レーダーなどで実況を見ながら迷いを生じてしまうようです。
レストランでメニューを決めるときの性格・・・・予報作りにも表れるんですよね。
県内の回復・・・結局午後のようですが、雨はちょっと尾をひきそうです。
ちなみに、この予報官が午前8時に作成した今日の概況は・・・
「今日は、前線上の低気圧が、発達しながら東海地方の沿岸から三陸沖に進み、夜には上空の気圧の谷が通過する見込みです。
このため、曇りで、昼過ぎにかけて雨の降る所がありますが、夜には晴れる見込みです。」
午前5時の概況・・・保存してなかったので・・・残念。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

必要なコメントは図に書き込んでおきました。
付け加えるとすれば、流れ込んだ暖湿流・・・天気回復しても残りそうなので、結構ムシムシするかもしれません。
予想気温も高めですしね。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
今日は、ちょっとワケがあって、難しそうな言い回しでコメントを書きます。
わかるところだけつまみ読みするだけで、テレビやラジオの天気予報よりは参考になると思いますので、全部読む必要はありません。
興味あるところだけ・・・・どうぞ。
ちなみに今朝の予報・・・5時発表のままだったら、大いに文句ありだったんですけど、8時の訂正があったので・・・当たる!・・・です。
1、実況

梅雨前線上の低気圧による発達した対流雲が東日本・東北にかかっている。
水蒸気画像の湿潤域が三陸に流れ込み、明瞭な暗域(乾燥域)が西日本に進んでおり、トラフの活発化と地上低気圧の発達を示唆している。

暖湿流が顕著な東北に強いエコーが観測されており、長野県付近も一部で1時間20ミリ前後の降水が認められる。

昨夜9時(朝の時点で最新)の実況では、朝鮮半島付近に寒冷渦に伴うトラフ(上空の気圧の谷:500hPa)がゆっくりと東進し、トラフ後面の寒気移流と前面の暖気移流が顕著。
地上低気圧は発達するとともに、トラフ前面の30ノットの強風軸によって比較的早めに北上するものと思われる。
2、予想
前記、実況天気図、予想天気図のアニメも参照のこと。

500hPaのトラフは今夜には東北北部まで進む。

また、トラフの北東進に伴い、マイナス6℃(500hPa)の寒気が南下。
今夜まで北海道東方の低気圧は発達し、以後閉塞過程に入る。

午前中、低気圧や前線に暖湿流(336K)の流入が予想されており、東日本・北日本では大気が不安定となり、落雷・短時間強雨が予想される。

降水域も北日本に移動。

MSMモデルもほぼ同様の傾向を示している。
東日本の雨は急速に回復するが、所々で降水が計算されている点を考慮する必要がある。

長野県も昼までには回復に向かうが、山岳地帯を中心に降水が残る。
気象台発表予報も「所により昼過ぎまで雨」として、これを採用していると思われる。

地上低気圧の北東進に伴い、低気圧前面の湿潤域(700hPa:中層雲エリア)は北上し、東日本・東北は午後から次第に回復に向かい、東日本では晴天となる所もある見込み。

MSMでは長野県付近、下層雲が午後も計算されており、弱い降水の予測とも対応する。
県東部を中心に回復がやや遅れる可能性あり。
沖縄や西日本を無視しちゃいましたけど、ザクッとまとめてみました。
いつもは、図を作らないで、頭の中でまとめているんですけど、いざまとめてみると時間がかかりますね。
これじゃ新鮮な予報じゃなくなっちゃう・・・・
季節の変わり目には、これをやっておくのが良いのですけど、しばらくはゴメンです。
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2010年06月15日
天気予報は当たるのか?(6月15日)降り出しがアヤシイ?
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
朝になればわかるんだから・・・・・と思いつつも、TVのスイッチを入れてしまったのが寝不足のモト。
ワールドカップ・・・・サッカー・・・見ちゃったんですよね。
ボケた頭で更新がちょっと遅くなっちゃいました・・・・

昨日、関東甲信・東北南部が梅雨入りしましたけど、東日本はポッカリとあいた雲の穴の中。
早くも梅雨の中休み?なんて感じの衛星画像ですけど・・・・・

梅雨前線、南岸にヘビのように停滞していますけど、九州付近の前線上の低気圧と関東沖の低気圧にはさまれたエリア・・・ちょっと活動が弱くなっているようです。
九州付近の低気圧が進んでくれば、東日本も再び雨になりそうですね。
そうそう・・・話は変わりますが・・・昨日は長野県も梅雨入りでしたから、パソコンにつけたワンセグチューナーでローカルの天気予報を録画して、チェックしてみました。
一局・・・・SBCだけが「待望の雨が降りましたけど、どれだけ雨が降るか?心配になります」と言って、ちょっと古い情報ですけど、一か月予報の内容を伝えていました。
野菜や果物の病気と関係してくる降水の予想をタイムリーに伝えようとする姿勢・・・さすが老舗。
系列TBSからの森田氏の解説を尊重しすぎたのか、夕方の天気予報で全く天気図を使った解説が無いのが???ですけど・・・・
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

今日も予報文に「雨」の文字があるか無いかで大ざっぱにエリア分けしてみました。
梅雨の中休み?の東日本には太陽マークまでついていますが、「のち雨」マークになっています。
中休み?は短め。
「のち」のタイミングが今日のチェックポイントですね。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

予報文を読む限り、県内の「のち」のタイミングは「夜」。
用語集で「夜」は18時以降ですから、帰宅時間頃と重なります。
ここは詳しく見ておきましょう。
もう一点・・・今朝の長野市内はすでに青空と初夏の太陽が顔を出していますが、予想気温は30℃前後。
県内全域で「南風」が予想されていますが、湿った空気と日差しで・・・ちょっとムシムシの暑さになるかも・・・・
と・・・・ここまで書いたところで、予報訂正を発見!
午前6時に長野地方気象台は、県内全域で「くもり 夜 雨」に予報を訂正してきました。
予報官・・・迷ってる・・・・(サッカー見て寝不足?)
訂正が吉と出るか凶と出るか・・・・最初のインスピレーションを修正すると失敗することが多いのですが・・・・・

いずれにしても、降り出しは「夜」になってますね。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

九州付近にできた前線上の低気圧が、発達しながら今夜は四国付近まで。
それにともなって、梅雨前線もゆっくり北上。
低気圧に南の湿った空気が吸い上げられて・・・・雨が活発・・・という流れ。
低気圧の進み方と発達次第で雨の降りだしや強さの予想があやしくなってきます。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
梅雨前線が北上して活発化する仕組み・・・梅雨の始まりですから、一応高層天気図でチェックしときます。

朝鮮半島付近に上空の低気圧がありますが、この低気圧は上空の強い流れ(水色矢印)から切り離された寒気を伴った空気の渦。
流れから切り離されているので、動きが遅いというのが特徴・・・・地上の天気変化もゆっくりになります。
この低気圧の周辺を流れる強い流れが大陸の冷たい空気を運んでくるのですが、反対に台湾付近にも北東方向に流れる強い流れがあって(赤の矢印)、太平洋の湿った暖かい空気を日本南岸に運んできます。
この二つの流れがぶつかるのが西日本付近。
赤の矢印に沿って前線が活発化・・・さらに上空の気圧の谷が近づいて・・・・前線上の地上の低気圧も活発化・・・ということになりそうです。
南から運ばれてくる湿った空気が雨の原料・・・雨雲の活発化を裏付けるために湿った暖かい空気の様子も確認。

朝のうち・・・梅雨中休みの東日本にはそれほど暖湿流が流れ込んでいませんけど(今朝は過ごしやすいですよね)、夜にかけて東北北部まで南風が湿った空気を運びこむようです。
梅雨の雨の活発化のフォーメーションが整っていることがわかったところで、例によって具体的な雨の様子。

西からやってくる降水域・・・ゆっくりですけど、しっかりとまとまってくるようです。
そして長野県付近へ・・・・

MSMという計算値では昼頃から県西部に雨雲がかかりはじめて、午後6時頃には全域に拡大。
この計算値を尊重するなら、予報のように「夜」じゃなくて遅くとも午後3時(用語では「夕方から」)雨にしてもよいように思うのですが・・・・・
昨日の記事で使った短期予報解説資料というプロ用の資料を見てみると・・・・
「低気圧の位置については、モデルよりも南にシフトさせ、南岸を進むシナリオで組み立てたが、イニシャル変りがあり予想やや不確実であることに留意。」なんて書かれています。
ようは、観測値に基づいて計算するたびに、低気圧の予想進路が変化してしまうっていうことです。
予報官は、計算値を修正して低気圧の進むコースを南よりに変えて予報を考えているんですね。
また、「GSM の大雨ガイダンスは過大で、前初期値、MSM 参考に割引くことを検討。」なんて書いてありますから、統計的処理をした雨の予想についても修正をかけています。
今日の予報・・・・5時に発表した予報を6時には即修正しているし・・・・計算値もかなり修正しているようですけど・・・・Kasayan的には今日の最新のMSM・・・実況にかなり忠実だと思うんですけど・・・・
安全マージンをとって、「夜」じゃなくて「夕方」から雨で考えたいと思います。
特に県の西部、南部では・・・・
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2010年06月14日
天気予報は当たるのか?(6月14日)今日にも梅雨入り?
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
昨日、中国・四国・近畿・東海・北陸で梅雨入りの発表がありましたけど、今日は関東甲信も?・・・なんて話がニュースや天気予報で流れるんでしょうね。
今日梅雨入りしたら、平年の6月8日より約1週間の遅れということになりますけど、梅雨入りの細かなウンチクはテレビの天気予報の前フリのコメントでたくさん聞かれそうなので・・・・・
知らない人にはなんじゃこりゃ?でしょうけど、これ西立川駅の発車メロディ・・・松任谷由実の「雨のステイション」という曲。
発車メロディだけに短めなんで、いきなり聞くと・・・・ちょっと物足りないんですけど・・・・
西立川駅がこの曲のモデルになった駅だということのようですが、今日の駅のホームはこのメロディがピッタリの雨模様でしょう。
15時20分追記:
ちょっと遅くなりましたけど、気象庁発表の「梅雨の時期に関する関東甲信地方気象情報 第1号」が発表されています。ようは梅雨入りの発表ってやつですが、だいたい昼にニュースに間に合うように、午前中に発表されるんですよね。以下本文
梅雨の時期に関する関東甲信地方気象情報 第1号
平成22年6月14日11時00分 気象庁発表
■見出し
関東甲信地方は、梅雨入りしたと見られます。
■本文
関東甲信地方は、気圧の谷や梅雨前線の影響で全般に曇りや雨となっています。
向こう一週間も、気圧の谷や梅雨前線の影響で、曇りや雨の日が多い見込みです。
このため、関東甲信地方は6月14日ごろに梅雨入りしたと見られます。
■参考事項
1.平年の梅雨入り:6月8日ごろ
2.昨年の梅雨入り:6月3日ごろ
■注意事項
・梅雨は季節現象であり、その入りと明けには平均的に5日程度の「移り変わり」の期間があります。
・梅雨の時期に関する気象情報は、現在までの天候経過と1週間先までの見通しをもとに発表する情報です。後日、春から夏にかけての実際の天候経過を考慮した検討を行い、その結果、本情報で発表した期日が変更となる場合があります。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

東北北部はくもりマークですけど、予報文には「雨」の文字。
津軽海峡を隔てて、天気が二分されています。
北海道のライラックを思い出して、こんなエリア分けにしちゃいました。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

初夏の日差しがなくなり、昨日より気温急降下の長野県。
雲マークが左側にあるので、曇りの時間のほうが長い・・・曇りベースの予報ということになりますが、ぐずつくという表現がピッタリでしょう。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。


今朝午前3時の実況天気図と午後9時の予想天気図を並べてみました。
南海上の梅雨前線の折れ曲がり(キンクといいます)が関東沖を北東進する程度で、天気図に大きな変化はありません。
梅雨入り初日に「なるかもしれない」今日は、いつもの天気図のアニメはお休みして、「短期予報解説資料」という気象庁がプロ用に発表している、予報作成の指針を簡単にまとめておくことにしました。
言葉の使い方が専門的で「こりゃわからん」と思ってしまうかもしれませんが、わかる言葉だけ斜め読みするだけで、テレビの天気予報の解説なんかよりずーっと参考になるので、ぜひ読んでみてください。
5、短期予報解説資料
斜め読みでも役立つはず。お試しを!
茶色の文字が短期予報解説資料の内容。
対応する図の中にも同じコメントを書きこんでありますから、図で確認して見てください。
今日は比較的簡単に書かれているので、今日から明日にかけての気象庁の空模様の考え方がわかると思います。
くりかえしますが、わかる言葉だけで十分です。
まずは、実況・・・・予報を作るにあたって、今どうなっているの?ということを予報官がまとめています。
どのあたり?で、どの程度?雨が降っているのか?ということが読み取れればOKです。
1.実況上の着目点
①低気圧が九州の西海上にあってゆっくり東進している。
九州・四国では、エコーが散在し、1時間10 ミリ前後の降水を観測。
②前線は日本の南海上にあり、北にのびる降水域が東日本・東北南部に広くかかり、1 時間10ミリ前後の降水を観測。衛星画像では、東海沖や沖縄の南海上で発達した対流雲がみられ、発雷している。沖縄地方や伊豆諸島は、今後の対流雲の動向に留意。


次は、予想・・・・上の実況で見た雨の様子や原因が、これからどうなるの?ということが読み取れればあなたもお天気キャスター。
336Kとか339Kなんて数字が書かれていますが、この数字が大きいほど、雨の原料がたっぷりの暖かい湿った空気だよ・・・ということになります。
また、FT12とかFT24という数字は、予想している時間・・・図の中にFT24=14日21時・・・などと対応する日本時間を書きこんでおきました。
こちらも対応する図でコメントの内容を確認して見てください。
2.主要じょう乱の予想根拠と解説上の留意点
①1 項①の低気圧は、FT12 以降は不明瞭化する見込み。西日本では、今日は850hPa で336K の暖湿気が残りやや不安定、500hPa 正渦度の通過するため局地的に対流雲が発達する可能性がある。
雷、突風に注意。
②日本の南海上の前線は、これからFT24 頃にかけて伊豆諸島付近を北上し、FT48 には三陸沖まで北上する見込み。
小笠原諸島・伊豆諸島では、雷を伴い1 時間30 ミリの短時間強雨、落雷、突風のおそれがある。対流雲の動向に留意。
また、西日本・東日本の太平洋側では、今夜にかけて気圧の傾きが大きく、東~南東風が強い(W 級)。強風や高波(3~4m)に注意。
③沖縄付近では、FT24 頃にかけて前線が停滞、暖湿気(850hPa339K 以上)が流入し、前線活動が活発化する見込み。雷を伴い1 時間30-50mm の短時間強雨のおそれがある。対流雲の動向に留意。
④500hPa5820m のトラフに対応し、FT36 頃に九州の西海上に前線のキンクが北上、FT48 には西日本の南岸で低気圧が発生する見込み。暖湿気が流入し不安定となるため、九州や四国太平洋側では、雷を伴い1 時間30-50mm の短時間強雨のおそれがある。
太平洋側では、南または南東風が吹きつける所で雨量が多くなる見込み。低地の浸水や土砂災害、河川の増水やはん濫に警戒・注意。




今日は、長野県にズームした降水の計算値を掲載するのはやめました。
ホントにぐずつくというイメージにピッタリで、いつやみ間があって、いつ降るかということを細かく検討してもあまり意味がなさそうだから・・・
外出には雨が降っていなくても折り畳みの傘を持つなり、濡れる覚悟をするなり?・・・・するのが吉だと思います。
ということで、今日の予報は当たる・・・・です。
どうでした?・・・今日は、ちょっと難しかったかもしれませんけど、わかるところだけでイイんです。
行事があったりして、天気予報がすごく気になる!というときには是非読んでみてください。
予報官の悩みどころなんかも読み取れてとても参考になるはずです。
ちなみに今日使った「短期予報解説資料」は以下のURLのページで見ることができます。
(ちょっと重めのページです)
何時発表されたものか?を必ず確認して使うようにしてください。
http://www.argos-net.co.jp/awc/fx_top.php
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