2010年06月12日
天気予報は当たるのか?(6月12日)今日も夕立?
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
九州南部や奄美地方には大雨に関する情報が発表されています。
「九州南部では、12日昼前から13日明け方にかけて、局地的に雷を伴った非常に激しい雨が降るおそれがあります。土砂災害、河川の増水やはん濫、低地の浸水に警戒が必要です」
口蹄疫の感染が拡大して、大変な宮崎県では明日午前6時までに250ミリの雨量が予想されていて、教科書的には200ミリ越えで多く発生する土砂災害の危険が高くなっています。

今日にも梅雨入りするといわれている九州方面ですが、大雨が口蹄疫の感染と関係しないのか?全くわかりませんけど、せめて土砂災害くらいはおとなしくしていてほしいものです。
長野県も山々にたくさんの牧場がありますけど、口蹄疫を警戒して山菜とりや行楽の立ち入りが制限されているところが多いようです。
のんびりと牧場でワラビ取りなんかしたいものだと思っていましたが・・・残念です。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

九州(山口を含む)・四国方面・・・梅雨入りの気配を感じさせる傘マークですけど、予報文を読む限り、「・・・・ から 雨 所により 夜遅く 雷を伴い 非常に 激しく 降る」というような厳しい予報が出されているところも。
その他の夏晴れエリア・・・西日本や東日本では30℃前後が予想されていて、予報文には「所により 夜 雨」とか「雷」という文字がチラホラ・・・夕立の可能性もありそうです。
夏晴れエリアのど真ん中の長野県・・・夕立の可能性・・・十分にありそうですね。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

やっぱり中部に「所により夕方から雨」がついていました。
北部と南部の「昼過ぎから時々くもり」も、モクモクとわいてくる雲をイメージしていたほうがよいかもしれません。
また、中部の予報文に「雷」の文字はありませんけど、十分可能性はあるでしょう。
今年一番の暑さになるかもしれない今日の夕立発生エリア・・・あとで詳しくチェックしておきます。
ちなみに、お隣の群馬県、埼玉県、山梨県には夕立が予想されています。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

今日のポイントは南からの暖湿流・・・・雨の原料の流れ込みです。
ピークのエリアは九州方面ですけど、東日本にもジワリジワリと暖湿流流入。
雨の原料を含んだ空気が上昇すれば、モクモクの雷雲発生です。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
さっそく、今日の降水の予想計算値を見てみましょう。

九州方面、黄色で塗られた強い降水が予想されています。
今日の一言に書いておきましたけど、大雨注意ですね。
一方東日本方面、21時の予想図には青色の降水エリアが予想されています。
ちょっと拡大してみましょう。

午後3時頃から雲が湧きはじめて、午後6時頃には山梨県から諏訪方面にかけて降水が計算されています。
さらに夜9時になると、山梨県から東京多摩西部、北関東、そして長野県では中部と北部志賀高原方面に拡大。
ご存じのように雷雲は発達したり弱まったりしながら、移動しますから、あくまで傾向です。
いずれにしても、予報は中部だけに夕立を予想していますけど、高い山を中心に北部や南部でも空模様には気配りをしておいたほうがよさそうですよね。
この夕立の原因は南から流れ込む暖かく湿った空気・・・・・

日中の気温上昇で松本方面に弱い低圧部ができて、そこに南の湿った空気と日本海からの比較的冷たい空気が集まって・・・・上昇気流発生・・・・モクモク雲が発達という構造のようです。
今日は雷雲を流す上空の流れがかなり弱め。
サッと通り過ぎるというカタチにはなりにくいかも・・・・その場で発達・衰弱という感じかもしれません。
九州方面で大雨が予想されていますから、原因の暖湿流の様子も見ておきましょう。
明日以降の県内にもさらに影響してきますから・・・

明らかに暖湿流の強いエリアは九州方面ですけど、これが明日にかけてゆっくりと東へ進んできます。
明日のチェックポイントも、この暖湿流になりそうですね。
そして、天気変化遅し・・・・

相変わらず、地上の天気変化に影響する上空の等圧線(等高度線)は蛇行したまま・・・・変化小。
明日以降だんだん蛇行は解消される傾向ですけど・・・・蛇行解消前に今夜九州方面には上空の気圧の谷がやってきます。
この谷の東側上空では空気が発散しますから、地上付近では空気が収束・・・上昇気流が発生。
上昇気流が発生すれば雷雲ができ、上昇気流で空気が足りなくなれば周辺からまた湿った空気が流れ込む・・・・・
さて、今日の天気予報・・・中部は当たりですけど、北部と南部に夕立が予想されていません。
予報はエリアの平均的な天気を表現していますから、これでも良いと思いますけど、夕立が無いと考えないで、北部や南部でも夕立の可能性は十分にあると考えておいたほうが良いと思います。
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