2010年02月19日
天気予報は当たるのか?(2月19日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言

今朝の衛星画像を見ると、日本の南に長い雲の帯が見えています。
この雲の北側は冬ですが、南側は春。
雲の帯が北上して日本の上空にかかるようになると菜種梅雨の季節です。

午前6時の菅平。
つい先日までは夜景しか見えませんでしたが、今朝は薄っすらとオレンジに染まっています。
もう2月の後半・・・・この週末は、春を探しに出かけたいと思います。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

まだまだ冬の日本。
日本海側と太平洋側に二分された冬の天気分布です。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

県内も同じく冬の天気分布。
もっとも、北部は「昼過ぎ 一時 雪」、中南部でも「昼過ぎ から 夕方 雪」になっています。
昨日も、日本海の低気圧の影響で同じ時間帯に雪が舞ったりしましたが、今日は何が原因で雪が降るんでしょうか?また昨日よりもっと降るんでしょうか?
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

アニメの中には、今日午後に降る雪の原因・・・・寒気と上空の気圧の谷の様子を書きこんでありますが、単に天気図だけ見たら、なんで午後に雪が降るのかよくわかりませんよね?
県内ローカルの天気予報(特に民放)では、天気図への書き込みをほとんど見たことがありませんが、関東の放送局では当たり前のように行われています。
CG作成の手間や企画がメンドウですから、少ない人員で行うのは大変なことですが、ちょっと残念です。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
まずは、雪雲を発達させる寒気の様子から。

9時と21時の寒気の様子を見比べると寒気のピークの部分が日中長野県を通過していくことがわかります。
この寒気が通過するタイミングで雪雲が元気いっぱいになるわけです。
そこで、予報文にあった「昼過ぎ から 夕方」の降水の様子をチェックしてみると・・・

本当に昼過ぎから降水のエリアが急拡大して、午後3時頃にピークになっています。
また、気象庁の見立てでは最大40センチ降る可能性がある北陸との境目・・・新潟富山県境ではそこそこの積雪になるかもしれませんね。
もうちょっと具体的にどこで降るのかもチェック。

雪雲を日本海から運んでくる風の様子を見ると、北アルプスを南北に迂回するように流れ込むことがわかります。
昨日より県内奥深くまで流れ込む感じ。
このため、南部でも「一時 雪」になるんですね。
特に木曽地方では一時的に雪で空が白くなるなんてこともあるかもしれません。
最後にもう一つ、雪雲の活動にパワーを与える上空の気圧の谷が県内を通過する様子も確認しておきましょう。
今朝の長野地方気象台発表の概況には、「今日は、日本付近は冬型の気圧配置が続きますが、上空の気圧の谷が日中に通過する見込みです。このため、晴れ時々曇りで・・・」なんて書かれています。
朝のNHKラジオのローカルの天気予報では、この概況を読み上げているだけですから、これじゃなんのことだかよくわかりませんよね。

東西の細い線は上空の天気図の等圧線と思っていただいて結構です。
そして線が凹になっているところが上空の気圧の谷。
ちょうど降水が拡大する午後3時ころに県内上空を上空の谷が通過していきます。
さて、今日の天気予報・・・
大ハズレした場合の別のシナリオになる理由が思いつきません。
雪の降りだしのタイミングが多少ずれることもあるでしょうが、重箱のスミを突き過ぎ。
今日の天気予報も当たると考えます。
今日は上層雲がなく、薄い中層雲と雪雲だけが青空を隠しますから、ちょっと白っぽい青空が隠れると太陽が透けて見えるのに雪がチラチラ・・・というイメージになるところが多いと思いんじゃないでしょうか。
当ブログの記事等に関して、ご質問・ご意見等がありましたら、
kasayangw@yahoo.co.jp
までメールしてください。
可能な限り返信いたします。
2010年02月18日
天気予報は当たるのか?(2月18日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
今朝、レーダー画像を見ていたら、ベースの地図上に新潟県の粟島を見つけて、つい懐かしさに朝から昔の写真を引っ張り出してしまいました。
粟島は、佐渡島の東にある周囲20キロほどの小さな島。
日本海に佐渡島以外に島があることを知らない人も多いですから、粟島という名前をはじめて聞かれる方も多いのではないでしょうか。

長野県から訪れるには、新潟市をさらに北上して岩船というところからフェリーに乗ることになります。
桶のような器に焼いた魚とネギを入れてお湯を注ぎ、真っ赤に焼いた石を落して、ジューッと煮立ったところで味噌を入れて食べる「わっぱ煮」という食べ物が有名な島。

そんな食べ物が有名になるくらいですから、海産物の宝庫。
10年ほど前、ヨットで訪れたときには、ヨットを留めた岸壁をサザエがたくさん這い上がってきて、ヨットの上からサザエをつかみ取りし放題だったというウソのようなことがおこる島です。
長野県では佐渡島を旅行される方が多いと思いますが、ちょっと足をのばして素朴で美しい粟島もぜひ訪ねてみてください。
天気図やレーダーを見ていると、天気よりも昔ヨットで訪ねたところばかり目が向いてしまいます。
入江の奥のあの漁港でお世話になったあの漁師さんは、この雪の中も漁に出ているんだろうか?沖から見たあの灯台は強い風に吹かれているんだろうか?なんてことを考えながら・・・・・
さて、いい旅夢気分?はこのくらいにして・・・・

朝の予報が発表された午前5時のレーダー画像。
長野県南部に雨(雪)雲がかかっています。また、山陰にも雲の帯。
この雲の行方・・・しっかり確認していきましょう。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

いろいろなマークが混在しているように見えますけど、二つのマークの右側だけ見れば冬型の天気分布。
こういう見方をすれば、この図だけで、今日は冬型の気圧配置になる変わり目なんだということがわかります。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

上のレーダー画像で見た雪(雨)雲が東海上に抜けるんでしょうね・・・・
予報文を読むと、
中部は「明け方」だけ「雪」。
南部は、「昼前」で「雪」が止むようです。
そして、雪が止めば、2個セットの天気マークの右側・・・晴れ間が広がってくるようです。
一方、北部はマーク左側が雲ですから、曇りベースの一日。
もっとも、「所により 昼過ぎ から 夕方 雪」。
今日のチェックポイントは、中南部の雪が止むタイミングと、北部の雪が降るタイミングとそのエリアということになりそうです。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

中南部の雪が止むタイミングは、南岸の低気圧が抜けるタイミングと関係がありそうです。
また、北部の雪は、日本海を進む低気圧の影響次第ということでしょう。
南岸の低気圧はサッサと抜けていきそうですから、中南部は順調に回復しそうですが、日本海の低気圧の影響はイマイチわかりません。
ここはもうちょっと深くチェックしておきましょう。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
(今日は図が多いので、興味があるところだけ飛ばして見てくださいね)
日本海の低気圧・・・上のアニメで見る限り、南岸の低気圧と比べてあまり発達する気配がありません。
また、前線もないのに、どうして長野県まで影響するんでしょうか?

そこで、地上付近の空気の流れと降水の予測をチェックしてみると、地上付近では低気圧の南側に北西の風と南の風がぶつかるエリア(赤の点線)があることがわかります。
そして、このエリアの後ろには降水が多めに計算されています。
二つの空気がぶつかる所(シアーライン)では、ぶつかった空気が上昇して雲が発生しやすくなります。
また、二つの空気の温度に差があればあるほど雲が発達します。


低気圧の西側(後ろ側)には、比較的強い寒気がありますから、二つの空気がぶつかった所は大気が不安定になって雲が発達しやすいんですね。
予報文からすると、この南北に細い降水エリアが長野県北部にかかってくるのが「昼過ぎ から 夕方」ということのようです。
では、降水エリアがかかってくる様子をいつものアニメでチェックしてみましょう。

南北の降水エリアが東西に倒れながら、ゆっくりと日本海側沿岸にかかってくることがわかります。
やっぱり昼過ぎあたりに長野県に影響してきそうです。
また、新潟県境付近は夕方以降も雪が残りそうですね。
明日の予報・・・北部は「くもり 昼過ぎ まで 時々 雪」ですから、この付近は明日まで雪が続いてしまいそうです。
もっと詳しく・・・中部地方にズーム。

午後3時あたりが本格的に降水エリアがかかってくるタイミングのようですが、県西部中心に降水が計算されていて、イマイチ東部までエリアが拡大しません。
風がぶつかってできる降水域のメカニズムは寒冷前線に似ていますけど、今日の現象は地上付近の空気だけで発生している現象なので、標高が高い北アルプスを越えられないためかもしれません。
で・・・・今日の予報。
北部は「時々晴れ」と書かれていますけど、昼前後には日本海の雪雲がかかってきますから、あまり期待できそうもありません。また、新潟県境の雪が明日まで続く可能性もあります。その意味で北部の予報はちょっとアヤシイという感じですが、基本的に曇りベースの予報ですし、平均的に見れば「所により 雪」ということになりますから、予報は当たるということにしておきます。
10時半追記:上層雲がほとんどなく、北部の晴れ間はかなり広がっているようですから訂正します。
午後の雪雲の帯はかなりシャープな形で、午前10時現在石川県沖まで進んでいます。
そして中南部・・・雪が止むタイミングは明け方~昼前になっていますが、計算値やレーダーを見る限り、妥当な線だと思います。
また、晴れになるか?という点ですが、昨日と異なり上空高い所にある雲はすっかり抜けています。
若干中層の雲が残るものの、雪雲が抜けたら白っぽさの少ない青空が顔を出す(広がるという表現でないところを汲んでください)というイメージだと思います。
ということで、南部の予報も当たる・・です。
最後に、低気圧にパワーを与える上空の気圧の谷の様子と、地上の低気圧や高気圧の移り変わりをアニメにしたものを掲載しておきます。
上空の気圧の谷(赤の点線)の東側に低気圧があると低気圧は発達傾向、重なったり西側にあるとあまり発達しないという傾向がありますから、そのあたりを見ていただけると面白いと思います。
日本海の低気圧はあまり発達しないけど、太平洋側の低気圧はそこそこ発達するということがわかるはずです。

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2010年02月17日
天気予報は当たるのか?(2月17日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
このところ、県内ではしばしば低温注意報が発表されますけど、「低温って何度?」と考えたことありませんか?
水道管の凍結の恐れがある気温だよ・・・・なんて気がしますけど・・・・気象台も漠然と注意報を出しているわけじゃなくて一定の基準にもとづいて発表しています。
長野県の場合は・・・・
冬期 :最低気温が-11℃以下、または高冷地で-17℃以下になるとき
で、高冷地とは、おおむね標高 800m 以上の所のようです。
昨夜も低温注意報が発表されていましたが、実際はどうだったんでしょう。

5時の気温ですけど、0時以降の気温もあわせて見ると、注意報レベルまでは下がらなかったようですね。
県内上空には雲がかかっていたので、雲が毛布の役目をして放射冷却が少なかったからだと思います。
ところで、岩手県の放送局の中には、「農業県だから」という理由で、朝の天気予報では実況気温をことのほかこだわって発表している局があります。
同じ農業県の長野県の朝の天気予報・・・・もうちょっとコダワリがあってもイイような気がします。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

今日の天気分布・・・もうちょっと細かく分けることもできるんですけど、ゴチャゴチャしてしまうので、大ざっぱに分けるだけにしました。
長野県周辺、太陽マークが目立ちますけど、ほとんどのマークが雲マークとセットになっていて、「のち 曇り」のマークもちょっと多めです。
スカッと晴れる感じにはならないのでは・・・・・・・・
あとは赤丸で囲った関東方面。
雲マーク一発ですから、周辺の天気傾向から浮いた感じがします。
県南部や東部に影響する可能性がありますから、あとでもうちょっと詳しく見ておきましょう。
こんなチェックをすれば、長野の天気マークだけ見るよりずっと役立ちそうな気がしませんか?
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

北部は「時々 晴れ」で、中南部は「のち くもり」。
朝の段階で雪の北部は次第に回復。
ただ、晴れ間も広がりますが、回復不十分で曇りベースになりそうです。
一方、中部や南部は午前中晴れ間が出るものの、午後から曇り空。
お隣の県に目を向けても、雪が止む新潟県、曇りベースの岐阜県飛騨地方など似たような傾向ですから、天気分布のエリアが大きくずれても、予報が大ハズレすることはない感じがしますよね。
ただ、全国の天気マークで見たように、関東付近だけベタっと雲マークがついていて、伊豆大島に傘マークがついていることだけが気になります。
マークだけでは県内への影響がわかりませんから天気図でチェックしましょう。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

冬型の気圧配置が、春?の移動性高気圧の気圧配置に変わったと思ったら、夜には気圧の谷がやってくる・・・・なんと早い天気変化でしょう。
天気変化が早くなるのは春のきざし・・・・と思いたいですね。
中部や南部は朝から晴れベースですから、高気圧が通り過ぎて雲が広がるタイミングだけが問題。
北部は冬型がゆるんで雪が止むタイミングと、気圧の谷で雲が広がるタイミングが問題になりそうです。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
今日の天気・・・大ハズレしても雨や雪がじゃんじゃん降る可能性はありません。
あまり重箱のスミとつつき「破る」ような無意味な検討はしたくないので、今日の予報は当たる、という前提で今日の天気変化・・・・上のアニメで問題になった変化のタイミングを詳しくチェックしていきます。
まず、北部の雪が止むタイミング。

新潟県境付近はしつこく降水が予想されていますが、午後3時ころまでにはおさまるとう感じ。
予報文では「朝まで」ですけど、これは平均的な傾向と思っておいたほうが良いでしょう。
ついでに関東付近の気圧配置も見ておきますが、関東には鹿島灘方面から湿った北東の風が吹き込みます。北東流と呼ばれていて、高気圧が張り出しても雲が広がりやすいパターンです。
このため、関東の天気マークは曇りだったわけですが、少なくとも長野県に降水エリアは影響しないようです。
次は雲が広がるタイミング。
まずは地上に近い下層の雲の変化から。

北部の雪雲が薄くなる様子と、南部南アルプス方面に関東の雲がちょっとだけかかるのがわかりますが、どんよりとした雲がべたーっとかかる感じではありません。
次に高い所の中層、上層の雲。

左型、上層の高い雲は一日中かかり続けるようです(12時のものだけ掲載しました)。
ということは、晴れ間が出ても白っぽい空。
12時30分追記:結局、中南部も曇りで推移してしまいそうです。11時の予報もくもりに修正されました。
一方、右側の図、中層の雲(北アルプス頂上付近の高さ)が午後3時頃から広がってきます。
中層雲+上層雲=くもり というカタチで、予報どおり「昼過ぎ から くもり」ということになりそうです。
まあ・・・回復傾向の今日の天気チェックはこのくらいにしておきましょう。
むしろ、今夜やってくる気圧の谷の影響が出る明日の天気。

日本海と太平洋に低気圧。
太平洋側の低気圧の県内への影響は、今のところ少ないようですけど、日本海側の低気圧の影響は今夜チェックですね。
オマケ:
今夜から明日の下り坂をも足らす上空の気圧の谷の様子をチェックした上空の天気図も掲載しておきます。

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kasayangw@yahoo.co.jp
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2010年02月16日
天気予報は当たるのか?(2月16日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
ヨットを趣味にしていることから、ヨットオーナーを対象にした気象講習会の講師をしたことがあります。

ヨットオーナーですから、一通りの気象の知識をお持ちで、ラジオを聞きながら天気図を書くこともできる方が対象でしたが、皆さん異口同音に言われたのが、「天気図が読めない」ということでした。
でも、お話を聞くなかで、皆さん「天気図が読めない」のではなくて、本当は「天気図を使って予報を作れない」という悩みを持っていることがわかりました。
そこで、「気象庁と張り合って予報をしようなんて考える必要はないし無理。天気図が理科や数学の問題だとすれば予報が答え。答えを見ながら問題を読めば、出題の意図も問題の解き方もわかるはず。」とお話しました。

たいしたことではないのですが、180度の意識改革だと言ってくださる方もいました。
テレビの天気予報は、「天気図で十分な解説がされる限り」、天気図~予報という流れがわかりやすい構成だと思います。
しかし、ネットの天気予報のように、十分な解説がない場合は・・・・予報の理由を天気図で確認するほうが、わかりやすいのではないかと思うのですが・・・・いかがでしょう?
このブログは、答えを見ながら問題を読むという流れにしているつもりですが・・・・
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

「のち」マークが多いので、今日日中に大きく天気傾向が変化するということです。
「のち」に、日本海側で雪、太平洋側で晴れ傾向ですから、冬の天気分布・・・つまり、冬型の気圧配置になるということがわかります。
ただ、関東付近は太平洋側にもかかわらず「のち 雪」マークがついています。
関東に雪を降らせるのはなぜ?
県内にも影響しないの?
答えの予報だけでは理由がわかりません。
問題の天気図を見ながら解き方(理由)を考える必要がありそうです。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

県内、日中は全域で曇りベース。
ただ、北部は「夜 雪」で、中部や南部でも「所により 夕方 から 雪」。
北部の雪は冬型特有の日本海側の雪だと想像できますが、中部や南部の雪・・・・関東の雪と関係しているかもしれません。
その理由がわからないと、どの程度の雪になるのか?わかりません。
やっぱり天気図が必要になりそうです。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

今夜、西高東低の気圧配置になって、上空のしっかりと寒気が南下してくるので、日本海側で雪が降るのはお約束みたいなもんです。
ただ、太平洋側の等圧線の様子を見ると、北側に凸状に折れ曲がっている部分があります。
弱い気圧の谷があるわけですが、この部分では北西と北東の風がぶつかりあって雲が発生します。
そこへ寒気が南下してくるわけですから、雪が降るわけです。
もっとも、今夜の時点では、弱い気圧の谷が低気圧まで成長しないということですから、大雪!というほどにはならないと考えられます。
そして・・・この冬型の気圧配置・・・明日には緩んでしまいそうですね。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
今日、何かが降ってくるのは、日本海側と関東付近ですから、どんな降り方をするのかコンピューターの計算値から見てみましょう。

冬型の気圧配置が強まるにつれて、北陸沖に雪雲が成長しはじめ、午後には陸地にかかってくることがわかります。
また、関東・東海付近には一日を通して弱い降水域がかかっているのがわかりますよね。
関東は「のち 雪」ですが、一日ぐずつき気味で夜いは雪になるというイメージ。
南部の雪は日本海側の雪雲というよりは、関東東海の雪の影響がメインのようですね。
つづいて、県内にズーム。

北部の降りだしと思われる15時と、雪のエリア拡大と思われる21時の降水の様子。
降水量から見ると、北部は新潟県境付近中心の雪で、それ以外ではそれほどまとまった雪になることはなさそうです。
また南部や中部の雪は、アルプスを越えた雪が降る松本方面・・・関東の弱い気圧の谷の雪の影響を受ける佐久・野辺山・南アルプス周辺が中心になりそうです。
これで、今日の雪のイメージがつかめました。
ついでに、曇りの様子もチェック。

12時の下層と上層の雲量。
下層のどんよりとした雲は12時頃から厚みを増してきます。
ということで、午前中は所々で青空が顔を出したりする可能性もありますが、朝から高いところの薄雲がかかり続けていますから、せいぜい白っぽい青空どまり。
午後は下層・中層・上層ともに雲が広がって、県内全域曇りメインということになりそうです。
で・・・・今日の予報・・・・・・
北部は、全域で雪の予報ですが、当然雪の降り方は地域によって異なります。
ほとんどチラチラ程度で済むところもあれば、多少の積雪のあるところも。
ただ、平均的に見れば予報のイメージを崩すことはないと思われますから、予報は当たる。
そして、中部と南部・・・「所により 雪」がきちんと予想されていますし、午前中晴れ間が出たからといって曇りベースであることにかわりはありません。
同じく予報は当たると考えます。
最後に、衛星画像と上空5500m付近の天気図を合成したもの、そして、上空5500m付近の天気図を明日の夜までアニメにしたものを掲載しておきます。
明日は、早くも冬型の気圧配置がゆるんでしまいますが、このようにコロコロ天気が変化するのは、上空の蛇行した空気の流れ(矢印)が、日々刻々と変化しているから。
川の流れが変化すれば、水面にできる渦の位置も変化するのと同じです。


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2010年02月15日
天気予報は当たるのか?(2月15日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
この暗い写真の場所・・・12年前は世界で一番?明るく、大勢の人であふれていました。
長野オリンピックの表彰式の会場になったステージ。
今は駐車場になり、所々ペンキのはがれたステージが暗い灯りにてらされているだけです。
バンクーバーでオリンピックが開催される中、時期が時期だけにちょっと寂しい気持ちになったのは私だけでしょうか?
善光寺の灯明祭りが開催されていてもポツンと取り残されたこの一画。
せめて、ライトアップくらいできないかなぁ・・・などと考えていました。
先日、着氷現象を発生させ、県内の電車をストップさせた南岸低気圧。
今日もやってきます。
前回ほどは着氷が発生する可能性は低いと思いますが、その可能性はゼロではありません。
電車を使われる方は、気象台の着氷注意報発表や鉄道会社の情報は一応チェックしてくださいね。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

北海道方面だけが冬・・・・その他のエリアは冬から春への政権交代(ちょっと古いですね)ののろしが上がりつつあります。
先日と同じ南岸低気圧が通過。
西は「のち くもり」、東は「のち 雨」・・・・西から天気下り坂という天気マークの並びです。
そして下り坂エリアのど真ん中の長野県。
周囲の傘マークとは対照的に雪だるまマーク。
標高が高いということが効いていると思いますが、雨・雪は微妙なラインという気がしますね?
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

長野県周辺を見ても傘マークと雪だるまマークが混在。
南部は「雪か雨」ですから、気象台は雪優勢と考えても、雨の可能性も想定しているようです。
また、北部と中部は左側に雲マークがありますから曇りベースの雪。
一方、南部の左側は雪だるまマークですから、雪が天気のメイン。
南岸低気圧ですから、南部ほど降る・・・のは当然ですね。
とにかく、南部中心に何か降ることは確実です。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

予想降水域も天気図上に重ねちゃいました。
ちょっと斬新でしょ?
寒気の中心は北海道付近ですから、単純に雨の可能性のほうが高いんですけど、低気圧は掃除機と同じで地面付近の空気を吸い寄せます。
このため、北の寒気を地上付近に引きこんで、地上付近で冬の空気と春先の空気が入り乱れます。
だから・・・雨になるのか?雪になるのか?は微妙な状態。
県内の地上付近・・・・上空1500mの気温は氷ができる0℃前後です。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。

今日日中の降水の様子ですが、昼頃にちょっと少なくなりますが、まあ一日中何かが降ってくる可能性が十分にあります。
南岸を低気圧が進みますから南部の降水が多いですよね。
で・・・いつ止むの?ですが、今夜日付が変わる頃。

結局、一日回復しないということになります。
そして、低気圧が東海上に抜けると気圧配置は西高東低。
日本海には雪雲が発生し始めます。
で・・・・今日の予報・・・・南部は「朝晩 くもり」ですから、事実上今日の予報は「雪か雨」。
南岸低気圧の影響を一番受ける所ですから、ガチンコの予報です。
「晩」のくもりをあまり期待しない・・・と考えておけば、予報は当たると考えます。
また、低気圧から一番遠い北部・・・曇りベースの予報で雪も・・・ということですから、あまり降らなくても予報のストライクゾーンからははずれません。
こちらも予報は当たると考えます。
一方、中部。
なぜか「昼過ぎ から 雪」なんですよね。
午前中、降水エリアがあまり拡大しない・・・北アルプス等のブロック効果や東信地方の降りだしの遅れを考慮して平均的に「昼過ぎ」と考えたのかもしれません。
ただ・・・・・計算値や今朝のレーダーを見る限り・・・??????
安全を見れば「昼前から」でも良いのでは?・・・・中部の予報はアヤシイと思います。
特に西のエリアの方は、安全マージンをとったほうが良いと思います。
12時30分追記:
中部、松本付近では午前9時前後には降りだし、上田方面でも昼前には降っています。
やっぱり「昼前から」のほうが良かったと思いますが、いかがでしたか?
そして、着氷は?
着氷するには、上空の比較的低めの所に暖かい空気が入り込み、反対に地上付近の気温が上昇せず氷点下になったときに発生しやすくなります。
過冷却といって、0℃以下の雨粒が落ちてきて瞬間的に電線に凍りつくという現象。
今朝の県内・・・軽井沢方面で冷え込んでいます。

この気温が日中も氷点下のままでいると着氷の危険が増加します。

予報では、県内全域プラスですが、本当にここまで上がるのか?
上空の寒気も前回の南岸低気圧よりは南下しない傾向ですが・・・・
このあたりは実況監視が必要です。
12時30分追記:
東御では12時の段階で-1.5℃。軽井沢で0.6℃。11時発表の予報では、各地の予想気温を朝の予報より約1℃前後下げてきました。ただ、軽井沢方面はギリギリプラスになるところが多いので、着氷の危険はあまりなくなったと思います。
ただ、これから夕方にかけて気温が下がってきても、雪になっていない・・・という場合は要注意です。
一方、上空に暖かい空気が流れ込まないか?ですが・・・・

昼前後、松本付近には弱い低圧部ができて、関東や愛知県方面から暖気が流れ込みやすい傾向が計算値から読み取れます。
この暖気で上空下層に暖かいエリアができ、一方、地上が氷点下のままで推移すれば、またまた着氷の可能性があります。
気象台の着氷注意報・・・日中の予想気温からすれば出ないと思いますが・・・・・
軽井沢付近に暖気が流入し、地上気温が氷点下になるとすれば、実況監視の結果いきなり発表される可能性もありますから、電車を使う方は注意しておいたほうが良いと思います。
当ブログの記事等に関して、ご質問・ご意見等がありましたら、
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2010年02月14日
天気予報は当たるのか?(2月14日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
今朝、長野駅付近から見た北ア槍ヶ岳方面。

朝からヘリらしき音が聞こえています。
市内のヘリポートからも出動しているのでしょうか?
北ア栂池で、山スキーに出かけた4人が行方不明。
毎日:http://mainichi.jp/select/today/news/20100214k0000m040081000c.html?inb=fa
信毎:http://www.shinmai.co.jp/news/20100214/a-1.htm

近隣の白馬では今朝の気温がマイナス7℃前後。
幸い風はそれほど強く吹いてはいません。
ところが、今日いっぱい気温があまり上がりそうもありません。

標高1800m付近の栂池山荘付近は、長野の予報からの単純計算でも図のデータでも、今日日中‐7℃前後。
上空5500m付近の寒気はこの時期としては高めですが、上空2000m付近の低い所の寒気は平年の冬並に下がっています。
幸い、今日日中、富山県境付近の雪は少なく、風も強くないと思われますから、朝からの捜索で無事発見されると良いのですが・・・・
14時追記:午前中に無事発見されたようですね。発見されたのは蓮華温泉付近のようですが、昔Kasayanも白馬から蓮華温泉に下山したことがあるので、風景が目に浮かぶようです。酷寒の夜を過ごすだけの準備があったのか?大変な苦労をされたのか・・・本当に良かった。

今夜から県内の天気は下り坂です。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

日本海側の西高東低の天気分布が弱まり、太平洋側の晴れのエリアが北にも拡大するけど、夕方以降西から雨が降りだして、今夜は近畿地方まで雨・・・・という流れが天気マークと各地の予報文をチラチラ見るだけでわかります。
県内は何かが降るという状況ではなさそうですね。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

北部は「昼前から夕方」、中南部は「朝から昼過ぎ」に晴れ。
天気マークの左側が雲マークで、基本的にくもりベースですけど、実質は晴れということです。
ただ、南部のほうが早めに曇ってくるということですね。
ただ、上で見たように、地上付近には冬の寒気が流れ込んでいます。
晴れのイメージとあまりリンクせずに気温は低めですから、春の陽気というよりは冬晴れのイメージになりそうです。

4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

日中晴れ間をもたらす高気圧・・・夜には東海上へ。
日本付近は大陸の高気圧(山)と太平洋の高気圧(山)にはさまれた気圧の谷(沢)に入ります。
谷には谷川が流れますが、空の気圧の谷には西から前線(川)が進んできて西から下り坂。
ただ、県内は日付が変わるまで雨や雪にはならずに済みそうです。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
上の「今日の一言」の中で掲載した降水や気温の図、そして予想図のアニメをご覧になるとわかるように、基本的に今日は久々に「高気圧に覆われて」という表現がピッタリの天気。
重箱のスミをつつくような検討をするのも意味がありません。
ただ、西から天気が下り坂・・・昼前後には、上空の薄い雲がかかり始めますから、スカッとした青空は期待できそうもありません。
白っぽい青空が、午後には次第に青空でなくなってくる・・・というイメージです。
ということで・・・今日の天気予報は当たる・・・です。
当ブログの記事等に関して、ご質問・ご意見等がありましたら、
kasayangw@yahoo.co.jp
までメールしてください。
可能な限り返信いたします。
1、今日の一言
今朝、長野駅付近から見た北ア槍ヶ岳方面。

朝からヘリらしき音が聞こえています。
市内のヘリポートからも出動しているのでしょうか?
北ア栂池で、山スキーに出かけた4人が行方不明。
毎日:http://mainichi.jp/select/today/news/20100214k0000m040081000c.html?inb=fa
信毎:http://www.shinmai.co.jp/news/20100214/a-1.htm

近隣の白馬では今朝の気温がマイナス7℃前後。
幸い風はそれほど強く吹いてはいません。
ところが、今日いっぱい気温があまり上がりそうもありません。

標高1800m付近の栂池山荘付近は、長野の予報からの単純計算でも図のデータでも、今日日中‐7℃前後。
上空5500m付近の寒気はこの時期としては高めですが、上空2000m付近の低い所の寒気は平年の冬並に下がっています。
幸い、今日日中、富山県境付近の雪は少なく、風も強くないと思われますから、朝からの捜索で無事発見されると良いのですが・・・・
14時追記:午前中に無事発見されたようですね。発見されたのは蓮華温泉付近のようですが、昔Kasayanも白馬から蓮華温泉に下山したことがあるので、風景が目に浮かぶようです。酷寒の夜を過ごすだけの準備があったのか?大変な苦労をされたのか・・・本当に良かった。

今夜から県内の天気は下り坂です。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

日本海側の西高東低の天気分布が弱まり、太平洋側の晴れのエリアが北にも拡大するけど、夕方以降西から雨が降りだして、今夜は近畿地方まで雨・・・・という流れが天気マークと各地の予報文をチラチラ見るだけでわかります。
県内は何かが降るという状況ではなさそうですね。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

北部は「昼前から夕方」、中南部は「朝から昼過ぎ」に晴れ。
天気マークの左側が雲マークで、基本的にくもりベースですけど、実質は晴れということです。
ただ、南部のほうが早めに曇ってくるということですね。
ただ、上で見たように、地上付近には冬の寒気が流れ込んでいます。
晴れのイメージとあまりリンクせずに気温は低めですから、春の陽気というよりは冬晴れのイメージになりそうです。

4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

日中晴れ間をもたらす高気圧・・・夜には東海上へ。
日本付近は大陸の高気圧(山)と太平洋の高気圧(山)にはさまれた気圧の谷(沢)に入ります。
谷には谷川が流れますが、空の気圧の谷には西から前線(川)が進んできて西から下り坂。
ただ、県内は日付が変わるまで雨や雪にはならずに済みそうです。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
上の「今日の一言」の中で掲載した降水や気温の図、そして予想図のアニメをご覧になるとわかるように、基本的に今日は久々に「高気圧に覆われて」という表現がピッタリの天気。
重箱のスミをつつくような検討をするのも意味がありません。
ただ、西から天気が下り坂・・・昼前後には、上空の薄い雲がかかり始めますから、スカッとした青空は期待できそうもありません。
白っぽい青空が、午後には次第に青空でなくなってくる・・・というイメージです。
ということで・・・今日の天気予報は当たる・・・です。
当ブログの記事等に関して、ご質問・ご意見等がありましたら、
kasayangw@yahoo.co.jp
までメールしてください。
可能な限り返信いたします。
2010年02月13日
天気予報は当たるのか?(2月13日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
このブログでは、毎日たくさんの図を使っています。
毎朝、天気図のチェック(気象解析というほど綿密じゃないので)をしながら図を作ることで、その日の天気のチェックポイントを頭の中で絞り込むトレーニングをしているのですが、図をそのまま放置しておくのももったいないので、「テレビの天気予報のセカンドオピニオン」になればと思って、できるだけ多くの図を恥を捨てて公開することにしたからです。
(気象庁広報や気象会社に使用許諾までもらいました)

ただ、当初は図が多くなると、読み手の方が混乱するのではないか?とも考えました。
確かに、テレビやラジオの天気予報では、情報を盛り込みすぎるとかえって分かりにくくなりますから、可能な限り内容を絞り込んで番組を作ります。
でも、ブログは文字を読んだり図や写真を見たりする媒体です。読み手の方が必要な部分だけを選んで読み飛ばすことが可能です。
また、インターネットでは、単にいつもの天気予報を見るという目的でアクセスするだけではなく、大雪が降るときには「予想降雪量」などという必要なキーワードで検索してアクセスするわけですから、開いたページには必要な情報が選択できるほど掲載されているほうが良いわけです。
ですから、たくさんの図を並べても、読んでくださる方が目的に応じて必要な図を選んで見ていただけると考えて、あえて過剰なほどの図を掲載することにしました。
ただ、多くの図を並べるなら、図の目次のようなものが必要になってきます。
そのために掲載しているのが天気図のアニメです。
まあ・・・・そんな目で、このブログ・・・読み流してみてください。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

天気マークの並びの傾向だけ見てエリア分けすると、なんだか複雑に見えますが、基本的には日本海側と太平洋側に二分される冬型の天気分布と同じです。
ただ、冬型の天気分布では太平洋側が晴れエリアになるのですが、今日は関東付近と四国付近が「のち」下り坂エリアになっているわけです。
このうち、四国方面はマークに傘はありませんけど、関東付近では傘が表示されています。
関東付近には、天気を特に悪くする何か?があるということですね。
関東に隣接する長野県・・・せっかくの週末に、この何か?が影響してこないか?が心配です。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

幸い県内の天気マーク・・・・北部は曇りベースですが、太陽マークもセットになっています。
また、中南部では、晴れベース。
長野地方気象台では、マークに表現するほど天気の悪化はないと踏んでいるようです。
ただ、予報文を読んでみると、北部では「所により 夕方から 雪」。
新潟県の雪マークが影響する場所・・・たぶん新潟県境付近で雪を想定しているようです。
じゃあ、関東や山梨の雪マークの影響は?
南部では「朝晩 くもり」の予報ですが、「晩」の部分ですね。
この点、雪になると大騒ぎになる関東で本当に雪になるの?ということも含めて一応確認しておいたようがよさそうです。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

高気圧に覆われて晴れるけど、良く見れば西高東低の気圧配置・・・冬型と言い切るほど西の高気圧と東の低気圧の勢力バランスがとれているわけじゃありませんけど・・・・・。
このために、天気分布の基本は冬型の天気分布。
ただ、二か所、弱い気圧の谷が発生します。
高気圧と高気圧にはさまれた所・・・そして、等圧線が地図上の沢の等高線のように折れ曲がっているところです。
このエリアでは雲が発生しやすいので、二つの下り坂エリアができるわけです。
県内の天気に影響しそうなのは、関東付近の弱い気圧の谷ということになります。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
今夜東日本には、地上の弱い気圧の谷や低気圧にパワーを与える「上空の気圧の谷」がやってきます。

こいつが接近してくる夕方あたりから、関東付近の弱い気圧の谷が元気になり始めます。
そこで、一日の降水の計算値をちょこちょことチェックして、県内で一番降水が多そうな時間が午後4時前後。
午後4時の降水量の予測がコレです。

まず、北部の新潟県境付近に弱い降水が計算されていますが、これはアニメで見た寒気によって発生した雪雲がかかってくることを意味しています。
弱い降水ですから、大雪というほどではなく、チラチラ程度で済みそうです。
一方、野辺山付近。
それほど多くはありませんけど、一応青で示されるまとまった降水が計算されています。
例の弱い気圧の谷による降水。
まとまってた降水といっても、時間的にも量的にもたいしたものではありませんから、雪になっても最悪薄っすら程度と考えられます。
で・・・・雪になるのか?ですが・・・・・

弱い気圧の谷に吹きこむ風の影響で、山梨県付近を中心に上空1500mの気温-5℃の線が北上していますけど、0℃の線ははるか南海上まで南下しています。
基本的に落ちてくるものは雪になるはずです。
標高の高い長野県・・・それも野辺山や八ヶ岳方面ではまず雪でしょう。
ただ、関東地方・・・
東京の予想最高気温は5℃。
地上付近には比較的温度高めの空気が残っていて、落ちてくる雪が融けてしまう可能性が十分にあります。
東京では傘マーク、横浜では雪マーク・・・それぞれ予報文では「雨か雪」と「雪か雨」。
非常に微妙な予報になっています。
で・・・今日の県内の天気予報・・・・・
北部の予報には「時々 晴れ」がついているので、青空が顔を出した場合も想定されていますし、「所により 雪」もついていますから、新潟県境の雪も想定されています。
日中チラチラの可能性もありますけど、あくまで雪が舞う程度で済みそうですから、ハズレというレベルにはならないでしょう。
ということで、北部の予報は当たると考えます。
次は南部・・・「朝晩 くもり」ですけど、東のエリアでは夕方チラチラの可能性はあります。
ただ、「所により雪」というほど広いエリアで降るわけでもなく、本当にチラチラ程度ですから、これをエリアの平均的な天気を表現する予報文に反映させるにはためらいがあります。
ということで、南部の予報も当たる・・です。
そして、中部。
関東の弱い気圧の谷の影響を受けやすい佐久・軽井沢方面は「時々 くもり」というより「時々 晴れ」というレベルになる可能性がありますが、エリアを平均的に見れば晴れベースで考えてよいと思います。
やっぱり中部の予報も当たると考えます。
当ブログの記事等に関して、ご質問・ご意見等がありましたら、
kasayangw@yahoo.co.jp
までメールしてください。
可能な限り返信いたします。
2010年02月12日
天気予報は当たるのか?(2月12日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
昨日の夕方、久々に長野ローカルのニュースと天気予報を梯子して見ていたんですけど、小諸~軽井沢間などで電車が止まっていたニュースを様々に扱っていました。
架線に着氷するという現象によって、電車に電気を送れなくなったためですが、「珍しい」着氷現象のメカニズムにまで踏み込み、図まで作って報道していたのは、Kasayanが見る限りSBCだけでした。
気象事業者として登録してある放送局としては、気象台への取材を中心にせず、もうちょっと突っ込んだ解説が欲しいと思いましたが・・・祭日で人も少なかったかもしれません・・・さすがに老舗の民放だな・・と思いました。

ニュースの中では・・・・
・・・と、コメントされていましたが、昨日朝の短期予報解説資料というプロ用の情報には・・・・・
・・と書かれいました。
発生の可能性は十分にあったのですが、予測が難しいということの内実は、場所の特定や発生の程度の予測が難しいということなんですね。
日中、気温がプラスまで上昇しなかった軽井沢方面や大町方面で多発しましたが(発生メカニズムの解説は昨日の記事に追記してあります)、着氷が発生する状況になることを判断するには実況を注視して発生直前に判断せざるを得ません。また、注意報の基準は「著しく」発生のおそれがある場合なので、程度の見積もりも悩むところです。
Kasayanも、朝の段階では発生しても電車がとまるほどじゃないだろうと思ってましたが、昼過ぎに雨(みぞれ)の状況を見てアレ・・・?なんて状態でした。
東京でも発生することがあって、山手線などが止まったらトップニュースですから、局にいる気象予報士が図を多用して解説しまくるのですが、車社会になってしまった長野県?
翌日のダイヤ混乱の可能性もあるのに、トップニュースにしていない放送局があったのも驚きでした。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

冬型の天気分布のように、日本海側と太平洋側に二分される分布ですけど、どっちも曇りがベースになっていて、中途半端。
この理由が、長野県の中南部の予報に影響してくるところです。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

北部が「時々(一時) 雪」で、中南部が「くもり」。
ただ、予報文には中部にも、「所により 昼前から夕方 雪」と書かれていますから、中部も事実上「くもり 一時 雪」という感じです。
ところが、南部は北部や中部と違う時間帯・・・「夜 雪」と書いてあります。
なんで?
天気マークの予報だけでパッと理由が思いつかない場合の予報は・・・疑ってかかるのが吉。
あとで詳しくチェックしてみます。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

日中、西高東低の気圧配置になるわけですが・・・・あえて冬型と書いていないのは、大陸からの高気圧の張り出しのほうが優勢すぎて、一般的な冬型といえるほど西高東低のバランスがとれておらず、ためらいを感じるからです。
今日、冬型の天気分布のように、太平洋側でスパッとした晴れにならないのは、二つの弱い気圧の谷ができるから。
弱い気圧の谷付近はぐずつくので、雨や雪の可能性もあります。
曇りの天気マークの関東や東海地方の予報文を読むと、夕方あたりに一時的に雨や雪が予想されていますが、この弱い気圧の谷の影響のようです。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
一応、西高東低の気圧配置になりますから、北部の雪は簡単に理由がわかります。
ただ、強い冬型というわけでもないのに、中部の昼前後の雪の理由は?

正午の降水量予測と気圧配置の図ですが、東海付近に弱い気圧の谷ができていて、静岡や長野県中部や南部に降水が予測されています。
上のアニメで見た弱い気圧の谷の影響だったんですね。
降ってくるものが雨か雪か?・・・昨日のことを考えると気になるので一応チェック。

強い寒気というほどではありませんけど、昨日より地上付近に冷たい空気が流れ込んでいて、一応県内上空は0℃以下。
雪がメインと思われます。
でも・・・・中部より降水が予測されている南部は日中くもりなんだろう?
降水量予測に統計的処理も加えた天気分布予報を見ると・・・・

南部にはそれほど雨域がかかっていませんから、こちらを優先した?・・・・イマイチ理由がわかりません。
日中の天気についてはこのくらいにして、南部の「夜 雪」のチェックを・・・・

GSMとMSMという二種類の計算値を見比べると、確かに少しだけ降水が予測されています(この図は一番降水域が拡大した23時)。
そして天気分布予報は・・・・

一応雪のエリアが広めに計算されています。
南部の予報の「夜 雪」はこれを重視したのでしょうか?
うーん・・・・・・
正直なところ、今日の南部の予報・・・・どうしてこういう予報になったのか?Kasayanとしてはイマイチ理解できません。
ちょっと強気なモノイイですが、少ない情報で解説しきれない予報・・・・すなわち「綺麗じゃない予報はアヤシイ」という経験から・・・・今日の南部の予報はアヤシイと思います。
日中、「所により雪」があってもイイ状態だと考えます。
14時追記:
午前11時発表の南部の予報「北の風 くもり 所により 雪」。
「所により雪」になりましたよ。
一方、中部や北部・・・・・こちらは雪の程度に地域的バラツキがあることを十分に把握しておけば天気予報がハズレたと感じることはないでしょう・・・・当たるです。
南部の予報・・・何か気付いたら時間の許す限り追記してみたいと思います。
当ブログの記事等に関して、ご質問・ご意見等がありましたら、
kasayangw@yahoo.co.jp
までメールしてください。
可能な限り返信いたします。
1、今日の一言
昨日の夕方、久々に長野ローカルのニュースと天気予報を梯子して見ていたんですけど、小諸~軽井沢間などで電車が止まっていたニュースを様々に扱っていました。
架線に着氷するという現象によって、電車に電気を送れなくなったためですが、「珍しい」着氷現象のメカニズムにまで踏み込み、図まで作って報道していたのは、Kasayanが見る限りSBCだけでした。
気象事業者として登録してある放送局としては、気象台への取材を中心にせず、もうちょっと突っ込んだ解説が欲しいと思いましたが・・・祭日で人も少なかったかもしれません・・・さすがに老舗の民放だな・・と思いました。

ニュースの中では・・・・
「気象台によると、着氷を予測することは難しいとのことです」
・・・と、コメントされていましたが、昨日朝の短期予報解説資料というプロ用の情報には・・・・・
地表が冷えて、上空に気温の高い所があると、過冷却の雨が架線などに凍り付く現象が起こることがあり影響が大きい。温度成層にも注意。
・・と書かれいました。
発生の可能性は十分にあったのですが、予測が難しいということの内実は、場所の特定や発生の程度の予測が難しいということなんですね。
日中、気温がプラスまで上昇しなかった軽井沢方面や大町方面で多発しましたが(発生メカニズムの解説は昨日の記事に追記してあります)、着氷が発生する状況になることを判断するには実況を注視して発生直前に判断せざるを得ません。また、注意報の基準は「著しく」発生のおそれがある場合なので、程度の見積もりも悩むところです。
Kasayanも、朝の段階では発生しても電車がとまるほどじゃないだろうと思ってましたが、昼過ぎに雨(みぞれ)の状況を見てアレ・・・?なんて状態でした。
東京でも発生することがあって、山手線などが止まったらトップニュースですから、局にいる気象予報士が図を多用して解説しまくるのですが、車社会になってしまった長野県?
翌日のダイヤ混乱の可能性もあるのに、トップニュースにしていない放送局があったのも驚きでした。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

冬型の天気分布のように、日本海側と太平洋側に二分される分布ですけど、どっちも曇りがベースになっていて、中途半端。
この理由が、長野県の中南部の予報に影響してくるところです。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

北部が「時々(一時) 雪」で、中南部が「くもり」。
ただ、予報文には中部にも、「所により 昼前から夕方 雪」と書かれていますから、中部も事実上「くもり 一時 雪」という感じです。
ところが、南部は北部や中部と違う時間帯・・・「夜 雪」と書いてあります。
なんで?
天気マークの予報だけでパッと理由が思いつかない場合の予報は・・・疑ってかかるのが吉。
あとで詳しくチェックしてみます。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

日中、西高東低の気圧配置になるわけですが・・・・あえて冬型と書いていないのは、大陸からの高気圧の張り出しのほうが優勢すぎて、一般的な冬型といえるほど西高東低のバランスがとれておらず、ためらいを感じるからです。
今日、冬型の天気分布のように、太平洋側でスパッとした晴れにならないのは、二つの弱い気圧の谷ができるから。
弱い気圧の谷付近はぐずつくので、雨や雪の可能性もあります。
曇りの天気マークの関東や東海地方の予報文を読むと、夕方あたりに一時的に雨や雪が予想されていますが、この弱い気圧の谷の影響のようです。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
一応、西高東低の気圧配置になりますから、北部の雪は簡単に理由がわかります。
ただ、強い冬型というわけでもないのに、中部の昼前後の雪の理由は?

正午の降水量予測と気圧配置の図ですが、東海付近に弱い気圧の谷ができていて、静岡や長野県中部や南部に降水が予測されています。
上のアニメで見た弱い気圧の谷の影響だったんですね。
降ってくるものが雨か雪か?・・・昨日のことを考えると気になるので一応チェック。

強い寒気というほどではありませんけど、昨日より地上付近に冷たい空気が流れ込んでいて、一応県内上空は0℃以下。
雪がメインと思われます。
でも・・・・中部より降水が予測されている南部は日中くもりなんだろう?
降水量予測に統計的処理も加えた天気分布予報を見ると・・・・

南部にはそれほど雨域がかかっていませんから、こちらを優先した?・・・・イマイチ理由がわかりません。
日中の天気についてはこのくらいにして、南部の「夜 雪」のチェックを・・・・

GSMとMSMという二種類の計算値を見比べると、確かに少しだけ降水が予測されています(この図は一番降水域が拡大した23時)。
そして天気分布予報は・・・・

一応雪のエリアが広めに計算されています。
南部の予報の「夜 雪」はこれを重視したのでしょうか?
うーん・・・・・・
正直なところ、今日の南部の予報・・・・どうしてこういう予報になったのか?Kasayanとしてはイマイチ理解できません。
ちょっと強気なモノイイですが、少ない情報で解説しきれない予報・・・・すなわち「綺麗じゃない予報はアヤシイ」という経験から・・・・今日の南部の予報はアヤシイと思います。
日中、「所により雪」があってもイイ状態だと考えます。
14時追記:
午前11時発表の南部の予報「北の風 くもり 所により 雪」。
「所により雪」になりましたよ。
一方、中部や北部・・・・・こちらは雪の程度に地域的バラツキがあることを十分に把握しておけば天気予報がハズレたと感じることはないでしょう・・・・当たるです。
南部の予報・・・何か気付いたら時間の許す限り追記してみたいと思います。
当ブログの記事等に関して、ご質問・ご意見等がありましたら、
kasayangw@yahoo.co.jp
までメールしてください。
可能な限り返信いたします。
2010年02月11日
天気予報は当たるのか?(2月11日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
昨夜9時と今朝6時の雲の様子。

雨を降らせた低気圧の雨雲はすっかり東海上へ抜けてます。
一晩でずいぶん足早に進むもんですね。
一方、昨夜上海付近にあった低気圧のタマゴが成長して九州の西に迫っています。
雲のエリアが大きくなっているのがわかりますよね・・・発達してるんです。
この低気圧・・・2月1日に南信地方に雪を降らせた低気圧と同じ南岸低気圧。
今回は、前回の雪と違って上空の気温がちょっと高め。
降りだしは雨中心で、次第に雪になるとは思いますが、南信にしろ大騒ぎの関東にしろ雪に変わるタイミングとどの程度積もるのか?を予測するのは非常に難しいところ。
昔、東京の某局、ウェザーセンターのデスクをしていたころ、「銀座と新宿で雪の映像を撮りたいんだけど何時から雪になるんだ」と吊るしあげられ、「雨だ」と答えたらいきなり雪。
散々嫌味を言われて以来、とりあえず「雨の可能性もあるけど念のため取材してくれ」と言うようになりました。
今日はそこまで微妙じゃないですけど、現役の気象予報士には悩ましい一日でしょう。
東京の雪の映像が全国版のニュースで流れたら、その裏で天気図に線を引いている人間がいることを思い出してやってください。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

冬型の天気分布は北海道を中心とした北のエリアだけ。
それ以外のエリアは冬と春の空気がせめぎ合い、雪と雨が戦うぐずつきエリアです。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

冬と春がせめぎ合う長野県・・・南部は「のち 雨か雪」の春優勢エリア。
中部は「のち 雪か雨」の冬優勢エリア。
そして、北部は・・・・冬楽勝の「雪」
もっとも、今夜遅くになると冬が優勢になってきますから、明日朝には南部の地面も白くなると思います。
そして・・・・県内全域、降りだしは「昼過ぎ」(12時~3時)ですね。
ここで、関東の天気マークを横目でチラッと見ると、傘マークと雪マークが混在していて悩ましさを想像させてくれます。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

この時期の南岸低気圧ではお約束の解説パターンです。
寒気が十分に南下しているわけではありませんが、低気圧が発達しながら関東の沖へと進んでくると、低気圧が、まるで掃除機のように北から地上付近に寒気を引きずりおろしてきます。
このため、雨が雪に変わるわけですが、低気圧が十分に発達しなかったり、進むコースが北よりになったりすると、寒気が十分の下りてこないので雪になりません。
一方、低気圧が陸から離れて通過すると雨のエリアが海上に出てしまって、せいぜいチラチラと雪が舞う程度で終わってしまいます。
そのほか地上付近の気温とか、局地的な低圧部のでき具合、風の吹き方など様々な要素が複雑にからみあって雪になるので、気象マニアには考える素材として面白い現象ですけど、現実にリスク回避の情報として使うなら、実況と新しい予報をコマメにチェックして対応するのが一番だと思います。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
まずは、今日降ってくるものの(この言い回しを汲んでください)降りだしと範囲をチェックしておきましょう。

予報文には降りだしが「昼過ぎ」と書いてありますから、正午の降水の様子をまとめてみました。
岐阜県や富山県方面から雨(雪)雲が押し寄せてきてきます。
はじめは北アルプスが雲をブロックしようとしますが、次第に北アルプスより背の高い発達した雲がやってきて、ダムが決壊するように県内に雨(雪)雲が広がります。
そして、いったん広がってしまえば、県内全域雨(雲)エリアになって、夜遅くまで・・・・。
で・・・・問題の雨・雪の区別(いまさら長野県内じゃ問題でもない?)。
区別のメインは気温ですから、まずは上空の気温からチェックしていきます。

一般的に、冬場に雪が降るか降らないかは上空5500m付近の気温から考えます。
普通、-30℃なら雪なんていうのですが、今夜-30℃の寒気ははるか北海道上空にあります。
(ちなみに、前回南部で雪が降ったときは本州まで南下していました)
これじゃ雪にならないじゃん!・・・・ということなんですけど、そうは問屋が卸さない。
下層・・・上空1500m付近の気温の様子もチェックすると・・・・

上空は気温が高めでも、地上付近には寒気が南下してくるようです。
上の天気図のアニメに書き込んでおきましたが、掃除機のような低気圧が地上付近に寒気を引きずり下ろすんですね。
そして、氷ができる0℃の線が県南部・関東付近まで。
この線より北では落ちてくるものが雪になる可能性が急増してきます。
ただ、地上付近の気温が高ければ融けてしまうので、-6℃まで下がらなければ、状況によって雨にも雪にもコロコロと変わってしまいます。
だから、南部は「雨か雪」、中部は「雪か雨」、-6℃の線がかかっている北部は「雪」の予報なんですね。
12時追記:北部の降りだしがちょっと早めだったので、寒気南下が間に合わず、雨で降りだしているところもあるようです。
さらに、地上付近に寒気が流れ込んでくる様子をチェック。

午後6時頃の上空1500m付近の気温をもっと詳しく見てみると、0℃の線が関東付近でググッと南下していることがわかります。
長野県南部よりずっと下がっていますよね。
だから、東京でも雪の可能性が高まっているわけです。
で・・・予想降雪量は、正直なところ今のKasayanには正確に予測できません。
とりあえず、気象庁が発表している分布予報のうち、午後6時からの6時間の降雪の様子を掲載しておきます。

21時30分追記:
中南信中心に大雪注意報が発表されています。
予想降雪量がハッキリしてきたので、注意報の原文には予想降雪量が記載されています。
なんだか今日はアクセス数が多いようなので、一部抜粋して掲載しておきますが、気象庁HPで原文は読んでくださいね。
ここまでは、お天気の教科書にも書いてあることをなぞっただけ。
本当はここから、地形の効果や地上付近の風の通り道、風がぶつかる場所などを詳しくチェックしていく必要があるのですが、ブログではこの程度にしておきます。
で・・・・今日の天気予報。
何か降るのは間違いなし。別のシナリオを考える意味はありません。
そして降りだし・・・予報は「昼過ぎ」ですけど、県の西のエリアは「昼前後」くらいに考えておけば十分でしょう。
また、雨と雪の比率については、遅くとも夜には南部でも雪になると考えておけばよいですし、予報自体が「雨か雪」なんて書いてあるわけですから、ハズレようもないでしょう。
それに、この季節、雪に対して準備OKの長野県ですから、雪と考えておくのが無難にきまっています。
ということで、今日の予報は当たる・・・・です。
15時30分追記:
ライブカメラで見る限りですが、降りだしは標高の高い所以外は雨主体です。
上で書いたように「遅くとも夜には雪になる」という流れで考えておいてください。
午前9時の観測で、輪島上空1500mでー3.9℃。推定上、長野県中部まで0℃のラインがかかっていますが、県上空に弱い低圧部が発生し、関東付近や東海沖の暖かい空気が下層に流れ込んでいると考えます。
このため、地上気温ほど雪(雨)雲下層が冷えておらず、雨主体になっていると思われます。
雪に変化する直前、過冷却といって0℃以下の雨が降り、電線着氷などの可能性が考えられます。
この点注意してください。着氷注意報(珍しいですね)が出ています。

そうそう・・・昨夜の記事に、昔雑誌に連載していた記事の草稿を載せておきました。
このブログの天気チェックの仕方が変わっているのはなぜ?がわかると思いますので、よかったら読んでみてください。
【オマケ】
低気圧が発達するパワーの源・・上空の気圧の谷の様子と、地上付近の空気の流れの図が作ってありますので、興味のある方はどうぞ・・・・


当ブログの記事等に関して、ご質問・ご意見等がありましたら、
kasayangw@yahoo.co.jp
までメールしてください。
可能な限り返信いたします。
1、今日の一言
昨夜9時と今朝6時の雲の様子。

雨を降らせた低気圧の雨雲はすっかり東海上へ抜けてます。
一晩でずいぶん足早に進むもんですね。
一方、昨夜上海付近にあった低気圧のタマゴが成長して九州の西に迫っています。
雲のエリアが大きくなっているのがわかりますよね・・・発達してるんです。
この低気圧・・・2月1日に南信地方に雪を降らせた低気圧と同じ南岸低気圧。
今回は、前回の雪と違って上空の気温がちょっと高め。
降りだしは雨中心で、次第に雪になるとは思いますが、南信にしろ大騒ぎの関東にしろ雪に変わるタイミングとどの程度積もるのか?を予測するのは非常に難しいところ。
昔、東京の某局、ウェザーセンターのデスクをしていたころ、「銀座と新宿で雪の映像を撮りたいんだけど何時から雪になるんだ」と吊るしあげられ、「雨だ」と答えたらいきなり雪。
散々嫌味を言われて以来、とりあえず「雨の可能性もあるけど念のため取材してくれ」と言うようになりました。
今日はそこまで微妙じゃないですけど、現役の気象予報士には悩ましい一日でしょう。
東京の雪の映像が全国版のニュースで流れたら、その裏で天気図に線を引いている人間がいることを思い出してやってください。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

冬型の天気分布は北海道を中心とした北のエリアだけ。
それ以外のエリアは冬と春の空気がせめぎ合い、雪と雨が戦うぐずつきエリアです。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

冬と春がせめぎ合う長野県・・・南部は「のち 雨か雪」の春優勢エリア。
中部は「のち 雪か雨」の冬優勢エリア。
そして、北部は・・・・冬楽勝の「雪」
もっとも、今夜遅くになると冬が優勢になってきますから、明日朝には南部の地面も白くなると思います。
そして・・・・県内全域、降りだしは「昼過ぎ」(12時~3時)ですね。
ここで、関東の天気マークを横目でチラッと見ると、傘マークと雪マークが混在していて悩ましさを想像させてくれます。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

この時期の南岸低気圧ではお約束の解説パターンです。
寒気が十分に南下しているわけではありませんが、低気圧が発達しながら関東の沖へと進んでくると、低気圧が、まるで掃除機のように北から地上付近に寒気を引きずりおろしてきます。
このため、雨が雪に変わるわけですが、低気圧が十分に発達しなかったり、進むコースが北よりになったりすると、寒気が十分の下りてこないので雪になりません。
一方、低気圧が陸から離れて通過すると雨のエリアが海上に出てしまって、せいぜいチラチラと雪が舞う程度で終わってしまいます。
そのほか地上付近の気温とか、局地的な低圧部のでき具合、風の吹き方など様々な要素が複雑にからみあって雪になるので、気象マニアには考える素材として面白い現象ですけど、現実にリスク回避の情報として使うなら、実況と新しい予報をコマメにチェックして対応するのが一番だと思います。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
まずは、今日降ってくるものの(この言い回しを汲んでください)降りだしと範囲をチェックしておきましょう。

予報文には降りだしが「昼過ぎ」と書いてありますから、正午の降水の様子をまとめてみました。
岐阜県や富山県方面から雨(雪)雲が押し寄せてきてきます。
はじめは北アルプスが雲をブロックしようとしますが、次第に北アルプスより背の高い発達した雲がやってきて、ダムが決壊するように県内に雨(雪)雲が広がります。
そして、いったん広がってしまえば、県内全域雨(雲)エリアになって、夜遅くまで・・・・。
で・・・・問題の雨・雪の区別(いまさら長野県内じゃ問題でもない?)。
区別のメインは気温ですから、まずは上空の気温からチェックしていきます。

一般的に、冬場に雪が降るか降らないかは上空5500m付近の気温から考えます。
普通、-30℃なら雪なんていうのですが、今夜-30℃の寒気ははるか北海道上空にあります。
(ちなみに、前回南部で雪が降ったときは本州まで南下していました)
これじゃ雪にならないじゃん!・・・・ということなんですけど、そうは問屋が卸さない。
下層・・・上空1500m付近の気温の様子もチェックすると・・・・

上空は気温が高めでも、地上付近には寒気が南下してくるようです。
上の天気図のアニメに書き込んでおきましたが、掃除機のような低気圧が地上付近に寒気を引きずり下ろすんですね。
そして、氷ができる0℃の線が県南部・関東付近まで。
この線より北では落ちてくるものが雪になる可能性が急増してきます。
ただ、地上付近の気温が高ければ融けてしまうので、-6℃まで下がらなければ、状況によって雨にも雪にもコロコロと変わってしまいます。
だから、南部は「雨か雪」、中部は「雪か雨」、-6℃の線がかかっている北部は「雪」の予報なんですね。
12時追記:北部の降りだしがちょっと早めだったので、寒気南下が間に合わず、雨で降りだしているところもあるようです。
さらに、地上付近に寒気が流れ込んでくる様子をチェック。

午後6時頃の上空1500m付近の気温をもっと詳しく見てみると、0℃の線が関東付近でググッと南下していることがわかります。
長野県南部よりずっと下がっていますよね。
だから、東京でも雪の可能性が高まっているわけです。
で・・・予想降雪量は、正直なところ今のKasayanには正確に予測できません。
とりあえず、気象庁が発表している分布予報のうち、午後6時からの6時間の降雪の様子を掲載しておきます。

21時30分追記:
中南信中心に大雪注意報が発表されています。
予想降雪量がハッキリしてきたので、注意報の原文には予想降雪量が記載されています。
なんだか今日はアクセス数が多いようなので、一部抜粋して掲載しておきますが、気象庁HPで原文は読んでくださいね。
上田地域 [発表]大雪,着雪注意報 [継続]着氷注意報
雪 12日明け方まで
24時間最大降雪量 菅平周辺 25センチ 菅平周辺を除く地域
15センチ
着氷 12日明け方まで
付加事項 降雪による交通障害
佐久地域 [発表]大雪,着雪注意報 [継続]着氷注意報
雪 12日明け方まで
24時間最大降雪量 25センチ
着氷 12日明け方まで
付加事項 降雪による交通障害
松本地域 [発表]大雪,着雪注意報 [継続]着氷注意報
雪 12日明け方まで
24時間最大降雪量 聖高原周辺 20センチ 聖高原周辺を除く地
域 15センチ
着氷 12日明け方まで
付加事項 降雪による交通障害
乗鞍上高地地域 [発表]大雪,着雪注意報 [継続]なだれ,着氷注意報
雪 12日明け方まで
24時間最大降雪量 20センチ
着氷 12日明け方まで
付加事項 降雪による交通障害
諏訪地域 [発表]大雪,着雪注意報 [継続]着氷注意報
雪 12日明け方まで
24時間最大降雪量 15センチ
着氷 12日明け方まで
付加事項 降雪による交通障害
ここまでは、お天気の教科書にも書いてあることをなぞっただけ。
本当はここから、地形の効果や地上付近の風の通り道、風がぶつかる場所などを詳しくチェックしていく必要があるのですが、ブログではこの程度にしておきます。
で・・・・今日の天気予報。
何か降るのは間違いなし。別のシナリオを考える意味はありません。
そして降りだし・・・予報は「昼過ぎ」ですけど、県の西のエリアは「昼前後」くらいに考えておけば十分でしょう。
また、雨と雪の比率については、遅くとも夜には南部でも雪になると考えておけばよいですし、予報自体が「雨か雪」なんて書いてあるわけですから、ハズレようもないでしょう。
それに、この季節、雪に対して準備OKの長野県ですから、雪と考えておくのが無難にきまっています。
ということで、今日の予報は当たる・・・・です。
15時30分追記:
ライブカメラで見る限りですが、降りだしは標高の高い所以外は雨主体です。
上で書いたように「遅くとも夜には雪になる」という流れで考えておいてください。
午前9時の観測で、輪島上空1500mでー3.9℃。推定上、長野県中部まで0℃のラインがかかっていますが、県上空に弱い低圧部が発生し、関東付近や東海沖の暖かい空気が下層に流れ込んでいると考えます。
このため、地上気温ほど雪(雨)雲下層が冷えておらず、雨主体になっていると思われます。
雪に変化する直前、過冷却といって0℃以下の雨が降り、電線着氷などの可能性が考えられます。
この点注意してください。着氷注意報(珍しいですね)が出ています。

そうそう・・・昨夜の記事に、昔雑誌に連載していた記事の草稿を載せておきました。
このブログの天気チェックの仕方が変わっているのはなぜ?がわかると思いますので、よかったら読んでみてください。
【オマケ】
低気圧が発達するパワーの源・・上空の気圧の谷の様子と、地上付近の空気の流れの図が作ってありますので、興味のある方はどうぞ・・・・


当ブログの記事等に関して、ご質問・ご意見等がありましたら、
kasayangw@yahoo.co.jp
までメールしてください。
可能な限り返信いたします。
2010年02月10日
連載最終回の草稿(2月10日)
久しぶりに、パソコンのファイルを整理していたら、昔ボート雑誌に連載していた記事の草稿がでてきました。
連載のタイトルは、このブログと同じ「Kasayanのお天気放談」。
プレジャーボートに乗る人達のために書いた記事ですが、一般生活やアウトドアのレジャーでも通じることを書いていたつもりです。
連載最終回の記事の中に、このブログのコンセプトを書いている部分がありましたので、抜粋して掲載しておきたいと思います。
お天気放談17年12月号原稿 サブタイトル:最終章・・天気予報の評価
3年間にわたって連載してきたKasayanのお天気放談も今回が最終回。
天気予報を見るときのお約束からはじまって、簡単な天気図の読み方や専門天気図の使い方、そして一年を通した天気の流れの典型パターンの見直しを解説してきましたが、一貫してお伝えしたかったのは、天気を見定めるための「考え方」でした。
予報の受け手である私たちにとって必要な知識の量と質は、予報を作成する人たちほど必要ではありませんし、気象(学)の知識は本に書いてあります。むしろ、私達にとって必要なのは、インターネットの普及によってネット上に溢れるほどある気象情報や、予報の自由化によってチャンネル毎に異なるようになったテレビの予報を、的確に取捨選択し、それを正しく「評価」をする能力なのです。
しかし、この「評価」の方法を体得することは難しく、どの本にも書かれていません。
最終回では、今まで細切れにお伝えしてきた「評価」の方法のエッセンスだけを搾り出して、一気にまとめてみたいと思います。
1、天気予報を評価するということ
気象学のプロが集団になって発表している気象庁の予報と、一個人の予報を比較すれば、いずれが正しいかは明らかです。また、伝説の気象予報士?と言われるような予言者のような人がいたとしても、その予報が気象庁に勝る可能性があるのは、極めて限られた地域の予報に過ぎないでしょう。
にもかかわらず、予報がはずれて海上で怖い思いをしたり、せっかくの計画がオジャンになったりすると、天気予報に疑心暗鬼になって、自分なりの予想を立てたいという気持ちになります。実は私自身も、そんな気持ちから気象予報士になったのですが、立場が変わって天気予報を伝える側に立ってみると、天気予報がはずれたと感じられていた多くの場面は、予報の受け手の「評価の誤り」(予報内容や可能性の解釈とそれに基づいた行動選択の誤り)に過ぎなかったということに気づいたのです。
したがって予報を伝える者は、受け手が予報の評価を誤らない伝え方をしなければなりませんが、そのためには、「晴れ時々曇り」だけで終わらずに「ここ数日の傾向から見ると高気圧が計算以上に張り出すおそれがあって、北東の風が吹き込んだ場合には予報がはずれて小雨が降るかもしれない」という予報の曖昧さ(自信の無さ?)まで伝える必要があるのです。このように、言葉ではずれ易さを伝えるほうが、降水確率のようなハッキリしない数字よりは、よっぽど正しい評価に役立つことでしょう。
しかし、日本の天気予報のスタイルは「ズバリ」ということが重視されていて、たとえどんなに不安要素のある予報であっても断定的に伝えなければいけないという不文律があるのです。
晴れなのか雨なのか断言しなければ、国民を不必要に惑わすだけだという考え方もありますし、洗濯物が乾きやすいのか、勤め帰りに傘が必要なのか?ということのためだけに天気予報が使われるのであれば、むしろこのスタイルのほうが良いのかもしれません。
でも、海に船を出すということは、命にかかわることです。船を出せるというメリットと、悪天に遭遇するというリスクを衡量するための唯一の検討材料が天気予報であることを考えれば、不安要素のある予報を「ズバリ」出されても、それは迷惑以外の何者でもないでしょう。
ちょっと重くなってしまいましたが、ここでお伝えしたいのは、天気の予想はプロである気象庁にまかせておくということ。そして、私たちが天気予報の受け手としてすべきことは、予報の評価を誤らないために、気象庁や気象会社、そしてお天気キャスターが決して口にしない「天気のはずれ易さはどの程度なのか?」という消極的な部分を、読み取るということなのです。
これが、3年間私がお伝えしたかった最も重要なポイントです。