2010年02月09日
天気予報は当たるのか?(2月9日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
今朝、最新の予報が発表された午前5時の雨の様子。

日本海沿岸がブルーに染まっていますが、雪は北海道や標高の高い山だけ。
この雨の帯が今夜にかけて太平洋までゆっくりと南下してきますから、今日の天気回復はほぼ望めないことが感覚的にわかりますよね?
今日の天気予報のポイント・・・今日一日ぐずつく・・・・・じゃなくて・・・・こんな天気が少なくとも金曜日(12日)まで続きそう・・・です。
ようは週間予報がテーマになってしまうわけです。
で・・・テレビの天気予報では朝から週間予報の画面を映して、「しばらくはぐずついた天気が・・」なんて解説があると思います。
でも、信頼できる週間予報をチェックしたいと思うなら、朝の天気予報は無視して、お昼の新鮮な天気予報でチェックする必要があります。
週間予報は一日2回、11時と17時に発表されるもの。
朝の天気予報で使われている週間予報は、昨日17時に発表された古い予報だからです。
(朝の週間予報は今日・明日の予報が新しくなっているだけ。昨夜見た天気予報と内容は同じです。)。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

今日の天気分布は日本が二分されます。
日本海側と太平洋側の冬型じゃなくて、北日本とそれ以外のエリアです。
上のレーダー画像で見たように、ぐずつきエリアは雨域が南下することによる傘マーク。
北日本は・・・・天気を悪くする何かが抜ける・・・・下の天気図をカンニングすると、低気圧が抜けるんだなってすぐにわかります。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

北部は雨ベースの時々くもり。
中南部は曇りベースの時々雨。
南部の「時々」は「朝晩」中心です。
「時々」という用語の定義は、「現象が断続的に起こり、その現象の発現期間の合計時間が予報期間の1/2未満のとき。 」ですから、雨とくもりの時間比率の問題。
中南部は雨の比率が低いようですけど、一言で県内の天気を表現すれば、「今日の県内は北部を中心にぐずつく」・・・です。
明日の予報文も書き込んでおきました。
県内「くもり」ですけど・・・・・明日の朝の予報では「所により 雨」が付いてくる可能性が十分ありますから、明日の天気が気になる方は今夜、できれば明日朝の予報で再確認が絶対必要です。
18時追記:
午後5時発表の予報では、明日の予報は曇りマークですけど、やっぱり「所により雨」がついてきました。
計算値が不安定になっているようなので、明日朝のチェックも必ずしたほうがよさそうです。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

図の書き込みだけでご理解いただけると思いますが・・・・
前線南下といっても、長野県は前線の東の端っこ。おまけに、今夜東海沖に低気圧が発生します。
このアニメでは前線がただ南下するだけに見えますけど、前線の活動が強まったり弱まったりする複雑な場所ですから・・・何時から何時までどこどこで雨と言い切るのは難しい状況。
結局「ぐずつく」という表現がピッタリの天気だと考えます。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
まずは、今日の雨の降り方からチェック。
正午の雨の様子を見てみましょう。

日本海側の雨・・・そのまま順調に南下するのではなくて、日本海側の雨雲が太平洋側にバトンタッチされるように変化します。
その中間にあるのが長野県・・・中南部の雨は日中少なめ・・・・
そして、バトンタッチ前から雨雲がかかっている北部の雨の時間帯が長いことがわかりますよね。
だから北部は雨ベースの予報で、中南部は曇りベースの予報。
でも、バトンタッチがされると、太平洋側の雨雲が発達しはじめます。
これが南部の「朝晩 雨」の「晩」の雨です。
見えにくいですが、図中、風の様子を示す青の矢ばねは南西の風。
この風にのって雨の原料になる湿った空気が運ばれてくるのですが、この風がぶち当たる北アルプスや中央アルプス、南アルプスが湿った空気をブロックして、その周辺で降水が多くなっています。
このあたりが中南部でも「時々」雨の降りやすいエリア・・・といえそうです。
ただ、これはあくまで「傾向」ですから・・・頭の中のベースは「県内は北部を中心にぐずつく」にしておいてください。
そして、この雨・・・すでに雨と言い切っていますけど・・・雪じゃないことを確認。

上空1500m付近の気温は一日を通して県内は0℃以上。
標高がかなり高い山じゃなければ雨中心。
多くのスキー場が雨でベタベタの雪になってしまいそうです。
もちろん、雪崩や融雪洪水は要注意ですね。
で・・・・・この状態が続いてしまうということを一目でチェックできるようにしてみました。


12日まで日本は気圧の谷の底。
もちろん雨のメリハリはありますけど、ぐずつきやすい状態が続くことだけは確かです。
気温も高め。

グラフ中、館野は茨城県。縦軸のゼロより高ければ平年より気温が高めということを意味します。
札幌以外では12日まで気温がかなり高めに推移することがわかります。
ですから、この期間、降ってくるものは雨の可能性大。
温暖化なのに寒波とはなんだ!とブツブツ言っていた人も、今週は温暖化かも・・・とか言い出しそうです。
で・・・・再び今日の天気は・・・・基本的にぐずつき傾向・・・
北部の雨ベースが曇りベースになる可能性もありますし、中南部で一時的に太陽が顔を出す可能性もゼロじゃありませんけど(この表現をくみ取ってください)、「ぐずつき傾向」という本筋を崩す可能性は低いと考えます。
したがって、今日の予報は当たると考えます。
もし想像したより晴れたら?・・・・ラッキーと思ってください。
11時45分追記
長野地方気象台・・11時発表の予報で、予報を良い方向にワンステップ修正してきました。県東部を中心に晴れ間が出ていることと、レーダーによる実況を考慮して、日中の雨を少なめに見積もった結果だと思います。このような修正が予報の改悪になるか改善になるか?昼から上層雲が厚くなる傾向ですが、この影響があっても午後が「時々 晴れ」といえるか?がポイントだと思います。そうなったら?ラッキーですよ。
当ブログの記事等に関して、ご質問・ご意見等がありましたら、
kasayangw@yahoo.co.jp
までメールしてください。
可能な限り返信いたします。
1、今日の一言
今朝、最新の予報が発表された午前5時の雨の様子。

日本海沿岸がブルーに染まっていますが、雪は北海道や標高の高い山だけ。
この雨の帯が今夜にかけて太平洋までゆっくりと南下してきますから、今日の天気回復はほぼ望めないことが感覚的にわかりますよね?
今日の天気予報のポイント・・・今日一日ぐずつく・・・・・じゃなくて・・・・こんな天気が少なくとも金曜日(12日)まで続きそう・・・です。
ようは週間予報がテーマになってしまうわけです。
で・・・テレビの天気予報では朝から週間予報の画面を映して、「しばらくはぐずついた天気が・・」なんて解説があると思います。
でも、信頼できる週間予報をチェックしたいと思うなら、朝の天気予報は無視して、お昼の新鮮な天気予報でチェックする必要があります。
週間予報は一日2回、11時と17時に発表されるもの。
朝の天気予報で使われている週間予報は、昨日17時に発表された古い予報だからです。
(朝の週間予報は今日・明日の予報が新しくなっているだけ。昨夜見た天気予報と内容は同じです。)。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

今日の天気分布は日本が二分されます。
日本海側と太平洋側の冬型じゃなくて、北日本とそれ以外のエリアです。
上のレーダー画像で見たように、ぐずつきエリアは雨域が南下することによる傘マーク。
北日本は・・・・天気を悪くする何かが抜ける・・・・下の天気図をカンニングすると、低気圧が抜けるんだなってすぐにわかります。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

北部は雨ベースの時々くもり。
中南部は曇りベースの時々雨。
南部の「時々」は「朝晩」中心です。
「時々」という用語の定義は、「現象が断続的に起こり、その現象の発現期間の合計時間が予報期間の1/2未満のとき。 」ですから、雨とくもりの時間比率の問題。
中南部は雨の比率が低いようですけど、一言で県内の天気を表現すれば、「今日の県内は北部を中心にぐずつく」・・・です。
明日の予報文も書き込んでおきました。
県内「くもり」ですけど・・・・・明日の朝の予報では「所により 雨」が付いてくる可能性が十分ありますから、明日の天気が気になる方は今夜、できれば明日朝の予報で再確認が絶対必要です。
18時追記:
午後5時発表の予報では、明日の予報は曇りマークですけど、やっぱり「所により雨」がついてきました。
計算値が不安定になっているようなので、明日朝のチェックも必ずしたほうがよさそうです。
長野県 9日17時
明日 くもり 所により 昼前 から 夕方 雨
中部
明日 くもり 所により 昼前 から 夕方 雨
南部
明日 くもり 所により 昼前 から 夕方 雨
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

図の書き込みだけでご理解いただけると思いますが・・・・
前線南下といっても、長野県は前線の東の端っこ。おまけに、今夜東海沖に低気圧が発生します。
このアニメでは前線がただ南下するだけに見えますけど、前線の活動が強まったり弱まったりする複雑な場所ですから・・・何時から何時までどこどこで雨と言い切るのは難しい状況。
結局「ぐずつく」という表現がピッタリの天気だと考えます。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
まずは、今日の雨の降り方からチェック。
正午の雨の様子を見てみましょう。

日本海側の雨・・・そのまま順調に南下するのではなくて、日本海側の雨雲が太平洋側にバトンタッチされるように変化します。
その中間にあるのが長野県・・・中南部の雨は日中少なめ・・・・
そして、バトンタッチ前から雨雲がかかっている北部の雨の時間帯が長いことがわかりますよね。
だから北部は雨ベースの予報で、中南部は曇りベースの予報。
でも、バトンタッチがされると、太平洋側の雨雲が発達しはじめます。
これが南部の「朝晩 雨」の「晩」の雨です。
見えにくいですが、図中、風の様子を示す青の矢ばねは南西の風。
この風にのって雨の原料になる湿った空気が運ばれてくるのですが、この風がぶち当たる北アルプスや中央アルプス、南アルプスが湿った空気をブロックして、その周辺で降水が多くなっています。
このあたりが中南部でも「時々」雨の降りやすいエリア・・・といえそうです。
ただ、これはあくまで「傾向」ですから・・・頭の中のベースは「県内は北部を中心にぐずつく」にしておいてください。
そして、この雨・・・すでに雨と言い切っていますけど・・・雪じゃないことを確認。

上空1500m付近の気温は一日を通して県内は0℃以上。
標高がかなり高い山じゃなければ雨中心。
多くのスキー場が雨でベタベタの雪になってしまいそうです。
もちろん、雪崩や融雪洪水は要注意ですね。
で・・・・・この状態が続いてしまうということを一目でチェックできるようにしてみました。


12日まで日本は気圧の谷の底。
もちろん雨のメリハリはありますけど、ぐずつきやすい状態が続くことだけは確かです。
気温も高め。

グラフ中、館野は茨城県。縦軸のゼロより高ければ平年より気温が高めということを意味します。
札幌以外では12日まで気温がかなり高めに推移することがわかります。
ですから、この期間、降ってくるものは雨の可能性大。
温暖化なのに寒波とはなんだ!とブツブツ言っていた人も、今週は温暖化かも・・・とか言い出しそうです。
で・・・・再び今日の天気は・・・・基本的にぐずつき傾向・・・
北部の雨ベースが曇りベースになる可能性もありますし、中南部で一時的に太陽が顔を出す可能性もゼロじゃありませんけど(この表現をくみ取ってください)、「ぐずつき傾向」という本筋を崩す可能性は低いと考えます。
したがって、今日の予報は当たると考えます。
もし想像したより晴れたら?・・・・ラッキーと思ってください。
11時45分追記
長野地方気象台・・11時発表の予報で、予報を良い方向にワンステップ修正してきました。県東部を中心に晴れ間が出ていることと、レーダーによる実況を考慮して、日中の雨を少なめに見積もった結果だと思います。このような修正が予報の改悪になるか改善になるか?昼から上層雲が厚くなる傾向ですが、この影響があっても午後が「時々 晴れ」といえるか?がポイントだと思います。そうなったら?ラッキーですよ。
長野県 9日11時
北部
今日 くもり 時々 晴れ
所により 夕方 まで 雨
中部
今日 くもり 時々 晴れ
所により昼過ぎ まで 雨
南部
今日 くもり 所により 雨
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kasayangw@yahoo.co.jp
までメールしてください。
可能な限り返信いたします。