2010年02月26日
県南部でまとまった雨
県南部では午後9時前後から雨あしが強まっていて、おとなりの岐阜県、岐阜・西濃地域では洪水警報も発表されています。

また、長野地方気象台は、午後6時の「なだれと融雪及び洪水に関する長野県気象情報 第1号」を発表して、注意を呼び掛けています。
この季節にこれだけまとまった雨が降るのは珍しいですから、聞きあきた融雪・なだれの注意報もちょっと違った感覚でとらえたほうが良いかもしれません。
この雨、明日の明け方まで降り続き、その後はいったん回復する見込みですが、明け方にかなりまとまった降水が予想されています。

長野地方気象台発表の気象情報を備忘録を兼ねて以下に引用掲載しておきます。
http://www.jma.go.jp/jp/kishojoho/322_index.html
なだれと融雪及び洪水に関する長野県気象情報 第1号
平成22年2月26日18時00分 長野地方気象台発表
(見出し)
県内では、27日にかけて雨が続き、気温も上昇するため、なだれや雪解けによる土砂災害、河川の増水に注意して下さい。
(本文)
[気象状況]
九州付近には前線を伴った低気圧があって、東に進んでいます。また寒冷前線が北日本を南下中です。
このため、長野県では27日にかけて雨となるでしょう。また南から暖かい空気が流れ込み、気温が上昇するため、多雪地では雪解けがすすむでしょう。
[雨の予想]
27日18時までの24時間予想降水量は、いずれも多い所で
北部 40ミリ
中部 50ミリ
南部 120ミリ
の見込みです。
[防災事項]
27日にかけて、雪解けによる土砂災害に注意して下さい。南部では27日にかけて、河川の増水に注意して下さい。また、積雪の多い傾斜地では、しばらくなだれに注意して下さい。
[補足事項]
次の「なだれと融雪及び洪水に関する長野県気象情報」は、27日6時頃に発表する予定です。
2010年02月26日
天気予報は当たるのか?(2月26日)
故郷長野の帰ってきた気象予報士Kasayan。おきまりのテレビの天気予報とはちょっと異なる視聴者の視点から、今日の天気予報をチェックしています。今日の天気予報は当たるんでしょうか?
1、今日の一言
京都 京都 ウグイス初鳴
石川 金沢 ウグイス初鳴
石川 金沢 ウグイス初鳴
岐阜 岐阜 タンポポ開花
福井 福井 スイセン
これは昨日(25日)に気象庁が発表した季節の便りの一部です。
都会で仕事をしていた頃は、このような情報にあまり関心を持てなかったのですが、長野に帰ってから、妙にほのぼのとした情報に見えて、チェックするようになってしまいました。
寒い冬を通り抜ける長野県だけに、春の兆しに敏感になるのかもしれません。
お隣の岐阜県ではタンポポが咲き、ご近所の石川県でもウグイスが鳴いたんですね。

と・・・・ほのぼのしていたら、今日は一転して雨。
九州方面ではバケツをひっくり返したような強い雨になっているようです。
今夜には雨脚が強まる可能性もあるので、このところ慣れ過ぎてしまった融雪注意報や雪崩注意報ですが、今日は特に要注意といったところです。
2、全国の予報
テレビやネットでご存じの天気マークの天気予報。使い方次第で何倍にも役立てることができますよ。まずは全国の予報から。「木を見て森を見ない」などと言いますが、天気予報も頭上の天気だけを気にしていてもダメ。
天気の変化は他県からやってきます。

北日本は、「のち 晴れ」マークもあって、早めに回復傾向。
ところが他のエリアは「雨」や「のち 雨」の下り坂。
日本に雨を降らせる原因が二つあって、通過するタイミングが異なるということですね。
3、長野県の予報
長野にズーム。見るのは天気マークの天気予報だけ?
「・・のち・・」って何時でしょう? 「所により・・」はマークだけじゃわかりません。

全域「のち 雨」マークですけど、日の出の時点ですでに降り始めているところがありますから、県西部では事実上は雨一発に近い感じでしょう。
明日の予報文も書き込んでおきましたが、週末の明日も「時々 雨」。
菜種梅雨が一カ月近く早く来たような感じです。
4、一般的な天気図の評
どんな理由でその予報は作られたんでしょうか?理由がわからなければ占いと同じ?テレビの解説は「天気予報の確からしさ」を知るための道具です。

衛星画像から実況天気図、そして予想天気図へとチェンジさせてみました。
北からは寒冷前線、西からは低気圧。
昨日に引き続き南から湿った空気が流れ込む傾向です。
雨の原料が次々と供給されますから、低気圧が長野県に接近する今夜、この時期としては珍しいまとまった雨が予想されています。
5、今日の天気予報は当たるのか?
100%じゃない天気予報。もしハズレるとしたらどうなるんでしょうか?
予報のハズレで失敗しない方法を考えます。
今日は最初から、今日の予報はあたる・・・ということにしておきます。
雨が降るのは間違いないですし、雪崩に融雪洪水のおそれもありますから、雨があまり降らない可能性を考えるのは意味がないですから。
そこで、雨の降り方をまとめておくことにしました。

先に見たレーダーでは、すでに県南部や西部で雨が降りだしていますが、東部への拡大のタイミングは午前9時頃。
ただ、温暖前線全面の雨雲で、低気圧本体はまだまだ中国地方です。

そしてお昼。
雨雲は県内全域に拡大。
もっとも松本・諏訪方面と上田方面の降水が帯状に少なくなっています。
今後の天気チェックのために風の様子からこの理由を確認。

北アルプスを越える上空3000m付近の風の流れがこれ。
南西の風が中心です。
そして、見えにくいですけど、雨の少ないエリアは下降流域になっています。
北アルプスや中央アルプス・霧ヶ峰の南西斜面で雨雲が特に発達して、これらの山を下る風のエリアでは雨が少なくなっているようです。
12時40分追記
やはり松本・諏訪 上田・佐久方面まで降水域が拡大しません。今後のための備忘録にレーダー画像を掲載しておきます。

さて、次は低気圧が接近してくる夜9時。

低気圧が二つ書き込んでありますが、MSMという計算値とGSMという計算値で低気圧の位置が異なっています。
気象庁はGSMという計算値が示す位置に低気圧を予想していますが、計算値がばらつくということは予報も微妙に誤差があると考えておいたほうが吉。
ただ、今夜はいずれの位置に低気圧が進もうと、日中降水が少なかったエリアも含めて南部中心にまとまった雨になりそうです。
昼間のうちに、雪解け水が大量に流れ込む水路や雨どいのが冬の間に詰まっていないか確認しておいたほうが良いかもしれませんね。
最後に、雨の原料となる湿った空気が流れ込む様子も確認。

夜になっても長野県付近まで沖縄と同じ湿った空気が流れ込んでいます。
太陽が出ていないぶん、昨日ほど気温は上がりませんけど、それでもかなり高めで、夜の雨はやっぱり南部ほど強めになることが予想されます。
で・・・この雨は、明日どんな降り方を見せるのか?
計算値がばらついている状況ですから、今夜の天気予報でチェックするのが良いでしょう。
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